サツマイモはジャガイモ同様、やせ地でもよく育ち、収穫量が多いことから幾度となく人々を救ってきた歴史があります。例えば、享保の大飢饉(1732年)では、西日本一帯に大凶作に見舞われたことがありました。飢えで、多くの死者が出る中、サツマイモの栽培がすでに広まっていた長崎、薩摩では餓死者は出なかったといわれます。そのことから、救済作物としてサツマイモが注目されるようになり、全国的に広まりました。
栽培が広がるにつれ、研究が進み、従来のサツマイモより甘い品種が発見され飢饉食から美味しいおやつへと変わりました。
サツマイモの効果
サツマイモは、美容、美肌に効果がある食材で、ビタミンC、ビタミンEを多く含みます。他に、β―カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、カリウム、鉄分などのミネラル分も豊富です。整腸作用のあるセルロースもたくさん含まれていますから、便秘の解消やコレステロール値の低下にも一役買っています。
栄養素
下記は文部科学省「日本食品標準成分表」から抜粋して表にしたものです。『可食部100g』とは「通常の食習慣で食べられる部分のこと、食肉の場合、皮や骨、筋などを除いたもののこと」 をいいます。
サツマイモは食物繊維が多く、便秘の解消や血中のコレステロールを低下させる作用があります。食物繊維には「水溶性食物繊維」、「不溶性食物繊維」があり、違いは水に溶けるか解けないかの違いです。
「水溶性食物繊維」
水溶性食物繊維
ネバネバ系とサラサラ系があります。水溶性食物繊維を多く含む食品
昆布、わかめ、こんにゃくいも(※)、果物、里いも、大麦、オーツ麦などに含まれています。
※市販の板こんにゃくに含まれる食物繊維は、水溶性食物繊維(グルコマンナン)が製造過程で添加される水酸化カルシウムによって不溶性食物繊維に変化しています。
特性
粘性
粘着性により胃腸内をゆっくり移動するので、お腹がすきにくく、食べすぎを防ぎます。糖質の吸収をゆるやかにして、食後血糖値の急激な上昇を抑えます。
吸着性
胆汁酸やコレステロールを吸着し、体外に排泄します。
発酵性
大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などが増えて腸内環境がよくなり、整腸効果があります。出典: www.otsuka.co.jp
「不溶性食物繊維」
不溶性食物繊維
成熟した野菜などに含まれ、糸状のもの、多孔質のものがあり、ボソボソ、ザラザラとした食感が特徴です。不溶性食物繊維を多く含む食品
穀類、野菜、豆類、キノコ類、果実、海藻、甲殻類(エビやカニ)の殻にも含まれています。
特性
保水性が高い
胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にし、便通を促進します。
繊維状、蜂の巣状、へちま状
よく噛んで食べるので、食べすぎを防ぎ、顎(あご)の発育を促すことで、歯並びをよくします。
発酵性
大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などが増えて腸内環境がよくなり、整腸効果があります。概して、水溶性食物繊維より発酵性は低い。出典: www.otsuka.co.jp
サツマイモでするダイエット
ダイエット方法
1)ご飯やパンなどの主食をさつまいもに置き換える
さつまいもが痩せるといわれている理由は、他の主食類とくらべて、カロリーや糖質が低いからです。
同じ量のご飯・パン・パスタとカロリー・糖質の量を比較してみましょう。
カロリー 糖質
さつまいも 134cal 30.9g
ご飯 168cal 36.8g
パン 260cal 44.3g
パスタ 150cal 31.3g
さつまいもがカロリーも糖質も一番少ないことがわかりますね。また、さつまいもは低GI食品であることもダイエットに向いているといわれる理由の一つ。糖の吸収が穏やかなため、食後の急な血糖値の上昇を防ぎます。
GI値が高いと、食後に血糖値が一気に上がり、身体に脂肪がつきやすくなるといわれています
出典: oimobicho.jp
GI値について
2)皮ごと食べる
- さつまいもの皮の色素に、老化対策に役立つ「アントシアニン」があります。
- 皮の周辺に豊富に整腸作用がある「ヤラピン」があります。
3)冷やして食べる➡ダイエット中はさつまいもを冷やして食べるのがおすすめ
さつまいもを冷やすと、でんぷんの一部が老化して「レジスタントスターチ」に変化します。再加熱しても、増えたレジスタントスターチの量は減少しません。
レジスタントスターチは小腸で消化されずに大腸に届き、腸内細菌のエサとなるため、腸内環境を整えるのに役立ちます。また、食後血糖値の急上昇を抑えることが明らかになっていますよ。
出典: macaro-ni.jp
むくみの解消
カリウムは、過剰なナトリウム(塩分)の排出を促す効果があります。野菜では。ほうれん草やかぼちゃなどの野菜、メロンやバナナなどの果物、豆類などにも多く含まれている栄養素です。
ビタミンCやビタミンE
ビタミンCは熱に弱いといわれていますが、さつまいもに含まれるビタミンCは熱にも強い特性があるといわれているので、加熱調理しても多くのビタミンCを摂取することができるのです。
ビタミンEは細胞膜の酸化による老化や血液中のLDLコレステロールの酸化によって起こる動脈硬化などを防止するといわれています。
細くなっても栄養が足りず肌がボロボロになるのは避けたいですよね。きれいに痩せるために欠かせないビタミンCやビタミンEが含まれているさつまいもは、ダイエットに効果的な食材
出典: oimobicho.jp
葉や茎にも栄養がある
さつまいもの葉やつるは、実は塊根よりも栄養価が高いのです。日本ではあまり馴染みがありませんが、東南アジアなど海外ではよく食べられています。
葉の部分のたんぱく質は塊根の25~30倍、食物繊維も葉は2倍以上、茎は5倍近くと豊富です。鉄やカルシウム、マグネシウムもたくさん含まれており、ビタミン類は緑黄色野菜並みといわれています。
出典: oimobicho.jp
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まとめ
サツマイモは焼いても蒸しても美味しく、栄養効果も満点です。しかも、ダイエット、美容にも効果がありますので取り入れたいものです。