初めてのダイコン栽培‼失敗しないための実践的アドバイス

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ダイコンは、アブラナ科の代表的な野菜です。栽培時期は春まきの4月中旬と秋まきの9月があります。栽培方法は、基本、同じです。

出典:写真AC

ダイコンの特徴

ダイコンには、デンプンやグリコーゲンを分解する消化酵素のジアスターゼが多く含まれ、胃もたれを防ぐ効果があります。また、辛み成分はアブラナ科に多く含まれるグルコシノレートで、特有の刺激はミロシナーゼという加水分解酵素の作用によって生じ、イソチオシアネートに起因します。

スズシロと呼ばれる葉の部分は春の七草のひとつとして親しまれています。葉の部分は捨てられることが多いですが、カロテン、ビタミンC、カルシウムなどを含んで栄養価が高く、炒め物にすると吸収力が高くなります。また、種まきとして発芽直後のものをカイワレダイコンといい、ピリッとした食感で、スプラウト食材としてサラダなどに重宝します。

栽培特性

  • 冷涼な気候を好み、一般的に耐暑性は弱く耐寒性は強いです。
  • 土壌の適応は広く、かなり、やせ地でもよく育ちますが、耕土が浅すぎたり未熟な有機物や石などがあると根が変形しやすくなります。
  • ウィルス病にかかりやすいので、害虫防除を入念に行いましょう。

品種

栽培歴が古く、全国各地に分布しているので、在来品種も多く、品種改良も盛んに行われ、多くの品種があります。

  • 秋どりには耐寒太り(タキイ)、秋王(サカタ)
  • 秋まき春どりにはおおくろ(タキイ)、天風(サカタ)
  • 夏どりには天宝(サカタ)、おしん(タキイ)、YR青山(トキタ)など・・・

栽培方法

ダイコンは、最低5℃、最高32℃で生育し、生育適温は17~21℃です。ダイコンは直根性の野菜で移植を嫌いますので、畑にじかに種をまいて育てます。セルやポットで育苗すると根が曲がったりいくつかにわかれたりしますので厳禁です。

種まきは春まきと秋まきが出ますが、その際は品種を使い分けることがポイントです。青首ダイコンは本来秋まきの品種で、晩秋から冬に収穫するのがもっとも作りやすく味もよくなります。

春まきの場合は、まだ気温が低いために、低温に感応して花芽をつけ、その後に気温が高くなり、日も長くなるのでとう立ち(抽だい)しやすくなります。とう立ちになりにくい品種には『おしん』や『天翠』などがあります。

土壌について

ダイコンが好む土壌は、弱酸性で通気性のよい、膨軟(やわらかくふかふかしている)土質です。「ダイコン+耕」という言葉がありますように、ダイコンは地中に深く伸びるので深く耕せば耕すほどよいとされます。排水がしにくい土壌の場合は高畝にして深い耕土を確保すればいいでしょう。

また、土の中に石や木片などの有機物が入っていたり、未熟な堆肥が入っていたりすると根の伸長の障害になりますので取り除きます。肥料は土とよく混ぜ合わせるか、溝施用では畝のわきに入れて対処しましょう。

間引き

ダイコンの種まきは、春まきは4月中旬、秋まきは9月に行います。畝に種を直まきしたら、鳥害やアブラムシのなどの害を防ぐために、不織布をべたがけして育成します。しっかりと裾に土をかけ、害虫の侵入を防ぎましょう。また、べたがけすると強風などの被害も軽減されますので、なるべく長く皮覆しておきます。間引きは2~3回に分けて行います。

具体的には

  • 第1回目は、本葉が1枚出た頃に3本にします。
  • 第2回目は、本葉が3~4枚の頃に2本にします。
  • 第3回目(最終間引き)、本葉が6~7枚の頃に1本にします。1本立ちにしたあと、追肥をして、残した株の周囲に子葉の下まで土寄せをして、ぐらつかないようにしっかりと固定させます。

※間引きのとき子葉の形のよいものを残します。(生育初期に子葉が整形のものは根形がよく、不整のものは根の形も崩れやすい、といわれます。)

間引きのポイントとして、間引いたあと、軽く株元に土を寄せて、ぐらつかないようにします。

収穫について

ダイコンは、種まきから2ヶ月で収穫し始めます。青首のダイコンは地上に出た根の太り具合で収穫期を判断します。根茎の直径が8cm程度になったら、収穫時期です。

秋冬に収穫する場合は肥大が遅く、す入りも遅いので、ゆっくり収穫できます。春は成長が早いので収穫の遅れに注意しましょう。

収穫した後は、葉をつけたままだと、葉から水分が蒸発し、根がしなびてしまいます。葉をもぎ取って別々に保存しましょう。洗ったものはラップなどで包んで冷蔵庫など5℃程度の場所で保管します。

土つきのダイコンは、葉をつけたまま畑に深く穴を掘って、葉だけ出して埋めておくと。1ヶ月は保存ができます。

栽培のポイント

【栽培手順】

畑の準備・マルチング➡種まき➡べたがけ➡間引き➡追肥・土寄せ➡収穫

直根性のため、よく耕してから種をまく

日当たり、水はけのよい場所を選んで種をまきます。種まきの2週間前に、苦土石灰をまいて酸度調整をして、よく耕しておきます。土壌酸度(pH)の目安は5.5〜6.5

種まきの前に深さ30cm程度まで掘ってよく耕します。土の塊や異物があれば取り除きます。

堆肥2kg/㎡、化成肥料100g/㎡を全面にまいて耕し、幅1m、高さ5cm(2条植え)の畝を作ります。

マルチングして点まきする

マルチングすると、成長の時期の保温、保湿の効果があり、しっかりとした株に育ちます。マルチフィルムを畝全体に敷き、周囲に土を盛って風で飛ばされないようにします。

マルチフィルムには条間約45cm、株間30cmをとって、植穴をあけて点まきをします。ダイコン用にあらかじめ穴があけられたフィルムを使ってもかまいません。

保温・保湿と害虫防除のためにべたがけをする

種は1ヶ所に4~5粒ほど置いて、薄く覆土します。

畝全体に不織布をべたがけにし、風に飛ばされないように周囲に土を盛るか。留め具でしっかり止めます。べたがけには、保湿・保温効果のほか、苗の害虫から守る役割もあります。

間引き時にほかの株を傷つけない

  • 種まきから約1週間後、発芽がそろったら、1回目の間引きをします。子葉の形が悪いものは抜いて3本残します。
  • 2回目の間引きは、本葉が2~3ついたときに行います。生育のそろったものを2本残し、ほかのものは引き抜きます。
  • 3回目の間引き本葉が6~7枚付いたころに行い、最終的に生育の良い1本残します。1本立ちした後に、化成肥料30g/㎡をマルチの穴に施します。

間引くさいは、残す苗を傷めないように注意しましょう。そのためには、株元を押さえて抜き、土寄せをしておきます。

防虫ネットのトンネルも、虫対策に有効

アブラナ科の野菜は、害虫によって葉を食い荒らされ、穴だらけになって生育を阻害されがちです。このため、虫を寄せつけない対策が必要となります。

べたがけした不織布を、そのままかけ続けてもいいですが、成長に合わせて防虫ネットのトンネルがけに切り替える方法もあります。1回目の間引き後、べたがけを外し、防虫ネットを設置します。トンネル支柱を60cm程度の間隔で、畝の上で半円形になるように差し込み、支柱の上から目合い(網目の大きさ)が0.8mm以下の防虫ネットをかぶせます。ネットをピンと張って周囲を土で盛り、さらに上から数ヶ所トンネル支柱を差して固定します。

キスジノミハムシの食害に注意

大根の葉に点々と小さな穴があいたら、アブラナ科の野菜の害虫、キスジノハムシの食害が考えられます。成虫は葉を、幼虫は根を食べます。幼虫が多くなると、根が食べらた網目状のあとが残るので注意しましょう。

このほか、ウィルスを媒介するアブラムシ、ダイコンシンクイムシやコナガの幼虫、アオムシなども発生します。いずれも大発生して手がつけられなくなる前に、見つけしだい捕殺し、風通しをよく管理することが大切です。

※害虫が活動を続ける11月上旬くらいまでは、防虫ネットをかけて、対処しておきましょう。

コンパニオンプランツ

コンパニオンプランツとは?
植物は1種類だけで繁殖することはほとんどなく、何種類かの植物で群落を作って共栄します。中でも、互いに助け合って生育する、相性のよい植物同士のことを「コンパニオンプランツ」といいます。

出典: shop.takii.co.jp

ダイコンの場合のコンパニオンプランツニンジンで、ともに直根性で競合せず肥料分が少ない土で育つため、同じ畝で混植できます。
同じ根菜類でもニンジンはセリ科、ダイコンはアブラナ科と科が異なりますが、互いの害虫を忌避することができます。

コンパニオンプランツによる効果には、次のようなものがあります。

1.害虫を防除する

  • 害虫は自分の好みの植物を探すとき、多くは匂いに頼っています。
  • 異なる種類の野菜を混植すると、害虫は混乱し、目当ての野菜を探すのが難しくなります。また、キク科、セリ科、シソ科など、強い香りを持つ野菜を用いると、それを嫌う害虫は近づかなくなり、近くで育つ他の種類の野菜も守られます。

2.病気を予防する

例えば、ネギ科の野菜は、根に共生する微生物が抗生物質を出して、ウリ科、ナス科などの病原菌を減らします。

また、異なる種類の野菜が育つことで、生物相が豊かになり、特定の病原菌の増幅を防いでくれる効果もあります。

3.生長を促進する

異なる種類の野菜を近くで育てると、草丈が大きくなったり、収量が増えたりと、生育がよくなることがあります。

科学的には解明されていないケースはあるものの、葉や茎、根から分泌される特定の物質が他の種類の野菜の生育に役立っていると考えられます。また、土壌の生物相が多様になり、肥沃になることで、生育が促進される効果もあります。

4.必要とする養分を供給する

マメ科の野菜は根に根粒菌が共生していて、空気中の窒素を固定することで、土壌を豊かにします。そのため、マメ科の野菜を混植することで、生育促進に繋がります。また、野菜の種類によって、それぞれ必要とする肥料成分が異なり、互いに融通し合うことで、双方の育成がよくなることもあります。

5.空間を有効活用できる

草丈の違いを利用して株元のあいた空間を利用したり、生育速度の違いを利用して野菜が大きくなる前に別の野菜を栽培するなど、空間を有効活用することで、トータルの収量が増加します。

連作障害について

同じ場所に続けて植えていると生育障害が起こることをいいます。

連作障害につきましてはこちらで確認して下さい。

まとめ

「初めてのダイコン栽培‼失敗しないための実践的アドバイス」をご紹介しました。

ダイコンは春まきと秋まきとあり、年中ダイコンは出ております。作り方は「ダイコン+耕」という言葉がありますように、土の中の不純物、石や木片などがありますと根の伸長が悪くなります。よく耕して不純物を取り除くようにすれば、立派なダイコンができます。

引用元:やまむファーム(コンパニオンプランツによる効果)、野菜づくり虎の巻、家庭菜園大百科、タキイネット通販

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