終活で銀行口座をどう整理すればよいか初心者向けに解説。通帳・ネット銀行・休眠預金の確認から、不要な口座の整理、口座一覧表の作り方、家族が困らないための準備や注意点まで分かりやすく紹介します。
「終活で銀行口座は何を整理すればいいの?」「使っていない通帳は解約した方がいい?」と迷っていませんか。銀行口座が多かったり、家族がネット銀行の存在を知らなかったりすると、将来の相続手続きで確認に時間がかかることがあります。だからといって、すべての口座を一つにまとめる必要はありません。この記事では、終活で銀行口座を整理する順番から、残す口座・解約を検討する口座の考え方、休眠預金、ネット銀行、通帳やキャッシュカードの保管、家族に伝えておきたい情報まで初心者向けに分かりやすく解説します。

終活で銀行口座を整理しておく必要がある理由
終活というと、遺言書や葬儀、お墓などを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、日常生活で使っている銀行口座の整理も大切な終活の一つです。
銀行口座は、年金の受け取り、公共料金やクレジットカードの引き落とし、生活費の管理、貯蓄など、さまざまな目的で使われています。
長年生活していると、知らないうちに口座が増えていることもあります。
まずは「口座を減らす」ことより、自分がどこの金融機関にどのような口座を持っているのか把握することから始めましょう。
終活における銀行口座整理とは?
終活における銀行口座整理とは、単純に銀行口座を解約して数を減らすことではありません。
主な目的は、
- 自分名義の銀行口座を確認する
- それぞれの口座の用途を確認する
- 必要な口座と使っていない口座を分ける
- 通帳やキャッシュカードの保管場所を整理する
- ネット銀行の存在も把握する
- 家族が必要なときに口座の存在を確認できるようにする
ことです。
たとえば、A銀行は年金受取、B銀行は公共料金、C銀行は貯蓄というように、口座ごとの役割が分かれば、残すべき口座も判断しやすくなります。
終活では、「何口座まで減らすか」より「何のために使っている口座なのか分かる状態にする」ことを優先しましょう。
口座が多いと本人も管理しにくくなる
銀行口座が増えすぎると、本人でも管理が難しくなります。
たとえば、
「この通帳は何に使っていたのだろう?」
「クレジットカードはどの口座から引き落とされていたかな?」
ということが起こりやすくなります。
口座が多い場合は、次のような情報を整理してみましょう。
| 口座 | 主な用途 | 今後の方針 |
|---|---|---|
| A銀行 | 年金受取・生活費 | 残す |
| B銀行 | 公共料金 | 残す |
| C銀行 | 昔の給与振込 | 要確認 |
| D銀行 | 現在使用していない | 解約を検討 |
ただし、使っていないからといって、すぐに解約する必要はありません。
まず、
- 自動引き落としが残っていないか
- 定期預金がないか
- 振込先に指定されていないか
などを確認してから判断しましょう。
家族が銀行口座の存在を知らないことがある
本人は銀行口座を把握していても、家族がすべて知っているとは限りません。
たとえば、
「父がA銀行を使っていたことは知っていたけれど、B銀行にも定期預金があることは知らなかった」
ということも考えられます。
特に、
- 昔の勤務先で作った口座
- 遠方の金融機関
- 長期間使っていない口座
- 定期預金
- ネット銀行
などは、家族が把握していない可能性があります。
だからといって、預金残高や暗証番号まで家族全員に伝える必要はありません。
まずは、
「どの金融機関に自分名義の口座があるか」
を家族が必要なときに確認できる状態にしておくとよいでしょう。
ネット銀行は通帳がないため見つけにくい
ネット銀行やネット専用口座は、紙の通帳を発行しない場合があります。
従来の銀行なら、自宅を整理しているときに通帳が見つかり、家族が口座の存在に気づくことがあります。
しかしネット銀行では、
- スマートフォンのアプリ
- パソコンのブックマーク
- メール
- キャッシュカード
などしか手掛かりがない場合があります。
たとえば、本人だけがスマートフォンでネット銀行を利用していて、家族がその存在を知らなければ、いざというときに確認が難しくなる可能性があります。
そのため銀行口座一覧には、
「○○ネット銀行を利用している」
という金融機関名を記録しておくとよいでしょう。
ただし、ログインID・パスワード・暗証番号などの機密情報を、銀行口座一覧にまとめて記載するのは避け、安全な方法で管理してください。
ネット銀行やスマートフォンなどの整理方法については、後の記事**「デジタル終活とは?スマホ・パソコン・ネット口座の整理方法を解説」**で詳しく解説します。
※この記事が公開された後に内部リンクを設定します。
使っていない口座をそのままにする問題点
昔作った銀行口座を長期間使っていないこともあるでしょう。
たとえば、
「30年前に勤務先の給与振込用として作った口座がそのまま残っている」
といったケースです。
使っていない口座が多いと、
- 本人が管理しにくい
- 家族が口座の用途を判断しにくい
- 通帳やカードを紛失していることがある
- どの口座が現在必要なのか分かりにくくなる
といった問題が考えられます。
また、一定の条件を満たし、10年以上取引などの異動がない預金は「休眠預金等」となる場合があります。
ただし、休眠預金になったからといって預金がなくなるわけではなく、金融庁は、引き続き取引のあった金融機関で引き出すことができると案内しています。
休眠預金については後ほど詳しく説明します。
家族が困らない状態にしておくことが目的
終活で銀行口座を整理する最大の目的は、口座数をできるだけ少なくすることではありません。
本人が管理しやすく、将来家族が必要な情報を確認できる状態にしておくことです。
たとえば、
「銀行口座一覧は書斎のファイルに保管してあります」
と家族に伝えておくだけでも、必要になったときの手掛かりになります。
一覧には、
- 金融機関名
- 支店名
- 預金の種類
- 主な用途
- 通帳の有無
- 通帳などの保管場所
といった情報を記録しておくと分かりやすいでしょう。
ただし、暗証番号やネットバンキングのパスワードなどは、安易に一覧表へ記載しないよう注意してください。
終活では、**「財産を全部家族に見せること」ではなく、「必要になったときに家族が財産の存在を確認できるようにすること」**を目指しましょう。
終活で銀行口座だけでなく、不動産や生命保険など財産全体を整理する方法については、**「終活で財産整理は何をする?預貯金・不動産・保険のまとめ方を解説」**も参考にしてください。
終活で最初に確認したい銀行口座一覧
銀行口座を整理するときは、いきなり不要な口座を解約するのではなく、まず自分が持っている口座をすべて洗い出しましょう。
自宅にある通帳だけで判断すると、ネット銀行や昔使っていた口座などを見落とす可能性があります。
最初は残高を細かく調べるより、
「どこの金融機関に、どの種類の口座を持っているか」
を確認するところから始めると簡単です。
普通預金・通常貯金を確認する
まず、日常生活で使用している普通預金などを確認します。
たとえば、
- 年金の受取口座
- 給与の振込口座
- 公共料金の引落口座
- クレジットカードの引落口座
- 生活費用の口座
などです。
単に「A銀行に口座がある」と記録するだけでなく、
「年金受取用」「電気・水道料金用」
など、用途まで書いておくと整理しやすくなります。
特にメイン口座は、生活に必要な入出金が集中していることがあります。
不要な口座を整理するときも、最初に現在の用途を確認しましょう。
定期預金・定期貯金を確認する
普通預金だけでなく、定期預金なども忘れずに確認しましょう。
「普段使っている普通預金は覚えているけれど、10年前に作った定期預金を忘れていた」
ということも考えられます。
確認するときは、
- 金融機関名
- 預金の種類
- 満期
- 自動継続の有無
- 関係書類の保管場所
などを整理すると分かりやすくなります。
定期性の預金は普通預金ほど日常的に確認しないため、終活を機会に一覧へ加えておきましょう。
ゆうちょ銀行の口座も忘れずに確認する
銀行口座を整理するときは、ゆうちょ銀行の貯金も確認しましょう。
ゆうちょ銀行には、通常貯金のほか、定額貯金・定期貯金などがあります。
現在のゆうちょ銀行の商品案内でも、通常貯金、定額貯金、定期貯金などが案内されています。
そのため、
「ゆうちょの通帳は1冊だから、貯金も一つだけ」
と考えず、どのような貯金を利用しているのか確認しておくことが大切です。
確認したい項目は、
- 通常貯金
- 定額貯金
- 定期貯金
- 自動継続などの設定
- キャッシュカード
- ゆうちょダイレクトやアプリの利用
などです。
古い通帳や証書などが見つかった場合は、自己判断で処分せず、必要に応じてゆうちょ銀行や郵便局の貯金窓口へ確認しましょう。
ネット銀行・ネット専用口座を確認する
次に、紙の通帳がない銀行口座を確認します。
ネット銀行を利用している場合は、
- 金融機関名
- 支店名
- 口座の種類
- 主な用途
- キャッシュカードの有無
- スマートフォンアプリの利用
- 登録メールアドレス
などを整理するとよいでしょう。
たとえば、
○○ネット銀行:普通預金・貯蓄用
という程度でも、口座の存在を確認する重要な手掛かりになります。
ここでも、一覧表へ暗証番号やパスワードを直接書く必要はありません。
口座の存在を記録する情報と、本人確認・ログインに使う秘密情報は分けて管理することをおすすめします。
昔作ったまま使っていない口座を確認する
昔の通帳が出てきた場合も、すぐに捨てないようにしましょう。
たとえば、
- 学生時代に作った口座
- 昔の勤務先で作った給与振込口座
- 転居前に利用していた地方銀行の口座
- 子どもの学費用として使っていた口座
- 以前貯蓄に使っていた口座
などです。
現在使っていない口座が見つかったら、
①現在も口座があるか
②残高があるか
③自動引き落としなどが残っていないか
④今後利用する予定があるか
を確認します。
必要がなければ、その後に解約を検討すればよいでしょう。
長期間取引していない口座については、休眠預金等に該当する場合もあるため、分からないときは金融機関へ問い合わせてください。
家族名義ではなく自分名義の口座を整理する
終活で最初に整理するのは、基本的に自分名義の口座です。
家族全員の通帳を一度に整理しようとすると、誰の財産なのか分かりにくくなります。
たとえば、
- 夫名義の口座
- 妻名義の口座
- 子ども名義の口座
があるなら、まず本人名義の口座を一覧にします。
特に夫婦の場合、
「家計のお金だから夫婦共通の預金」
という感覚で使っていても、銀行口座には名義人がいます。
終活では、誰の名義になっている口座なのかを明確にして整理することが重要です。
銀行口座確認表
最初から正確な残高まですべて記録する必要はありません。
まずは次のような簡単な表を作り、口座の全体像を把握してみましょう。
| 確認項目 | 記録する内容の例 |
|---|---|
| 金融機関 | ○○銀行 |
| 支店 | ○○支店 |
| 口座種類 | 普通・定期など |
| 口座用途 | 年金・生活費・貯蓄など |
| 通帳 | あり・なし |
| キャッシュカード | あり・なし |
| ネットバンキング | 利用あり・なし |
| 今後の方針 | 残す・確認する・解約を検討 |
| 保管場所 | 書類ファイルなど |
この段階では、口座番号・暗証番号・ログインパスワードまで一枚の表にまとめる必要はありません。
最初の目標は、
「自分がどこの金融機関に、何のための口座を持っているのか分かる状態にすること」
です。
銀行口座の全体像が見えてから、残す口座と使っていない口座を分けていけば、無理なく整理を進められます。
終活で銀行口座を整理するおすすめの順番
終活で銀行口座を整理するときは、いきなり使っていない口座を解約するのではなく、順番に確認していくことが大切です。
特に銀行口座には、年金の受け取りや公共料金、クレジットカードなどの入出金が設定されていることがあります。
「使っていないと思って解約したら、実は年に1回の支払いに使っていた」ということがないよう、次の7つの手順で整理してみましょう。
| 順番 | やること | 主な確認ポイント |
|---|---|---|
| ① | 口座を書き出す | 金融機関・支店・種類 |
| ② | 使用状況を分ける | 使用中・ほぼ未使用 |
| ③ | 入出金を確認 | 年金・給与・公共料金など |
| ④ | 残す口座を決める | 生活に必要か |
| ⑤ | 不要口座を確認 | 解約して問題ないか |
| ⑥ | 一覧表を作る | 用途・保管場所など |
| ⑦ | 定期的に見直す | 生活の変化がないか |
①自分名義の口座をすべて書き出す
最初に、自分名義で持っている銀行口座をすべて書き出します。
この段階では、
「必要か、不要か」
まで判断しなくて構いません。
まず、
- 銀行
- 信用金庫・信用組合
- ゆうちょ銀行
- ネット銀行
などを確認しましょう。
たとえば、
- A銀行……年金受取
- B銀行……生活費
- C銀行……定期預金
- Dネット銀行……貯蓄
- E銀行……昔の給与振込
というように、分かる範囲で書き出します。
通帳だけではなく、キャッシュカード、銀行から届いた郵便物、スマートフォンの銀行アプリなども確認すると、忘れていた口座を見つける手掛かりになります。
②現在使っている口座と使っていない口座に分ける
次に、それぞれの銀行口座を、
「現在使っている口座」と「ほとんど使っていない口座」
に分けます。
たとえば、
| 口座 | 使用状況 | 判断 |
|---|---|---|
| A銀行 | 年金が毎月入る | 使用中 |
| B銀行 | 電気・水道の引き落とし | 使用中 |
| C銀行 | 定期預金のみ | 要確認 |
| D銀行 | 5年以上使っていない | 整理候補 |
ここで重要なのは、残高だけで判断しないことです。
残高が少なくても、公共料金などの引き落としに使っている口座なら必要です。
反対に、残高がある口座でも今後使わないのであれば、預金を移したうえで解約を検討できる場合があります。
③給与・年金・公共料金などの入出金を確認する
口座を整理するときに特に注意したいのが、定期的な入出金です。
通帳や取引明細を確認して、
- 給与
- 年金
- 電気料金
- ガス料金
- 水道料金
- 電話料金
- インターネット料金
- クレジットカード
- 保険料
- 税金
- 家賃
などが、どの口座から入出金されているか確認しましょう。
たとえば、普段ほとんど使っていないB銀行でも、
「年に1回、保険料が自動引き落としされている」
ということがあります。
このような口座を先に解約すると、支払い方法の変更が必要になります。
そのため、少なくとも直近の取引履歴を確認してから判断すると安心です。
④残しておく口座を決める
口座の用途が分かったら、今後も必要な口座を決めます。
残す候補としては、
- 年金・給与の受取口座
- 生活費の口座
- 公共料金などの引落口座
- 貯蓄用口座
- 定期預金がある口座
などがあります。
たとえば、
A銀行=年金・生活費
B銀行=貯蓄
というように、役割を分ける方法もあります。
「終活だから1口座にしなければならない」という決まりはありません。
本人が管理しやすく、用途を把握できる数に整理することが大切です。
⑤不要な口座は解約を検討する
現在使っておらず、今後も利用する予定がない口座は解約を検討します。
ただし、解約前には、
- 自動引き落としがないか
- 給与や年金の振込先になっていないか
- 定期預金がないか
- 未処理の振込などがないか
- 残高が残っていないか
を確認しましょう。
たとえば、
「昔の給与振込用で、現在は入出金がなく、定期預金もない」
という口座なら、整理候補にしやすいでしょう。
実際の解約方法や必要書類は金融機関によって異なります。
通帳や届出印が見つからない場合でも手続きできるケースがありますので、自己判断で諦めず、金融機関へ確認してください。
⑥銀行口座一覧表を作成する
残す口座が決まったら、銀行口座一覧表を作っておきましょう。
たとえば、次のように整理できます。
| 金融機関 | 支店 | 種類 | 用途 | 通帳 | 今後 |
|---|---|---|---|---|---|
| A銀行 | ○○支店 | 普通 | 年金・生活費 | あり | 残す |
| B銀行 | △△支店 | 普通 | 公共料金 | あり | 残す |
| C銀行 | □□支店 | 定期 | 貯蓄 | あり | 残す |
| Dネット銀行 | ― | 普通 | 貯蓄 | なし | 残す |
家族が将来確認する可能性を考えるなら、
「通帳や銀行関係書類をどこに保管しているか」
も記録しておくと便利です。
ただし、防犯上、暗証番号・ネットバンキングのパスワードなどを口座一覧と一緒に記録・保管することは避けましょう。
⑦定期的に内容を見直す
銀行口座の整理は、一度行えば終わりではありません。
生活が変われば、利用する口座も変わります。
たとえば、
- 退職して給与振込がなくなった
- 年金の受取口座を変更した
- クレジットカードを解約した
- 電気料金の支払方法を変更した
- ネット銀行を新しく利用した
といった変化があります。
そのため、年に1回程度を目安に確認するなど、自分で見直しやすい時期を決めておくとよいでしょう。
誕生日や年末など、「毎年この時期に確認する」と決めておくと忘れにくくなります。
残しておく銀行口座はどう選ぶ?
銀行口座を整理するとき、
「結局、何個残せばいいの?」
と迷う方もいるでしょう。
しかし、すべての人に共通する理想的な口座数があるわけではありません。
重要なのは、口座数ではなく、それぞれの用途が明確で本人が管理できることです。
残す口座を決めるときは、次の5つを確認しましょう。
| 判断基準 | 確認すること |
|---|---|
| 収入 | 給与・年金の受取口座 |
| 支払い | 公共料金・カードなど |
| 生活費 | 日常的に使う口座 |
| 貯蓄 | 定期預金など |
| 利便性 | 店舗・ATM・ネット利用 |
年金や給与の受取口座を確認する
最初に残す候補になるのが、給与や年金など定期的な収入を受け取っている口座です。
たとえば、年金をA銀行で受け取っている場合、その口座を解約するなら、先に年金の受取口座変更手続きが必要になります。
会社員であれば、
- 給与
- 賞与
- 会社からの各種振込
なども確認しましょう。
終活で口座を整理するときは、
「毎月・定期的にお金が入っている口座はどれか」
を先に確認すると、誤って必要な口座を解約するのを防ぎやすくなります。
公共料金・クレジットカードの引落口座を確認する
次に確認するのが、自動引き落としです。
主なものとして、
- 電気
- ガス
- 水道
- 携帯電話
- インターネット
- クレジットカード
- 生命保険
- 損害保険
- 各種サービス料金
などがあります。
たとえば、A銀行を解約したいと思っても、電気・ガス・クレジットカードの3件がA銀行から引き落とされているなら、先に支払口座を変更する必要があります。
口座を減らしたい場合は、複数口座に分散している引き落としを、普段使う口座へ整理してから解約を検討すると進めやすくなります。
生活費に使っているメイン口座を残す
日常生活で頻繁に使っているメイン口座は、基本的に残す候補になります。
たとえば、
年金が入る
↓
公共料金が引き落とされる
↓
ATMで生活費を引き出す
という一連の流れを一つの口座で行っているなら、その口座は生活の中心です。
メイン口座を選ぶときは、
- 入出金が分かりやすい
- ATMを利用しやすい
- 手数料を確認しやすい
- 家計管理がしやすい
といった点も考えましょう。
「昔から使っている銀行だから」という理由だけではなく、これからの生活でも使いやすいかを考えることが大切です。
定期預金など貯蓄用口座を確認する
生活費用の口座とは別に、貯蓄用口座を残す方法もあります。
たとえば、
- A銀行……年金・生活費
- B銀行……定期預金・貯蓄
という使い分けです。
生活費と貯蓄を分けることで、
「普段使えるお金はいくらか」
を把握しやすくなる場合があります。
定期預金などがある場合は、
- 預入金額
- 満期
- 自動継続の有無
- 金利
- 中途解約の条件
などを確認しておきましょう。
終活だからといって、定期預金を急いで解約する必要はありません。
現在の生活や資金計画に合わせて判断しましょう。
近くに店舗・ATMがあるかも確認する
高齢になってからの銀行利用では、店舗やATMへの行きやすさも重要です。
現在は車で遠くの銀行まで行けても、将来運転しなくなれば不便になる可能性があります。
たとえば、
A銀行:車で20分
B銀行:徒歩5分
なら、今後の生活ではB銀行の方が利用しやすい場合があります。
確認したいのは、
- 自宅から店舗までの距離
- ATMの場所
- ATMの利用時間
- 手数料
- コンビニATMへの対応
- インターネットバンキングの使いやすさ
などです。
終活では、現在の便利さだけでなく、5年後・10年後も自分で利用しやすいかという視点を持つとよいでしょう。
口座を一つにまとめすぎる必要はない
銀行口座を整理すると聞くと、
「全部のお金を一つの銀行へまとめた方が家族も分かりやすいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、必ずしも一つの金融機関へまとめる必要はありません。
特に確認しておきたいのが**預金保険制度(ペイオフ)**です。
一般預金等については、金融機関が破綻した場合、原則として1金融機関につき預金者1人当たり元本1,000万円までと、その利息等が保護されます。決済用預金に該当する預金は全額保護されます。
たとえば、
A銀行の一般預金等に2,000万円を集中させる
場合には、預金保険制度の保護範囲も理解しておく必要があります。
そのため銀行口座の整理は、
「1口座にすること」ではなく、「必要な口座だけを分かりやすく管理すること」
を目標にしましょう。
預金額が大きい場合には、預金保険制度も確認しながら整理することが大切です。
使っていない銀行口座は解約した方がいい?
終活で銀行口座を整理していると、
「何年も使っていない口座は全部解約した方がいいの?」
と迷うことがあります。
使う予定がない口座は整理候補になりますが、長期間使っていないという理由だけですぐ解約するのはおすすめできません。
まず、
- 現在の残高
- 自動引き落とし
- 給与や年金などの振込
- 定期預金
- 今後利用する予定
を確認してから判断しましょう。
長期間使っていない口座を確認する
まず、何年も利用していない銀行口座がないか確認しましょう。
たとえば、
- 昔の勤務先で作った給与振込口座
- 転居前に利用していた地方銀行の口座
- 学生時代に作った口座
- 貯蓄用として作ったままの口座
- 昔使っていたネット銀行
などです。
「最近使っていない」というだけでなく、
最後にいつ入出金したのか
も確認してみましょう。
古い通帳やキャッシュカードが見つかった場合は、現在も口座が残っている可能性があります。
分からない場合は、通帳や本人確認書類などを準備し、金融機関へ問い合わせるとよいでしょう。
残高が少ない口座でも勝手に放置しない
残高が数百円、数千円しかない口座を見ると、
「ほとんどお金が入っていないから、そのままでいいだろう」
と思うかもしれません。
しかし終活では、残高の金額だけでなく、口座そのものを管理できているかが重要です。
たとえば、
- 残高500円の口座が3つある
- どれも何年も使っていない
- 家族は口座の存在を知らない
という場合、本人が亡くなった後に家族が一つずつ確認する必要が生じることがあります。
そのため、使う予定がない口座は、
残す・解約する・金融機関へ確認する
のいずれかを決めておきましょう。
口座解約前に自動引き落としを確認する
銀行口座を解約する前に、最も注意したいのが自動引き落としです。
たとえば、
- 電気料金
- ガス料金
- 水道料金
- 携帯電話料金
- インターネット料金
- クレジットカード
- 生命保険料
- 損害保険料
- 税金
- 各種会費
などが設定されている場合があります。
特に注意したいのは、毎月ではなく、
半年に1回、年に1回だけ引き落とされる支払い
です。
たとえば、年払いの保険料が設定されている口座を「使っていない」と思って解約すると、支払いができなくなる可能性があります。
解約する前に、過去の取引明細を確認しましょう。
給与・年金などの振込先になっていないか確認する
入金についても確認が必要です。
主なものには、
- 給与
- 年金
- 家賃収入
- 配当金
- 各種給付金
- 家族からの定期的な振込
などがあります。
たとえば、現在ほとんど使っていない銀行口座でも、年金の受取口座になっていれば簡単には解約できません。
解約を希望する場合は、先に振込先の変更手続きを行う必要があります。
終活では、
「お金が出ていく口座」だけでなく「お金が入ってくる口座」も確認する
ことが大切です。
定期預金が残っていないか確認する
普通預金をほとんど使っていないからといって、その金融機関に預金がないとは限りません。
定期預金や定期貯金が残っている場合があります。
たとえば、
普通預金残高:2,000円
定期預金:100万円
というケースも考えられます。
そのため解約前には、
- 普通預金
- 定期預金
- 定期貯金
- 積立預金
- その他の預金商品
がないか確認しましょう。
定期預金は商品によって満期や自動継続などの条件が異なります。
分からない場合は、金融機関へ確認してください。
解約手続きは金融機関ごとに確認する
銀行口座の解約方法は、金融機関や口座の種類によって異なります。
一般的には、
- 通帳
- キャッシュカード
- 本人確認書類
- 届出印
などが必要になることがありますが、必要書類や手続き方法は一律ではありません。
また、
- 通帳を紛失している
- 届出印が分からない
- 引っ越して住所が変わっている
- 結婚などで姓が変わっている
といった場合でも、手続きできるケースがあります。
「書類がないから解約できない」と自己判断せず、まず金融機関へ問い合わせることが大切です。
休眠預金とは?長期間使っていない口座の注意点
長期間使っていない銀行口座について調べていると、「休眠預金」という言葉を目にすることがあります。
休眠預金等活用法では、一定の条件を満たす長期間取引のない預金等が「休眠預金等」として扱われます。
ただし、
休眠預金になったら預金が没収される
という意味ではありません。
制度を正しく理解しておきましょう。
休眠預金とはどのような預金?
金融庁によると、休眠預金等活用法では、2009年1月1日以降の取引を最後に、10年以上入出金などの異動がない預金等が休眠預金等となる仕組みです。
対象となる預金等には、一定の普通預金や定期預金などがあります。
ただし、すべての金融商品が同じ扱いになるわけではありません。
また、「異動」に当たる取引の範囲にも金融機関や預金商品の条件が関係します。
そのため、
「通帳を10年間記帳していないから必ず休眠預金」
と単純に判断するのではなく、自分の預金が対象かどうかは金融機関へ確認するのが確実です。
10年以上取引がない預金はどうなる?
一定の条件を満たして休眠預金等となった預金は、預金保険機構へ移管され、民間公益活動に活用される仕組みになっています。
たとえば、
2009年以降に取引があり、その後10年以上異動がない預金
について、条件を満たせば休眠預金等となる可能性があります。
ただし定期預金のように一定の預入期間がある商品では、単純に預け入れた日から10年で判断するわけではありません。
金融庁は、一定の預入期間がある定期預金では、原則としてその期間の末日などを基準として、その後10年間異動がない場合に休眠預金等となることを案内しています。
そのため、商品ごとの条件を確認することが大切です。
休眠預金になっても預金者の権利はなくならない
ここは特に大切です。
休眠預金等になったからといって、
預金者がお金を受け取れなくなるわけではありません。
金融庁は、休眠預金等になった後でも、取引のあった金融機関で引き出すことができると案内しています。
つまり、
「10年間使わなかったら銀行に取られてしまう」
「国に没収されて二度と戻ってこない」
という理解は正しくありません。
休眠預金等に該当しているか分からない場合や、払戻しを希望する場合は、以前取引していた金融機関へ問い合わせましょう。
古い通帳が出てきた場合は金融機関へ確認する
家を整理していると、
「20年以上前の通帳が出てきた」
ということもあります。
その場合、古いからといってすぐ捨てないようにしましょう。
まず、
- 金融機関名
- 支店名
- 名義
- 通帳の記載内容
- 最終取引時期
を確認します。
金融庁も、自分の預金等が休眠預金等になっているか知りたい場合は、取引のあった金融機関へ問い合わせるよう案内しています。
金融機関の合併や支店統合などで名称が変わっている場合もあります。
たとえば、
「昔の○○銀行の通帳があるが、現在その銀行名が見当たらない」
という場合でも、金融機関が合併して別の銀行へ引き継がれている可能性があります。
自己判断で処分せず、まず確認しましょう。
休眠預金になる前に口座を整理しておく
休眠預金になること自体で預金が失われるわけではありません。
しかし終活という視点では、長期間使わない口座を何個も残しておくより、元気なうちに整理しておいた方が本人も家族も管理しやすくなります。
たとえば、
使っている口座3つ
+
長期間使っていない口座5つ
があるなら、不要な5口座について、
- 残高を確認する
- 定期預金を確認する
- 入出金を確認する
- 今後使うか決める
- 不要なら解約を検討する
という順番で整理します。
終活では、休眠預金を恐れて無理に口座を解約する必要はありません。
大切なのは、
「どの金融機関に自分の預金があるのか分からない状態をなくしておくこと」
です。
使っている口座、使っていない口座、休眠預金の可能性がある口座を整理し、家族が必要なときに確認できる状態を作っておきましょう。
ネット銀行・ネットバンキングは特に注意して整理する
終活で銀行口座を整理するとき、特に注意したいのがネット銀行やネットバンキングです。
紙の通帳がないサービスでは、本人がスマートフォンやパソコンだけで管理していることもあります。
その場合、家族が、
「そもそもネット銀行に預金があることを知らなかった」
ということも考えられます。
終活ではパスワードを家族へそのまま渡すことより、まず利用している金融機関の存在が分かる状態にすることを優先しましょう。
| 確認項目 | 整理しておきたい内容 |
|---|---|
| 金融機関 | 利用しているネット銀行名 |
| 支店 | 支店名・支店番号など |
| 口座種類 | 普通預金・定期預金など |
| 用途 | 貯蓄・振込・生活費など |
| 登録情報 | メールアドレス・電話番号 |
| 利用端末 | スマートフォン・パソコンなど |
| 認証方法 | アプリなどを利用しているか |
| 秘密情報 | 一覧表とは分けて安全に管理 |
ネット銀行は紙の通帳がない場合が多い
ネット銀行では、紙の通帳を発行せず、スマートフォンやパソコンから残高・入出金明細を確認するサービスが一般的です。
便利な一方、終活では紙の手掛かりが残りにくいという特徴があります。
従来の銀行なら、
- 通帳
- キャッシュカード
- 銀行からの郵便物
などから、家族が口座の存在に気づくことがあります。
ところがネット銀行の場合、
スマートフォンの銀行アプリだけで利用している
ということもあります。
そのため、ネット銀行を利用している場合は、紙の通帳がなくても金融機関名などを一覧に記録しておきましょう。
家族が口座の存在に気づかない可能性がある
ネット銀行で特に問題になりやすいのが、家族が口座の存在そのものを知らないことです。
たとえば、
「父がスマートフォンを使っていたことは知っていたけれど、ネット銀行に預金があるとは知らなかった」
ということが考えられます。
国民生活センターもデジタル終活に関する注意情報の中で、ネット上の資産は本人以外が実態を把握しにくく、相続時にスマートフォンなどのロックを解除できず、調査が困難になるケースを紹介しています。
そのため、
- ネット銀行
- ネット証券
- 電子マネー
- 暗号資産など
オンラインで管理している財産がある場合は、存在を確認できる手掛かりを残しておくことが大切です。
銀行口座の記事ではネット銀行を中心に扱い、その他のデジタル資産については別の記事で整理すると分かりやすくなります。
利用している金融機関名を記録しておく
ネット銀行の終活で最初にしておきたいのは、利用している金融機関名の記録です。
たとえば、
○○ネット銀行
普通預金
主な用途:貯蓄
という程度でも構いません。
必要に応じて、
- 金融機関名
- 支店名
- 口座種類
- 主な用途
- キャッシュカードの有無
などを記録します。
ここでの目的は、家族が勝手にネット銀行へログインできるようにすることではありません。
「この金融機関に本人名義の口座がある」と家族が確認できる手掛かりを残すことが目的です。
登録しているメールアドレス・電話番号も確認する
ネット銀行では、メールアドレスや携帯電話番号が本人確認や各種通知などに使われることがあります。
そのため終活では、登録情報が古くなっていないか確認しておきましょう。
たとえば、
「10年以上前のメールアドレスを登録したまま」
「以前使っていた携帯電話番号になっている」
という状態では、必要な通知を受け取れない可能性があります。
確認しておきたいのは、
- 登録メールアドレス
- 登録電話番号
- 登録住所
- 氏名
- 利用しているスマートフォン
などです。
住所変更や電話番号変更をした場合は、金融機関の案内に従って登録情報も更新しましょう。
ID・パスワードを銀行口座一覧に直接書かない
銀行口座一覧表を作るときに注意したいのが、ログイン情報です。
家族のためと思って、
銀行名・口座番号・ログインID・パスワード・暗証番号
を一枚の紙にすべてまとめてしまうと、その紙を紛失・盗難された場合の危険が大きくなります。
特に、
- キャッシュカードの暗証番号
- ネットバンキングのパスワード
- ワンタイムパスワード
- 認証コード
などは慎重に管理しましょう。
銀行口座一覧には、まず口座の存在を確認するために必要な情報だけを記録する方法が安全です。
秘密情報を残す必要がある場合は、一覧表とは分けて保管するなど、安全性を優先してください。
また、家族であっても本人のIDやパスワードを使って勝手にログインしてよいとは限りません。本人死亡後などの手続きは、金融機関が定める正式な方法に従うことが大切です。
スマートフォンを使えなくなった場合も考えておく
ネット銀行をスマートフォンだけで管理している場合は、
「もし自分がスマートフォンを操作できなくなったらどうするか」
も考えておきましょう。
たとえば、
- 病気や入院で操作できない
- スマートフォンを紛失した
- 故障した
- 機種変更した
- 認証に利用している電話番号を変更した
といったことがあります。
終活では、
「現在スマートフォンで使えるから大丈夫」
だけではなく、
- どの銀行を利用しているか
- どの端末を利用しているか
- 登録情報は最新か
- 家族が銀行の存在を確認できるか
まで整理しておくと安心です。
スマートフォンやパソコン、ネット証券などを含めた整理方法については、**「デジタル終活とは?スマホ・パソコン・ネット口座の整理方法を解説」**で詳しく解説します。
※第9記事を公開した後、この文章の記事タイトル部分へ内部リンクを設定します。
銀行口座一覧表を作って家族が確認できるようにする
銀行口座を整理したら、最後に一覧表を作っておくと管理しやすくなります。
一覧表の目的は、
「自分がどの金融機関に口座を持っているのか、自分と家族が必要なときに確認できるようにすること」
です。
預金残高や暗証番号まですべて記載する必要はありません。
まずは口座の存在と用途が分かる簡単な表から始めましょう。
一覧表に記載しておきたい項目
銀行口座一覧表には、次のような情報を記載すると分かりやすくなります。
- 金融機関名
- 支店名
- 口座種類
- 主な用途
- 通帳の有無
- キャッシュカードの有無
- ネットバンキング利用の有無
- 通帳などの保管場所
- 今後の方針
たとえば、
「○○銀行・普通預金・年金受取・通帳は書類ケース」
と書いてあれば、本人も家族も用途を確認しやすくなります。
最初から完璧な一覧表を作る必要はありません。
分かる項目から記入していきましょう。
金融機関名・支店名・口座種類を記録する
まず必要なのが、どの金融機関にどのような口座があるか分かる情報です。
たとえば、
| 金融機関 | 支店 | 種類 |
|---|---|---|
| ○○銀行 | ○○支店 | 普通預金 |
| △△銀行 | △△支店 | 定期預金 |
| ○○ネット銀行 | ○○支店 | 普通預金 |
というように整理します。
特にネット銀行の場合、紙の通帳がないこともあるため、金融機関名を一覧へ記録しておくことが重要です。
複数口座を持っている場合は、普通預金・定期預金などの種類も分けておきましょう。
口座番号をどこまで記録するか考える
銀行口座一覧に口座番号を記載するかは、保管方法も含めて考えましょう。
家族が相続手続きをするときには口座を特定する情報が必要になることがありますが、一覧表を日常的に見える場所へ置くのであれば、個人情報の扱いにも注意が必要です。
たとえば、
方法①:口座番号まで記載して厳重に保管する
方法②:金融機関名・支店名・種類まで記録し、通帳の保管場所を記載する
といった方法があります。
どちらが適切かは、家庭の状況や保管方法によって異なります。
重要なのは、必要以上の情報を誰でも見られる状態にしないことです。
年金・公共料金など口座の用途も記録する
一覧表には、口座の用途も記載しておきましょう。
たとえば、
- 年金受取
- 給与振込
- 生活費
- 電気・ガス・水道
- クレジットカード
- 保険料
- 貯蓄
- 定期預金
などです。
用途を書いておくことで、
「この口座は解約してもいいのかな?」
と迷ったときにも判断しやすくなります。
また、家族にとっても、
「この銀行口座から公共料金が引き落とされていた」
という重要な手掛かりになります。
口座の残高だけではなく、お金の流れまで分かるようにしておくことがポイントです。
通帳・カードの保管場所を記録する
通帳やキャッシュカードを安全な場所へ保管していても、本人しか場所を知らなければ、いざというとき家族が見つけられない可能性があります。
一覧表には、
- 書斎の鍵付き引き出し
- 寝室の書類ケース
- 金融関係ファイル
など、本人や家族が分かる範囲で保管場所を記録しておく方法があります。
ただし、
通帳・キャッシュカード・暗証番号を書いた紙をすべて同じ場所へまとめる
といった保管方法は、防犯上おすすめできません。
「家族が見つけられること」と「第三者から守ること」の両方を考えましょう。
暗証番号やパスワードの管理には注意する
銀行口座一覧表を作る際に、特に慎重に扱いたいのが暗証番号やパスワードです。
一覧表には、
- 金融機関
- 支店
- 口座種類
- 用途
- 保管場所
などを記録し、秘密情報は分けて管理する方法をおすすめします。
特に、
「キャッシュカードの横に暗証番号を書いた紙を置く」
といった方法は避けましょう。
また、金融機関が電話やメールなどで暗証番号・パスワード等を尋ねるとして、それに安易に答えないことも大切です。
銀行を装ったフィッシングメールや偽サイトなどにも注意しましょう。
一覧表は定期的に更新する
銀行口座一覧表を作っても、数年たつと内容が変わることがあります。
たとえば、
- 銀行口座を解約した
- 新しい口座を作った
- 年金受取口座を変更した
- 公共料金の引落口座を変更した
- ネット銀行を使い始めた
- 通帳の保管場所を変えた
といった場合です。
そのため、生活に変化があったときは一覧表も更新しましょう。
さらに、年に1回程度など、自分で確認しやすい時期を決めて見直す方法もあります。
家族向け銀行口座一覧表
一覧表は、次のような簡単な形式で十分です。
| 金融機関 | 支店 | 種類 | 主な用途 | 通帳等の保管場所 |
|---|---|---|---|---|
| ○○銀行 | ○○支店 | 普通 | 年金受取・生活費 | 金融関係ファイル |
| △△銀行 | △△支店 | 普通 | 公共料金 | 書類ケース |
| □□銀行 | □□支店 | 定期 | 貯蓄 | 金融関係ファイル |
| ○○ネット銀行 | ○○支店 | 普通 | 貯蓄 | オンライン口座 |
必要に応じて、
- ネットバンキング利用の有無
- キャッシュカードの有無
- 今後残す・解約する予定
などの欄を追加してもよいでしょう。
ブログ記事に掲載する記入例では、実際の口座番号・氏名・暗証番号・パスワードなどは記載しないようにしてください。
終活の銀行口座一覧表は、家族に預金を自由に使ってもらうためのものではありません。
「どこに本人の預金があるのか分からない」という状態を防ぎ、必要になったときに正式な手続きを進めるための手掛かりを残すものと考えると分かりやすいでしょう。
通帳・キャッシュカード・印鑑はどう保管する?
終活で銀行口座を整理するときは、口座そのものだけでなく、通帳・キャッシュカード・銀行印などの保管方法も確認しておきましょう。
大切なのは、
「本人は安全に管理でき、必要になったとき家族が存在を確認できる状態」
にしておくことです。
すべてを一か所にまとめれば分かりやすくなりますが、防犯上のリスクも高くなります。
そのため、便利さと安全性の両方を考えて保管しましょう。
| 保管するもの | 確認したいこと |
|---|---|
| 通帳 | 保管場所を決める |
| キャッシュカード | 紛失していないか確認 |
| 銀行印 | 安全な場所へ保管 |
| 暗証番号 | カードと一緒に置かない |
| 口座一覧 | 家族が存在を確認できるようにする |
| ネット銀行情報 | 金融機関名などを記録する |
通帳の保管場所を決めておく
紙の通帳を利用している場合は、保管場所を決めておきましょう。
たとえば、
- 書斎の鍵付き引き出し
- 金融関係書類専用のファイル
- 自宅の安全な保管場所
などです。
通帳を家の中の複数の場所へ分散させすぎると、本人でもどこに置いたか分からなくなることがあります。
一方、誰でも簡単に見つけられる場所へ置くのも安全とはいえません。
終活では、
「通帳は金融関係の書類と一緒に決めた場所へ保管する」
など、自分なりのルールを決めておくと管理しやすくなります。
キャッシュカードも所在が分かるようにする
キャッシュカードについても、現在何枚持っているのか確認しましょう。
銀行口座を複数持っていると、
「通帳はあるけれどカードが見つからない」
ということがあります。
確認するときは、
- どの金融機関のカードか
- 現在利用しているか
- 古いカードが残っていないか
- 紛失していないか
を確認します。
使っていない口座を解約した場合は、その金融機関の案内に従って不要になったカードも処理しましょう。
また、カードを紛失した場合は放置せず、早めに金融機関へ連絡することが大切です。
銀行印を安全に保管する
銀行口座によっては、届出印を使用している場合があります。
特に昔から利用している銀行口座では、
「どの印鑑を銀行へ届け出たのか分からない」
ということもあります。
終活を機会に、
- 銀行印があるか
- どこに保管しているか
- 古い印鑑と混ざっていないか
を確認しておきましょう。
ただし、通帳と銀行印をいつでも誰でも取り出せる場所へ並べて置くのは避けた方が安全です。
金融庁は、盗難通帳や偽造印鑑などによる不正払戻しを防止するため、金融機関に本人確認などの態勢整備を求めています。
すべてを同じ場所に置くリスクも考える
家族が分かりやすいように、
通帳・カード・印鑑・暗証番号を書いた紙
を一つの箱へまとめようと考える方もいるかもしれません。
しかし、これらがまとめて盗まれたり紛失したりすると、不正利用の危険が高くなります。
たとえば、
金融関係ファイル
+キャッシュカード
+暗証番号メモ
を一つの引き出しに入れていると、その場所を第三者に知られた場合のリスクが大きくなります。
そこで、
- 通帳と印鑑の保管方法を分ける
- 暗証番号をカードの近くに置かない
- ネット銀行のパスワードを一覧表に直接書かない
などの対策を考えましょう。
終活では、「家族が探しやすいこと」と「第三者に利用されにくいこと」の両立が重要です。
家族には「存在と保管場所」が分かるようにする
通帳やキャッシュカードそのものを家族へ渡しておく必要はありません。
まずは、
「どこの銀行を利用していて、関係書類をどこに保管しているか」
が分かる状態にしておくとよいでしょう。
たとえば、
「銀行口座一覧は書斎の金融関係ファイルに入れてあります」
と家族に伝えておくだけでも手掛かりになります。
一覧表には、
- 金融機関名
- 支店名
- 口座種類
- 主な用途
- 通帳の保管場所
などを記録します。
ただし、暗証番号やパスワードなどの秘密情報まで家族全員が見られる一覧に書く必要はありません。
盗難・紛失・不正利用を防ぐことも大切
終活では「家族が分かるようにする」ことに意識が向きがちですが、防犯も同じくらい重要です。
特に注意したいのは、
- 通帳の盗難
- キャッシュカードの紛失
- 暗証番号の漏えい
- インターネットバンキングの不正利用
- 銀行を装った詐欺
などです。
もし通帳やカードを紛失した場合は、金融機関へ早めに連絡しましょう。
金融庁は、通帳や印鑑を紛失した場合でも、本人確認ができれば金融機関が払戻しに対応する仕組みがあることを案内しています。
「なくしたからもう手続きできない」と自己判断せず、金融機関へ相談してください。
本人が亡くなった後の銀行口座はどうなる?
銀行口座の終活で多い疑問の一つが、
「亡くなったら銀行口座はすぐ凍結されるの?」
というものです。
ここで大切なのは、死亡した瞬間に全国すべての金融機関へ自動的に情報が伝わり、一斉に口座が凍結されるわけではないということです。
一般的には、金融機関が口座名義人の死亡を知った後、その金融機関で相続手続きが必要になります。
その後は、相続人が金融機関の案内に従って手続きを進めます。
銀行が死亡を知った場合の口座の取り扱い
金融機関が口座名義人の死亡を知ると、相続手続きが必要になるため、通常の預金払戻しなどが制限されることがあります。
よく「口座凍結」と呼ばれる状態です。
ただし、
「死亡届を役所へ提出した瞬間、自動的にすべての銀行口座が凍結される」
と考えるのは正確ではありません。
金融機関は、家族などからの連絡その他の方法で死亡の事実を把握した後、その金融機関の手続きに従って対応します。
終活では、
「いつ凍結されるか」を予想するより、家族がどの金融機関に口座があるか把握できるようにしておくことが重要です。
口座のお金がなくなるわけではない
口座の取引が制限されたからといって、預金そのものがなくなるわけではありません。
本人が亡くなった時点の預金は、相続財産として扱われます。
たとえば、
父のA銀行普通預金:200万円
が残っていた場合、その200万円が銀行のものになるわけではありません。
相続人が必要な手続きを行い、遺産分割などに応じて引き継ぐことになります。
そのため、家族は「凍結されたからお金を失った」と考える必要はありません。
相続人が預金を引き継ぐための手続きが必要になる
本人が亡くなった後、相続人が預金を受け取るには金融機関で相続手続きを行います。
一般的には、
死亡の連絡
↓
金融機関から必要書類を確認
↓
戸籍などの書類を準備
↓
相続関係を確認
↓
必要な申請書類を提出
↓
払戻し・名義変更など
という流れになります。
ただし、遺言書の有無や遺産分割の状況などによって必要な手続きは変わります。
そのため、本人が元気なうちに、
- 利用金融機関
- 支店
- 預金種類
- 通帳の保管場所
などを整理しておくと、家族が手続きを始めやすくなります。
相続手続きでは戸籍などが必要になる場合がある
預金の相続手続きでは、相続人であることを確認するために戸籍関係書類などが必要になる場合があります。
たとえば、
- 亡くなった本人の戸籍関係書類
- 相続人の戸籍関係書類
- 本人確認書類
- 遺言書
- 遺産分割協議書
- 印鑑証明書
などです。
ただし、すべてのケースで同じ書類が必要になるわけではありません。
遺言書がある場合と、相続人全員で遺産分割協議を行う場合では、必要書類が異なることがあります。
また、法定相続情報一覧図を利用できるケースもあります。
まずは取引金融機関へ、
「相続手続きには何が必要ですか?」
と確認してから書類を集めると無駄が少なくなります。
金融機関によって必要書類や手続きが異なる
銀行、信用金庫、ゆうちょ銀行、ネット銀行などでは、相続手続きの方法や必要書類が異なる場合があります。
たとえば、
- 店頭で手続きする
- 郵送で手続きする
- 専用窓口へ連絡する
- Web上から相続受付を始める
など、方法は金融機関によってさまざまです。
そのため、
A銀行で必要だった書類が、B銀行でもまったく同じとは限りません。
複数の金融機関に口座がある場合は、それぞれに確認しましょう。
終活で銀行口座一覧を作っておけば、
「A銀行、B銀行、ネット銀行の3か所に連絡すればよい」
と家族が把握しやすくなります。
葬儀費用などで預金が必要な場合の制度も確認する
本人が亡くなった直後は、
- 葬儀費用
- 入院費
- 生活費
など、急にまとまったお金が必要になることがあります。
しかし、遺産分割が終わるまで預金をまったく引き出せないと困る場合があります。
そこで現在の民法には、遺産分割前でも一定額の預貯金を相続人が単独で払い戻せる制度があります。
家庭裁判所の判断を経ずに払戻しを受ける場合、各共同相続人が単独で払い戻せる額は、原則として、
相続開始時の預貯金額 × 1/3 × その相続人の法定相続分
で計算し、さらに同一金融機関につき150万円が上限となります。
たとえば、
父のA銀行預金:600万円
相続人:妻と子1人
妻の法定相続分:1/2
の場合、
600万円 × 1/3 × 1/2
=100万円
となり、制度上は妻が単独で払い戻せる額の一つの目安は100万円となります。
ただし、実際の払戻しでは金融機関所定の手続きや必要書類があります。
また、家庭裁判所を利用する別の方法もあります。
そのため、
「葬儀費用なら自由に亡くなった人のカードで引き出してよい」
という意味ではありません。
本人が亡くなった後は、キャッシュカードや暗証番号を使って自己判断で預金を引き出すのではなく、金融機関へ事情を伝え、正式な相続手続きや払戻し制度を確認しましょう。
終活で大切なのは、亡くなった後に家族へ暗証番号を渡して自由に引き出せるようにすることではありません。
家族が金融機関を把握し、正しい相続手続きへ進める状態を作っておくことが重要です。
家族が銀行口座で困らないために準備しておきたいこと
終活で銀行口座を整理する目的は、口座数を減らすことだけではありません。
大切なのは、将来本人が手続きをできなくなったり、亡くなったりしたときに、家族が、
「どこの金融機関に口座があるのか分からない」
という状態にならないよう準備しておくことです。
ただし、暗証番号やパスワードまで家族全員に知らせる必要はありません。
まずは、口座の存在・用途・書類の保管場所が分かる状態を作りましょう。
| 準備すること | 主な内容 |
|---|---|
| 金融機関一覧 | 利用中の銀行・ネット銀行 |
| 口座の用途 | 年金・生活費・公共料金など |
| 保管場所 | 通帳・カード・一覧表 |
| ネット銀行 | 利用している金融機関名 |
| 秘密情報 | 安易に共有しない |
| 将来の管理 | 判断能力低下時も検討する |
利用している金融機関を家族が分かるようにする
最初に、家族が利用金融機関を確認できる状態にしておきましょう。
たとえば、
- ○○銀行
- △△信用金庫
- ゆうちょ銀行
- ○○ネット銀行
などです。
預金残高まで家族へ知らせる必要はありません。
まず、
「私はこの4つの金融機関を利用しています」
と分かるだけでも、将来の手続きでは大きな手掛かりになります。
特に、
- 昔作った地方銀行の口座
- 定期預金だけの口座
- ネット銀行
などは家族が知らない可能性があるため、一覧へ加えておきましょう。
銀行口座一覧表の保管場所を伝える
銀行口座一覧表を作っても、本人しか保管場所を知らなければ、いざというとき家族が見つけられません。
たとえば、
「銀行口座一覧は書斎の金融関係ファイルに入れてあります」
と伝えておく方法があります。
保管場所としては、
- 鍵付き引き出し
- 金融関係書類専用ファイル
- 安全な書類保管場所
などが考えられます。
重要なのは、
一覧表そのものを家族へ常時渡しておくことではなく、必要になったときに場所が分かること
です。
また、暗証番号やパスワードを一覧表と一緒に保管することは避けましょう。
年金や公共料金の入出金口座を整理する
家族が困りやすいのが、
「年金はどこに入っていたの?」
「電気料金はどの口座から払っていたの?」
というお金の流れです。
そのため、銀行口座一覧には、
- 年金受取口座
- 給与振込口座
- 電気・ガス・水道
- クレジットカード
- 保険料
- 家賃
などの用途も記録しておきましょう。
たとえば、
| 金融機関 | 主な用途 |
|---|---|
| A銀行 | 年金・生活費 |
| B銀行 | 公共料金・カード |
| C銀行 | 定期預金 |
| Dネット銀行 | 貯蓄 |
とまとめておくだけでも分かりやすくなります。
家族が必要なときに、口座だけでなくお金の流れも確認できる状態にしておくことが大切です。
ネット銀行の存在も伝えておく
ネット銀行は紙の通帳がない場合が多いため、特に注意が必要です。
本人しかスマートフォンで利用していなければ、家族が口座の存在に気づかない可能性があります。
そのため、
「○○ネット銀行にも口座があります」
と存在だけでも分かるようにしておきましょう。
記録する項目は、
- 金融機関名
- 支店名
- 口座種類
- 主な用途
程度から始めれば十分です。
ログインIDやパスワードまで同じ表に書く必要はありません。
暗証番号を安易に家族へ渡さない
終活というと、
「自分が亡くなったら困るから、暗証番号を子どもに教えておこう」
と考えることがあります。
しかし、暗証番号やログイン情報を安易に共有するのはおすすめできません。
特に、
- キャッシュカード
- 暗証番号
- ネットバンキングID
- パスワード
を一緒に保管すると、不正利用のリスクが高まります。
家族が必要なときに正式な手続きができるよう、
「口座の存在を知らせること」と「秘密情報を渡すこと」は分けて考える
ことが大切です。
本人の代わりに家族がお金を管理する必要が出た場合も考える
高齢になると、病気や認知機能の低下などによって、自分で銀行口座を管理することが難しくなる場合があります。
そのため終活では、
「亡くなった後」だけでなく「生きている間に自分で管理できなくなった場合」
も考えておきましょう。
金融機関によっては、本人の状況に応じた代理手続きや独自のサービスを設けている場合があります。
また、判断能力が不十分になった人の財産管理を支援する制度として成年後見制度があります。
法務省は、成年後見制度について、判断能力が不十分な方の預貯金や不動産などの財産管理を成年後見人等が支援する制度と案内しています。
家族が将来管理する可能性がある場合は、元気なうちに利用金融機関へ相談しておくとよいでしょう。
判断能力が低下する前に準備しておく
財産管理については、判断能力が十分なうちに考えておくことが特に重要です。
成年後見制度には、
- 判断能力が低下した後に家庭裁判所が成年後見人等を選ぶ法定後見制度
- 判断能力が十分なうちに、将来に備えて代理人を決めておく任意後見制度
があります。
ただし、
「終活を始めたら必ず成年後見制度を利用しなければならない」
ということではありません。
まずは、
- 自分で口座を管理できているか
- 将来誰に相談したいか
- 家族と財産管理について話しているか
- 利用金融機関にどのような制度があるか
を確認しておきましょう。
終活では、元気なうちに選択肢を知っておくことが大切です。
終活で銀行口座を整理するときの注意点
銀行口座を整理すると、管理はしやすくなります。
しかし、
「終活だから口座を全部一つにしよう」
「使っていないようだからすぐ解約しよう」
と急いで進めるのはおすすめできません。
銀行口座は、生活費・年金・貯蓄など日常生活と深く結びついています。
安全性や預金保険制度も含めて、無理のない整理を行いましょう。
すべての預金を一つの銀行へ集めなくてもよい
口座数を減らすと管理しやすくなりますが、必ずすべての預金を一つの銀行へまとめる必要はありません。
たとえば、
A銀行=年金・生活費
B銀行=貯蓄
というように、用途を分ける方法もあります。
重要なのは、
- 何のための口座か分かる
- 本人が管理できる
- 家族が存在を確認できる
ことです。
「終活=1銀行・1口座」と考えず、自分に合った管理方法を選びましょう。
預金保険制度も考えて口座を整理する
預金額が多い場合は、預金保険制度についても確認しておきましょう。
金融庁によると、利息の付く普通預金や定期預金などの一般預金等は、金融機関が破綻した場合、原則として、
1金融機関につき、預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息等
が保護されます。
一方、無利息・要求払い・決済サービスを提供できるという要件を満たす決済用預金は全額保護されます。
たとえば、
A銀行の一般預金等:1,500万円
という場合、金融機関破綻時の保護範囲について理解しておく必要があります。
そのため、預金額が大きい方は、
「家族が分かりやすいから全部一つの銀行へ移す」
と単純に決めず、預金保険制度も考えて整理しましょう。
生活に必要な口座まで急いで解約しない
使っていない口座を整理することは大切ですが、生活に必要な口座まで急いで解約しないようにしましょう。
たとえば、
- 年金受取
- 公共料金
- クレジットカード
- 保険料
- 家賃
などに使っている口座です。
一見するとあまり使っていないようでも、年に数回だけ支払いがある場合もあります。
解約前には、
入金・引き落とし・定期預金・今後の利用予定
を確認しましょう。
家族が勝手に本人の預金を動かさない
本人が高齢になったからといって、家族が本人のキャッシュカードや暗証番号を使い、自由に預金を引き出してよいとは限りません。
たとえば、
「父のために使うお金だから」
という理由でも、本人の意思確認が難しい状態では、後に家族間で問題になる可能性があります。
本人に判断能力があるうちは、本人の意思を確認しながら手続きを行うことが基本です。
本人が自分で管理できなくなった場合は、
- 金融機関へ相談する
- 正式な代理手続きを確認する
- 必要に応じて成年後見制度などを検討する
といった方法を考えましょう。
家族だから自由に使える、とは考えないことが重要です。
暗証番号・ID・パスワードを一覧表にまとめすぎない
銀行口座一覧表には、
- 銀行名
- 支店
- 口座種類
- 用途
- 通帳保管場所
などを記載できます。
しかし、
銀行名+口座番号+暗証番号+ID+パスワード
を一枚の紙にまとめるのは危険です。
その紙を紛失したり第三者に見られたりした場合、不正利用につながる可能性があります。
ネット取引では、金融庁もログインIDやパスワードの窃取、偽サイトによる不正取引について注意を呼びかけています。
終活では、
「財産の所在を知らせる情報」と「本人認証に使う秘密情報」を分けて管理する
と覚えておきましょう。
不審な電話や銀行を名乗る詐欺に注意する
銀行口座の整理をしていると、銀行からの郵便物や電話を確認する機会も増えます。
その際、
- 銀行を名乗る電話
- 「口座が不正利用されています」というSMS
- 「本人確認が必要です」というメール
- 偽のログイン画面へ誘導するリンク
などには注意しましょう。
金融庁は、見覚えのある送信者から届いたメールやSMSでも、掲載されたリンクを安易に開かず、正しい公式サイトからアクセスするよう注意喚起しています。
不審に感じた場合は、相手から教えられた電話番号ではなく、通帳や金融機関の公式サイトなどで確認した正規の連絡先へ自分から問い合わせると安心です。
分からないことは利用している金融機関へ確認する
銀行口座の手続きは金融機関によって異なることがあります。
たとえば、
- 口座解約
- 通帳紛失
- キャッシュカード紛失
- 登録住所変更
- 代理人による手続き
- 本人が来店できない場合
- 相続手続き
などです。
「以前A銀行ではこうだったから、B銀行も同じだろう」
と判断せず、利用している金融機関へ確認しましょう。
特に高齢者本人が手続きしにくくなった場合には、家族だけで判断せず、
「本人の状況ではどのような手続きができますか?」
と金融機関へ相談することが大切です。
終活で銀行口座を整理するときは、
減らすことを急ぐより、安全に、本人の意思を大切にしながら、家族が困らない状態を作ること
を目標にしましょう。
終活の銀行口座整理についてよくある質問
終活で銀行口座を整理しようとすると、「何口座まで減らせばいい?」「暗証番号は家族に教えるべき?」など、さまざまな疑問が出てきます。
ここでは、銀行口座整理についてよくある質問を分かりやすくまとめます。
銀行口座はいくつくらいに整理すればいいですか?
「○口座まで減らさなければならない」という決まりはありません。
大切なのは、本人が用途を把握でき、家族も必要なときに口座の存在を確認できる状態にすることです。
たとえば、
- A銀行……年金・生活費
- B銀行……公共料金
- C銀行……貯蓄
というように役割が明確なら、複数の口座があっても問題ありません。
口座数だけを減らすのではなく、**「何のために使っている口座か」**を整理しましょう。
使っていない口座はすべて解約した方がいいですか?
すべてを急いで解約する必要はありません。
まず、
- 自動引き落としがないか
- 給与・年金などの振込がないか
- 定期預金がないか
- 残高が残っていないか
- 今後使う予定がないか
を確認しましょう。
たとえば、普段使っていない口座でも、年に1回だけ保険料が引き落とされている場合があります。
「使っていない=すぐ解約」ではなく、入出金を確認してから判断することが大切です。
通帳がないネット銀行はどう整理すればいいですか?
ネット銀行の場合は、まず利用している金融機関の存在が家族にも分かるようにしておきましょう。
一覧表には、
- 金融機関名
- 支店名
- 口座種類
- 主な用途
- ネットバンキング利用の有無
などを記録します。
たとえば、
○○ネット銀行/普通預金/貯蓄用
という程度でも重要な手掛かりになります。
スマートフォンやパソコンだけで管理している場合は、本人以外が口座の存在に気づきにくいため、特に注意しましょう。
銀行口座の暗証番号を家族に教えておくべきですか?
終活だからといって、キャッシュカードの暗証番号を安易に家族へ教えることはおすすめできません。
特に、
金融機関名・口座番号・キャッシュカード・暗証番号・ネットバンキングのID・パスワード
を一緒に保管すると、紛失や盗難時の危険が高まります。
終活では、
「口座の存在を家族が確認できること」と「暗証番号を共有すること」は別
と考えましょう。
本人が自分で財産管理できなくなることが心配な場合は、家族へ暗証番号を渡すのではなく、利用金融機関の代理手続きなどについて事前に相談しておく方法があります。
死亡すると銀行口座はすぐ凍結されますか?
「死亡した瞬間に、本人名義のすべての銀行口座が全国一斉に自動凍結される」と考えるのは正確ではありません。
一般的には、金融機関が口座名義人の死亡を把握した後、相続手続きのため通常の払戻しなどが制限されることがあります。
つまり、
死亡届を役所へ提出した瞬間、自動的にすべての銀行へ死亡情報が伝わる
という仕組みではありません。
ただし、実際の取扱いは金融機関によって異なるため、本人が亡くなった場合は取引金融機関へ連絡し、相続手続きを確認しましょう。
家族は亡くなった人の口座からお金を引き出せますか?
本人が亡くなった後は、家族だからといってキャッシュカードと暗証番号を使い、自由に預金を引き出してよいと考えない方が安全です。
預金は相続財産となるため、原則として金融機関の相続手続きに従います。
一方、遺産分割が終わる前でも、一定額について相続人が単独で払戻しを受けられる遺産分割前の預貯金払戻し制度があります。
家庭裁判所の判断を経ずに利用する場合、原則として、
相続開始時の預貯金額 × 1/3 × 払戻しを求める相続人の法定相続分
で計算し、同一金融機関につき150万円が上限です。
たとえば、預金600万円、妻の法定相続分が2分の1なら、
600万円 × 1/3 × 1/2 = 100万円
となります。
実際に利用する場合は必要書類などがありますので、金融機関へ確認しましょう。
古い通帳が出てきたらどうすればいいですか?
古い通帳が出てきても、すぐに捨てないでください。
まず、
- 金融機関名
- 支店名
- 名義
- 最後の取引
- 記載されている残高
などを確認しましょう。
長期間取引がない場合、休眠預金等になっている可能性もあります。
ただし、休眠預金等になったからといって預金を受け取る権利がなくなるわけではありません。
金融庁は、休眠預金等になった後も、取引のあった金融機関で払戻しを受けられると案内しています。
銀行が合併して名称が変わっている場合もあるため、分からないときは金融機関へ問い合わせましょう。
銀行口座整理は何歳から始めればいいですか?
銀行口座整理に「○歳から」という決まりはありません。
60代・70代になってからでも始められますし、もっと早く整理しても構いません。
特に、
- 退職した
- 年金を受け取り始めた
- 使わない銀行口座が増えた
- ネット銀行を利用している
- 家族へ財産情報を整理しておきたい
というタイミングは、見直しのよい機会です。
銀行口座整理は死亡後だけを考えた準備ではなく、現在の自分のお金を分かりやすく管理するための終活でもあります。
思い立ったときに、まず通帳を集めるところから始めてみましょう。
終活の銀行口座整理は口座一覧を作ることから始めよう
終活で銀行口座を整理するときは、最初から口座を減らすことを目標にする必要はありません。
まず自分名義の銀行口座をすべて確認し、
「どこに・何のための口座があるのか」
を把握することから始めましょう。
そのうえで、生活に必要な口座と使っていない口座を分け、家族が必要なときに確認できる一覧表を作っておくと安心です。
今日覚えておきたい重要ポイント3つ
今回の記事で特に覚えておきたいのは、次の3つです。
- ① 自分名義の銀行口座をすべて確認する
- 普通預金・定期預金・ゆうちょ銀行・ネット銀行などを確認しましょう。
- ② 不要な口座は入出金を確認してから整理する
- 年金、公共料金、クレジットカード、定期預金などを確認してから解約を検討します。
- ③ 家族が口座の存在を確認できる状態にする
- 金融機関名、用途、通帳の保管場所などを一覧にしておきましょう。
終活で大切なのは、口座数をできるだけ減らすことではなく、自分と家族が管理しやすい状態を作ることです。
銀行口座の整理方法早見表
終活で何から始めればよいか迷ったら、次の表を参考にしてください。
| 順番 | やること | 確認ポイント |
|---|---|---|
| ① | 口座を洗い出す | 銀行・ゆうちょ・ネット銀行 |
| ② | 使用状況を確認 | 使用中・長期間未使用 |
| ③ | 入出金を確認 | 年金・給与・公共料金など |
| ④ | 残す口座を決める | 生活費・貯蓄など |
| ⑤ | 不要口座を整理 | 解約前に取引状況を確認 |
| ⑥ | 一覧表を作る | 金融機関・用途・保管場所 |
| ⑦ | 家族へ伝える | 一覧表の存在・保管場所 |
| ⑧ | 定期的に見直す | 口座や生活状況の変化 |
「全部の口座を一日で整理しよう」と考える必要はありません。
まずは通帳・カード・銀行アプリなどから利用金融機関を書き出すだけでも、十分な第一歩です。
終活の銀行口座整理チェックリスト
最後に、自分の銀行口座をどこまで整理できているか確認してみましょう。
□ 自分名義の銀行口座をすべて確認した
□ 普通預金・定期預金を確認した
□ ゆうちょ銀行の貯金も確認した
□ ネット銀行を確認した
□ 長期間使っていない口座を確認した
□ 年金・給与の振込口座を確認した
□ 公共料金の引落口座を確認した
□ クレジットカードの引落口座を確認した
□ 不要な口座を整理した
□ 休眠預金の可能性がある古い口座を確認した
□ 銀行口座一覧表を作った
□ 通帳・キャッシュカードの保管場所を確認した
□ 暗証番号・パスワードを安全に管理している
□ 家族が利用金融機関の存在を確認できる
□ ネット銀行の存在も家族が確認できる
□ 一覧表を定期的に見直している
すべてにチェックが付かなくても問題ありません。
できるところから一つずつ進めることが、家族が困らない終活につながります。
次に読むおすすめ終活・相続関連記事
銀行口座の整理が終わったら、財産全体やデジタル資産についても少しずつ整理していきましょう。
「終活とは?何から始める?初心者向けにやることをわかりやすく解説」
終活全体の進め方を確認したい方におすすめです。銀行口座だけでなく、財産・医療・介護・葬儀など、終活で考えておきたいことを確認できます。
「終活で財産整理は何をする?預貯金・不動産・保険のまとめ方を解説」
銀行口座から範囲を広げ、不動産・生命保険などを含めて自分の財産を整理したい方におすすめです。
銀行口座は、生活している間も、亡くなった後の相続でも重要な財産です。
まずは今日、「自分はどこの金融機関に口座を持っているだろう?」と書き出すことから始めてみましょう。
参考元:
- 金融庁「休眠預金・預金保険制度」
- 法務省「遺産分割前の預貯金払戻し制度」
- 預金保険機構「預金保険制度」
- 各金融機関「相続・口座手続き案内」
本記事は、金融庁・法務省・預金保険機構など公的機関の情報を参考に作成しています。制度や手続きは変更される場合があるため、最新情報も確認してください。
まとめ
終活で銀行口座を整理するときは、まず自分名義の口座をすべて確認し、現在使っている口座と使っていない口座に分けることから始めましょう。普通預金や定期預金だけでなく、通帳のないネット銀行も忘れずに確認することが大切です。不要な口座は入出金の状況を確認してから解約を検討し、残す口座は金融機関名や用途、通帳などの保管場所を一覧にしておきましょう。家族が必要なときに口座の存在を確認できる状態にしておくことが、終活での大切な準備です。



