投げ釣りでつるイシモチ(ニベ?)釣り

alt属性 さかな釣り

イシモチ、別名シログチですが、釣り上げるとウキ袋を使ってグーグーと、グチをこぼしているように鳴くところからのネーミングです。ニベ科シログチ属の種類には「シログチ、ニベ、コイチ」があり、ニベは夜の投げ釣りが本命です。

今回、ニベ科シログチ属の「ニベの釣り方」を解説します。

出典:写真AC

特徴、棲息、分布

かなり古くから、イシモチ釣りというのが一つのジャンルとしてありました。ところが釣り人がイシモチだと思いこんでいたのは、実はニベで、イシモチは標準和名からシログチに変わってしまい、イシモチは消えてしまいました。

ニベ、シログチ(イシモチ)、コイチの特徴

ニベは、やや沖合の砂底または砂泥底に住みますが、若魚は岸近くの浅い所にもいます。「イシモチ釣り」として岸から投げ釣りで釣れるのは大部分がこの若魚です。エサは多毛類とか貝類、甲殻類などの底にいる生動物を食べます。大きさは20cm~70cmで、釣られたときに浮袋を使って音を出します。浜から投げ釣りでつれるのはこの魚です。

分布:東北以南、東シナ海

シログチ(イシモチ)は、水深30~120mの砂泥底に生息します。エサは多毛類、甲殻類、貝類などの底にいる生動物を食べ、産卵期は5~6月で、満2~4歳で成熟します。大きさは20~40cmです。シログチとニベの見分け方は、エラ蓋の後方に輪郭がぼやけた黒い斑紋があります

分布:東北地方以南、東シナ海、インド、西太平洋

コイチは、沿岸の水深40~150mの砂泥底または泥底に生息しています。エサは主に底にいる底生動物を食べ、大きさは30~40cmです。

ニベとコイチの違い

コイチはニベとよく似ているが、コイチの上顎は下顎よりも前に出ていることや、腹と腹ビレ、臀(しり)ビレ、尾ビレの下部がオレンジ色を帯びていること、体側の黒い斑点は側線より下側は綺麗に斜帯となっているが、上方では途切れる部分が多く乱れている点などの違いがある。

出典: www.google.com

分布:高知以南、東シナ海、朝鮮半島南部

ニベの釣り期ですが、ほぼ周年釣れ、投げ釣りでは6月から11月、沖釣りでは12月~翌3月頃までがハイシーズンです。

地域により変動がありますが、ニベ、シログチ(イシモチ)ともに5~9月には産卵期を迎えます。シーズンの初期と後期には産卵の前後の荒食いで大型の確率が高く、中間期に産卵に絡まない小型の数釣りが続く傾向が強いです。

外洋部では、同じ太平洋でも、釣り期がずれることがあります。例えば、房総半島では、九十九里浜~鴨川のエリアでは4~11月が釣り期ですが、黒潮の影響が強い南房の千倉~館山では翌年の1月まで釣り期が続きます。

棲んでいる場所は、水深20~100m前後の沿岸部の砂泥地に生息しています。

砂浜でのタックル

波の高い遠浅の外洋部では、ハリスが短く絡みづらい胴付き仕掛けが有利です。南部では、食い込みがいい吹き流しの仕掛けが主流です。イシモチは取り込み時に回転しながら上がってくるので、太めのハリスを使うようにしましょう。サーフではPE1.5~2号が主流ですが、大型の外道が釣れる場所や急深のサーフではPE3~4号を使用します。

胴付き仕掛けについて解説します。

胴付き仕掛けには、素バリで組んだものやハリのチモトに鳥の羽根や夜光フロートを配したものがあります。イシモチは大きく見えるエサほど反応がよく、赤やピンク、白の羽根付きバリはそうした効果を狙ったものです。夜光フロートはエサを目立たせるとともに、海底からエサを浮かせてイシモチのポイントに多いカニ類から付けエサを守る効果があります。

その他

流れが速い外洋部では、オモリの形状に注意が必要です。外洋の釣り場は、海底に細かい砂地である場合が多いので、海底に埋まって止まる丸型や三角錘のオモリが有利です。

内湾では、オーソドックスな小田原型でもいいですが、飛距離はそう変わりませんので丸型か三角錘で揃えておくといいでしょう。

吹き流し仕掛けで潮の早い釣り場で釣る場合、誘導テンビンにスパイクオモリなどを組み合わせて、仕掛けを留める工夫をする必要があります。

堤防から近いポイントの場合、ミキイトに松葉テンビンでエダスを出し、遊動オモリでオモリの下にもハリスを配した2本バリ仕掛けも食いがいいです。

エサについて

イシモチを狙うエサでもっともポピュラーなのはアオイソメです。特に波の静かな内湾部で釣るエサとして定番で太めなものを房掛けして使います。

外洋部では、エサのボリュームを上げるために、通称「アカイソメ」と呼ばれる輸入物のイワイソメを使います。

入手困難ですが、「一町先からでも魚が寄ってくる」といわれる「イチョセ」という虫がおります。別名「フクロイソメ」と呼ばれ、夜釣りでは最高という人や小さめのハリを使う吹き流し仕掛けで便利な「東京スナメ」こと「チロリ」を押す人がいます。

秋口には、塩で締めたサンマの切り身がよく使われます。エサ持ちよく経済的です。

ポイント

【砂浜】

砂浜に流れ込む小さな川がありますと、この場所にイソメ類のエサとなるプランクトンの発生量が多くなり濁りますので、イシモチのエサ場になることが多いです。

【波消し防波堤】

等間隔で波消し堤防が並んだ場所では、堤防と堤防の間に潮が巻くことでエサが溜まり、イシモチが接岸します。潮が巻くことで適度な濁りが入るので、日中でも安定して釣れます。

【ヘッドランド】

海岸線の保護のために建設されたヘッドランドは、外洋にある絶好の好ポイントです。T字タイプなら左右の先端のどちらかに、必ず離岸流が発生して、水深が深くなり、魚が足に集まります。

I字型のヘッドランドや波消し堤防も、沖へ投げるより、等間隔に並ぶ堤防と堤防の間が潮流の変化で濁りが入り、好ポイントになることが多いです。

離岸流れについての解説です。

【内湾】

水深10m以上のポイントで、内湾部の場所では、深い場所を好むシログチが日中でも投げ釣りの射程に入ってきます。外洋に比べれば波もなく、潮の流れが緩いので、ハリスの長い吹き流し仕掛けが有利です。

【砂浜でのポイント】

砂浜でのポイントはつかみどころがないですが、波で出来る岸と平行に走るヨブや、大きな瀬の向こうにあるカケアガリ、沖に向かう離岸流で出来るスリットなど海底の変化を中心に探ります。

※日中の釣りなら海面の色が濃く見える(水深が深い)場所や、濁りのある部分を重点的に探りましょう。

【海底の探りかた】

海底が斜面になって上がっている場所は、オモリの引き抵抗が重くなり、下がっている場所では軽くなります。アタリが出る場所は海底が変化している場所です。

※内湾の深い場所ではオモリが「ゴトゴト」という底質が硬い場所を重点的に狙いましょう。

アワセについて

細いPEラインを使うと1~3までの変化がはっきりわかりますが、仕掛けのバランスが合わないと1~2の段階でエサを離してしまうので送り込むなどの操作が必要となります。サオ先が、断続的に引き込まれる3のシグナルが出たら軽くサオを立てて合わせ、一定の速度で巻き上げます。

【海底の探り方】

イシモチの投げ釣りでもキスの投げ釣りでもオモリを引く、止めるを繰り返しアタリをとりますね。オモリを引くというのは、主に海底の変化を探るためで、30までサオを立てながらオモリを引いてくれば、引きの抵抗具合で、ヨブやカケアガリなどの海底の変化がわかります。

ヨブやカケアガリを見つけたら必ずミチイトの色とリールの巻き数で、その位置を正確に覚えておきましょう。

扇状に投げ分けて、これを繰り返すと、ヨブの走る角度や方向が読めてきますので、魚群の動きがつかみやすくなります。

【アタリから取り込みまで】

イシモチは、潮流に漂うエサを見つけると、最初はエサの先端をくわえ、食わえると頭を細かく振りながら飲み込みにかかります。ハリに掛かって反転する時にアタリがサオ先に大きく出ます。

基本は向こうアワセですから、サオを軽く立て巻き上げればいいです。

食い込みが悪い時は、ミチイトをやや緩めて待つ方がいいです。大口を開けてエサに飛びつくのは活性の高い時だけです。食いが渋くなると、エサの先端をかじるだけでエサを離してしまいます。PEラインを使っていれば、エサをくわえた前アタリがわかるので、前アタリと同時にサオ先を送り込んで、魚が食い込むためのイトフケを出してから、しっかり反転させて合わせましょう。

イシモチのさばき方、料理

イシモチの捌き方

石持(いしもち)のさばき方 - How to filet Blue drum -|日本さばけるプロジェクト(海と日本プロジェクト)
#日本財団​​ #海と日本プロジェクト​​ #cooking石持(いしもち)のさばき方を紹介します。下処理から包丁の入れ方まで、一連の流れを解説付きでご覧いただけます。Webサイトチャンネル

macaroniサイトで公開されているイシモチの料理です。参考にしてみて下さい。

引用・参考元:さかな大図鑑(釣りサンデー)、さかな・釣り検索(つり人社)、日本の魚釣り

まとめ

イシモチの仲間でシログチの釣り方をご紹介しました。

シログチはキスと並ぶ投げ釣りの代表的な対象魚です。釣り期は初夏~初冬まで楽しめます。行動は群れをなして行動するといわれ入れ食いになることがあるそうです。

食味につきましては、評価は低いですが、釣ってからきちんと血抜きをしてあれば刺身でも美味しいといわれます。そのほか、一般的な調理法は塩焼きとか干物だそうです。

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