漆喰塗りと壁紙張りは特性を考えて施工する必要があります。本文では漆喰のメリット、デメリットおよび壁紙のメリット、デメリットを紹介しながら漆喰塗りで最初にしなければいけない事、基本の漆喰の塗り方、手本となるパターン11選を解説しています。
漆喰について
年数がたつと壁紙の張替え、あるいは漆喰に塗り替えなど考えますね。
壁紙の種類は多く手軽に張り替えることができる反面、漆喰は施工に時間がかかり、汚れやすいというデメリットがあります。
しかし、漆喰にはたくさんのメリットがあります。メリットは防湿性、耐久性、耐火性、消臭などの効果があり特にシックハウス症候群の原因物質を分解するため、アレルギー体質の方・小さなお子様がいる家庭は漆喰壁だと特に住みやすい環境になります。
漆喰の効果、壁紙のメリット、デメリット
漆喰の効果に壁の手入れ、調湿効果、耐火があげられます。
壁の手入れ
漆喰の場合、薄く塗れば落書きを消すことができます。
漆喰の場合、長時間経過してもほとんど見た目の変化がありません。最初に塗った際のきれいな状態を長時間キープできます。漆喰は消石灰を主原料にしていて、静電気をため込まない性質を持っています。そのため、ほこりやゴミなどが付着しにくいのも特長のひとつ
壁紙の場合、子供が落書きをした画材の種類によって落とし方は違いますが、時間がたっていなければ大概汚れを落とすことができます。ただ、力を入れて書かれたものや凸凹がある場合は修正剤が必要です。
壁紙の落書きを落とす方法
●クレヨンの落書きの消し方
クレヨンの落書きは、クレヨン自体が水性か油性かに応じて掃除の仕方を変える必要があります。
水性クレヨンの場合、水で濡らしたスポンジやタオル、歯ブラシを使って優しくこすりましょう。
力を入れてこすってしまうと、汚れが広がったり壁に傷がついてしまったりする可能性があるからです。
できれば小さな範囲ごとに少しずつ汚れを落としてことをおすすめします。
つるつるした素材の壁紙でも、凸凹した壁紙でも掃除の仕方は同じです。油性クレヨンの場合、水で濡らしたスポンジなどを使っても全く汚れが落ちません。
そのため、油を溶かす除光液やクレンジングオイル、漂白剤などを使って優しくタオルなどでこすりましょう。
ただし、壁紙に除光液を使うと色落ちしてしまう場合があるので要注意。
油を溶かす、洗剤を使う、布で乾拭きと何度かに分けて作業をすると、壁紙の劣化を防ぎつつクレヨンの汚れをきれいに落とせるのでおすすめです。●油性ペン・ボールペンの落書きの消し方
油性ペンやボールペンの落書きは、エタノール・除光液・クレンジングオイルなどで油性の成分を浮かせればきれいに落とせます。
基本的には柔らかい素材のメラミンスポンジやタオルなどを使い、軽くこすっても汚れが落ちない場合に歯ブラシを使うのがおすすめです。
落書きしてからある程度の時間が経過しているときは、クレンジングオイルなどを馴染ませた布を落書き部分に当て、少し待って汚れが浮いてくるのを待ちましょう。そのほか、身の回りにあるもので使えるのが、みかんやレモンといった柑橘類の皮です。
柑橘類の皮にはリモネンという成分が含まれており、リモネンは油汚れを溶かしてくれます。
除光液やエタノールに比べて香りが優しいため、エタノール・除光液・クレンジングオイルなどの匂いが苦手な場合は、果物の皮で代用しても良いでしょう。
なお、摩擦熱を与えると消えるタイプのボールペンや油性ペンに関しては、ドライヤーの温風を当てるという方法でも落書きを消せます。●絵の具の落書きの消し方
絵の具の落書きの落とし方は、基本的に水拭きです。
水性絵の具の場合、描かれてから時間がたっていなければ水拭きだけできれいになります。
汚れが固着し…るため、できるだけ布を押し付けるようにして取り去るのがポイントです。●水性ペンの落書きの消し方
水性ペンの落書きに関しては、基本的に水拭きだけで問題ありません。
水拭きをしても落としきれなかった汚れには中性洗剤を使うと良いでしょう。
つるつるとした素材の壁紙を使っている場合は、ガラスクリーナーをタオルや綿棒につけ、落書きされた部分をなぞって消していくという方法もあります。
手間がかかるため、入念にきれいにしたい場所とある程度きれいにしたい場所で掃除の方法を使い分けるのがおすすめです。落書きを防ぐための対策は?
●落書きを防ぐための対策は?
落書き対策を万全にしたいなら、壁紙を貼り替えてしまいましょう。
コーティングされていて汚れが付着しづらい壁紙や黒板タイプの壁紙など、「好き放題落書きされてもすぐきれいにできる」ものなら掃除も苦になりません。
簡単に汚れを落とせるので、急いでいるときは掃除を後回しにできるのもポイントです。
何より、お子さんが落書きをしても怒る頻度が減るため、親子両方のストレス回避につながります。また、あえて安価な壁紙を利用し、壁が落書きで一杯になったら定期的に壁紙を貼り替えるという対策もおすすめです。
壁紙自体は1平方メートルあたり数百円で購入できます。
壁紙の貼り替えを家庭内のイベント化してしまえば、楽しみも増えますし落書きをそのままにしておいても気にならなくなるでしょう。●水性の画材を揃える
お子さんが使う画材の種類を限定するのもおすすめです。
小さいお子さんに落書きをしないように叱っても完璧には守れないため、熱でインクが消えるペンや水性のサインペンなどを用意しましょう。
水性と油性の画材を比べたとき、掃除しやすいのは圧倒的に水性の画材なので、油性の画材を避けるだけでも掃除の手間が楽になります。●お子さんの手の届かない場所にお絵かき道具を収納する
落書きそのものに対策をしたい場合は、お絵かき用のグッズをお子さんの手が届かない場所に収納するようにしても良いでしょう。
椅子に乗っても手の届かない上部棚などに保管しておけば、気づいたときには壁中に落書きされているといった事態を防げます。
ただ、文房具をすべて片付けるのは困難なので、油性のペンや色鉛筆など、汚れがつくと落としづらい画材のみ収納してしまうのもおすすめです。
調湿効果
漆喰の場合、メリット
周囲の湿度が高い時には空気中の水分を吸収し、空気が乾燥して湿度が低い時には自らの水分を放出することで、常に60%前後の湿度に調節してくれます。
漆喰の場合、ひび割れの改善
撥水性のある成分を混ぜて作る手法もあります。この成分が含まれていると、水分を内部に吸い込みにくくなるため、その後乾燥してもひび割れが起こりにくいのが特長です。撥水性のあるものといっても天然由来の成分ですから、安全性は高いです。
壁紙も「吸放湿」
「吸放湿」は、壁紙自体に吸放湿する機能があるため、湿度が高い時は湿気を吸収、乾燥時には湿気を放出します。温度変化に応じて、湿気をコントロールし結露やかびの発生を抑えます。
※通気性はないので、下地に調湿石膏ボードを選んだときには通気性壁紙をおすすめします。
壁紙のメリット
メリットとしては
・コストが割安で貼りやすい
・色柄が豊富
壁紙のデメリット
デメリットとしては
・通気性がないため、カビやダニの原因になりやすい。
・静電気が起こりやすく、ホコリが壁紙に付着しやすい。
・日常生活のニオイが壁紙に付着しやすい。
・多くの化学物質が含んであり、時間と共に揮発する。
漆喰の防火
防火性・断熱性 漆喰の主成分は炭酸カルシウムという無機質で、不燃性の成分からできています。 そのため火に強く、耐火性能に優れています。 また、燃やしても化学物質のようにダイオキシンなどの有害なガスを発生させる心配もなく環境と人体に優しい素材です。
出典: www.google.com
壁紙の防火
「壁紙における不燃認定・準不燃認定・防火認定の違いを解説!」をご覧ください。
漆喰と壁紙の対比をご覧になってどう思われたでしょうか?どちらも一長一短ありますから使い分けが必要かと思います。
漆喰作業で必要な道具、材料
道具・材料(参考)
下地材、漆喰(作業される壁の㎡数を計算してから買われた方がいいです。)、コテ(ステンレス)、先がゴムになっているコテ、長方形のコテ、出隅コテ、入隅コテ、コテ受け、ひしゃく、マスカー、マスキングテープ、ブルーシート、ゴム手、養生テープなど・・・
必要に応じて購入して下さい。
畳面、フローリング面の保護、漆喰面の枠または柱、廻り縁、幅木の保護
畳面、フローリング面の保護ですが、ブルーシートを壁面に接するように広げ養生テープで動かないように固定します。
漆喰面の木枠または柱、廻り縁、幅木にマスキングテープを貼り付け漆喰面に接するように貼ります。
マスキングテープで作る角の作り方をご覧ください。
テレビ用配線、コンセントカバーの保護
コンセントカバーを外すと配線がでてきますので、しっかり養生テープなどでカバーしましょう。
基本的な漆喰塗り
とても分かりやすい動画です。参考にして下さい。
手塗りの場合(参考)
漆喰を塗るときは手塗りの場合でも小手を使って施工する場合でもゴム手をします。
- すくいかたは指を広げずに水をすくうようにすくう
- たれないように容器のフチで切るようにして天井の近い所から塗っていく
- 手全体あるいは手の甲についた部分もこすりつけるように配る
- 1メートル幅で上から下に6回ほど配る
- 角などの細かい部分を、指先を使って塗り伸ばす
- 両手を使って自由に塗り伸ばす
- 下の部分は体をずらして塗る
- この後同じ要領で塗り伸ばしていく
小手を使ってする場合(参考)
手順は
- 壁の下塗りを2回
- 壁の本塗りを1回
- 下塗りと本塗りの間隔は30分後に行う
手順
- 最初は下塗りで何も考えずに縦方向、横方向に薄く塗ります
- 2時間後乾いてから、もう一度塗ります
- 縦方向に5列、横方向に(右利きの場合は左から右方向に)塗ります。
塗り方の基本にコテ返しがあります。
- コテ板に下地材を「ひしゃく」でひとすくいして乗せます
- 下地材を適当に取り分け、コテ板を少しずつ立てながらコテを上向きに滑らせます
- コテを立てながら下地材をすくい取ります
「コテ返し」は作業する前に30分程練習してからした方いいでしょう。
最初はぎこちないですが、次第に慣れてきます。
漆喰塗りのパターン
漆喰の塗り壁仕上げパターン11選
コテ波仕上げ(模様)
コテ波仕上げは、漆喰壁にコテで塗った跡を自然な形で残す、最も標準的な仕上げパターンです。
初心者でも簡単にできる模様付けで、人それぞれの味が出ます。
模様の付け方で意匠性が変わるのが、漆喰壁など塗り壁の特徴であり、魅力です。
コテ跡の残し方は、人によって好みが分かれます。
そのため、左官業者さんに依頼される場合は、施工当日に立ち会ってコテ跡のパターンを確認されることをお勧めします。
せっかく漆喰壁にするのなら、キチンと好みをリクエストしましょう!
ハケ引き仕上げ(模様)
ハケ引き仕上げは、日用品で市販されているブラシなどのハケを使用して跡を残し、模様を付ける仕上げです。
プロの人は色々なハケやブラシを持っているので、使う道具によって仕上がりのパターンを変えられます。
ホームセンターでもハケは購入できます。
コテバケ仕上げ(模様)
ホームセンターの塗り壁コーナーなどに売られている、縞模様にするコテバケで仕上げる(跡を残す)と、漆喰は、こんな模様になります。
コテバケによるパターン付けは、初心者でも風合いを出しやすいです。
そのためDIYにもオススメの方法です。
扇仕上げ(模様)
コテで、半円を描くように模様を付ける(跡を残す)仕上げ方です。
漆喰壁に、等間隔に均一でキレイな半円の跡を残すには、プロの技術が必要です。
しかしDIYなら、お好みで自由に模様をつけても味が出ていいと思います。
スポンジローラー仕上げ(模様)
スポンジローラーで仕上げる(跡を残す)と、こんな模様になります。
このスポンジローラーも、ホームセンターなどで簡単に手に入ります。
漆喰DIYなら、比較的簡単に付けられるパターン(模様付け)の1つです。
ただし、壁が平らになっていないと、“それなり”の仕上がりになるという覚悟は必要です。
そのため、美しいスポンジローラー仕上げを希望するなら、プロに依頼することをおすすめします。
スパニッシュ仕上げ(模様)
コテでエッジを効かすような跡を残して塗る仕上げ方ですが、エッジを効かせ過ぎると、下地が見えてしまいます。
そのため、少し厚塗りしてから模様付けするのがコツです。
人気のある模様ですが、この仕上げは初心者には難しく、プロの左官さんにお願いしないとキレイには仕上がりません。
スタッコ調仕上げ(模様)
コテを使用して、漆喰にヨーロッパの壁をイメージしたパターン(模様)にコテ跡を残す仕上げ方です。
しかし、このパターン(模様付け)もプロでないと難しいと思います。
ただし、“それなり”で良ければ、自分で塗ってみてもよいでしょう。
ゴムローラー仕上げ(模様)
ローラーをコロコロと転がすだけなので、決して難しい仕上げ方ではありません。
しかし、壁を平滑にしないと、キレイに仕上がらないです。
素手でパターンをつける仕上げ(模様)
DIYで仕上げするなら、素手でパターン(模様)を付けるというのも、なかなか味があり、面白いパターンに仕上がります。
ただし、そのまま素手で漆喰に触れてしまうと、手が荒れてしまう可能性があります。
そのため、手に油を塗ったり、ゴム手袋をはめたりしましょう。
台所用スポンジ仕上げ(模様)
続いて、DIYにおすすめお勧めの仕上げパターン(模様付け)です。
台所用のスポンジで軽く壁をこするだけで、個性的な壁の風合いを出せます。
こするだけでなく、軽く押さえる、なぞるように動かすのもまた変わったパターンを楽しめます。
マーブル仕上げ(模様)
マーブル仕上げは、壁の上で、2色を混ぜながら塗りつける方法です。
まるで“ムラ”のように見えることがあるので、好みが分かれる所ですし、うまく風合いを出すのが難しいです。
まとめ
漆喰塗りをご紹介しました。今回使用した漆喰が少し固めの状態で壁面に押し当て強引に伸ばした為、全体的にムラのある塗り方になってしまいました。基本的な漆喰の塗り方で使われた漆喰の柔らかさであればもっと滑らかさがでていたのではないかと思います。後で思ったのですが、漆喰が固ければ霧吹きで吹きかけると柔らかくなったのではないかと思いました。
また、マスキングテープで角を作るときは動画でもありましたようにマスキングテープの角を指で押さえて角を決めていれば、関係ない所に漆喰が入らなかったと思いますし、枠または柱、廻り縁、幅木についた漆喰を落とすのにかなり時間がかかりました。また、漆喰が入りきれていないところの補修に手間取ってしまいました。漆喰塗りをされる際は、マスキングテープでの保護、漆喰の粘度の確認、基本的な塗り方の予行練習はしておかなければいけません。一発勝負は失敗のもとです・・・
【引用・参考元】:永大ハウス工業(子供がつけてしまった家の中の落書きを上手に消す方法と対策方法)、WOODONE(健康にいい、湿度を保つ)、漆喰うま~くヌレール(漆喰のメリット・デメリットを知ろう!)、Lilycolor(「機能性壁紙」で部屋の空気・湿度を快適に保つ方法)、もみ木ハウス・わかやま(壁紙のメリット・デメリット)、アトピッコハウス・ブログ(漆喰などの塗り壁、11種類の仕上げパターン例)