終活は何歳から始めるのがよいのでしょうか。50代・60代・70代・80代で優先したい終活や、始めるタイミング、財産整理・介護・医療・相続などの準備を初心者向けにわかりやすく解説します。
「終活は何歳から始めればいいの?」「60代や70代からでは遅い?」と気になっていませんか。終活を始める年齢に決まりはなく、思い立ったときから少しずつ準備できます。ただし、財産や持ち物の整理、介護・医療についての話し合いなどを考えると、元気で自分の意思を伝えられるうちに始めるのがおすすめです。この記事では、終活を始めるタイミングや50代・60代・70代・80代で優先したいこと、年代に関係なく準備しておきたいことを初心者にも分かりやすく解説します。「まず何をすればいい?」と迷っている方も、できることから一緒に確認していきましょう。

終活は何歳から始める?始める年齢に決まりはない
「終活は何歳から始めればいいの?」と考える方は多いのではないでしょうか。
結論からいうと、終活を始める年齢に決まりはありません。60代や70代からでも遅くありませんし、50代など比較的若いうちから準備を始めても問題ありません。
大切なのは年齢だけで判断するのではなく、自分で考え、行動し、家族と話し合えるうちに少しずつ始めることです。
終活を始めるタイミングの考え方を簡単に整理すると、次のようになります。
| 年代 | 終活の考え方 |
|---|---|
| 40~50代 | 将来の生活や資産について考え始める |
| 60代 | 定年などを機に財産・持ち物を整理する |
| 70代 | 介護・医療・相続なども具体的に考える |
| 80代以降 | 無理をせず必要性の高い項目から進める |
これはあくまで目安です。家族構成や健康状態、仕事、住まい、財産などによって適切なタイミングは変わります。
終活を始める年齢に決まりはない
終活には、「○歳になったら始めなければならない」という決まりはありません。
終活は、人生の終わりだけを準備するものではなく、
- 預貯金や不動産などの財産整理
- 家や持ち物の整理
- エンディングノート
- デジタル情報の整理
- 介護・医療についての希望
- 葬儀・お墓
- 遺言・相続
など、これからの暮らしと将来に備える活動です。
そのため、「60歳になったから始める」というより、
「これからの生活について一度整理してみよう」
と思ったときが、一つの始めどきといえます。
たとえば、定年退職を迎えた、子どもが独立した、親の相続を経験したといった生活の節目をきっかけに始めてもよいでしょう。
終活は元気なうちに始めるのがおすすめ
終活は、できれば自分で判断したり行動したりできるうちから始めるのがおすすめです。
終活には、意外と時間や体力を使う作業があります。
たとえば、
「押し入れの荷物を整理する」
「銀行口座や保険を確認する」
「不動産関係の書類を探す」
といった作業です。
さらに、介護や医療について自分が大切にしたいことを考え、家族や信頼できる人と話しておくこともできます。
厚生労働省では「人生会議(ACP)」として、もしものときに備えて、自分が大切にしたいことや望む生き方、医療・ケアについて前もって考え、家族や信頼できる人などと話し合うことを案内しています。
「まだ元気だから終活は必要ない」と考えるのではなく、元気だからこそ自分の希望を整理できると考えてみましょう。
60代・70代から始めても遅くない
「もう70代だから終活を始めるのは遅いのでは?」と心配する必要はありません。
60代・70代からでも十分に始められます。
むしろ60代になると、
- 定年退職を迎えた
- 子どもが独立した
- 住宅ローンを完済した
- 年金生活が始まった
など、生活環境が変わる方もいます。
こうした時期は、これからの暮らしや財産を整理するきっかけになります。
70代では、
- 預貯金・保険・不動産の確認
- 重要書類の整理
- エンディングノート
- 介護・医療の希望
- 葬儀・お墓
- 遺言・相続
などを少しずつ確認するとよいでしょう。
60代だからこの作業、70代だからこの作業と厳密に分ける必要はありません。
自分にとって必要性の高いものから始めることがポイントです。
若いうちから終活を始めても問題ない
終活という言葉から、高齢者だけが行うものと思われるかもしれません。
しかし、40代・50代などから始めても問題ありません。
たとえば50代なら、
- 老後資金を確認する
- 住宅ローンの残高を確認する
- 生命保険を見直す
- 不要な銀行口座を整理する
- スマホやネットサービスを整理する
- 家の不要品を少しずつ処分する
といったことも、広い意味で将来への備えになります。
また、事故や急病などは年齢にかかわらず起こる可能性があります。
厚生労働省も「人生会議」について、人生の最終段階にいる人だけを対象にしたものではなく、事故や急病などの「もしものとき」も見据えた取り組みとして説明しています。
若いうちからすべてを決める必要はありません。
まずは、自分の情報や財産を整理しておくことから始めるとよいでしょう。
終活を始める人が増えている理由
終活が注目される背景には、老後の生活だけでなく、介護、医療、相続、デジタル情報など、家族だけでは把握しにくい情報が増えていることがあります。
たとえば以前なら通帳を見れば分かった預貯金も、現在ではネット銀行やネット証券を利用している場合があります。
また、
- 一人暮らし
- 子どもが遠方に住んでいる
- 夫婦だけで暮らしている
- 不動産を複数所有している
など、家庭によって事情も異なります。
厚生労働省の調査では、人生の最終段階における医療・ケアについて「家族等や医療・介護従事者と詳しく話し合っている」とした一般国民は1.5%、「一応話し合っている」は28.4%でした。
つまり、考えていても実際には十分話し合えていない人が多いことが分かります。
終活をきっかけに、**「自分はこれからどう暮らしたいのか」「家族に何を伝えておく必要があるのか」**を考えてみることが大切です。
終活を早めに始めるメリット
終活を早めに始める最大のメリットは、時間に余裕を持って準備できることです。
財産整理、家の片付け、介護・医療、相続などを一度に進める必要がなく、自分の体力や生活に合わせて取り組めます。
主なメリットを整理すると、次のようになります。
| メリット | 具体的な内容 |
|---|---|
| 時間に余裕がある | 少しずつ準備できる |
| 持ち物を整理できる | 体力があるうちに片付けられる |
| 財産を確認できる | 預貯金・保険・不動産を把握できる |
| 希望を伝えられる | 介護・医療について話し合える |
| 相続を確認できる | 相続人や不動産などを調べられる |
| 家族への備えになる | 必要な情報を残せる |
自分のペースでゆっくり準備できる
終活には多くの項目があります。
すべてを短期間で終わらせようとすると、負担が大きくなります。
早めに始めれば、
「今月は銀行口座」
「来月は生命保険」
「その次は写真整理」
というように、自分のペースで進められます。
たとえば、毎週日曜日に30分だけ終活の時間を作る方法でも構いません。
終活は早く終わらせることより、無理なく継続することを大切にしましょう。
家や持ち物を無理なく整理できる
家の片付けは想像以上に体力を使います。
衣類、本、家具、食器、写真、趣味用品など、長年暮らしているほど持ち物が増えている場合があります。
元気なうちなら、
- 今日は衣類10着
- 明日は本棚1段
- 来週は押し入れ
というように少しずつ整理できます。
重い家具や高い場所の荷物については、無理に自分で動かさず、家族などに手伝ってもらいましょう。
思い出の品についても、時間に余裕があれば「残す・処分する・保留する」をゆっくり判断できます。
財産や重要書類を確認する時間が取れる
終活を早めに始めると、自分がどのような財産を持っているのか確認する時間も取れます。
確認しておきたいものには、
- 預貯金
- 不動産
- 生命保険
- 株式・投資信託
- 年金関係
- 住宅ローン
- その他の借入金
などがあります。
重要書類についても、
「不動産の書類はどこだったかな」
「生命保険の証券が見つからない」
ということがあるかもしれません。
急いで探す必要がなければ、一つずつ確認できます。
特に長年使っていない銀行口座や、昔購入した不動産などがある場合は、時間に余裕があるうちに整理しておくとよいでしょう。
介護・医療について家族と話し合える
終活を早めに始めるメリットの一つが、介護や医療について自分の希望を伝えられることです。
たとえば、
- できれば自宅で暮らしたい
- 必要なら介護施設も検討したい
- 家族に介護を任せきりにしたくない
- どのような生活を大切にしたいか
など、自分の考えを話しておけます。
厚生労働省の「人生会議」でも、自分が大切にしたいことや望む医療・ケアについて、家族や信頼できる人、医療・ケアチームと前もって考え、話し合うことが大切だとされています。
また、人の気持ちは変わることがあります。
一度決めたことを絶対に守り続けるのではなく、考えが変わったら何度でも話し直すことが大切です。
相続について早めに確認できる
財産を整理すると、相続について確認しておいた方がよいことが見つかる場合があります。
たとえば、
- 誰が法定相続人になるのか
- 不動産は誰の名義になっているか
- 遺言書が必要か
- 相続人同士で分けにくい財産はないか
などです。
特に不動産がある場合は、現在の登記名義を確認しておくとよいでしょう。
相続登記は2024年4月1日から義務化されており、不動産を相続で取得した相続人には、原則として一定期間内の登記申請が求められています。
終活の段階で自分の不動産を整理しておけば、将来家族が相続手続きをするときにも役立ちます。
ただし、遺言や相続は家族構成や財産状況によって扱いが異なるため、複雑な場合は専門家への相談も検討しましょう。
家族の負担を減らす準備ができる
終活を早めに始めることは、自分だけでなく家族のための準備にもなります。
たとえば本人しか知らない銀行口座や保険、不動産があると、将来家族が一から探さなければならないことがあります。
そこで、
- 利用している金融機関
- 加入している生命保険
- 所有している不動産
- 重要書類の保管場所
- 緊急連絡先
- 介護・医療についての希望
- 葬儀やお墓についての希望
などを整理しておきましょう。
預金残高などを家族全員に詳しく公開する必要はありません。
まずは、
「何があるのか」「必要な情報はどこにあるのか」
を家族や信頼できる人が確認できるようにしておくことが大切です。
終活は、自分の人生を整理するだけではありません。
これから自分がどのように暮らしたいかを考え、その思いや必要な情報を家族へつないでいく準備でもあります。
終活を始めるタイミングはいつがおすすめ?
終活を始めるタイミングは、年齢だけで決める必要はありません。
定年退職、子どもの独立、自宅の片付けなど、生活環境が変わったときも終活を始めるよいきっかけになります。
「まだ終活をする年齢ではない」と考えるより、自分や家族の将来について考え始めたときが、一つの始めどきと考えてみましょう。
代表的なタイミングを整理すると、次のようになります。
| タイミング | 始めやすい終活 |
|---|---|
| 定年退職 | 家計・財産・これからの生活 |
| 60歳・65歳・70歳など | 年金・保険・財産・持ち物 |
| 子どもの独立 | 家・持ち物・夫婦の生活 |
| 自宅の片付け | 不用品・重要書類・思い出の品 |
| 介護・相続を経験 | 介護・医療・財産・相続 |
| 将来が気になった | エンディングノートなど |
定年退職を迎えたとき
定年退職は、終活を始めるきっかけの一つです。
仕事中心だった生活から大きく環境が変わり、これからの暮らしについて考える時間が増える方もいるでしょう。
定年を迎えたら、
- 預貯金はいくらあるか
- 退職金をどう管理するか
- 年金はどのくらい受給できるか
- 生命保険は現在の契約内容でよいか
- 住宅ローンは残っているか
- 老後にどのくらい生活費が必要か
などを確認してみましょう。
たとえば、会社員時代に加入した保険をそのまま継続している場合は、現在の家族構成や生活に合っているか確認するきっかけになります。
定年後の終活では、「亡くなった後の準備」から始めるのではなく、これからどのような生活を送りたいのかを考えることから始めるのがおすすめです。
60歳・65歳・70歳など節目の年齢になったとき
誕生日などの節目を終活の開始時期にする方法もあります。
たとえば、
「60歳になったら財産を整理する」
「65歳になったらエンディングノートを書いてみる」
「70歳になったら介護や医療について家族と話す」
といった形です。
節目の年齢を利用すると、「いつかやろう」と先延ばしになるのを防ぎやすくなります。
ただし、
60歳だから財産整理、70歳だから介護
と厳密に決まっているわけではありません。
自分の生活状況に応じて、
- 財産
- 保険
- 年金
- 不動産
- 重要書類
- 持ち物
- 介護・医療
などから必要なものを選びましょう。
また、一度整理した内容も、次の節目に見直すと情報を最新の状態に保ちやすくなります。
子どもが独立したとき
子どもの就職や結婚などで家を離れたときも、終活を考えるよいタイミングです。
子どもが独立すると、
- 夫婦二人暮らしになる
- 部屋が空く
- 教育費の負担が減る
- 生命保険の必要保障額が変わる
- 老後資金について考えやすくなる
など、生活や家計が変化することがあります。
たとえば、子ども部屋に学用品や衣類が大量に残っている場合は、本人に確認しながら少しずつ整理できます。
また、
「将来この家をどうするのか」
「老後も今の家に住み続けるのか」
といった住まいについて夫婦で話すきっかけにもなります。
子どもの独立を、子育て中心の生活から自分たちの将来を考える時期への切り替えとして活用してみましょう。
自宅の片付けを考え始めたとき
「家に物が増えすぎた」
「押し入れを整理したい」
と思ったときも、終活を始めるきっかけになります。
自宅には衣類や家具だけでなく、
- 通帳
- 保険証券
- 不動産関係書類
- 契約書
- 写真・アルバム
- 貴金属
- 思い出の品
など、将来家族が確認する可能性のある物も保管されています。
そのため、単なる大掃除ではなく、
「残す物」「処分する物」「家族に渡したい物」「確認が必要な物」
に分けてみましょう。
ただし、終活だからといって家中の物を一度に処分する必要はありません。
今日は机の引き出し、次回は本棚というように、狭い範囲から始めると続けやすくなります。
親や配偶者の介護・相続を経験したとき
親や配偶者の介護・相続を経験したことをきっかけに、自分自身の終活について考える方もいるでしょう。
たとえば親の相続で、
「銀行口座が分からなかった」
「不動産の書類を探すのに苦労した」
「本人がどのような葬儀を希望していたのか分からなかった」
という経験をすると、自分の場合は家族が困らないようにしておきたいと考えるきっかけになります。
介護を経験した場合も、
- 自分はどこで暮らしたいか
- 家族へどの程度介護をお願いしたいか
- 介護サービスをどう考えるか
- 医療・ケアについて何を大切にしたいか
などを考える機会になります。
自分が経験した「困ったこと」を書き出してみると、自分の終活で何を優先すればよいのかが見つかりやすくなります。
自分や家族の将来について考え始めたとき
大きな出来事がなくても、
「これからどこで暮らそう」
「老後のお金は大丈夫かな」
「自分に何かあったら家族は困らないかな」
と思ったときは、終活を始めるタイミングの一つです。
最初から遺言書や葬儀について考える必要はありません。
まず、
- これからやりたいこと
- 住み続けたい場所
- 家族との過ごし方
- 老後のお金
- 健康や介護への希望
などを書き出してみましょう。
終活は「人生の終わりだけを考える活動」ではなく、これからの生活をどう過ごしたいかを整理する機会として活用できます。
50代から始める終活でやっておきたいこと
50代は、終活を始めるには早すぎる年代ではありません。
子どもの独立や定年が近づき、住宅ローン、老後資金、親の介護などについて考える機会が増える時期でもあります。
一方、仕事を続けている方も多いため、50代の終活では葬儀やお墓を急いで決めるより、これからの生活設計と財産整理の土台を作ることを優先するとよいでしょう。
50代で確認しておきたいことをまとめると、次のようになります。
| 項目 | 50代で確認したいこと |
|---|---|
| 家計 | 収入・支出・預貯金 |
| 保険 | 契約内容・保障 |
| 負債 | 住宅ローンなど |
| 老後資金 | 年金・退職後の生活費 |
| 持ち物 | 不要品・思い出の品 |
| デジタル | ネット口座・SNS・サブスク |
| 暮らし | 定年後の住まい・生活 |
家計・預貯金・保険を整理する
50代になったら、まず現在のお金の流れを確認してみましょう。
確認したいのは、
- 毎月の収入
- 毎月の生活費
- 預貯金
- 定期預金
- 株式・投資信託など
- 生命保険
- 医療保険
などです。
たとえば銀行口座を5つ持っていても、実際に使っているのは2つだけという場合があります。
すぐに解約する必要はありませんが、
「給与・年金用」
「生活費用」
「貯蓄用」
など、口座の目的を整理すると管理しやすくなります。
生命保険についても、子どもが独立するなど家族構成が変われば、必要な保障について確認するきっかけになります。
まずは現在どのような資産や契約があるのかを把握することから始めましょう。
住宅ローンなどの負債を確認する
終活では、預貯金などのプラスの財産だけでなく、負債についても確認することが重要です。
たとえば、
- 住宅ローン
- 自動車ローン
- カードローン
- その他の借入金
などです。
50代の場合、住宅ローンが残っている家庭もあるでしょう。
確認したい項目は、
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 借入先 | ○○銀行など |
| 残高 | 現在いくら残っているか |
| 返済期間 | 何歳まで返済するか |
| 毎月返済額 | 家計への負担 |
| 関係書類 | 契約書などの保管場所 |
です。
住宅ローンには団体信用生命保険が付いている場合もあるため、契約内容も確認しておきましょう。
ただし、繰り上げ返済をした方がよいかどうかは、預貯金や収入、今後の生活費などによって異なります。
終活では、まず負債がどのくらいあり、いつまで返済する予定なのかを把握することを優先しましょう。
老後の生活費について考える
50代は、定年後の生活を具体的に考え始めやすい年代です。
まず、
「老後には○○万円必要」
という一般的な数字だけで判断するのではなく、自分の家計を基準に考えましょう。
たとえば、
現在の生活費が月25万円なら、
- 定年後に減る支出
- 逆に増えそうな支出
- 年金の見込額
- 預貯金
- 退職金
- 住宅ローン
などを確認します。
年金については「ねんきんネット」などを利用すると、条件を設定して将来受け取る老齢年金の見込額を試算できます。
老後資金は一度計算して終わりではなく、収入や支出が変化したときに見直しましょう。
不要な持ち物を少しずつ整理する
50代は比較的体力がある方も多いため、家の整理を始める時期としても考えられます。
ただし、最初から家中を片付ける必要はありません。
たとえば、
- 1年以上着ていない衣類
- 読まなくなった本
- 使っていない食器
- 壊れた家電
- 子どもが残していった物
などから確認してみましょう。
子どもの物については、本人に確認せず処分するとトラブルになることがあります。
「これは残す?」
と写真を送って確認する方法もあります。
思い出の品は無理に捨てず、「保留箱」を作って後から判断しても構いません。
50代から少しずつ整理しておけば、将来まとめて大量の物を処分する負担を減らせます。
デジタル情報を整理し始める
50代の終活で特に意識したいのが、デジタル情報です。
現在は、
- ネット銀行
- ネット証券
- SNS
- メール
- ネット通販
- 電子マネー
- サブスク
- クラウド
- 写真・動画
など、多くの情報がスマートフォンやパソコンの中にあります。
まずは利用しているサービスを一覧にしてみましょう。
| 分類 | サービス例 |
|---|---|
| お金 | ネット銀行・ネット証券 |
| 連絡 | メール・SNS |
| 買い物 | ネット通販 |
| 定額契約 | 動画・音楽・クラウド |
| データ | 写真・動画 |
国民生活センターも、本人が亡くなった後にスマートフォンのロックを解除できず、ネット上の資産やサブスクなどを家族が把握できないトラブルについて注意を呼びかけています。
ただし、パスワードや暗証番号を誰でも見られる場所へ置くのは危険です。
**「利用しているサービスの存在を整理すること」と「認証情報を安全に管理すること」**を分けて考えましょう。
これからの暮らし方を考える
50代の終活で最後に考えておきたいのが、これからどのように暮らしたいかです。
たとえば、
- 定年後も働く
- 趣味を楽しむ
- 旅行をする
- 今の家に住み続ける
- 住み替える
- 家族の近くへ引っ越す
- 地域活動に参加する
など、さまざまな選択肢があります。
終活というと、「何を残すか」「何を処分するか」に目が向きがちですが、それだけではありません。
これから何をしたいのかを考えることも終活の大切な部分です。
たとえば、
「70歳までは今の家で暮らし、その後は家の管理が大変になったら住み替えを検討する」
というように、大まかな将来像を書いてみてもよいでしょう。
50代の終活では、人生の終わりを細かく決めるより、老後のお金・住まい・家族・仕事・楽しみを含めて、これからの人生を考えることから始めてみましょう。
60代から始める終活でやっておきたいこと
60代は、定年退職や子どもの独立などをきっかけに、これからの暮らしを見直しやすい年代です。
終活を始めるなら、まずは財産、重要書類、持ち物、介護・医療、相続などを少しずつ整理していくとよいでしょう。
60代で確認しておきたい主な項目をまとめると、次のようになります。
| 項目 | 確認したい内容 |
|---|---|
| 財産 | 預貯金・不動産・金融資産 |
| 保険・年金 | 契約内容・受給見込額 |
| 重要書類 | 保管場所・内容 |
| エンディングノート | 自分の情報・希望 |
| 持ち物 | 残す物・処分する物 |
| 介護・医療 | 将来の希望 |
| 遺言・相続 | 相続人・財産の引き継ぎ |
預貯金・不動産などの財産を一覧にする
60代になったら、自分がどのような財産を持っているのかを一度一覧にしてみましょう。
たとえば、
- 普通預金
- 定期預金
- 土地・建物
- 株式
- 投資信託
- 自動車
- 貴金属
などです。
財産一覧は、金額まで細かく書かなくても構いません。
まずは、
「○○銀行に普通預金あり」
「○○市に土地あり」
という程度から始めても十分です。
特に長年使っていない銀行口座や、相続などで取得した不動産がある場合は、忘れないように整理しておきましょう。
おすすめは、次のような表を作る方法です。
| 種類 | 内容 | 保管場所 |
|---|---|---|
| 預貯金 | ○○銀行 | 通帳は書斎 |
| 不動産 | 自宅 | 登記書類は金庫 |
| 株式 | ○○証券 | ネット口座 |
| その他 | 自動車 | 車検証は車内 |
財産を「見える化」しておくと、今後の老後資金や相続についても考えやすくなります。
生命保険・年金を確認する
60代では、生命保険や年金についても確認しておきましょう。
生命保険では、
- 保険会社名
- 保険の種類
- 契約者
- 被保険者
- 受取人
- 保険証券の保管場所
などを整理します。
子どもが独立した後も、若いころと同じ保障内容のままになっている場合があります。
そのため、現在の家族構成や生活に合っているか確認してみましょう。
年金については、
- 基礎年金番号
- 年金の加入記録
- 受給開始時期
- 将来の年金見込額
などを確認しておくと安心です。
日本年金機構の「ねんきんネット」では、条件を設定しながら将来の老齢年金の見込額を試算できます。
終活では、単に年金額を確認するだけでなく、年金と預貯金を合わせてこれからの生活をどう支えるかを考えることが大切です。
重要書類の保管場所を整理する
60代のうちに、重要書類がどこにあるのか確認しておきましょう。
たとえば、
- 通帳
- 保険証券
- 年金関係書類
- 不動産関係書類
- ローン契約書
- 税金関係書類
- 遺言書
などです。
おすすめは、
「書類を一か所に集める」
のではなく、
「何がどこにあるか分かる一覧表を作る」
方法です。
たとえば、
「不動産関係書類は書斎の棚」
「保険証券はリビングのファイル」
という形で記録しておきます。
通帳、印鑑、暗証番号などを同じ場所にまとめてしまうと、防犯上のリスクがあるため注意しましょう。
エンディングノートを書き始める
60代は、エンディングノートを書き始めるタイミングとしても適しています。
エンディングノートには、
- 自分の基本情報
- 家族の連絡先
- 財産
- 保険
- 介護・医療
- 葬儀・お墓
- 家族へのメッセージ
などを書けます。
ただし、最初から全部埋める必要はありません。
たとえば最初は、
「緊急連絡先」
「利用している銀行」
「重要書類の保管場所」
だけでも構いません。
書ける項目から少しずつ増やしていくと続けやすくなります。
また、内容は一度書いて終わりではなく、生活や家族構成が変わったときに見直しましょう。
家や持ち物の整理を進める
60代は、まだ比較的体力がある方も多いため、家や持ち物を少しずつ整理するのにも向いています。
たとえば、
- 衣類
- 本
- 食器
- 家具
- 趣味用品
- 写真・アルバム
- 思い出の品
などです。
終活だからといって、すべて処分する必要はありません。
次の4つに分けると整理しやすくなります。
- 残す
- 家族に渡す
- 売却する
- 処分する
判断に迷う物は「保留」にして後から考えても構いません。
特に重い家具や高い場所の荷物は、無理をせず家族などに手伝ってもらいましょう。
介護・医療について考え始める
60代では、介護や医療についても少しずつ考え始めるとよいでしょう。
たとえば、
- 介護が必要になったら自宅で暮らしたいか
- 必要なら施設も検討するか
- 家族にどの程度お願いしたいか
- 医療・ケアで何を大切にしたいか
などです。
厚生労働省では「人生会議(ACP)」として、もしものときにどのような医療やケアを望むのか、自分が大切にしたいことは何かを、家族や信頼できる人、医療・ケアチームと前もって考え、話し合うことを案内しています。
60代の段階で細かい治療方法まで決める必要はありません。
まずは、
「自分はどんな暮らしを大切にしたいのか」
を考えるところから始めるとよいでしょう。
遺言・相続について確認する
60代では、遺言や相続についても一度確認しておくと安心です。
まず確認したいのは、
- 誰が法定相続人になるのか
- どのような財産があるのか
- 不動産はあるか
- 借入金はあるか
- 財産をどう残したいか
といった点です。
すべての人に遺言書が必要なわけではありません。
ただし、
- 不動産がある
- 相続人が多い
- 特定の人へ財産を残したい
- 子どもがいない
といった場合は、遺言書を検討する意味があります。
自筆証書遺言については、法務局で原本を保管してもらえる制度もあります。
複雑な相続関係がある場合は、自己判断だけで進めず専門家へ相談しましょう。
70代から始める終活で優先したいこと
70代から終活を始めても遅くありません。
ただし、60代よりも「整理する」だけでなく、家族や信頼できる人が必要な情報を確認できる状態にしておくことを意識するとよいでしょう。
70代で優先したい項目をまとめると、次のようになります。
| 優先項目 | 確認したいこと |
|---|---|
| 緊急連絡先 | 誰に連絡してほしいか |
| 財産・書類 | 何がどこにあるか |
| 介護 | どのように暮らしたいか |
| 医療・ケア | 大切にしたいこと |
| 葬儀・お墓 | 希望・関係先 |
| 遺言 | 必要性・内容 |
| 不動産 | 現在の登記名義 |
緊急連絡先を分かるようにしておく
70代になったら、まず緊急連絡先を分かるようにしておきましょう。
たとえば、
- 配偶者
- 子ども
- 兄弟姉妹
- 親しい友人
- かかりつけ医
- 利用している介護サービス
などです。
スマートフォンの中だけに連絡先を保存していると、本人が操作できない場合に家族が確認できないことがあります。
そこで紙のノートなどにも、
「緊急時は最初に長女へ連絡」
というように残しておくと安心です。
一人暮らしの場合は、家族以外にも近所や友人など信頼できる人を確認しておくとよいでしょう。
財産と重要書類を家族が確認できるようにする
70代では、財産の内容だけでなく、「家族がどこを確認すればよいか」を意識しましょう。
たとえば、
- ○○銀行に口座がある
- ○○生命に加入している
- 自宅以外に土地がある
- 登記関係書類は書斎にある
といった情報です。
預金残高や暗証番号まで詳しく伝える必要はありません。
重要なのは、財産の存在と書類の場所が分かることです。
「財産一覧表」を作り、家族にはその一覧表の保管場所だけ伝えておく方法もあります。
ただし、パスワードや暗証番号などの秘密情報は、安全な方法で管理しましょう。
介護が必要になった場合の希望を考える
70代では、介護について少し具体的に考えておくとよいでしょう。
たとえば、
- できるだけ自宅で暮らしたい
- 訪問介護を利用したい
- 家族への負担が大きければ施設も検討したい
- 自宅の段差などを改善したい
などです。
「必ず自宅」「必ず施設」と決めつける必要はありません。
介護の必要度や家族の状況によって変わるため、
「できればこうしたい」
という希望を伝えておく程度でも構いません。
介護が必要になった場合に誰へ相談するかについても、家族と確認しておきましょう。
医療・ケアについて家族と話しておく
70代では、医療やケアについても家族と話しておくと安心です。
厚生労働省の人生会議では、
- 何を大切にしたいか
- どこで過ごしたいか
- 誰と過ごしたいか
- どのような医療・ケアを望むか
などを考え、家族や信頼できる人などと共有することが大切だとされています。
また、気持ちは変わることがあるため、一度決めた内容に縛られず、何度でも話し合うことが大切です。
たとえば、
「できるだけ家族と会話できる時間を大切にしたい」
という希望も立派な意思です。
細かい治療方法だけでなく、自分がどんな時間を大切にしたいのかを伝えておきましょう。
葬儀・お墓について希望を整理する
70代では、葬儀やお墓についても大まかな希望を考えておくとよいでしょう。
たとえば、
- 家族中心の葬儀にしたい
- 連絡してほしい友人がいる
- 遺影に使ってほしい写真がある
- 先祖代々のお墓へ入りたい
- 納骨堂や永代供養を検討している
などです。
また、
- 墓地の所在地
- 管理者
- 関係書類
- お墓を管理している人
なども確認しておきましょう。
希望はエンディングノートなどに書くだけでなく、家族にも口頭で伝えておくと安心です。
遺言書が必要か確認する
70代になったら、自分に遺言書が必要か一度確認してみましょう。
特に、
- 不動産がある
- 相続人が複数いる
- 子どもがいない
- 特定の人へ財産を残したい
- 相続人以外へ財産を残したい
といった場合は、検討する価値があります。
ただし、遺言書には法律上の方式があるため、普通のノートに希望を書いただけでは、遺言として法的な効力が認められない場合があります。
自筆証書遺言については法務局の保管制度もあるため、必要に応じて最新の制度を確認しましょう。
不動産がある場合は登記名義を確認する
土地や建物を持っている場合は、現在の登記名義を確認しておきましょう。
たとえば、
「自宅は自分の名義だと思っていたが、実際には亡くなった父の名義が一部残っていた」
というケースも考えられます。
終活では、
- 自宅
- 土地
- 貸家
- 山林
- 農地
- 共有不動産
などについて確認しておきましょう。
相続登記は2024年4月1日から義務化されており、不動産を相続で取得した場合は、原則として相続による取得を知った日から3年以内に登記申請が必要です。
不動産がある場合は、家族が将来困らないよう、**「どこにどの不動産があり、現在誰の名義なのか」**を把握しておくことが大切です。
相続登記の具体的な手続きについては、別記事で詳しく確認すると分かりやすいでしょう。
相続した土地や建物の名義変更について詳しく知りたい方は、**「相続登記のやり方完全ガイド|ケース別の必要書類と申請書の書き方を解説」**も参考にしてください。
80代から終活を始めても遅くない?
「80代になってから終活を始めても遅いのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、終活を始める年齢に決まりはなく、80代からでも始められます。
大切なのは、若い年代と同じ量の作業をしようとせず、今必要なことを優先して、体力や生活状況に合わせて進めることです。
特に80代では、次のような項目から確認するとよいでしょう。
| 優先度 | 確認したいこと |
|---|---|
| 高い | 緊急連絡先 |
| 高い | 財産の所在 |
| 高い | 重要書類の保管場所 |
| 高い | 介護・医療についての希望 |
| 中程度 | 葬儀・お墓 |
| 中程度 | 持ち物の整理 |
| 必要に応じて | 遺言・相続 |
全部を一度に終わらせる必要はありません。
80代からでも終活は始められる
80代から終活を始めても決して遅くありません。
たとえば、
- 家族の連絡先を書く
- 利用している銀行を書き出す
- 生命保険を確認する
- 重要書類の場所を確認する
- 介護や医療について希望を話す
といったことなら、大がかりな作業をしなくても始められます。
「家を全部片付けなければならない」
「遺言書をすぐ作らなければならない」
と考える必要もありません。
まず、
「家族が今知らなくて困りそうなことは何だろう?」
と考えてみましょう。
たとえば本人しか知らない銀行口座があるなら、その存在を整理することから始められます。
終活は年齢よりも、本人の体調や生活状況に合わせてできることから始めることが大切です。
体力を使わない整理から始める
80代では、家の片付けよりも先に、座ったままでできる作業から始めるのがおすすめです。
たとえば、
- 家族の連絡先を書く
- 銀行口座を一覧にする
- 保険会社を書き出す
- 不動産を確認する
- エンディングノートを書く
- 葬儀やお墓について希望を書く
などです。
具体的には、ノート1冊を準備し、
1日目:緊急連絡先
2日目:銀行
3日目:保険
というように、1日1項目でも構いません。
一度に長時間取り組まず、疲れたらそこで終わりにしましょう。
終活は早く完成させることではなく、必要な情報を少しずつ整えることが目的です。
家族や信頼できる人と一緒に進める
80代では、一人ですべてを進めようとしなくても大丈夫です。
家族や信頼できる人に、
「一緒に書類を確認してほしい」
「銀行口座を一覧にするのを手伝ってほしい」
とお願いする方法があります。
たとえば、
本人:通帳や書類を説明する
家族:内容を一覧表に書く
というように役割を分ければ、体力的な負担を減らせます。
介護や医療についても、一人で答えを決めるのではなく、自分が大切にしたいことを家族や信頼できる人と話しておきましょう。
厚生労働省の「人生会議(ACP)」でも、本人が望む生き方や医療・ケアについて、家族や大切な人、医療・ケアチームと前もって話し合うことが大切だとされています。
また、気持ちは変わることがあるため、何度でも話し直して構いません。
財産・重要書類・連絡先を優先する
終活ですべてを整理するのが難しい場合は、
財産・重要書類・連絡先
の3つを優先するとよいでしょう。
具体的には次のような内容です。
財産
- 利用している銀行
- 証券会社
- 不動産
- 生命保険
- 借入金
重要書類
- 通帳
- 保険証券
- 年金関係書類
- 不動産関係書類
- 遺言書
連絡先
- 子ども
- 兄弟姉妹
- 親族
- 親しい友人
- かかりつけ医
たとえば、
「○○銀行を利用している」
「不動産の書類は書斎にある」
という情報だけでも、家族にとって大切な手掛かりになります。
預金残高や暗証番号などを誰でも見られる場所へ書く必要はありません。
まずは“何があり、どこを確認すればよいか”を分かるようにすることを優先しましょう。
無理な片付けや高所作業は避ける
80代で終活をするときは、安全を最優先にしましょう。
特に注意したいのが、
- 脚立に乗る
- 高い棚の荷物を取る
- 重い家具を動かす
- 大量の荷物を運ぶ
- 長時間片付けを続ける
といった作業です。
たとえば、押し入れの上段にある箱を整理したい場合は、自分で脚立に乗らず、家族などに降ろしてもらいましょう。
大型家具を処分したい場合も、無理に動かす必要はありません。
80代の終活では、
「自分で全部片付ける」より「自分で残す物と処分してよい物を決める」
ことを優先するとよいでしょう。
本人が判断し、力仕事は周囲にお願いするという分担でも十分です。
必要に応じて専門家や公的な相談窓口を利用する
終活を進める中で、自分や家族だけでは判断できないことが出てくる場合があります。
たとえば、
- 介護サービスについて知りたい
- 遺言書を作りたい
- 不動産の相続について相談したい
- 高齢者向けサービスの契約が不安
- 家族に頼れる人がいない
といった場合です。
相談内容によって、
- 市区町村の高齢者・介護相談窓口
- 地域包括支援センター
- 法務局
- 公証役場
- 弁護士
- 司法書士
- 税理士
- 消費生活センター
などを利用できます。
特に、身元保証、生活支援、死後事務などをまとめた高齢者向けサービスについては注意が必要です。
国民生活センターは、高齢者サポートサービスについて、サービス内容や料金体系が事業者によって異なるため、契約前にサービス内容、支払総額、解約条件などを十分確認することを呼びかけています。
高額な契約をその場で決めず、家族や信頼できる人にも相談してから判断しましょう。
年代に関係なく最初にやっておきたい終活5つ
50代、60代、70代、80代では、終活で優先することが少しずつ変わります。
しかし、年代に関係なく最初に確認しておきたい基本項目もあります。
「何から始めればいいか分からない」という方は、まず次の5つから取り組んでみましょう。
| 順番 | やること | 最初の一歩 |
|---|---|---|
| ① | 家族・緊急連絡先 | 名前・電話番号を書く |
| ② | 財産 | 利用中の銀行などを書く |
| ③ | 重要書類 | 保管場所を確認する |
| ④ | エンディングノート | 書ける項目だけ記入する |
| ⑤ | 家族との話し合い | 大切にしたいことを伝える |
①家族・緊急連絡先を整理する
最初に行いたいのが、家族や緊急連絡先の整理です。
たとえば、
- 配偶者
- 子ども
- 兄弟姉妹
- 親族
- 親しい友人
- かかりつけ医
などを書き出します。
一覧表は次のような簡単なもので構いません。
| 氏名 | 関係 | 連絡先 |
|---|---|---|
| ○○ | 長男 | 電話番号 |
| △△ | 長女 | 電話番号 |
| □□医院 | かかりつけ医 | 電話番号 |
スマートフォンに登録していても、本人が操作できなければ確認できない場合があります。
紙のノートなどにも記録して、
「もしものとき、最初に誰へ連絡してほしいか」
を分かるようにしておきましょう。
②預貯金・不動産などの財産を確認する
次に、自分がどのような財産を持っているのか確認します。
たとえば、
- 銀行口座
- 定期預金
- 不動産
- 株式
- 投資信託
- 生命保険
- 自動車
などです。
この段階では、正確な金額まで書かなくても構いません。
まず、
「○○銀行」
「△△証券」
「○○市の土地」
というように存在を書き出してみましょう。
また、
- 住宅ローン
- カードローン
- その他の借入金
などの負債も忘れず確認します。
財産と負債の両方を整理すると、現在の資産状況を把握しやすくなります。
③重要書類の保管場所を確認する
財産が分かっても、必要な書類がどこにあるか分からなければ家族が困る場合があります。
確認しておきたい書類には、
- 通帳
- 保険証券
- 年金関係書類
- 不動産関係書類
- ローン関係書類
- 遺言書
などがあります。
おすすめは、一覧表を作って、
| 書類 | 保管場所 |
|---|---|
| 保険証券 | リビングの書類棚 |
| 不動産書類 | 書斎 |
| 年金書類 | 寝室のファイル |
と記録する方法です。
すべてを一か所に集める必要はありません。
防犯面も考え、**「何がどこにあるか分かる状態」**を目指しましょう。
④エンディングノートに希望を書いてみる
基本情報を整理し始めたら、エンディングノートを活用する方法があります。
書く内容は、
- 自分の基本情報
- 緊急連絡先
- 財産
- 重要書類の保管場所
- 介護についての希望
- 医療・ケアについての考え
- 葬儀・お墓
- 家族へのメッセージ
などです。
最初からすべて記入する必要はありません。
たとえば、
「銀行」
「緊急連絡先」
「家族への希望」
の3項目だけでもよいでしょう。
普通のノートを使っても構いません。
ただし、エンディングノートは一般に、法律上の方式を満たした遺言書と同じものではありません。
財産の承継について法的な効力が必要な場合は、遺言書について別に確認しましょう。
エンディングノートに何を書けばよいか、具体的な項目や書き方を知りたい方は、**「エンディングノートとは?書き方と必要な項目を初心者向けに解説」**で詳しく解説しています。
⑤家族や信頼できる人と話しておく
最後に大切なのが、自分が整理した情報や希望について、家族や信頼できる人と話しておくことです。
すべてを一度に話す必要はありません。
たとえば、
「重要書類は書斎にまとめてあるよ」
「もし介護が必要になったら、できれば自宅で暮らしたいと思っている」
という会話からでも構いません。
厚生労働省の「人生会議(ACP)」でも、もしものときに備えて、自分が大切にしたいこと、望む生き方、医療やケアについて家族や信頼できる人などと前もって話し合うことが案内されています。
また、考え方は年齢や体調、生活環境によって変わります。
そのため、
一度話したら終わりではなく、考えが変わったら何度でも話し直すこと
が大切です。
終活は、一人で書類を作るだけの作業ではありません。
自分の希望や大切な情報を整理し、それを必要な人へつないでおくことが、年代を問わず重要な終活の第一歩です。
終活を始めるときに注意したいこと
終活は、早く始めればよいというだけではありません。
財産や重要書類、持ち物、デジタル情報などを急いで整理すると、必要な物まで処分してしまったり、大切な情報の管理が不十分になったりすることがあります。
また、年齢や家族構成、財産、健康状態によって必要な準備は異なります。
まずは次の注意点を確認し、無理のない範囲で進めましょう。
| 注意したいこと | 対策 |
|---|---|
| 年齢だけで判断する | 生活状況も考える |
| 一度に全部やる | 優先順位を決める |
| 書類や思い出の品を捨てる | 保留して確認する |
| 財産を誰にも伝えない | 所在を整理する |
| パスワードを無防備に残す | 安全に管理する |
| 高額サービスを即決する | 契約内容を確認する |
| 一度整理して放置する | 定期的に見直す |
年齢だけで終活の内容を決めない
「60代だから遺言書を作る」
「70代だから葬儀を決める」
というように、年齢だけで終活の内容を決める必要はありません。
同じ70代でも、
- 一人暮らし
- 夫婦二人暮らし
- 子どもと同居
- 不動産を複数所有
- 賃貸住宅で生活
など、状況はさまざまです。
たとえば一人暮らしなら、葬儀より先に緊急連絡先を整理する方が優先度は高いかもしれません。
一方、不動産を複数所有している場合は、財産一覧や登記名義の確認を早めに行った方がよいこともあります。
「何歳だから何をする」ではなく、「今の自分に何が必要か」で判断することが大切です。
最初からすべて終わらせようとしない
終活には、
- 財産整理
- 重要書類
- 持ち物
- デジタル情報
- 介護・医療
- 葬儀・お墓
- 遺言・相続
など、多くの項目があります。
これらを一度に終わらせようとすると、途中で疲れてしまうことがあります。
たとえば、
今週:銀行口座を確認する
来週:保険証券を確認する
翌月:写真を整理する
というように分けても構いません。
エンディングノートも、すべてのページを一度に埋める必要はありません。
「今日は緊急連絡先だけ」という進め方でも十分です。
終活は短期間で完成させることより、自分のペースで継続することを意識しましょう。
大切な書類や思い出の品を急いで捨てない
家の片付けをするときは、必要な書類や思い出の品まで処分しないよう注意しましょう。
特に、
- 不動産関係書類
- 保険証券
- 年金関係書類
- 契約書
- 遺言書
- 貴金属の鑑定書・保証書
などは、古いからという理由だけで捨てない方が安全です。
写真や手紙、記念品についても同じです。
判断に迷ったら、
「残す」
「処分する」
「保留する」
の3つに分けましょう。
たとえば「保留箱」を一つ作り、半年後にもう一度確認する方法があります。
終活の目的は、物をできるだけ減らすことではありません。自分に必要な物、大切な物、家族へ残したい物を整理することが重要です。
財産情報を誰にも分からない状態にしない
財産について家族へ詳しく話したくない方もいるでしょう。
預金残高などをすべて伝える必要はありません。
しかし、
「どの銀行を利用しているか誰も知らない」
「本人しか知らない土地がある」
という状態では、将来家族が調査に苦労する可能性があります。
そこで、
- ○○銀行に口座あり
- △△証券を利用
- ○○生命に加入
- ○○市に土地あり
- 不動産関係書類は書斎に保管
というように、財産の存在と確認方法を整理しておきましょう。
財産一覧表を作り、
「この一覧表は○○に保管している」
と家族へ伝える方法もあります。
暗証番号やパスワードの管理に注意する
現在の終活では、スマートフォンやパソコンなどのデジタル情報も重要です。
たとえば、
- ネット銀行
- ネット証券
- SNS
- メール
- ネット通販
- サブスク
- クラウドサービス
などがあります。
しかし、家族が困らないようにしようとして、
「キャッシュカードに暗証番号を書く」
「パソコンの横にパスワード一覧を置く」
といった方法を取るのはおすすめできません。
第三者に見られれば、不正利用につながる危険があるためです。
まず、
「利用しているサービスの一覧」
と
「暗証番号・パスワードなどの秘密情報」
を分けて考えましょう。
たとえばエンディングノートには「○○ネット銀行を利用」と記録し、認証情報については別の安全な方法で管理するという考え方があります。
家族が必要なサービスの存在を確認できることと、秘密情報を守ることの両方が重要です。
高額な終活サービスはすぐに契約しない
終活に関連して、
- 身元保証
- 日常生活支援
- 葬儀
- 死後事務
- 遺品整理
- お墓
などの民間サービスを利用することがあります。
便利なサービスもありますが、高額な契約については、その場ですぐ決めないようにしましょう。
契約前には、
- 具体的なサービス内容
- 支払総額
- 追加料金
- 契約期間
- 解約条件
- 返金条件
- 事業者が対応できなくなった場合
などを確認します。
「今日契約すれば安くなる」と言われても、内容がよく分からないまま契約するのは避けましょう。
できれば契約書を持ち帰り、家族や信頼できる人と一緒に確認すると安心です。
契約内容について疑問やトラブルがある場合は、消費生活センターなどへ相談する方法もあります。
終活の内容は定期的に見直す
終活は一度行えば終わりではありません。
生活していれば状況は変わります。
たとえば、
- 銀行口座を解約した
- 生命保険を変更した
- 引っ越した
- 不動産を売却した
- スマートフォンを変更した
- 家族構成が変わった
- 介護・医療について考えが変わった
といったことがあります。
そのため、
「毎年誕生日に見直す」
「毎年1月に財産一覧を確認する」
など、自分なりの見直し時期を決めておくとよいでしょう。
特に、
□ 緊急連絡先
□ 財産一覧
□ 保険
□ 重要書類
□ デジタルサービス
□ 介護・医療の希望
□ 葬儀・お墓
□ 遺言書
などに変更がないか確認しましょう。
終活は完成させて終わるものではなく、生活の変化に合わせて更新していくものと考えると続けやすくなります。
終活を家族と一緒に始めるときのポイント
「親にも終活を始めてもらいたい」
「夫婦で終活について話したい」
と思っても、どのように話を切り出せばよいか迷うことがあります。
特に親へ突然、
「財産はいくらあるの?」
「遺言書を書いておいた方がいいよ」
と言うと、警戒されたり、不快に感じられたりする可能性があります。
家族と終活を始めるときは、財産や相続からではなく、本人がこれからどのように暮らしたいのかという話から始めると自然です。
終活を無理に勧めない
家族が終活を始めてほしいと思っても、本人にその気がなければ無理に進めないことが大切です。
「もう80歳なんだから終活しないと」
「早く家を片付けて」
と強く言われると、本人は、
「早く死ぬ準備をしろと言われている」
と感じてしまうかもしれません。
そこで、
「これからも安心して暮らせるように、一緒に整理してみない?」
というように、これからの生活を良くするための準備として話してみましょう。
本人が嫌がる場合は、その日は無理に続けず、別の機会に話すことも大切です。
まず将来の暮らしについて話してみる
終活の話をするときは、いきなり財産や葬儀の話をする必要はありません。
たとえば、
「これからもこの家に住みたい?」
「退職したら何をしたい?」
「車を運転しなくなったら買い物はどうしようか?」
という日常的な話題から始められます。
そこから、
- 将来どこで暮らしたいか
- 家の管理をどうするか
- 介護が必要になったらどうしたいか
- 家族に手伝ってほしいことはあるか
などへ話を広げていきます。
終活という言葉を使わなくても、将来の暮らしについて話すこと自体が大切な準備になります。
介護・医療について本人の希望を聞く
介護や医療について話す場合は、家族が先に答えを決めるのではなく、本人の考えを聞きましょう。
たとえば、
「介護が必要になったら施設に入ってもらうから」
と家族だけで決めるのではなく、
「もし介護が必要になったら、どんな暮らしがいい?」
と聞く方が本人の希望を確認できます。
話題としては、
- 自宅で暮らしたいか
- 必要なら施設も検討できるか
- 家族にどの程度お願いしたいか
- どんな生活を大切にしたいか
- 医療・ケアについて何を大切にしたいか
などがあります。
本人の希望は途中で変わっても構いません。
「以前は自宅がいいと言っていたけれど、今は施設も考えている」ということもあります。
一度決めて終わりではなく、生活や体調の変化に合わせて話し合いましょう。
財産を聞くことだけを目的にしない
親の終活を考えると、
「銀行口座はいくつある?」
「預金はいくら?」
「家は誰に残すの?」
と財産について確認したくなるかもしれません。
しかし、最初から財産の話ばかりすると、本人が、
「財産目当てなのでは?」
と不安になることがあります。
まずは、
「何かあったときに困らないよう、利用している銀行だけ教えてもらえる?」
「重要書類がどこにあるかだけ確認しておこう」
というように、必要性を説明しましょう。
終活で重要なのは、必ずしも家族が預金残高まで知ることではありません。
どのような財産があり、必要なときにどこを確認すればよいのかが分かる状態を目指しましょう。
本人の意思を尊重しながら進める
家族と終活を進めるうえで最も大切なのは、本人の意思を尊重することです。
たとえば親が、
「このアルバムは残しておきたい」
と言っているのに、家族が、
「場所を取るから捨てよう」
と勝手に処分するのは避けましょう。
同じように、
- 住まい
- 持ち物
- 介護
- 医療・ケア
- 葬儀
- お墓
などについても、まず本人がどう考えているのかを確認します。
家族の意見と本人の希望が異なる場合は、
「なぜそうしたいの?」
と理由を聞いてみることも大切です。
厚生労働省が案内する「人生会議(ACP)」でも、本人が大切にしていることや望む生き方について前もって考え、家族や信頼できる人、医療・ケアチームなどと話し合うことが重視されています。
終活を家族で行う目的は、家族が本人の人生を決めることではありません。
本人がこれからどう暮らしたいのかを家族が知り、必要なときにその思いを尊重できるよう準備しておくことが大切です。
終活は何歳から?年代別やること早見表
終活は「何歳から始めなければならない」という決まりはありません。
50代なら老後の生活設計、60代なら財産や持ち物、70代なら介護・医療や相続、80代以降なら緊急連絡先や重要情報の共有というように、年代によって優先したい内容は少しずつ変わります。
ただし、これはあくまで目安です。
まずは年代別の違いを早見表で確認してみましょう。
| 年代 | 優先したい終活 | ポイント |
|---|---|---|
| 50代 | 家計・老後資金・負債・デジタル情報 | これからの生活設計を考える |
| 60代 | 財産・保険・年金・持ち物 | 終活の土台を作る |
| 70代 | 介護・医療・葬儀・遺言・相続 | 希望を家族と共有する |
| 80代以降 | 緊急連絡先・財産・重要書類 | 必要性の高い項目を優先する |
50代で優先したい終活
50代では、「亡くなった後の準備」を急ぐより、これからの人生や老後の生活設計を考えることを優先するとよいでしょう。
特に確認したいのは、
- 現在の家計
- 預貯金
- 生命保険
- 住宅ローン
- 年金の見込額
- ネット銀行・ネット証券
- SNS・サブスク
- 不要な持ち物
などです。
たとえば、
「住宅ローンは何歳まで残るのか」
「定年後の収入はどのくらいになるのか」
を確認するだけでも、これから必要になるお金を考えやすくなります。
また、子どもが独立した家庭では、保険や住まいを見直すきっかけにもなります。
50代の終活では、老後をどう過ごしたいのかを考え、そのための準備を始めることを意識しましょう。
60代で優先したい終活
60代では、財産や重要書類などを具体的に整理していくとよいでしょう。
確認したいのは、
- 預貯金
- 不動産
- 株式・投資信託
- 生命保険
- 年金
- 重要書類
- 持ち物
- エンディングノート
などです。
たとえば銀行口座が複数ある場合、
「生活費用」
「年金受取用」
「貯蓄用」
など、利用目的を整理してみましょう。
また、エンディングノートに緊急連絡先や重要書類の保管場所を書き始める方法もあります。
60代では、自分自身が財産や重要情報を把握できる状態を作ることを目標にすると進めやすくなります。
70代で優先したい終活
70代では、自分が情報を整理するだけでなく、必要なときに家族や信頼できる人が確認できる状態を意識しましょう。
特に、
- 緊急連絡先
- 財産の所在
- 重要書類の保管場所
- 介護についての希望
- 医療・ケアについての考え
- 葬儀・お墓
- 遺言書
- 不動産の登記名義
などを確認しておくと安心です。
たとえば、
「○○銀行を利用している」
「不動産関係書類は書斎にある」
という情報だけでも家族にとって重要な手掛かりになります。
介護や医療についても、
「できるだけ自宅で暮らしたい」
「家族の負担が大きい場合は施設も考えたい」
など、現在の希望を話しておきましょう。
70代では、自分の希望と必要な情報を周囲へつないでおくことが大切になります。
80代以降で優先したい終活
80代以降は、終活をすべて完成させることより、必要性の高い項目から確認することを優先しましょう。
たとえば、
- 緊急連絡先
- 財産の所在
- 重要書類の保管場所
- 介護・医療についての希望
- 遺言・相続など必要な手続き
という順番です。
家の片付けについては、体力を使う作業を無理に行う必要はありません。
高い場所の荷物や重い家具などは、家族などに手伝ってもらいましょう。
本人は、
「残したい物」
「処分してよい物」
を判断するだけでも十分です。
80代以降の終活では、安全を最優先にして、本人にしか分からない情報や希望を整理することから始めましょう。
年齢より生活状況を基準に考えよう
年代別の終活は便利な目安ですが、年齢だけで優先順位を決める必要はありません。
たとえば同じ60代でも、
Aさん:一人暮らし
→緊急連絡先を優先
Bさん:不動産を複数所有
→財産一覧と不動産を優先
Cさん:子どもが独立
→家計・保険・持ち物を整理
というように、必要な準備は異なります。
終活の優先順位を決めるときは、
- 年齢
- 家族構成
- 住まい
- 財産
- 仕事
- 生活環境
- 自分の希望
などを合わせて考えましょう。
**「何歳だから何をするか」より「今、何を整理しておけば自分と家族が安心できるか」**を基準にすることが大切です。
終活を始める年齢についてよくある質問
ここまで年代別の終活について説明してきましたが、「自分はもう遅い?」「親にはどう勧めればいい?」など、まだ疑問がある方もいるでしょう。
終活を始める年齢について、よくある疑問をQ&A形式で確認していきます。
終活は早すぎても問題ありませんか?
問題ありません。
終活には年齢制限がなく、40代や50代から始めても構いません。
特に、
- 財産を整理する
- 保険を確認する
- デジタル情報を整理する
- 緊急連絡先をまとめる
- 家族と将来について話す
といったことは、年齢に関係なく役立ちます。
若いうちから葬儀やお墓まで細かく決める必要はありません。
まずは、現在の生活や財産を整理することから始めれば十分です。
終活は60歳から始めた方がいいですか?
「60歳から始めなければならない」という決まりはありません。
ただし、60歳前後は定年や子どもの独立など、生活が変化しやすい時期のため、終活を考えるきっかけにはなります。
たとえば、
- 預貯金
- 保険
- 年金
- 不動産
- 住宅ローン
- 老後の生活費
などを確認してみましょう。
60歳を終活開始の期限ではなく、生活を見直す節目の一つとして利用するのがおすすめです。
70代から終活を始めても間に合いますか?
はい。70代からでも始められます。
まず、
- 緊急連絡先
- 財産
- 重要書類
- 介護・医療
- 葬儀・お墓
- 遺言・相続
などから、自分に必要な項目を選びましょう。
特に大切なのは、本人しか知らない情報を整理することです。
たとえば、
「○○銀行に口座がある」
「保険証券は○○に保管している」
という情報だけでも家族にとって役立ちます。
70代だから急いですべて終わらせるのではなく、重要度の高い項目から少しずつ進めましょう。
80代の親に終活を勧めてもいいですか?
勧めること自体はできますが、本人の気持ちを尊重することが大切です。
いきなり、
「もう80歳だから終活した方がいい」
「財産を整理して」
と言うと、本人が不快に感じる可能性があります。
たとえば、
「これからも安心して暮らせるように、一緒に書類を整理してみない?」
「何かあったとき、誰に連絡すればいいか教えてもらえる?」
という話から始めると自然です。
本人が嫌がる場合は無理に進めず、本人の意思を確認しながら少しずつ話すことを心掛けましょう。
一人暮らしの場合は何歳から始めるべきですか?
一人暮らしの場合も決まった年齢はありません。
ただし、年齢にかかわらず、
- 緊急連絡先
- 家族・親族の連絡先
- かかりつけ医
- 財産の所在
- 重要書類
- 介護についての希望
などを早めに整理しておくと安心です。
特にスマートフォンの中にしか連絡先がない場合は、紙などにも必要な情報を残しておきましょう。
一人暮らしでは「何歳になったら」より、もし自分が連絡できなくなったとき、誰が必要な情報を確認できるかという視点で考えることが大切です。
夫婦で終活を始めるなら同じタイミングがいいですか?
必ず同じタイミングで始める必要はありません。
夫婦でも考え方や準備したい内容は異なります。
たとえば夫は財産整理から始め、妻は持ち物やエンディングノートから始めても構いません。
ただし、
- 夫婦の共有財産
- 自宅
- 住宅ローン
- 生命保険
- 介護
- 将来の住まい
- 葬儀・お墓
など、二人に関係することは話し合っておくとよいでしょう。
それぞれ自分のペースで進め、共通する項目だけ一緒に確認する方法でも十分です。
終活は一度終われば見直さなくてもいいですか?
いいえ。終活は定期的に見直すことが大切です。
生活している間に、
- 銀行口座を変更した
- 保険を見直した
- 不動産を売却した
- 引っ越した
- 家族構成が変わった
- スマートフォンを変更した
- 介護・医療について考えが変わった
といった変化が起こります。
たとえばエンディングノートに10年前の電話番号が残っていても、家族が連絡できません。
そこで、
「毎年誕生日に確認する」
など、見直す時期を決めておくと便利です。
特に、
□ 緊急連絡先
□ 財産・負債
□ 保険
□ 重要書類
□ デジタル情報
□ 介護・医療の希望
□ 葬儀・お墓
□ 遺言書
などを確認しましょう。
終活は一度完成させるものではなく、自分の暮らしや考え方の変化に合わせて更新していく準備と考えるとよいでしょう。
終活は何歳からでも始められる!元気なうちに少しずつ準備しよう
終活には「○歳から始めなければならない」という決まりはありません。50代から始めてもよく、60代・70代からでも遅くありません。80代以降でも、体調や生活状況に合わせてできることから始められます。
大切なのは年齢だけで判断するのではなく、自分で考えたり、家族と話したり、必要な情報を整理したりできるうちに少しずつ準備することです。
終活というと、葬儀やお墓、遺言などをイメージするかもしれません。しかし実際には、老後の暮らし、財産、持ち物、デジタル情報、介護・医療など、これからの生活を考えることも含まれます。
「まだ早い」「もう遅い」と考えず、今日できる小さなことから始めてみましょう。
今日覚えておきたい重要ポイント3つ
この記事で特に覚えておきたいポイントは、次の3つです。
- ①終活を始める年齢に決まりはない
50代でも80代でも、自分の生活や家族の状況に合わせて始められます。 - ②元気なうちに少しずつ始めると進めやすい
財産整理、家の片付け、介護・医療についての話し合いなどは、時間に余裕を持って進めると負担を分散できます。 - ③年齢より「今、何が必要か」で優先順位を決める
一人暮らしなら緊急連絡先、不動産が多ければ財産整理など、生活状況によって優先する内容は変わります。
終活は、すべてを一度に完成させる必要はありません。
たとえば今日、
「利用している銀行をノートに書く」
だけでも、立派な第一歩です。
年代別・終活でやること早見表
年代によって優先しやすい終活を、もう一度整理しておきましょう。
| 年代 | 優先したいこと | ポイント |
|---|---|---|
| 50代 | 家計・老後資金・住宅ローン・デジタル情報 | これからの生活設計を考える |
| 60代 | 預貯金・不動産・保険・年金・重要書類 | 財産や情報を整理する |
| 70代 | 介護・医療・葬儀・お墓・遺言・相続 | 自分の希望を家族と共有する |
| 80代以降 | 緊急連絡先・財産・重要書類・介護・医療 | 必要性の高いものから安全に進める |
この表は、あくまで目安です。
たとえば50代でも親から不動産を相続しているなら、早めに不動産や相続関係の書類を確認する必要があるかもしれません。
反対に70代でも仕事を続け、元気に暮らしているなら、これからやりたいことや老後の生活設計を考えることから始めても構いません。
年齢+家族構成+財産+住まい+生活状況を合わせて、自分に合った終活を考えましょう。
終活を始めるタイミングチェックリスト
「自分はまだ終活を始めなくても大丈夫かな?」と迷っている方は、次のチェックリストを確認してみてください。
□ 50代・60代・70代など節目の年齢を迎えた
□ 定年退職が近づいている、または退職した
□ 子どもが独立した
□ 老後の生活費が気になり始めた
□ 銀行口座や保険が増えて管理しにくくなった
□ 自分の財産を一度整理したいと思っている
□ 家に使っていない物が増えてきた
□ スマートフォンやネットサービスの整理が気になる
□ 親や配偶者の介護を経験した
□ 親や配偶者の相続を経験した
□ 自分の介護や医療について考え始めた
□ 葬儀やお墓について家族へ希望を伝えておきたい
□ 不動産を所有している
□ 家族が自分の重要書類の場所を知らない
□ 「自分に何かあったら家族が困るかもしれない」と思ったことがある
一つでも気になる項目があれば、終活について考え始めるきっかけにしてよいでしょう。
ただし、チェックが多いからといって焦る必要はありません。
まず、
「家族・緊急連絡先を整理する」
「利用している銀行を書き出す」
「重要書類の場所を確認する」
といった簡単なものから一つ選んでみてください。
小さな準備を積み重ねることが、無理なく終活を続けるコツです。
次に読むおすすめ終活・相続関連記事
終活を始める年齢やタイミングが分かったら、次は「具体的に何をすればよいのか」を確認してみましょう。
- 終活とは?何から始める?初心者向けにやることをわかりやすく解説
「そもそも終活とは何をするもの?」という方におすすめです。
- 終活でやることリスト|初心者が準備しておきたいことを順番に解説
財産整理、持ち物、介護・医療、葬儀・お墓、相続など、具体的な終活のやることを確認したい方におすすめです。
- 相続登記のやり方完全ガイド|ケース別の必要書類と申請書の書き方を解説
土地や建物の相続があり、相続登記の手続きについて詳しく知りたい方におすすめです。
終活は、一度ですべてを終わらせる必要はありません。
「今の自分にできることを一つ始める」ことが大切です。
まずはノートを1冊用意して、家族の連絡先や利用している銀行など、書きやすい項目を一つ記入するところから始めてみてはいかがでしょうか。
参考元:
- 厚生労働省「人生会議(ACP)」
- 法務省「自筆証書遺言書保管制度」
- 法務局「相続・遺言に関する情報」
本記事は、厚生労働省や法務省など公的機関の情報を参考に作成しています。終活を始める年齢に決まりはなく、年代別の内容はあくまで目安です。制度や手続きは最新情報をご確認ください。
まとめ
終活を何歳から始めるべきか、明確な年齢の決まりはありません。50代から準備を始めてもよく、60代・70代からでも遅くありません。大切なのは、元気で自分の意思を伝えられるうちに、財産や重要書類、持ち物、デジタル情報、介護・医療、葬儀・お墓、遺言・相続などを少しずつ整理することです。年齢だけを基準にせず、家族構成や生活環境に合わせて優先順位を決め、無理のない範囲で始めましょう。終活は一度で完成させず、定期的に見直すことも大切です。




