全国の温泉地にはいろいろな泉質、効能があります。また、女性が温泉地を決める決め手となる「三大美人源泉」というのがあります。「三大美人源泉」も含め、いろいろな泉質、効能の見方を見てみましょう。
三大美人源泉
どこの県でも美人の湯または美肌の湯といわれる温泉があります。
日本三大美人の湯とは?
川中温泉(群馬)、龍神温泉(和歌山)、湯の川温泉(島根)は、日本三大美人の湯として知られています。 …
川中温泉(群馬)の源泉名、その名も「美人の湯」。 …
龍神温泉(和歌山)は日高川沿いに位置する温泉卿です。 …
湯の川温泉(島根)は三方を山に囲まれた閑静な地に湧く温泉です。出典: www.google.com
川中温泉(群馬)、龍神温泉(和歌山)、湯の川温泉(島根)について、1920年に鉄道院によって編纂された「温泉案内」の中で、「肌を白くする」という効能一覧に、この3つの温泉は含まれています。肌を白くする効能には書いてあります。
- 川中温泉は源泉温度は36度で、中性~弱アルカリ性。泉質は炭酸水素塩泉で、無色透明
- 龍神温泉は日高川沿いに位置する温泉卿で、泉質は二酸化炭素泉で、弱アルカリ性の温泉
- 湯の川温泉(島根)は三方を山に囲まれた閑静な地に湧く温泉で温泉の泉質は炭酸水素塩泉で、弱アルカリ性
「美人三大源泉」
- 炭酸水素塩泉
- 硫酸塩泉
- 硫黄泉
「炭酸水素塩泉」は、肌の不要な角質や、毛穴の汚れを取り除くため、入るだけで石鹸で体を洗ったように体が清潔になる効果があります。
入浴用としてだけでなく、飲泉としても用いられます、飲泉としては、糖尿病、痛風、肝臓病など、生活習慣病に効果があります。
日本の炭酸水素塩泉としては、黒川温泉(熊本)、強羅温泉(神奈川)、天降川温泉(鹿児島)などが挙げられます。
参考元:温泉大事辞典
「硫酸塩泉」には、「カルシウム硫酸塩泉(石膏泉)」「ナトリウム硫酸塩泉(芒硝泉)」「マグネシウム硫酸塩泉(正苦(くみ)泉)」の3種類
カルシウム硫酸塩泉は、カルシウムによる鎮静効果から、「傷の湯」「痛風の湯」とも呼ばれます。高血圧症や動脈硬化症、脳卒中、慢性関節性リウマチ、外傷や皮膚病にも効果があります。
ナトリウム硫酸塩泉は、入浴による効果としては高血圧症、動脈硬化などに効果があるとされています。飲泉として利用されることもあります。
参考元:温泉大辞典
硫黄泉は、独特の香り漂う硫黄泉は、関節症やっ譜疾患、リウマチなどに良いとされる泉質です。
メタけい酸(メタケイ酸)
メタけい酸(メタケイ酸)は温泉に含まれている成分で、肌の新陳代謝を促進してくれる効果があります。メタけい酸の数値が高ければ高い程(温泉1kgに対し100mg 以上) 、美肌効果があると言われています。出典: caddy.jp
参考元:温泉大辞典
肌にいいのは、pH値(水素イオン濃度)7.5以上の(弱)アルカリ性の温泉も美肌効果があります。
中性アルカリ(pH6以上7.5未満)は、日本の温泉でもっとも多い。肌への刺激が少なく、肌が弱い人や敏感肌の人でも安心して入浴することができます。
弱アルカリ(pH7.5以上)は、トロトロ・ヌルヌルするような肌触りが特徴。クレンジング効果で、皮脂の汚れや油分を落としてくれます。
弱酸性温泉(pH3以上6未満)少しピリピリするような肌触りが特徴。殺菌効果やピーリング効果があり、昔から慢性的な皮膚病などの治療にも使われてきました。
参考元:休コンシェルジュ
強性アルカリ(pH10以上)は、入浴していると肌につるつるとした感覚があり、入浴後肌がすべすべになり、湯冷めがしにくいといわれ、多くの人に好まれている。
※強性アルカリの温泉は、油分が取られすぎて肌がカサカサになってしまうことがあるので、入浴後は真湯でしっかり洗い流し、入浴後には化粧水などで保湿ケアを行いましょう。
強酸性温泉(pH2未満)は、入浴していると肌にチリチリ、ピリピリとした感覚があり、入浴後肌がすべすべになり、硫黄臭が身体にただよい心地よく、多くの人に好まれている。
参考元:湯遊楽
温泉ファンは必ずといっていいほど温泉分析表を目を通されます。この中にある「泉質」、「泉温」、「水素イオン濃度)pH値」、「クレンジング効果」、「リフトアップ効果」、「肌に優しい」、「溶存物質」、「メタケイ酸」は特に注目して下さい。
温泉ソムリエの方が「温泉分析書の読み方」をだされています。
このサイトにより、「泉質」、「泉温」、「水素イオン濃度)pH値」、「クレンジング効果」、「リフトアップ効果」、「肌に優しい」、「溶存物質」、「メタケイ酸」がわかるようになります。
※旅先を決める際の重要なファクターとしてまず温泉分析書で確認して下さい。
温泉地で「源泉掛け流し」という事を耳にします。この意味は「湧き出た源泉をそのまま浴槽に満たしているもの」を指します。
これについてこちら温泉大辞典をご覧ください。
泉質は10種類に分類される
それぞれの特徴と代表的な温泉地をご紹介します。
- 単純温泉
含有成分の量が一定量に達していないもので、刺激が少なく高齢者向きの温泉
温泉例:岐阜県・下呂温泉、長野県・鹿教湯温泉、栃木の鬼怒川温泉、愛媛の道後温泉
大分の由布院温泉
効能:ストレス解消や神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、痔疾、慢性消化器病、冷え性 - 塩化物泉
海水の成分に似た食塩を含み、塩辛く無色透明の湯で、高齢者向きの温泉
温泉例:静岡県・熱海温泉、石川県・片山津温泉、兵庫の城崎温泉、静岡の熱海温泉、北海道の定山渓温泉、鹿児島の指原温泉
効能:切り傷、火傷、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、消化器、便秘、筋・関節痛、打撲、捻挫、冷え性、月経障害、不妊症、病後回復、胃酸欠乏症、慢性消化器病、慢性便秘、慢性胃カタル - 硫酸塩泉
含有成分により、カルシウム硫酸塩泉(石膏泉)、ナトリウム硫酸塩泉(芒硝泉)、マグネシウム硫酸塩泉(正苦味泉)に分かれ、硫酸塩泉を一言いえば、「傷の湯」「脳卒中の湯」です。
温泉例:群馬県・法師温泉、静岡県・天城湯ケ島温泉、神奈川の箱根仙石原温泉、島根の玉造温泉、熊本の黒川温泉
効能:きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
飲用可能な場合:慢性便秘や、生活習慣病の改善にもつながる - 炭酸水素塩泉
「重曹泉」は、浴用においては皮膚の表面を軟化させる作用があり、皮膚病や火傷、切り傷によいと言われます。
温泉例:長野の小谷温泉、鹿児島の妙見温泉、山梨の奈良田温泉、和歌山県・川湯温泉、長野県・小谷温泉
効能:きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
飲用:痛風、糖尿病の改善 - 二酸化炭素泉
二酸化炭素泉は、文字通り二酸化炭素つまり炭酸ガスを含む温泉。日本では比較的少ない泉質です。俗に「泡の湯」とも呼ばれます。
温泉例:大分県の長湯温泉、山形県・肘折温泉郷の黄金、兵庫の有馬温泉(銀泉)、奈良の十津川温泉、北海道の黄金温泉、青森の八甲田温泉
効能:きりきず、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症
飲用: 胃腸機能低下 - 含鉄泉
含鉄泉はその名の通り鉄分を含む温泉。体がよく温まり、冷え性などに効き女性に見られがちな症状に効きます。
温泉例:兵庫の有馬温泉(金泉)、宮城の鳴子温泉、群馬の伊香保温泉、北海道の恵山温泉、青森の黄金崎不老ふ死温泉
効能:リウマチ性疾患、更年期障害、子宮発育不全、慢性湿疹、苔癬
飲用:胃酸の分泌を高め、鉄を吸収しやすくするため、貧血患者に効果があります。 - 酸性泉
酸性泉はpH値が低く酸性度の高い温泉です。殺菌力が強く、白癬症、疥癬、乾癬といった寄生系の皮膚病に効果があります。
温泉例:秋田県・玉川温泉、岩手県・須川温泉、群馬の万座温泉、山形の蔵王温泉、北海道の川湯温泉
効能:殺菌力が強く、水虫や湿疹など慢性の皮膚病に効くといわれる
※刺激が強いので、肌が弱い人、乾燥肌の人は入るのを避けたほうがいいです。 - 硫黄泉
硫黄型と硫化水素型に分類され、日本では比較的多い泉質です。殺菌効果が高いため皮膚病に効きます。
温泉例:栃木県・日光湯元温泉、神奈川県・箱根温泉郷の小涌谷温泉、群馬の草津温泉、秋田の玉川温泉、群馬の万座温泉、山形の蔵王温泉、北海道の川湯温泉
効能:糖尿病、高血圧、動脈硬化 - 含よう素泉
「含よう素泉」は、2014年の「鉱泉分析法指針」の改訂により登場した泉質名。飲用の泉質別適応症は「高コレステロール血症」と明記されている。
温泉例:秋田県・強首温泉、東京都・前野原温泉、千葉の白子温泉、秋田の新屋温泉、東京の前野原温泉、新潟の新津温泉、宮崎のたまゆら温泉
効能:殺菌作用が高く、気になるコレステロール値を下げたり、動脈硬化の予防効果あり
飲用禁忌:甲状腺機能昂進症の人 - 放射能泉
放射能泉はラドンを一定量以上含む温泉です。放射能泉は「痛風の湯」と呼ばれます。
また、入浴により慢性胆のう炎、胆石症に効くのも放射能泉だけです。
温泉例:鳥取の三朝温泉、新潟の村杉温泉、山梨の増富温泉、愛知の猿投温泉、佐賀の熊の川温泉
効能:高尿酸血症(痛風)、関節リウマチ、強直性脊椎炎
引用元・参照元:温泉名人
まとめ
温泉ファンであれば必ず見るであろう温泉分析書、しかし、一般の人が温泉に行く場合は泉質、効能は見ないと思います。ですが、温泉に入るなら、温泉の泉質、効能について興味を持っていただきたい。温泉は、温泉によって不完全な身体の調子を癒してくれる、薬や、サプリで身体の調子を維持している方がいると思いますが、泉質、効能によっては温泉につかり身体の調子を整えてくれることでしょう。