エダマメは、ダイズを若どりしたもので、緑黄色野菜の一つです。緑黄色野菜のもつカロテンやビタミン類に加えて、ダイズの持つたんぱく質、脂肪、鉄分が多く、両方の良いところを併せ持った優れた栄養価があります。
エダマメの栽培特性
エダマメは、日本由来の大豆の一種であり、サヤから取り出した小豆のような形をした緑色の豆です。
【栽培特性】
- 気候条件:エダマメは暖かい気候を好みます。適温は20℃〜25℃です。霜に弱いため、霜の降る地域では、霜の降る前に収穫する必要があります。
- 日照条件:エダマメは日照時間が長い方がよいです。 特に、花の芽形成期には十分な日照が必要です。
- 土壌条件:エダマメは、排水性の良い土壌をこのみます。過湿にならないよう注意する必要があります。pHは6.0〜7.0になっています。
- 播種時期:エダマメの播種時期は、4月下旬から6月上旬が一般的です。播種前には、土壌を耕して、良い状態に整える必要があります。
- 収穫時期:エダマメは、収穫時期が遅れると食味が劣化するため、収穫時期には注意が必要です。
- 病害虫:エダマメは、アブラムシ、カイガラムシ、ハモグリバエなどの害虫に注意する必要があります。また、アントラクノース病、細菌性萎縮病、葉枯病などの病気にも注意が必要です。
【土壌条件】
畑に土壌がガチガチの時があります。土が固いと水はけが悪いですし、また根が伸びにくいですので養分などの吸収もできません。このようなときはもみ殻を畑にまいて耕します。こうすることにより、土ともみ殻との間に隙間ができて土が柔らかくなります。
もみ殻の使い方動画です。よろしければ参考にして下さい。
もみ殻の代わりになるものとしてバーク堆肥というものがあります。
【品種】
ダイズの着花、開花には日長が関係し、その反応により夏ダイズ型、中間型、秋ダイズ型に分けられます。エダマメに用いる品種は夏ダイズ型が多い。早生種に奥原早生(各社)、夏到来(サカタ)、富貴、白獅子(タキイ)など、普通種に白鳥(各社)、中生種に三河島(各社)などがあります。山形、新潟方面には味のよい独特の在来種があります。
栽培方法
栽培方法は「エダマメの育て方・栽培方法」をご覧ください
たくさん収穫できるかできないかはこの摘芯にかかっています。とても重要な作業の一つです。
摘芯の仕方の動画です。ご覧ください。
【病害虫】
害虫についてはこちらをご覧ください。
栽培のポイント
【ほかの野菜の半分が肥料の基準】
マメ科の野菜であるエダマメは、粒菌が寄生しているので、元肥、追肥ともほかの野菜の半分程度の量で充分です。
根粒菌は窒素を固定する働きがあり、マメ科野菜に窒素を供給しています。窒素は葉肥とも呼ばれ、葉や茎などの植物を大きく育てる働きがあります。その為、施肥量が多すぎると、草丈が伸びて葉ばかりが茂る蔓ボケになります。
ただし、一度もマメ科野菜を栽培したことがない畑の場合は、肥料は標準程度に施します。
【種まきから発芽迄が要注意】
童謡「鳩ポッポ」に歌われるように、豆は鳩の大好物です。エダマメの種(豆)は、種まきの直後から取りに狙われます。水を吸ってふやけた種や、発芽直前の双葉は柔らかく、鳩やカラスに食べられやすいです。種まき後からしばらくは不織布や寒冷紗をかけて、鳥を寄せつけないようにします。本葉(初生葉)が展開するようになれば、大丈夫です。
【土寄せでまっすぐに育てる】
エダマメは根張りが浅く、風邪で倒れやすいので、株元への土寄せが大切です。茎が曲がったり、さやが地面に触れて汚れてしまうので、成長段階に応じた土寄せをします。
一般的には、本葉が伸び始めたら双葉のすぐ下まで、草丈が20cm~30cmくらいの時には葉が埋まらない程度に土寄せして、まっすぐでがっちりした株に育てます。
【害虫防除は開花期が勝負】
さやは大きくなるのに、中のマメが太ってこないのは、カメムシやマメシンクイムシの典型的な被害です。
開花直後のまださやが小さいうちに、中のマメにとがった口を刺しこんで、養分を吸い取ってしまいます。その為、葉が光合成をして作った養分が実にためられず、葉や茎に逆流して蔓ボケを引き起こします。
害虫は開花期の防除がポイント。寒冷紗をかけるか、捕殺、または殺虫剤の散布で撃退します。
【収穫は実の膨らみを確認して】
エダマメの収穫の適期が短く、本当においしい時期は数日しかありません。さやを押したときに豆がポンと弾け出るくらいが最高においしいタイミングです。
豆の株の下の方から実ってくるので、株の下と上では成熟具合に差があります。株の中ほどから下のさやが太ってきたら、株ごと抜いて収穫します。
収穫の適期を逃すと、さやが黄変し始め、豆がかたくなります。
【品種の分化が進むエダマメとダイズ】
エダマメを収穫せずに育てれば、ダイズになります。ただし、ダイズは種まきから収穫まで130日程度かかります。真夏の高温期を乗り切らなければならず、栽培の難易度は高いといえます。
また、エダマメとダイズは品種の分化が進んでおり、若どりするとおいしい品種がエダマメです。
エダマメ用品種をダイズになるまで育てておいしいかどうか、反対に、完熟させるとおいしいダイズ用品種をエダマメで食べておいしいかどうかは、食べてみるまではわかりません。
エダマメのおいしい食べかた
とれたてのエダマメを塩ゆでして、ビールで乾杯!ホクホクとした食感と甘み、風味抜群でさわやかな緑色は、夏の家庭菜園ならではの醍醐味です。
鮮度が落ちやすく、「鍋を火にかけたら取りに行け」ともいわれるほどです。収穫後はすぐに茹でて、自家製のおいしさを味わってください。
エダマメの一番おいしいのは、収穫後ですが、たくさん収穫した場合の保存方法としておすすめなのが、冷凍保存です。固めに茹でて室温で覚ましたのち、冷凍します。必要な時に軽く茹でなおして塩をふると、不思議なことに、とれたての甘みと風味はそのままのおいしいエダマメが味わえます。
ところで、ビールのお供にエダマメというのは、食べ合わせの面からも理にかなっています。エダマメに多く含まれているメチニオンという成分には、アルコールから肝臓や腎臓を守る働きがあります。ビタミンB1とビタミンCには、肝臓の負担を軽減する効果があるので、エダマメはビールの力強いパートナーといえます。とはいえ、の飲み過ぎはご注意を・・・
引用元:家庭菜園の大百科、野菜づくり虎の巻
まとめ
エダマメは作りやすいですが、注意しなければいけない点が何点かあります。
- 適切な種子選び:エダマメの種子は品種によって特性が異なります。栽培環境に合わせて、適切な品種を選ぶことが重要です。また、種子は新鮮なものを使用し、保存期間が過ぎたものは使わないようにしましょう。
- 適切な播種時期の選定:エダマメは、播種時期が遅れると収量が減少し、食味も劣化します。地域や栽培環境に合わせて、適切な播種時期を選定することが重要です。
- 土壌管理:エダマメは排水の良い土壌が特徴です。過湿にならないよう、排水性の良い土壌を選び、土壌の管理をしっかりと行いましょう。
- 害虫・病気対策:冒頭でも紹介しておりますが、それいがに、アブラムシ、カイガラムシ、ハモグリバエなどの害虫や、アントラクノース病、細菌性萎縮凋病、葉枯病などの病気に注意が必要です。予防的な管理を行い、早期発見・対処することが大切です。
- 収穫時期:エダマメは、収穫時期が遅れると食味が劣化するため、収穫時期には注意が必要です。
以上が、エダマメの栽培において気をつけなければいけないことの一部です。 適切な栽培管理を行い、美味しいエダマメを収穫しましょう。