終活の財産整理は何から始める?預貯金・不動産・生命保険・株式・借入金・デジタル資産など、整理しておきたい財産と進め方、財産一覧表の作り方や注意点を初心者向けにわかりやすく解説します。
「終活の財産整理は何から始めればいいの?」「預貯金や不動産、保険はどこまで整理すればいい?」と迷っていませんか。終活で財産を整理する目的は、単にお金や持ち物を減らすことではありません。自分がどのような財産や負債を持っているのか把握し、必要なときに家族が確認できるようにしておくことが大切です。この記事では、預貯金・不動産・生命保険・株式などの金融資産から、住宅ローンや借入金、デジタル資産まで、終活で整理しておきたい財産を初心者にも分かりやすく解説します。財産整理の順番や一覧表の作り方も紹介しますので、できるところから一緒に確認していきましょう。

終活で財産整理が必要な理由
終活というと、身の回りの片付けやエンディングノートを思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、終活で特に大切な準備の一つが財産整理です。
財産整理の目的は、単に財産を減らしたり処分したりすることではありません。
自分が現在、
「どのような財産を持っているのか」
「どこに保管・契約しているのか」
を確認し、必要なときに家族が把握できる状態にしておくことが重要です。
終活の財産整理とは何をすること?
終活における財産整理とは、現在所有している財産や負債を確認し、一覧にまとめて分かりやすくしておくことです。
主に次のようなものを確認します。
- 預貯金・銀行口座
- 土地・建物などの不動産
- 株式・投資信託
- 生命保険・個人年金保険
- 自動車・貴金属など
- ネット銀行・ネット証券
- 住宅ローン・借入金
たとえば銀行口座であれば、
「○○銀行○○支店に普通預金口座がある」
というように整理します。
最初から正確な財産額を計算する必要はありません。
まずは**「どのような財産が、どこにあるのか」**を書き出すところから始めるとよいでしょう。
自分の財産を把握できる
財産整理をすると、自分自身でも現在の財産状況を把握しやすくなります。
長年生活していると、
- 昔作った銀行口座
- 以前勤務していた会社に関係する金融商品
- 長期間確認していない生命保険
- 相続した土地
- ネット証券の口座
などを忘れていることがあります。
そこで、財産を一覧にしてみましょう。
| 財産の種類 | 確認するもの |
|---|---|
| 預貯金 | 通帳・銀行口座 |
| 不動産 | 土地・建物 |
| 金融資産 | 株式・投資信託 |
| 保険 | 生命保険・個人年金保険 |
| その他 | 自動車・貴金属など |
| 負債 | 住宅ローン・借入金 |
書き出すことで、
「使っていない銀行口座があった」
「昔加入した保険を忘れていた」
と気付くこともあります。
財産整理は、相続のためだけではなく、現在の自分の資産状況を確認する機会にもなります。
家族が財産を探す負担を減らせる
本人が財産の内容を把握していても、家族が同じように知っているとは限りません。
たとえば本人しか知らないネット銀行や証券口座があると、家族はその存在に気付けない可能性があります。
紙の通帳がない金融サービスでは、さらに分かりにくくなることもあります。
そのため、
- 金融機関名
- 証券会社名
- 保険会社名
- 不動産の所在地
- 重要書類の保管場所
などを一覧にしておくとよいでしょう。
たとえば、
「○○銀行を利用。通帳は書斎の書類ケース」
という程度でも、家族が財産を確認するための手掛かりになります。
財産そのものだけでなく、財産を探すための情報を残すことも終活の財産整理では重要です。
相続の準備につながる
財産整理は、将来の相続について考えるための準備にもなります。
相続が発生した場合には、どのような財産や債務があるのかを確認する必要があります。
そのため、生前から、
- 預貯金
- 不動産
- 株式・投資信託
- 保険
- 借入金
などを整理しておけば、財産の全体像を確認しやすくなります。
特に不動産については、
「自宅以外に土地を持っていた」
「親から相続した土地があった」
ということも考えられます。
終活の段階で財産を確認することは、将来の相続手続きを考えるための土台づくりになります。
ただし、財産一覧を作っただけで相続手続きや相続対策が完了するわけではありません。遺言書や相続税などについて判断が必要な場合は、別途確認しましょう。
不要な銀行口座や契約を見直せる
財産整理を進めると、現在ほとんど利用していない口座や契約が見つかることがあります。
たとえば、
- 給与振込に使っていた古い銀行口座
- 長期間利用していない証券口座
- 使用していないクレジットカード
- 内容を把握していない保険
- 利用していない有料サービス
などです。
ただし、見つけたからといって、すぐに解約する必要はありません。
まず、
「現在も必要なのか」
「解約すると不都合がないか」
を確認しましょう。
特に保険や金融商品は、解約による影響がある場合があります。
財産整理では、むやみに処分するのではなく、現在利用しているものと不要なものを整理して把握することが大切です。
借金などのマイナス財産も確認できる
財産整理で忘れてはいけないのが、住宅ローンや借入金などの負債です。
終活では「持っている財産」だけに目が向きやすいですが、
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- カードローン
- その他の借入金
- 保証債務
などについても確認しておきましょう。
たとえば、次のように一覧にできます。
| 種類 | 借入先 | 確認するもの |
|---|---|---|
| 住宅ローン | ○○銀行 | 契約書・返済予定表 |
| 自動車ローン | ○○信販 | 契約書 |
| その他の借入金 | ○○会社 | 契約内容・残高 |
相続では、財産上の権利だけでなく、一定の債務が承継の対象となることがあります。
そのため、プラスの財産とマイナスの財産をセットで確認することが大切です。
終活全体で何を準備すればよいのか確認したい方は、**「終活でやることリスト|初心者が準備しておきたいことを順番に解説」**も参考にしてください。
終活で整理しておきたい財産一覧
終活で財産整理を始めるとき、
「具体的に何を財産として整理すればいいの?」
と迷うことがあります。
預貯金だけでなく、不動産、株式、保険、価値のある動産、デジタル上の金融資産なども確認しておきましょう。
代表的な項目をまとめると次のようになります。
| 種類 | 主な内容 | 確認する情報 |
|---|---|---|
| 預貯金 | 普通預金・定期預金など | 金融機関・支店 |
| 不動産 | 土地・建物 | 所在地・名義 |
| 金融資産 | 株式・投資信託など | 証券会社・金融機関 |
| 保険 | 生命保険・個人年金保険 | 保険会社・契約内容 |
| その他の財産 | 自動車・貴金属など | 品名・保管場所 |
| デジタル資産 | ネット銀行・ネット証券など | サービス・金融機関 |
| 負債 | ローン・借入金 | 借入先・契約書 |
預貯金・銀行口座
最初に確認しやすいのが預貯金です。
普通預金だけでなく、
- 普通預金
- 定期預金
- ゆうちょ銀行
- 信用金庫・信用組合などの口座
- ネット銀行
なども確認します。
一覧表には、
「金融機関名・支店名・口座種類・通帳などの保管場所」
を書いておくと分かりやすくなります。
残高は変動するため、終活用の一覧表では必ずしも毎回正確な金額まで更新する必要はありません。
まずは、どの金融機関に口座があるのか把握することから始めましょう。
土地・建物などの不動産
自宅や土地などの不動産も、財産整理で重要な項目です。
確認したいものには、
- 現在住んでいる自宅
- 実家の土地・建物
- 駐車場
- 貸している土地・建物
- 山林・農地
- 共有している不動産
などがあります。
たとえば、
「○○県○○市の自宅土地・建物」
「○○町に親から相続した土地あり」
というように一覧にします。
不動産は預貯金と違って、通帳を見れば分かるものではありません。
所在地や登記名義、固定資産税関係の書類などを確認しておくと、後の整理につながります。
なお、相続税における土地や建物の評価には一定のルールがあります。単純に購入価格や現在の売却価格だけで判断するものではない点にも注意しましょう。
株式・投資信託などの金融資産
株式や投資信託などを保有している場合も整理しておきましょう。
主な金融資産には、
- 上場株式
- 投資信託
- 債券
- NISA口座の商品
- その他の証券口座の商品
などがあります。
特に注意したいのがネット証券です。
郵送書類が少ないサービスでは、家族が口座の存在に気付かない可能性があります。
一覧には、
「○○証券に口座あり」
「△△銀行で投資信託を保有」
というように、まず取引先が分かる情報を残しておくとよいでしょう。
生命保険・個人年金保険
生命保険や個人年金保険についても、契約内容を確認します。
主に確認したいのは、
- 保険会社
- 保険の種類
- 契約者
- 被保険者
- 保険金受取人
- 証券番号
- 保険証券などの保管場所
です。
たとえば、
「○○生命・終身保険・保険証券は書斎の青いファイル」
と整理しておけば、契約の存在を確認しやすくなります。
保険は契約者・被保険者・受取人などによって扱いが異なる場合があるため、単純に預貯金と同じ財産として考えないこともポイントです。
自動車・貴金属など価値のある財産
銀行や不動産以外にも、金銭的な価値のあるものを所有している場合があります。
たとえば、
- 自動車
- 貴金属
- 宝石
- 高級時計
- 美術品
- 骨董品
- コレクション
などです。
すべての日用品を細かく一覧にする必要はありません。
高額なものや家族が価値を判断しにくいものを中心に整理するとよいでしょう。
たとえば、
「○○社の腕時計・購入時の保証書は書斎」
というように、品物と関係書類の保管場所をセットで記録すると分かりやすくなります。
ネット銀行・ネット証券などのデジタル資産
最近は、紙の通帳や書類がほとんどない金融サービスも増えています。
そのため、
- ネット銀行
- ネット証券
- 電子マネー
- キャッシュレス決済サービス
- 暗号資産など
についても確認しておきましょう。
特にネット銀行やネット証券は、スマートフォンやパソコンだけで管理していると、家族が存在そのものに気付けない場合があります。
エンディングノートや財産一覧には、
「○○ネット銀行を利用」
「△△証券に口座あり」
など、サービスの存在が分かる情報を整理しておく方法があります。
ただし、暗証番号やパスワードなどの認証情報は、第三者に知られないよう慎重に管理してください。
住宅ローン・借入金などの負債
最後に、借入金などの負債も確認します。
主なものとして、
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- カードローン
- その他の借入金
- 保証債務
などがあります。
一覧には、
「どこから借りているか」
「どの契約書を確認すればよいか」
が分かるようにしておくと便利です。
財産整理というと「いくら持っているか」ばかりを考えがちですが、資産と負債の両方を確認して初めて財産の全体像が見えてきます。
最初から正確な金額をすべて計算する必要はありません。
まずは、
「預貯金」「不動産」「金融資産」「保険」「その他の財産」「デジタル資産」「負債」
の7つに分け、自分に該当するものを書き出すところから始めてみましょう。
終活の財産整理は何から始める?おすすめの順番
終活で財産整理を始めようと思っても、
「預金から調べるべき?」
「不動産や保険も同時に整理するの?」
と迷うことがあります。
最初から財産の金額を正確に計算する必要はありません。まずは**「何を持っているのか」「どこに関係書類があるのか」**を確認するところから始めましょう。
おすすめの順番は次のとおりです。
| ステップ | やること | 主な目的 |
|---|---|---|
| 1 | 財産を書き出す | 全体像をつかむ |
| 2 | 関係書類を確認する | 契約内容を把握する |
| 3 | 種類ごとに分ける | 整理しやすくする |
| 4 | 不要な口座・契約を確認する | 管理を見直す |
| 5 | 借入金・ローンを確認する | 負債を把握する |
| 6 | 財産一覧表を作る | 情報をまとめる |
| 7 | 書類の保管場所を決める | 必要なときに探せるようにする |
ステップ1|思い当たる財産を書き出す
最初は、現在思い当たる財産を紙やノートに書き出してみましょう。
たとえば、
- ○○銀行に普通預金
- ゆうちょ銀行に定期貯金
- 自宅の土地・建物
- ○○証券に投資信託
- ○○生命の生命保険
- 自動車
- 貴金属
といった簡単な内容で構いません。
この段階では、口座番号や正確な残高まで調べなくても大丈夫です。
まずは頭の中にある情報を書き出して、財産の全体像を見える形にすることを優先します。
たとえば「銀行」と書いている途中で、
「そういえば昔作った口座があった」
と思い出すこともあります。
財産整理では、最初から完璧な一覧表を作ろうとせず、思い出したものから追加していきましょう。
ステップ2|通帳・証券・契約書などを集める
次に、財産に関係する書類を確認します。
代表的なものは次のとおりです。
- 預貯金通帳
- キャッシュカード
- 証券会社からの書類
- 生命保険証券
- 不動産関係書類
- 固定資産税関係書類
- ローン契約書
- 年金・金融商品に関する書類
ただし、すべての重要書類を一か所に集めて保管する必要はありません。
この段階で大切なのは、
「どのような書類があり、現在どこに保管されているか」
を確認することです。
たとえば、
「生命保険証券→寝室の書類棚」
「不動産関係→書斎の青いファイル」
と記録しておくだけでも、後から確認しやすくなります。
ステップ3|財産を種類ごとに分ける
集めた情報は種類ごとに分類すると、財産の全体像が分かりやすくなります。
たとえば次の7種類です。
| 分類 | 具体例 |
|---|---|
| 預貯金 | 銀行・ゆうちょ銀行など |
| 不動産 | 土地・建物 |
| 金融資産 | 株式・投資信託・債券など |
| 保険 | 生命保険・個人年金保険 |
| その他 | 自動車・貴金属など |
| デジタル資産 | ネット銀行・ネット証券など |
| 負債 | 住宅ローン・借入金など |
分類してみると、
「預貯金は整理できたけれど、保険を確認していなかった」
など、抜けている項目にも気付きやすくなります。
財産整理では、資産と負債の両方を一緒に確認することがポイントです。
ステップ4|不要な口座や契約を確認する
財産を書き出していくと、長い間利用していない銀行口座や契約が見つかることがあります。
たとえば、
- 昔の給与振込用口座
- ほとんど利用していない証券口座
- 使用していないクレジットカード
- 内容を把握していない保険契約
- 利用していない有料サービス
などです。
ただし、
「使っていない=すぐ解約」
とは考えないようにしましょう。
銀行口座が公共料金やクレジットカードの引き落とし先になっていることもあります。
解約などを検討する前に、
- 給与・年金の入金
- 公共料金の引き落とし
- クレジットカードの支払い
- 保険料の支払い
などに使っていないか確認することが大切です。
保険や金融商品についても、解約すると保障や運用などに影響する場合があるため、契約内容を確認してから判断しましょう。
ステップ5|借入金・ローンも確認する
終活の財産整理では、預貯金や不動産だけでなく、負債についても確認します。
たとえば、
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- カードローン
- その他の借入金
- 保証債務
などです。
確認するときは、
| 確認項目 | 記入例 |
|---|---|
| 借入先 | ○○銀行 |
| 種類 | 住宅ローン |
| 関係書類 | ローン契約書 |
| 保管場所 | 書斎のファイル |
| 残高 | ○年○月現在の金額 |
という形で整理できます。
残高は返済によって変化するため、金額を書く場合は**「いつ現在の金額なのか」**も記録しておくと分かりやすくなります。
ステップ6|財産一覧表を作る
財産と負債を確認できたら、一つの一覧表にまとめます。
難しい書式は必要ありません。
たとえば次のような形です。
| 種類 | 金融機関・契約先など | 内容 | 書類の保管場所 |
|---|---|---|---|
| 預貯金 | ○○銀行 | 普通預金 | 書斎 |
| 不動産 | ○○市○○町 | 自宅土地・建物 | 青いファイル |
| 証券 | ○○証券 | 投資信託 | オンライン |
| 保険 | ○○生命 | 終身保険 | 寝室の棚 |
| 負債 | △△銀行 | 住宅ローン | 書斎 |
財産一覧表の目的は、正確な財産評価額を計算することではありません。
**「どこに何があるのかを確認できるようにすること」**が第一の目的です。
預金残高や株式の評価額などは変動するため、金額を書く場合は確認日も一緒に記録しておきましょう。
ステップ7|重要書類の保管場所を決める
最後に、通帳や契約書などの重要書類をどこに保管するか確認します。
代表的なものには、
- 通帳
- 保険証券
- 不動産関係書類
- 証券関係書類
- ローン契約書
- 遺言書など
があります。
大切なのは、家族が必要なときに存在や保管場所を確認できる状態にすることです。
ただし、通帳・印鑑・暗証番号などをすべて同じ場所にまとめることは、防犯面から慎重に考えましょう。
財産一覧表には、
「通帳→鍵付き書類ケース」
「不動産書類→書斎の青いファイル」
など、保管場所だけを書いておく方法があります。
財産一覧をエンディングノートにも整理しておきたい方は、**「エンディングノートとは?書き方と必要な項目を初心者向けに解説」**も参考にしてください。
終活で預貯金・銀行口座を整理する方法
終活の財産整理では、銀行口座の確認は比較的始めやすい項目です。
しかし、長年にわたって口座を作っていると、
「何個口座を持っているのか分からない」
「昔作った口座を忘れていた」
ということもあります。
まずは現在利用している金融機関を確認し、必要な情報を一覧にしてみましょう。
利用している銀行口座をすべて確認する
最初に、自分が利用している銀行口座を確認します。
たとえば、
- 都市銀行
- 地方銀行
- ゆうちょ銀行
- 信用金庫・信用組合
- ネット銀行
などです。
普通預金だけでなく、定期預金などがないかも確認しましょう。
探すときは、
- 通帳
- キャッシュカード
- 銀行から届いた郵便物
- メール
- スマートフォンの銀行アプリ
なども手掛かりになります。
特にネット銀行は紙の通帳がない場合があるため、スマートフォンやパソコンも確認しましょう。
金融機関名・支店名・口座の種類を一覧にする
銀行口座が確認できたら、一覧表を作ります。
たとえば、
| 金融機関 | 支店 | 種類 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| ○○銀行 | ○○支店 | 普通預金 | 生活費 |
| △△銀行 | △△支店 | 普通預金 | 年金受取 |
| ゆうちょ銀行 | ― | 通常貯金 | 予備資金 |
| □□銀行 | ネット | 普通預金 | ネット利用 |
といった形です。
必要に応じて、
- 通帳の保管場所
- キャッシュカードの保管場所
- 主な入出金の用途
なども記録すると、さらに分かりやすくなります。
残高は変動するため、財産整理の段階では、まず口座の存在と用途を把握することを優先しましょう。
長期間使っていない口座を確認する
一覧を作ると、ほとんど利用していない口座が見つかることがあります。
たとえば、
「20年前の勤務先で給与振込用に作った口座」
などです。
使っていない口座が見つかったら、
- 現在も利用できるか
- 残高があるか
- 自動引き落としがないか
- 今後使う予定があるか
を確認しましょう。
なお、長期間取引がない預金には、休眠預金等活用法に基づく「休眠預金等」に該当するものがあります。
ただし、休眠預金等になったからといって直ちに預金がなくなるわけではありません。取引金融機関で所定の手続きを行うことで、引き出せる場合があります。
そのため、
「古い口座だからもうお金は戻らない」
と自己判断せず、金融機関へ確認しましょう。
通帳・キャッシュカードの保管場所を整理する
銀行口座の情報だけでなく、通帳やキャッシュカードの保管場所も整理しておきます。
たとえば、
- 通帳 → 鍵付き書類ケース
- キャッシュカード → 財布または所定の保管場所
- 銀行関係書類 → 書斎の銀行ファイル
というように決めておきます。
ただし、防犯を考えると、
通帳・キャッシュカード・印鑑・暗証番号をすべて一か所にまとめることは避ける
などの工夫も必要です。
財産一覧表には、具体的な秘密情報ではなく、
「通帳は書斎の鍵付きケース」
など、必要な人が手掛かりを得られる情報を書く方法があります。
ネット銀行の口座も忘れずに確認する
終活ではネット銀行の確認も重要です。
ネット銀行は紙の通帳がない場合があるため、本人以外には口座の存在が分かりにくいことがあります。
確認するものとして、
- 利用しているネット銀行
- 登録しているメールアドレス
- 銀行アプリ
- 関連する書類やメール
などがあります。
財産一覧には、
「○○ネット銀行に口座あり」
と記録するだけでも、家族が口座の存在を知る手掛かりになります。
スマートフォンだけですべて管理している場合は、
「本人しか口座の存在を知らない」
という状態にならないよう注意しましょう。
暗証番号などの秘密情報は慎重に管理する
銀行口座を整理すると、
「家族が困らないよう、暗証番号も一覧表に書いた方がいいのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、
- キャッシュカードの暗証番号
- ネット銀行のログインパスワード
- ワンタイムパスワード
- 認証コード
- クレジットカード情報
などは、重要な秘密情報です。
財産一覧表には、
「どの銀行を利用しているか」
「関係書類がどこにあるか」
を記録し、認証情報とは分けて考える方法があります。
もし認証情報を何らかの形で残す場合は、金融機関の利用規約や安全性も確認したうえで、
- 誰がアクセスできるのか
- どこに保管するのか
- 第三者に見られないか
- 情報変更時に更新できるか
まで考えましょう。
終活の銀行口座整理では、「家族が存在を確認できること」と「生前のセキュリティを守ること」の両立が大切です。
終活で不動産を整理するときのポイント
終活で財産整理を進めるとき、不動産は特に確認しておきたい財産の一つです。
預貯金は通帳やアプリで確認できますが、不動産は、
「どこにあるのか」
「誰の名義なのか」
「共有になっていないか」
などを確認しないと、全体像が分かりにくいことがあります。
まずは売却や贈与を考える前に、自分がどの不動産を所有しているのか整理することから始めましょう。
所有している土地・建物を確認する
最初に、自分が所有している土地や建物を思い出せる範囲で書き出します。
たとえば、
- 現在住んでいる自宅
- 実家の土地・建物
- 貸している土地
- 駐車場
- 山林
- 農地
- 親から相続した土地
- 共有している不動産
などです。
特に注意したいのが、
「使っていない土地」
「親から相続したままになっている土地」
です。
普段利用していないため、本人も忘れている場合があります。
たとえば、
「自宅のほかに、父から相続した○○町の土地がある」
というように、思い当たる不動産から一覧にしていきましょう。
不動産の所在地を一覧にする
不動産を確認したら、所在地を一覧にします。
たとえば次のような形です。
| 種類 | 所在地 | 現在の利用状況 |
|---|---|---|
| 自宅 | ○○県○○市○○町 | 居住中 |
| 土地 | ○○県△△市△△町 | 未利用 |
| 駐車場 | ○○県○○市□□町 | 賃貸中 |
住所だけで分かりにくい場合は、関係書類を確認しながら整理しましょう。
重要なのは、
「どの地域に、どのような不動産を持っているのか」
を家族も確認できる状態にしておくことです。
土地や建物の評価額まで、最初から正確に計算する必要はありません。
まずは所在地と所有状況を把握しましょう。
登記名義を確認する
不動産では、現在の登記名義が誰になっているか確認することも大切です。
たとえば、
「自宅だから当然自分名義だと思っていた」
としても、実際には、
- 親名義のまま
- 配偶者との共有名義
- 兄弟姉妹との共有名義
という場合もあります。
登記情報を確認すると、
- 所有者
- 持分
- 土地・建物の情報
などを把握できます。
特に、親などから相続した不動産について名義変更をしていない場合は注意が必要です。
相続登記は2024年4月1日から義務化されており、原則として、不動産を相続したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。
2024年4月1日より前に相続した不動産も対象になるため、長期間名義を確認していない場合は一度調べておきましょう。
相続した不動産の名義変更について詳しく知りたい方は、**「相続登記のやり方完全ガイド|ケース別の必要書類と申請書の書き方を解説」**も参考にしてください。
固定資産税関係の書類を確認する
不動産を探す手掛かりとして、固定資産税関係の書類を確認する方法があります。
たとえば、
- 固定資産税納税通知書
- 課税明細書
- 固定資産評価証明書など
です。
固定資産税の納税通知書などには、所有している土地や建物に関する情報が記載されていることがあります。
終活で不動産を整理するときは、
「固定資産税の書類はどこに保管しているか」
も確認しておきましょう。
ただし、固定資産税関係の書類だけですべての不動産を完全に確認できるとは限りません。
必要に応じて登記事項証明書なども確認するとよいでしょう。
共有名義の不動産がないか確認する
土地や建物を複数人で所有している場合は、共有名義になっています。
たとえば、
- 夫婦で自宅を共有している
- 兄弟姉妹で親の土地を相続した
- 親族と共同で土地を所有している
といったケースです。
共有不動産の場合は、
「誰と共有しているのか」「自分の持分はどのくらいか」
を確認しておきましょう。
財産一覧には、
| 不動産 | 共有者 | 自分の持分 |
|---|---|---|
| 自宅 | 配偶者 | 2分の1 |
| ○○町の土地 | 兄・妹 | 3分の1 |
というように記録できます。
共有状態を家族が知らないと、将来の相続時に確認作業が増える可能性があります。
終活の段階で共有関係を整理しておくと、財産の全体像が分かりやすくなります。
不動産関係の書類の保管場所を整理する
不動産そのものだけでなく、関係書類の保管場所も確認しましょう。
代表的な書類には、
- 登記関係書類
- 売買契約書
- 固定資産税関係書類
- 境界関係書類
- 賃貸している場合の契約書
- 住宅ローン関係書類
などがあります。
たとえば、
「自宅の不動産関係書類は書斎の青いファイル」
と財産一覧に書いておくと、家族が探しやすくなります。
大切なのは、すべての書類を一か所に集めることではありません。
どの書類がどこにあるか分かる状態にすることが重要です。
終活で生命保険を整理する方法
生命保険も、終活で確認しておきたい重要な契約です。
長年加入していると、
「どの保険会社と契約しているのか」
「誰が受取人なのか」
をすぐに思い出せないことがあります。
終活では、まず加入している保険を一覧にして、必要な情報を確認しておきましょう。
加入している生命保険を一覧にする
最初に、現在加入している生命保険をすべて書き出します。
たとえば、
- 終身保険
- 定期保険
- 医療保険
- がん保険
- 個人年金保険
- 養老保険
などです。
まずは、
「○○生命に終身保険」
「△△生命に医療保険」
という簡単な記録から始めても構いません。
複数の保険会社と契約している場合は、一覧表にすると分かりやすくなります。
| 保険会社 | 保険種類 | 主な目的 |
|---|---|---|
| ○○生命 | 終身保険 | 死亡保障 |
| △△生命 | 医療保険 | 入院・手術 |
| □□生命 | 個人年金保険 | 老後資金 |
終活では、契約内容を細かく分析する前に、どの保険会社にどのような契約があるのか把握することから始めましょう。
保険会社・保険種類・証券番号を確認する
加入している保険が分かったら、基本情報を確認します。
主に確認したいのは、
- 保険会社名
- 保険商品・種類
- 証券番号
- 契約者
- 被保険者
- 契約日
などです。
たとえば、
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 保険会社 | ○○生命 |
| 種類 | 終身保険 |
| 証券番号 | ○○○○○ |
| 契約者 | 本人 |
| 被保険者 | 本人 |
という形です。
証券番号まで一覧に書く場合は、個人情報として扱い、安全な場所に保管しましょう。
一覧表へ細かく書きたくない場合は、
「詳細は保険証券を確認」
として、保管場所だけ記録する方法もあります。
保険金受取人を確認する
生命保険を整理するときは、死亡保険金などの受取人も確認しておきましょう。
長期間契約している保険では、
- 結婚前に契約した
- 家族構成が変わった
- 配偶者が亡くなった
- 子どもが独立した
など、契約当初と現在の状況が変わっている場合があります。
そのため、
「現在の受取人が誰になっているか」
を確認しておくことが大切です。
もし変更したい場合は、エンディングノートに書くだけではなく、契約している生命保険会社へ所定の手続きを確認しましょう。
保険金受取人の変更は、契約内容や手続きによって扱いが異なるため、保険会社へ直接確認するのが確実です。
保険証券の保管場所を整理する
保険契約の存在が分かっていても、保険証券や関係書類がどこにあるか分からないと、家族が確認するときに困ることがあります。
そこで、
- 保険証券
- 契約内容のお知らせ
- 約款
- 保険会社から届いた書類
などの保管場所を整理します。
たとえば、
「生命保険関係→寝室の白い書類ケース」
と財産一覧に書いておく方法があります。
電子化されている場合は、
「○○生命のWebサービスで管理」
というように、オンライン管理であることを記録してもよいでしょう。
住所・連絡先などの契約情報を確認する
長期間加入している保険では、契約時の情報が古くなっている場合があります。
たとえば、
- 住所
- 電話番号
- 氏名
- メールアドレス
などです。
引っ越した後に住所変更をしていないと、保険会社からの重要な案内が届かない可能性があります。
そのため、終活で生命保険を整理するときは、
「現在の契約情報が最新になっているか」
も確認しましょう。
変更が必要な場合は、契約している保険会社で正式な手続きを行います。
不要な保険がないか確認する
保険を整理すると、
「昔加入したまま内容を確認していない」
という契約が見つかる場合があります。
たとえば、
- 保障内容が似た保険に複数加入している
- 現在の生活状況に合っているか分からない
- 長期間内容を確認していない
といったケースです。
ただし、
「不要そうだからすぐ解約する」
という判断は避けましょう。
保険には、
- 解約すると保障がなくなる
- 再加入時に年齢や健康状態が影響する
- 解約返戻金が関係する
場合があります。
そのため、
- 現在の保障内容を確認する
- 保険料を確認する
- 今後必要な保障を考える
- 分からない場合は保険会社などへ確認する
という順番で検討するとよいでしょう。
今回の財産整理では、まず**「どの生命保険に加入しているかを把握し、家族が契約の存在を確認できる状態にすること」**を優先しましょう。
株式・投資信託などの金融資産を整理する方法
終活で財産整理をするときは、預貯金だけでなく、株式や投資信託などの金融資産も確認しておきましょう。
特にネット証券を利用している場合は、紙の書類が少なく、家族が口座の存在に気付けないことがあります。
まずは、どこに口座があり、どのような金融商品を保有しているのかを把握することから始めましょう。
証券会社・金融機関を確認する
最初に、自分が利用している証券会社や金融機関を書き出します。
たとえば、
- ○○証券
- △△証券
- 銀行の投資信託口座
- ネット証券
- 信託銀行
などです。
確認するときは、
- 郵送された取引報告書
- 年間取引報告書
- 証券会社からのメール
- スマートフォンの証券アプリ
- 銀行の取引画面
などが手掛かりになります。
まずは、
「○○証券に口座あり」
という程度でも構いません。
終活では、家族が後から確認できるように、金融機関や証券会社の存在を一覧にすることが大切です。
株式・投資信託などの保有状況を確認する
次に、どのような金融商品を保有しているか確認します。
代表的なものには、
- 国内株式
- 外国株式
- 投資信託
- 債券
- ETF
- REITなど
があります。
たとえば、
| 金融機関 | 主な商品 | 備考 |
|---|---|---|
| ○○証券 | 国内株式 | オンライン取引 |
| △△銀行 | 投資信託 | 店頭で契約 |
| □□証券 | ETF | ネット証券 |
という形で整理できます。
この段階では、毎日の評価額まで細かく記録する必要はありません。
株式や投資信託の価格は変動するため、財産一覧では、
「どこに、何を保有しているのか」
を優先して記録すると管理しやすくなります。
NISAなどの口座も確認する
NISAを利用している場合も忘れずに確認しましょう。
NISAでは、株式や投資信託などを非課税で保有できる制度が利用されています。
終活で整理するときは、
- NISA口座を開設している金融機関
- 保有している商品の種類
- 一般口座・特定口座など、ほかの口座の有無
を確認しておくと分かりやすくなります。
たとえば、
「○○証券にNISA口座あり」
と一覧に書いておくだけでも、家族が口座を探す手掛かりになります。
なお、NISA口座は本人専用の制度であり、死亡後にそのまま家族が同じNISA口座を引き継いで利用するものではありません。実際の相続時には、金融機関で所定の手続きが必要になります。
証券口座を一覧にまとめる
複数の証券会社を利用している場合は、一覧表にまとめると確認しやすくなります。
たとえば、
| 証券会社・金融機関 | 口座の種類 | 主な商品 | 管理方法 |
|---|---|---|---|
| ○○証券 | NISA | 投資信託 | スマホ |
| △△証券 | 特定口座 | 国内株式 | パソコン |
| □□銀行 | 投資信託口座 | 投資信託 | 店頭・Web |
一覧にすることで、
「この証券会社はもう使っていない」
「複数口座がある」
といったことにも気付きやすくなります。
財産整理では、金融資産の正確な時価を毎回記録することより、家族が口座の存在を確認できる状態にすることを優先しましょう。
ネット証券は家族が存在を確認できるようにする
ネット証券は特に注意が必要です。
紙の取引報告書を受け取っていない場合、
「スマートフォンを見なければ証券口座があることが分からない」
という状態になることがあります。
そのため、
- 利用している証券会社名
- 登録しているメールアドレス
- 証券アプリの有無
- 関係書類の保存場所
などを整理しましょう。
エンディングノートや財産一覧には、
「○○証券を利用している」
という情報だけでも残しておくと役立ちます。
ただし、ログインIDやパスワードを誰でも見られる場所へそのまま書くことは避け、安全性を考えて管理しましょう。
取引関係の書類や情報を整理する
金融資産については、取引先だけでなく関係書類の保管場所も確認します。
たとえば、
- 年間取引報告書
- 取引残高報告書
- 配当関係書類
- 投資信託の報告書
- 証券会社からの重要なお知らせ
などです。
電子交付を利用している場合は、
「○○証券のWebサイトで電子交付」
などと記録しておくと分かりやすくなります。
財産一覧には、
「証券会社名」「口座の種類」「主な金融商品」「書類・情報の保管場所」
まで整理しておけば、終活の財産確認として十分な土台になります。
借金・ローンなどのマイナス財産も整理する
終活で財産整理をするときは、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金やローンなどの負債も確認することが大切です。
相続では、原則として一定の債務も引き継ぐ対象になるため、
「いくら財産があるか」だけでなく、「どのような借入れがあるか」
も把握しておきましょう。
確認したい主な負債は次のとおりです。
| 負債の種類 | 主な確認内容 |
|---|---|
| 住宅ローン | 借入先・残高・契約書 |
| 自動車ローン | 信販会社・残高 |
| カードローン | 借入先・利用残高 |
| クレジットカード | 未払金・分割・リボ払い |
| その他の借入金 | 借入先・契約内容 |
| 保証債務 | 誰の債務を保証しているか |
住宅ローンを確認する
自宅に住宅ローンが残っている場合は、契約内容を確認します。
主に確認したいのは、
- 借入先
- ローン残高
- 毎月の返済額
- 返済期限
- 契約書の保管場所
- 団体信用生命保険の加入状況
などです。
たとえば、
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 借入先 | ○○銀行 |
| 種類 | 住宅ローン |
| 残高 | 2026年9月現在○○万円 |
| 契約書 | 書斎のローンファイル |
という形で整理できます。
住宅ローンには団体信用生命保険が関係している場合もあるため、残高だけでなく契約内容も確認しておきましょう。
自動車ローンを確認する
自動車をローンで購入している場合も整理しておきます。
確認するものは、
- ローン会社・信販会社
- 残りの返済額
- 毎月の支払額
- 契約書
- 車検証などの関係書類
です。
車の場合は、ローン契約によって所有者名義が販売会社や信販会社になっていることもあります。
そのため、
「車がある=自分名義の財産」
と単純に考えず、車検証や契約内容も確認しましょう。
カードローン・借入金を確認する
カードローンやその他の借入金がある場合も、一覧にまとめます。
たとえば、
- 銀行カードローン
- 消費者金融
- 個人からの借入れ
- その他のローン
などです。
財産整理では、
「誰から、いくら借りているのか」
が分かるようにしておきます。
たとえば、
| 借入先 | 種類 | 残高 | 書類 |
|---|---|---|---|
| ○○銀行 | カードローン | ○○万円 | Web管理 |
| △△会社 | 借入金 | ○○万円 | 契約書あり |
残高は変化するため、記録するときは確認日も書いておくとよいでしょう。
クレジットカードの利用状況を確認する
クレジットカードも、利用状況によっては未払金が残ることがあります。
確認しておきたいのは、
- 所有しているカード
- 主な利用目的
- 引き落とし口座
- 分割払い
- リボ払い
- 未払いの利用代金
などです。
たとえば、
「○○カードは公共料金の支払い用」
「△△カードに分割払いあり」
というように整理します。
使っていないカードが見つかった場合は、
- 定期支払いがないか
- 年会費が発生していないか
- サブスクの支払いに使っていないか
を確認してから整理を検討しましょう。
保証債務がないか確認する
見落としやすいのが保証債務です。
保証債務とは、家族や知人などの借金について保証人・連帯保証人になっている場合などに生じるものです。
たとえば、
「兄弟の事業資金の借入れで連帯保証人になった」
というケースがあります。
本人が実際にお金を借りていなくても、保証契約があれば重要な情報です。
そのため、
- 誰の保証をしているのか
- どの金融機関との契約か
- 契約書はどこにあるか
を確認しておきましょう。
保証債務は内容が複雑になることもあるため、分からない場合は金融機関や専門家へ確認することも大切です。
借入先・残高・関係書類を一覧にする
最後に、すべての負債を一覧表にまとめます。
たとえば、
| 種類 | 借入先 | 残高 | 関係書類 |
|---|---|---|---|
| 住宅ローン | ○○銀行 | ○○万円 | ローン契約書 |
| 自動車ローン | △△信販 | ○○万円 | 契約書 |
| カードローン | □□銀行 | ○○万円 | Web管理 |
| 保証債務 | ○○銀行 | 要確認 | 保証契約書 |
残高は日々変化するため、
「2026年9月現在」
など確認日も一緒に記録しましょう。
終活の財産整理では、
プラスの財産 − マイナスの財産
という視点で全体像を確認することが重要です。
特に借金などが多く、将来の相続について家族が判断に迷う可能性がある場合は、財産と負債の両方を分かるようにしておくことが役立ちます。
なお、相続人が借金などを引き継がないために相続放棄を検討する場合、原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。相続放棄をすると、借金だけではなく預貯金や土地などの財産も原則として引き継がないことになります。
そのため、家族がプラスの財産だけでなく負債も早めに確認できる状態にしておくことには大きな意味があります。
財産一覧表を作って家族が確認できるようにする
終活で財産整理をするときは、預貯金、不動産、生命保険、株式、借入金などを確認するだけでなく、一つの財産一覧表にまとめておくことが大切です。
本人が内容を覚えていても、家族が同じ情報を知っているとは限りません。
財産一覧表を作っておけば、
「どこに何があるのか」
「どの書類を確認すればよいのか」
が分かりやすくなります。
財産一覧表に書いておきたい項目
財産一覧表には、細かすぎる情報を詰め込む必要はありません。
まずは次のような項目を整理するとよいでしょう。
| 分類 | 書いておきたい内容 |
|---|---|
| 預貯金 | 金融機関名・支店名・口座種類 |
| 不動産 | 所在地・種類・名義 |
| 証券 | 証券会社・口座種類 |
| 保険 | 保険会社・保険種類 |
| その他の財産 | 自動車・貴金属など |
| 負債 | 借入先・ローンの種類 |
| デジタル資産 | ネット銀行・ネット証券など |
| 関係書類 | 保管場所 |
たとえば、
「○○銀行○○支店・普通預金」
「△△証券・NISA口座あり」
「自宅土地・建物・○○市○○町」
という程度から始めても構いません。
大切なのは、財産の存在を後から確認できることです。
財産の正確な金額まで書く必要はある?
財産一覧表に、必ず正確な金額まで書かなければならないわけではありません。
預貯金残高や株式・投資信託の評価額は変化します。
そのため、
「○○銀行に普通預金あり」
「○○証券で投資信託を保有」
といった情報だけでも、財産を探す手掛かりになります。
金額を書く場合は、
「2026年9月現在」
など、確認日も一緒に記録すると分かりやすくなります。
たとえば、
| 財産 | 金額 | 確認日 |
|---|---|---|
| ○○銀行 | 約300万円 | 2026年9月 |
| △△証券 | 約150万円 | 2026年9月 |
という形です。
財産一覧表の目的は、毎日正確な資産額を管理することではありません。
家族が財産の所在を確認できる状態にしておくことを優先しましょう。
重要書類の保管場所も記録する
財産そのものだけでなく、関係書類の保管場所も記録しておくと便利です。
たとえば、
- 通帳
- 保険証券
- 不動産関係書類
- 証券関係書類
- ローン契約書
- 遺言書
などです。
財産一覧表には、
「保険証券→寝室の書類ケース」
「不動産書類→書斎の青いファイル」
といった形で書いておきます。
ただし、
通帳・印鑑・キャッシュカード・暗証番号などを一か所にまとめることは、防犯面から慎重に考えましょう。
一覧表には保管場所だけを書き、重要物そのものは安全に管理する方法があります。
エンディングノートを活用する
財産一覧表は、単独で作ってもよいですし、エンディングノートの一部としてまとめる方法もあります。
エンディングノートなら、
- 財産
- 保険
- 重要書類
- 家族の連絡先
- 介護・医療
- 葬儀・お墓
などをまとめて整理できます。
たとえば財産欄に、
「○○銀行○○支店に普通預金あり。通帳は書斎の鍵付きケース」
と書いておけば、家族が確認しやすくなります。
ただし、エンディングノートに暗証番号やパスワードまで無防備に書くことは避け、安全管理も考えましょう。
エンディングノートに何を書けばよいか詳しく知りたい方は、**「エンディングノートとは?書き方と必要な項目を初心者向けに解説」**も参考にしてください。
家族や信頼できる人に保管場所を伝える
財産一覧表を作っても、家族がその存在を知らなければ十分に役立たないことがあります。
そのため、
「財産一覧を作っていること」
「どこに保管しているのか」
を、家族や信頼できる人に伝えておきましょう。
たとえば、
「財産関係をまとめたノートを、書斎の鍵付き引き出しに入れているよ」
と伝えておくだけでも構いません。
一覧表の内容すべてを今すぐ家族に見せる必要はありません。
大切なのは、必要なときに確認できる状態にしておくことです。
財産一覧表は定期的に更新する
財産状況は変化します。
たとえば、
- 銀行口座を解約した
- 新しく証券口座を作った
- 不動産を売却した
- 保険を変更した
- ローンを完済した
という場合です。
そのため、財産一覧表も定期的に見直しましょう。
年に1回程度を目安に確認するほか、大きな変更があったときに更新する方法があります。
たとえば、
「最終確認:2026年9月」
と書いておくと、どの情報が新しいのか分かりやすくなります。
デジタル化した財産の整理も忘れずに
現在は、紙の通帳や証券がなく、スマートフォンやパソコンだけで管理する財産も増えています。
このような財産は、本人以外には存在が分かりにくいことがあります。
国民生活センターでも、故人のスマートフォンを開けず、ネット銀行の契約先が分からなかった事例などが紹介されています。
そのため終活では、ネット上にある財産についても存在が分かるように整理することが重要です。
ネット銀行の口座を確認する
ネット銀行を利用している場合は、財産一覧に忘れず記録しましょう。
確認したいのは、
- 銀行名
- 登録メールアドレス
- 利用しているアプリ
- 関係書類やメール
などです。
たとえば、
「○○ネット銀行に普通預金口座あり」
と書くだけでも、家族が口座を探す手掛かりになります。
紙の通帳がない場合は特に、
「本人のスマートフォンを見なければ分からない」
という状態を避けることが大切です。
ネット証券の口座を確認する
ネット証券も同様です。
株式や投資信託をオンラインだけで管理している場合、郵送物が少なく、家族が証券口座の存在に気付けない可能性があります。
そこで、
- 証券会社名
- NISAなど口座の種類
- 主な金融商品
- 登録メールアドレス
などを整理しておきましょう。
たとえば、
「○○証券にNISA口座あり」
という情報だけでも役立ちます。
評価額は変動するため、まずは証券口座の存在を確認できる状態にしておくことを優先します。
電子マネー・決済サービスを確認する
電子マネーやスマートフォン決済サービスにも、残高がある場合があります。
たとえば、
- 交通系電子マネー
- QRコード決済
- プリペイド型サービス
- その他のキャッシュレス決済
などです。
利用しているサービスを一覧にして、
「どのサービスを使っているか」
を分かるようにしておきましょう。
ただし、すべての電子マネーやポイントが同じように相続できるとは限りません。
死亡時の残高やアカウントの扱いは、各サービスの利用規約や手続きによって異なります。
そのため、具体的な手続きが必要になった場合は、各事業者へ確認しましょう。
暗号資産などがある場合は整理する
暗号資産を保有している場合も、終活の財産整理で確認しておきたい項目です。
たとえば、
- 利用している暗号資産交換業者
- 保有している暗号資産の種類
- 関係するアプリやサービス
- 必要な情報の保管方法
などを整理します。
国内で暗号資産と法定通貨との交換サービスを提供する事業者には、原則として暗号資産交換業の登録が必要です。金融庁は登録制度や利用者向け情報を公開しています。
暗号資産はセキュリティ管理も特に重要なので、秘密鍵や認証情報を誰でも見られる財産一覧へ直接書くことは避け、慎重に管理しましょう。
ID・パスワードの管理方法に注意する
デジタル資産を整理すると、
「家族が困らないよう、IDやパスワードを全部書いておこう」
と思うかもしれません。
しかし、
- ネット銀行のパスワード
- 証券口座のログイン情報
- スマートフォンの認証情報
- 暗号資産の秘密情報
などは、非常に重要な情報です。
財産一覧には、
「どのサービスを利用しているか」
を中心に書き、認証情報は別の安全な方法で管理することも検討しましょう。
国民生活センターも、デジタル終活ではネット上の資産や契約についてサービス名や認証情報を整理しておくことを案内していますが、実際の管理では第三者への漏えいを防ぐことも重要です。
家族がデジタル資産の存在を把握できるようにする
デジタル資産の整理で最も重要なのは、
「家族がその存在を知らない」
という状態を避けることです。
たとえば財産一覧に、
| 種類 | 利用サービス | 備考 |
|---|---|---|
| ネット銀行 | ○○銀行 | 普通預金あり |
| ネット証券 | △△証券 | NISA口座あり |
| 電子マネー | □□Pay | 利用中 |
| 暗号資産 | ○○交換業者 | 口座あり |
という形で記録できます。
国民生活センターでは、ネット上の資産は本人以外が実態を把握しにくく、相続手続きに時間がかかることがあると注意喚起しています。
そのため、デジタル財産については、
「サービスの存在が分かる」
「必要な情報がどこにあるか分かる」
という状態を目指しましょう。
今回の記事では財産に関係するデジタル情報までにとどめ、SNSや写真、サブスク、スマートフォンの整理などは、デジタル終活の記事で詳しく確認すると内容が重複しにくくなります。
終活で財産整理するときに注意したいこと
終活の財産整理では、財産を一覧にして分かりやすくすることが大切ですが、整理を急ぎすぎると後悔する場合があります。
特に、預貯金、不動産、生命保険、株式などは生活にも関係する大切な財産です。
「終活だから減らした方がいい」と考えるのではなく、自分の生活を守りながら、家族が把握しやすい状態にすることを目的に進めましょう。
主な注意点をまとめると次のとおりです。
| 注意点 | 気を付けたいこと |
|---|---|
| 財産の処分 | 急いで売却・解約しない |
| 銀行口座 | 一つに集めることだけを目的にしない |
| 財産情報 | 第三者から見えないようにする |
| 暗証番号 | 財産一覧とは分けて考える |
| 相続 | 複雑な場合は専門家へ相談 |
| 贈与・税金 | 税金への影響を確認する |
| 財産一覧 | 変更時に更新する |
財産を急いで処分しない
終活を始めると、
「使っていないものは全部処分した方がいい」
と思うかもしれません。
しかし、預貯金や不動産、保険などは急いで処分する必要はありません。
たとえば、
- 自宅を売却する
- 土地を子どもへ贈与する
- 生命保険を解約する
- 株式や投資信託を売却する
といった行動は、今後の生活資金や税金、保障などに影響する場合があります。
まずは、
①何を持っているか確認する
②今後必要か考える
③影響を確認する
④必要なら処分・変更する
という順番で進めるとよいでしょう。
終活の財産整理では、「整理=処分」ではありません。
最初は財産の全体像を把握することを優先しましょう。
預貯金を一つの口座に集めすぎない
銀行口座が多いと、
「全部一つにまとめた方が家族も分かりやすいのでは?」
と思うかもしれません。
使っていない口座を整理すると管理しやすくなる場合はありますが、必ず一つにまとめなければならないわけではありません。
たとえば、
- 年金受取用
- 生活費用
- 公共料金引き落とし用
- 貯蓄用
など、目的別に使っている場合もあります。
また、金融機関が破綻した場合、一般預金等は原則として1金融機関ごとに預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息等が預金保険制度で保護されます。
そのため、大きな預貯金を一つの金融機関へ集める場合は、この点も確認しておきましょう。
終活では「口座数を減らすこと」そのものより、本人と家族が管理・把握しやすい状態にすることが大切です。
財産情報を誰でも見られる場所に置かない
財産一覧表には、
- 利用している銀行
- 証券会社
- 不動産
- 生命保険
- 借入金
など、重要な個人情報が含まれます。
そのため、
「家族が見つけやすいから」
という理由で、リビングや机の上など誰でも見られる場所へ置いておくことは避けた方が安心です。
たとえば、
財産一覧表 → 鍵付きの書類ケース
として、信頼できる家族に、
「財産関係の一覧は書斎の鍵付きケースにある」
と伝えておく方法があります。
ポイントは、
「必要な人には見つけられる」「第三者には簡単に見られない」
という状態にすることです。
暗証番号・パスワードの管理に注意する
財産一覧を作るときに特に注意したいのが、暗証番号やパスワードです。
たとえば、
- キャッシュカードの暗証番号
- ネット銀行のパスワード
- ネット証券のログイン情報
- クレジットカード情報
- 暗号資産の認証情報
などです。
財産一覧表には、
「○○ネット銀行に口座あり」
「△△証券を利用」
など、財産の存在を確認するための情報を記録する方法があります。
秘密情報まで記録する場合は、
- 誰が見られるのか
- どこに保管するのか
- 第三者に知られる危険はないか
- 情報変更時に更新できるか
まで考えましょう。
財産を家族へ伝えることと、暗証番号を誰でも見られる状態にすることは別問題です。
家族だけで判断できないことは専門家に相談する
財産整理の中には、家族だけでは判断が難しいものもあります。
たとえば、
- 相続人が多い
- 不動産が複数ある
- 共有不動産がある
- 多額の借金がある
- 遺言書を作りたい
- 相続税がかかるか分からない
- 生前贈与を検討している
といった場合です。
相談内容によって、主に次のような専門家が関係します。
| 相談内容 | 主な相談先の例 |
|---|---|
| 遺産分割・相続トラブル | 弁護士 |
| 相続登記・不動産登記 | 司法書士 |
| 相続税・贈与税 | 税理士・税務署 |
| 遺言公正証書 | 公証役場 |
すべてを専門家へ依頼する必要はありません。
**「自分たちだけでは判断できない部分だけ相談する」**という利用方法でもよいでしょう。
贈与・税金に関わる判断は自己判断だけで進めない
終活を進める中で、
「元気なうちに子どもへ財産を渡しておこう」
と生前贈与を考える場合があります。
しかし、財産を渡せば必ず税金対策になるとは限りません。
贈与税には暦年課税や相続時精算課税などの制度があり、適用されるルールも異なります。
たとえば暦年課税では、1年間に贈与を受けた財産の合計額から基礎控除110万円を差し引いて贈与税を計算します。
一方、相続時精算課税にも2024年以後の贈与について年110万円の基礎控除が設けられていますが、暦年課税とは仕組みが異なります。
そのため、
「110万円までなら、どんな贈与でも同じ扱いになる」
とは考えないようにしましょう。
特に、
- 不動産を子どもへ贈与する
- 多額の預貯金を移す
- 相続時精算課税を利用する
- 相続税対策を目的に贈与する
といった場合は、税務署や税理士などへ確認してから進めると安心です。
財産状況が変わったら一覧表を更新する
財産一覧表を一度作っても、財産状況は変わります。
たとえば、
- 銀行口座を解約した
- 新しく証券口座を作った
- 不動産を売却した
- 生命保険を変更した
- 住宅ローンを完済した
- 新しく借入れをした
などです。
変更があった場合は、財産一覧表も更新しましょう。
たとえば、
「2026年9月確認」
と更新日を書いておけば、家族も情報の新しさを判断しやすくなります。
すべてを毎月確認する必要はありません。
年に1回程度を目安に全体を確認し、大きな変更があった場合はその都度修正する方法でもよいでしょう。
終活の財産整理についてよくある質問
最後に、終活で財産整理をするときに疑問になりやすいことをQ&A形式で確認しておきましょう。
終活の財産整理は何歳から始めればいいですか?
財産整理を始める年齢に決まりはありません。
50代でも60代でも、70代からでも始められます。
特に、
- 定年退職した
- 子どもが独立した
- 親の相続を経験した
- 銀行口座が増えてきた
- 将来について考え始めた
といったタイミングは、財産を確認するよい機会です。
大切なのは年齢ではなく、自分で財産を確認して判断できるうちに少しずつ始めることです。
財産整理は何から始めればいいですか?
最初は、思い当たる財産を紙やノートへ書き出すところから始めましょう。
たとえば、
- 預貯金
- 不動産
- 株式・投資信託
- 生命保険
- 自動車・貴金属など
- デジタル資産
- 借入金・ローン
という7種類に分けると整理しやすくなります。
正確な金額を最初から調べる必要はありません。
**「何を持っているか」「どこにあるか」**を把握することを優先しましょう。
銀行口座は一つにまとめた方がいいですか?
必ず一つにまとめる必要はありません。
使っていない銀行口座を整理すると、管理が楽になる場合はあります。
一方、
- 年金受取
- 生活費
- 公共料金
- 貯蓄
など用途を分けている場合は、複数口座を残すことにも意味があります。
さらに一般預金等の預金保険制度では、原則として1金融機関ごとに預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息等が保護されます。
そのため、「口座を減らす=必ず一つの金融機関へ全額移す」ではないと考えましょう。
家族に預貯金の金額まで教えた方がいいですか?
必ずしも正確な預金残高まで家族へ伝える必要はありません。
まずは、
「○○銀行に口座がある」
「財産一覧は○○に保管している」
など、必要なときに財産の存在を確認できる状態にする方法があります。
一方、介護費用や今後の生活費を家族と一緒に考える必要がある場合は、ある程度の財産状況を共有した方が話しやすいこともあります。
どこまで伝えるかは、本人と家族の関係や必要性に合わせて判断しましょう。
借金もエンディングノートに書いた方がいいですか?
借金やローンも記録しておくことをおすすめします。
たとえば、
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- カードローン
- その他の借入金
- 保証債務
などです。
正確な残高を書く場合は、
「2026年9月現在○○万円」
のように確認日も書いておきましょう。
相続では一定の債務も関係するため、プラスの財産だけを家族へ伝えるのではなく、負債についても確認できる状態にしておくことが重要です。
不動産の価値が分からない場合はどうすればいいですか?
終活で財産一覧を作るだけであれば、最初から不動産の正確な価値を計算する必要はありません。
まずは、
- 所在地
- 土地・建物の種類
- 登記名義
- 共有者の有無
- 関係書類の保管場所
などを整理しましょう。
なお、不動産には、
「実際に売れる価格」
と、
「相続税などを計算するときの評価額」
など、目的によって異なる金額があります。
売却価格を知りたいのか、相続税の評価を知りたいのかによって確認方法が変わるため、必要に応じて不動産会社、税理士、税務署などへ相談しましょう。
財産一覧表に暗証番号を書いてもいいですか?
財産一覧表に銀行の暗証番号やパスワードをそのまま書くことは、慎重に考えましょう。
一覧表には、
「○○銀行に口座あり」
「△△証券を利用」
といった財産の存在が分かる情報を中心に記録する方法があります。
認証情報を残す場合は、財産一覧表とは分けて安全に管理するなど、
「家族が困らないこと」と「生前のセキュリティ」
の両方を考えることが重要です。
財産整理について専門家へ相談した方がいいのはどんな場合ですか?
すべての財産整理で専門家が必要なわけではありません。
預貯金や保険を一覧にする程度であれば、自分で進められることも多いでしょう。
一方、
- 相続人同士でもめる可能性がある
- 不動産が複数ある
- 共有不動産がある
- 多額の借金がある
- 生前贈与を考えている
- 相続税・贈与税が気になる
- 遺言書を作成したい
- 誰に相談すればよいか分からない
という場合は、専門家や公的な相談窓口を利用する方法があります。
財産整理で重要なのは、「全部自分で解決すること」ではなく、まず財産状況を把握し、判断が難しいところだけ適切な専門家へ相談することです。
終活の財産整理は預貯金・不動産・保険を一覧にすることから始めよう
終活の財産整理では、預貯金や不動産、生命保険、株式・投資信託などの金融資産だけでなく、住宅ローンや借入金といった負債も含めて確認することが大切です。
最初から正確な金額をすべて調べる必要はありません。
まずは、
「何を持っているのか」
「どこにあるのか」
「家族が必要なときに確認できるか」
を意識して整理していきましょう。
財産一覧表を作っておけば、自分自身の資産状況を把握しやすくなり、将来の相続準備にもつながります。
今日覚えておきたい重要ポイント3つ
今回の記事で特に覚えておきたいポイントは、次の3つです。
- 財産整理は「処分」ではなく「把握」から始める
預貯金、不動産、保険、証券などを一度に売却・解約するのではなく、まず所有状況を確認しましょう。 - プラスの財産だけでなく負債も確認する
住宅ローン、カードローン、借入金、保証債務なども財産一覧に含めておくことが大切です。 - 家族が財産の存在を確認できる状態にする
財産一覧表やエンディングノートを活用し、重要書類の保管場所も分かるようにしておきましょう。
終活では、財産を減らすことより、財産の全体像を分かりやすくしておくことが第一歩です。
終活で整理しておきたい財産早見表
終活で確認しておきたい財産を、もう一度一覧で整理してみましょう。
| 財産・負債の種類 | 主な内容 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 預貯金 | 普通預金・定期預金など | 金融機関・支店・口座種類 |
| 不動産 | 土地・建物 | 所在地・名義・共有状況 |
| 金融資産 | 株式・投資信託・NISAなど | 証券会社・保有商品 |
| 生命保険 | 終身保険・医療保険など | 保険会社・受取人・証券 |
| その他の財産 | 自動車・貴金属など | 内容・保管場所 |
| デジタル資産 | ネット銀行・ネット証券など | 利用サービス・存在 |
| 負債 | 住宅ローン・借入金など | 借入先・残高・契約書 |
たとえば、
「○○銀行に普通預金」
「△△証券にNISA口座」
「○○市に自宅土地・建物」
「△△銀行に住宅ローン」
という程度から書き始めても構いません。
大切なのは、漏れなく完璧に作ることより、まず一覧を作り始めることです。
財産整理チェックリスト
終活で財産整理をするときは、次のチェックリストを使って確認してみましょう。
- □ 利用している銀行口座を確認した
- □ ネット銀行も確認した
- □ 土地・建物の所在地と名義を確認した
- □ 株式・投資信託・NISA口座を確認した
- □ 加入している生命保険を確認した
- □ 保険金受取人を確認した
- □ 自動車・貴金属など価値のある財産を確認した
- □ ネット証券などのデジタル資産を確認した
- □ 住宅ローンや借入金を確認した
- □ 保証債務の有無を確認した
- □ 財産一覧表を作った
- □ 重要書類の保管場所を記録した
- □ 財産一覧表の保管場所を家族などに伝えた
- □ 暗証番号・パスワードは安全に管理した
- □ 財産状況が変わったときに更新できるようにした
すべてを一日で終わらせる必要はありません。
たとえば今日は銀行口座、次は生命保険、その次は不動産というように、一つずつ確認する方法でも十分です。
次に読むおすすめ終活・相続関連記事
財産整理ができたら、終活全体の準備やエンディングノート、相続手続きについても確認しておくと、さらに安心です。
まず、終活全体でどのような準備が必要なのか確認したい方は、**「終活とは?何から始める?初心者向けにやることをわかりやすく解説」**も参考にしてください。
終活で準備しておきたい項目を順番に確認したい方は、**「終活でやることリスト|初心者が準備しておきたいことを順番に解説」**もおすすめです。
財産一覧や重要書類の保管場所をエンディングノートにまとめたい方は、**「エンディングノートとは?書き方と必要な項目を初心者向けに解説」**で詳しく紹介しています。
また、相続した土地や建物の名義変更について確認したい方は、**「相続登記のやり方完全ガイド|ケース別の必要書類と申請書の書き方を解説」**も参考にしてください。
関連記事は一度にすべて読む必要はありません。現在の自分に必要な内容から少しずつ確認していきましょう。
本記事は、法務省・金融庁・国税庁・国民生活センターなど公的機関の情報を参考に作成しています。制度や税制は変更される場合があるため、最新情報も確認してください。
参考元:
- 法務省「相続登記・相続制度」
- 金融庁「預金保険制度・金融商品」
- 国税庁「相続税・贈与税」
- 国民生活センター「デジタル終活」
まとめ
終活の財産整理では、預貯金や不動産、生命保険、株式などの財産だけでなく、住宅ローンや借入金といった負債も確認することが大切です。まずは所有している財産を書き出し、金融機関や契約先、重要書類の保管場所を一覧にまとめましょう。ネット銀行やネット証券などのデジタル資産も忘れずに確認します。一度にすべて整理する必要はありません。家族が必要なときに財産の存在を確認できる状態を目指し、生活の変化に合わせて定期的に見直していきましょう。

