メロンは、蔓を地面に這わせる地這い栽培と支柱を立てて誘引する立体栽培があり、どちらでもできます。庭先やベランダなどで、支柱栽培を行うとスペースを取らず、品質の高いものができやすので、家庭菜園にもお勧めです
栽培特性
- 野菜の内で最も高温性で、適温は昼間28~30℃、夜間は18~20℃。15℃以下では生育困難です。育苗、本畑ともフイルム保温により作柄が安定します。
- 日照を好むので日当たりの良い場所でないと栽培は難しいです。
- 開花日に人工授粉して、目標とする部位に確実に着果させる必要があります。
- 十分に糖度を上げるには収穫日まで葉が健全であることを忘れてはいけません。
品種
在来型のマクワウリからハウスメロン、温室メロン(マスクメロン)まで、多くのタイプの品種があり、作りやすく、味が安定するように改良された雑種メロンが一般向きです。
プリンスPF6(サカタ)、アリス(タキイ)などは大敵のうどん粉病の抵抗性もあり、育てやすいです。黄色種には、金太郎(まくわ・タキイ)、金銘(サカタ)などがあり、プランタで支柱を立てて栽培する立づくりには、ネット型のアールスナイト(サカタ)、ボーナス2号(タキイ)などがあります。
栄養価
メロンに含まれる主な栄養素には、以下のようなものがあります。
- ビタミンC:免疫機能をサポートし、抗酸化作用を持ち、傷ついた細胞の修復を促進する栄養素です。
- ビタミンA:健康な栄養を維持するために必要な栄養素であり、皮膚や粘膜の健康にも役立ちます。
- カリウム:心臓や筋肉の健康に必要な栄養素であり、血圧を下げる効果があります。
- 葉酸:DNA合成に必要な栄養素であり、細胞の増殖や修復にも応じます。
- 繊維質:消化を促進し、便通を改善するために必要な栄養素です。
また、メロンにはビタミンK、ビタミンB6、ナイアシン、リン、マグネシウム、カルシウムなどの栄養素も含まれています。ただし、メロンの種類や品種によって栄養価が異なる場合があります。
メロンの栽培
【苗づくり】
外部環境の影響を受けやすい発芽から幼苗期を、適切な生育環境下において育てることを育苗といいます。
育苗は、畑への直播きに比べて次のようなメリットがあります。
目が届く場所で苗の管理がしやすい、作業効率がいい
良い苗を選んで植えることができる
生育が揃うために収量が安定する
育苗している間、空いている畑で他の野菜を育てられる
セルトレイで育苗
ポットで育苗
栽培する数が多い場合は、育苗箱/セルトレイに種まきし、発芽して本葉1〜2枚が出た頃、ポットに移植(ポット上げ)します。栽培する数が少ない場合はポットに種まきし、そのままポットで育苗します。
出典: ymmfarm.com
【土づくり】
1㎡辺りに一握りの苦土石灰をまいてよく耕します。植え付けの1週間前に60cm幅で深さ30cmの溝を掘り、1㎡につき堆肥バケツ2杯、油粕5握り、骨粉2握りを入れて周囲の土と混ぜ、土を埋め戻して高さ10cmのベッド畝にします。
植え付け前にポリフィルムをマルチして地温の上昇をはかります。
【苗植えの準備】
本葉3~4枚の接ぎ木苗には、植え付け前日に水やりをしておきます。
70~75cm間隔で根鉢をくずさずに植えます。深植えはせず、台木を出しておきます。植え付けが終わりましたらビニールトンネルをかけるか、ホットキャップをします。ホットキャプは保温と防虫に効果があります。
【摘芯・整枝】
ここではマクワウリの摘芯・整枝の仕方をご紹介します。
メロン栽培 初めの手入れで大きな実をつけよう!子蔓をしっかり処理して孫蔓を伸ばそう!
【誘引・追肥・敷き藁】
第1回追肥
1番果が鶏卵大に肥大したころ、一株や足り
- 化成肥料 大さじ2杯
- 油粕 大さじ4杯
蔓の先辺りに2回追肥し、その後から敷き藁をしておく。藁がない場合は敷き藁の代わりとなるマルチシートも販売されている
第2回追肥
1回目の追肥から15~20日後、1回目と同量施す
【収穫】
開花後40~45日たったころ、1~2個試しどりしてみてからほかのも収穫します。
※糖度が高まり収穫ができるようになるまでの日数は、品種と栽培時期により異なります。あらかじめよく調べておき熟期を逸しないように収穫します。
栽培ポイント
【土壌病害に強い接ぎ木苗を植える】
畑は日当たりと風通しが良い場所を選びます。土質は特に選びませんが、有機物を多く含んだ、水はけのよい砂質土だと、品質の良いものができます。
土壌酸度はPH6.5程度が適正です。酸性土譲では蔓割病が発生しやすくなるので、必ず苦土石灰で酸度調整を行いましよう。
畝にはマルチを張るなどして、地温の上昇をはかります。
苗は土壌病害に強い接ぎ木苗がよいでしょう。本葉4~5枚の頃が植え付けの適期です。浅植えにし、植え付け後ホットキャップやビニールトンネルをかけて保温し、初期成長を促します。
【雌花は孫蔓につく】
仕立て方は3本仕立てを基本とします。メロンは孫蔓に雌花が付くので、本葉5~6枚のとき親蔓を摘芯して子蔓3本を伸ばします。
子蔓は10~12節目で摘芯し、出てくる孫蔓は4節目までのものはすべて付け根から摘み取り、5節目からは葉を2枚残して摘芯します。
この残した葉のところに雌花が付くので、人工授粉して実をつけさせます。実が付いた後は放任しますが、茂りすぎるようなら、適宣子蔓を切りましょう。
【人工授粉で確実に着果させる】
子蔓の5節目以降に伸びた孫蔓に雌花をつけさせますが、これに確実に実をつけさせるように、人工授粉を行います。
3~4個着果させて、そのうち形のよいものを孫蔓1本あたり2個残して摘果します。
【病気や害虫は発生初期に対処しよう】
メロンは、病気ではうどんこ病、害虫ではアブラムシが大敵です。よく観察して、発生初期に適用薬剤を散布しましょう。
接ぎ木苗を植えることで防ぐことができますが、蔓割病は発生すると治療が困難です。発病した株は、抜き取って焼却処分します。ウリ科の野菜との連作は避けましょう。いちど発病した場所は菌が5年くらい残ります。
【食べごろは匂いでチェック】
メロンは一般に受粉後40~45日が収穫適期です。品種によって異なるので、苗についていたラベルなどで収穫までの日数を確認しておきましょう。収穫の10日くらい前から水やりを控えると、糖度が高くなり劣化も少なくなります。
食べごろは匂いで判別できます。『プリンスメロン』の場合は、へたから少し下がったところの周囲がプ~ンと甘い香りに包まれます。また、へたを軽く触ってみて、へたがポロリととれるときが一番食べごろです。
害獣対策はこちらを参考にして下さい。
引用元:家庭菜園大百科、おいしい野菜作り、野菜作り虎の巻
まとめ
メロンの栽培で面倒なところは下記の通りです。
- 温度管理:メロンは暑い気候を好み、最低気温が20℃以上の場所で育てることができます。また、高温多湿の環境下では病気や虫害になりやすく、風通しの良い場所で育てることが重要です。
- 水やり:メロンは水を欲しがる植物であり、特に実が大きくなって来ると多くの水を必要とします。には注意が必要です。
- 病害虫の管理:メロンは病害虫に弱く、さまざまな病気や虫害にかかる可能性があります。そのため、定期的な防除や予防対策が必要となります。
- 受粉:メロンは自家不和種であり、異なる品種の花粉が必要です。そのため、花粉媒介昆虫の活動や人工的な受粉が必要となる場合があります。
- 品質管理:メロンは収穫後も品質が劣化しやすく、収穫後すぐに冷却することが必要です。また、成熟度の管理や傷みのチェックなど、品質管理には細心の注意が必要です。
これらの点に注意しながら、メロンを栽培してください。