大物狙いのカゴ釣り!磯・堤防での攻略法完全ガイド

Alt属性 さかな釣り

岸から回遊魚を釣るには、群れが岸近くに集まるのを待つことが重要です。さらに、遠投可能なカゴ釣り仕掛けを使用すると、他の方法よりも遠くの群れを狙うことができ、成功率が高まります。岸からの投げ釣りで広がるチャンスを掴みましょう。

カゴ釣りは、地磯や堤防から遠投して回遊魚を狙う魅力的な釣り方です。ウキフカセ釣りよりも沖のポイントを直接狙いやすく、エサ付けのカゴ釣りでは多様な魚種がヒットする可能性があります。特に夏から秋にかけてがベストシーズンで、伊豆半島では7月下旬から11月中旬がピークです。エサ釣り仕掛け、ブリッジ仕掛け、カゴサビキ仕掛けなどの多様な仕掛けを駆使し、潮目や水深を考慮したタナ取りが釣果を左右します。初心者からベテランまで楽しめるカゴ釣りの魅力を、ぜひ体験してみてください。

回遊魚を狙うカゴ釣りの魅力

地磯や堤防から回遊魚を狙う釣り方には、カゴ釣り、ルアー釣り、活きエサの泳がせ釣り、ウキフカセ釣りなどがあります。その中でも、最も遠投が可能で、大小さまざまな回遊魚に対応できるのがカゴ釣りです。ウキフカセ釣りと比べると、沖のポイントを直接狙うことができ、コマセと仕掛けを同調させやすいのがメリットです。また、エサ付けのカゴ釣りでは、ウキ下を深くして狙うことで、回遊魚以外にもメジナやイサキ、マダイなどもヒットします。カゴ釣りは深いタナにも直接的にコマセを効かせることができ、応用範囲の広い釣り方と言えます。

回遊魚と一口に言っても、その種類は多岐にわたります。離島や沖磯などで運が良ければ釣れる魚種を含めると、かなりの数が挙げられます。地磯や堤防から狙える魚種をピックアップすると、最もポピュラーなのがソウダガツオ(マルソウダ、ヒラソウダ)、サバ、ワカシ、イナダです。これら以外にもワラサ、ヒラマサ、カンパチなども回遊し、ワラサやヒラマサは2〜5kgクラスのサイズも狙えます。さらに、場所によってはスマガツオやハガツオ、本ガツオ(カツオ)、メジマグロ、シイラなどが釣れることもありますが、これらは年によって回遊が見られないこともあります。

地磯や防波堤から狙える回遊魚は2kg程度がほとんどですが、その強烈な引きは一度味わったら病みつきになるほどです。そのため、シーズンになると磯や堤防は釣り人であふれるほどの人気があります。

カゴ釣りのシーズン

カゴ釣りで回遊魚を狙うベストシーズンは地域によって異なりますが、一般的には夏から秋にかけてが最適です。例えば、カゴ釣りが盛んな伊豆半島では、毎年7月下旬から回遊魚が現れ始め、11月中旬にピークを迎えます。

例年の傾向として、7月下旬から8月中旬にかけてソウダガツオが接岸し始めます。シーズン初期には30cmほどの小型のマルソウダが主流ですが、9月頃になると大きなヒラソウダも混ざり始め、10月には大型のヒラソウダやイナダが加わり、場所によってはワラサやヒラマサも回遊し始めます。

回遊魚釣りは、魚が射程内に入らなければ釣果が期待できないため、自分が通う地域のベストシーズンを把握しておくことが重要です。現場に足を運ぶことが最も確実ですが、釣り情報誌をチェックしたり、釣行直前に地元の釣具店で最新情報を入手することも有効です。

3通りの仕掛け

カゴ釣りには、3つの主要な仕掛けがあります。まず、プラスチック製のカゴに付けエサとコマセを収納して遠投できる「エサ釣り仕掛け」。次に、土佐カブラやスキンバケなどの擬似餌を使用する「ブリッジ仕掛け」。そして、「カゴサビキ仕掛け」です。

エサ釣り仕掛けは、コマセと付けエサを完全に同調させることができるのが最大の強みです。これにより、コマセの煙幕に突っ込んでくる回遊魚を効率よく釣ることができます。遠投が可能なため、手前はあまり潮が通らず、沖目がポイントとなりやすい地磯や堤防で有効です。また、深いタナを狙えるので、回遊魚に限らず、さまざまな魚種がターゲットになります。

ブリッジ仕掛けの一番の特徴は、仕掛けが常に表層付近を漂うことです。そのため、弾丸ライナーのようなスピードで水面近くを泳ぎ回るソウダガツオなどのカツオ類に最も効果を発揮します。さらに、土佐カブラなどの擬似餌を使用するため、エサ取りの心配がないというメリットもあります。

カゴサビキ仕掛けには、2つのタイプがあります。テンビンなどを使用してサビキ仕掛けを自然に漂わせる「吹き流しタイプ」と、サビキの下にオモリを付けて仕掛けを立てた状態にする「胴付きタイプ」です。

吹き流しタイプは、コマセの中に仕掛けが漂うのが大きな特徴で、ウキ下を調節することによって表層から底層まで狙うことができます。ウキとオモリが一体化しているため遠投力もあります。仕掛けの太さを変えることで、ソウダガツオはもちろん、イナダやワラサなどの中型〜大型魚もターゲットになります。

一方、胴付きタイプは、コマセ袋やカゴの下にサビキを垂直に下ろすタイプで、オモリで常に仕掛けが張っているため、小型の魚でもアタリが取りやすいです。遠投力に欠けるため、堤防や磯の足元付近を狙うのに向いています。ターゲットはアジやイワシ、サバ、タカベなどの小型魚が中心です。

ここでは、これらの中からエサ釣り仕掛けとブリッジ仕掛けを中心に解説していきます。この2つの仕掛けは同じタックルで使用することが可能で、双方を使い分けることで、表層から深いタナまでカバーすることができます。

【回遊魚狙いのカゴ釣り仕掛け】

エサ釣り仕掛けは、堤防や地磯から回遊魚を狙う基本的な仕掛けです。ターゲットとなるのはソウダガツオ、ワカシ、イナダなどです。ハリスは長いほど有利ですが、磯では岩などに引っ掛かりやすいため、2〜3mが標準です。堤防では3〜3.5mの長さを取ることもあります。

ブリッジ仕掛けは海面の表層を狙う仕掛けで、アジカブラなどの擬似餌を使用します。これはソウダガツオ狙いに特化した仕掛けと言えます。ほとんどが2本の下バリに掛かるため、カゴと玉ウキの間のハリは不要です。

サビキの吹き流し仕掛けは、エサ釣り仕掛けのハリが擬似餌に変わったようなもので、タナを変えたり仕掛けの太さを変えることで、さまざまな回遊魚をターゲットにできます。

胴付き仕掛けは釣り方が簡単で、ハリの数が多いため、一度にたくさんの魚を釣り上げることができます。これはアジやイワシなどの小型回遊魚向きの仕掛けです。

【カゴ釣りのタックル】

竿とリール】

地磯や堤防で狙うソウダガツオやワカシ、イナダなどには、左側のスピニングタックルが基本です。3号の磯竿または同タイプの遠投竿を使用し、道糸はナイロンの5〜6号を150m巻いておきます。右側の両軸リールタイプは、同じ釣り場でイナダやワラサなどに対応するタックルで、4〜5号の磯竿または同タイプの遠投竿を使用します。道糸は8号を150m巻いておきます。

【ミチイト】

「磯遠投カゴSP」などの製品は、遠投性と操作性に優れ、さらに視認性の高い着色タイプで使いやすいです。

【エサ取り仕掛けとブリッジ仕掛け】

エサ釣り仕掛けは、深いタナを直接攻めることができるのが特徴です。特にロケットカゴは、タナに到達すると自動的にコマセが出る仕組みになっているため、指定のタナを集中して攻めることができます。一方、ブリッジ仕掛けはウキとコマセカゴが一体化しており、表層を狙う仕掛けです。水面に仕掛けが着水すると同時に竿を大きく振ってコマセを撒き、表層を泳ぐソウダガツオを狙います。ただし、周りの釣り人がタナを取ったエサ釣り仕掛けで狙っている場合、釣果が期待できないこともあるため、2種類の仕掛けを持参するのがベストです。

【仕掛けのパーツ】

【ウキ】

近年では、発泡素材の羽根付きウキが主流となっています。軽くて浮力があり、遠投しやすく、しかも丈夫です。形状はさまざまですが、一般的には円錐形で長さが20〜25cmほどのものが多いです。ウキとカゴの号数を合わせるのが基本です。

【カゴのいろいろ】
決められたタナにカゴが届くと、コマセと付けエサが同時に払い出すロケットカゴ と ( 左 ) と 、 コ マ セ の 払 い 出 し を 調 整 で き る も の ( 中 、 右 ) の 2 タ イ プ に 分 け ら れ ます。群れが大きい場合は前者、小さい場合は後者が有利です。

【ハリス】

摩 耗 に 強 く し か も 張 り が あ って水なじみのよいフロロカ ーボンを使用します。ソウダガツオ やワカシ、イナダクラスであ れば、3〜6号。ワラサやヒラ マサが対象になるときは8 号 を用意しましょう。

【ハリの選び方】

初期の頃 遊してくる小ぶ りのソウダガツオやワカシな どでは、グレバリの7〜8号、 最 盛 期 か ら 終 盤 に か け て に なると、ソウダガツオでも1.5 kgほどとなるので、グレバリ の9〜1〇号を使用します。

【ブリッジ仕掛け】

ポ ピ ュ ラ ー な 市 販 の 仕 掛 け。ウキとコマセカゴが一体 化となったものと、木製の玉 ウキが、1mほどのモトスで結 ばれていて、その間に3 号の 枝スが1 本、玉ウキからは長 さの違うハリスが2 本付いて いて、いずれもカブラバリが 付いています。

舞岡フィッシングクラブ|Maioka FC 仕掛け図絵巻|ブリッジ仕掛け図
Maioka FC 仕掛け図絵巻でカゴ釣りのウキサビキ仕掛けのひとつ・ブリッジ仕掛けを紹介しているページです。ブリッジ仕掛けの図説はもちろん、具体的なことを詳細解説しているので、このページを参考にしていただければブリッジ仕掛けをすぐに実践で...

【カブラバリ】

シラスに見せかけたカブラバ リ は 5 〜 7 号 が 主 に 市 販 さ れ ている。種類は多いが、白の カブラであればほとんど通用 する。ただ、曇りのときは銀バ リ、晴れのときは金バリの力 ブラを使用すると食いがよい 場合もある。


林釣漁具製作所 10本入 土佐かぶら 白皮・白毛アジ型 白針 6号

魚のサイズに合わせたタックル

どの仕掛けを使う場合でも、竿やミチイト、ハリスの太さは、その釣り場に回遊する魚の大きさに合わせて決めるのが基本です。

エサ釣り仕掛けとブリッジ仕掛けでは、ほぼ共通のタックルが使用できます。例えば、釣期の長いソウダガツオにはヒラソウダとマルソウダの2種類がいます。マルソウダは30〜40cmクラスが中心ですが、ヒラソウダは晩秋頃になると45cm以上、1.5kgクラスの良型も交じります。これらをメインに考え、最大で3kg程度の魚を狙う場合には、5.3m程度の磯用3〜4号竿か遠投タイプの同じクラスが標準となります。

リールはナイロン5〜6号のミチイトを150mほど巻ける中型のスピニングリールを選びます。ミチイトは、ソウダガツオがメインになるブリッジ仕掛けでは5号、3kgクラスも視野に入るエサ釣り仕掛けでは6号が目安です。

それよりも大型(5kg程度)の魚を狙うには、4〜5号の磯竿、もしくは遠投タイプに、8〜10号のミチイトを使用します。ミチイトを太くした場合、遠投するにはスピニングリールよりも両軸リールが有利です。釣れる魚のサイズが読めない状況では、スピニングリールに5〜6号のミチイトを巻いたタックルと、両軸リールに8号のミチイトを巻いたタックルを用意し、その日の状況に合わせて使い分けるのも一つの方法です。

なお、カゴサビキ仕掛けのタックルは、吹き流しタイプの場合であれば、エサ釣り仕掛けやブリッジ仕掛けと同じものが使用できます。胴付きタイプの場合は小型魚がメインとなるので、竿は5.3mの磯用2号竿、リールは小〜中型のスピニングリールが標準です。

エサ釣りの仕掛けとエサ

イナダやワラサ、ヒラマサなどは、ソウダガツオとは異なり、泳層が浅いだけとは限らないため、タナ取りができるエサ釣り仕掛けで狙います。

コマセカゴには、タナに達した際にコマセと付けエサが同時に出るロケットカゴと、コマセの出方を調節できるタイプがあります。基本的にはカゴの号数とオモリの号数を合わせる必要がありますが、わかりにくい場合は同じメーカーの商品で揃えると良いでしょう。

ロケットカゴは「爆弾カゴ」とも呼ばれ、テンビンとクッションゴムが一体となった「ヨーヅリ/スーパー遠投カゴ遊動テンビン」などが使いやすいです。ロケットカゴはタナに達するとコマセが一気に出るため、魚の群れが大きい時には魚を寄せやすく、勝負が早いというメリットがあります。しかし、群れが小さい時には、魚が回ってきた時にコマセがなくなってしまい、魚を引き留めることができない場合もあります。

コマセの出方を調節できるタイプは、仕掛けがタナに届いたら竿を大きく振ってコマセを出します。調節次第でコマセを少しずつ出し続けることができるため、常に魚を寄せ続けられる長所があります。ただし、調節がうまくいかないとコマセが詰まったり、一気に出てしまったりすることもあります。

他にもナイロンカゴやステンレスタイプがありますが、これらは大型の回遊魚用に使われることが多いです。

コマセには溶かしたアミエビを使用します。使用するコマセカゴにもよりますが、6〜8時間の釣りであればアミエビ4kgほどが必要です。アミエビに砕いたオキアミを少々ブレンドするのも良く、オキアミによってさらなる集魚効果が期待できます。

また、タナが深い場合は配合エサを使用するのも良いです。配合エサによってまとまりやすくなったコマセがエサ取りをかわし、目的のタナまでカゴを沈めるのに有効です。同時に、カゴの重さが増すため、遠投能力のアップにもつながります。配合エサはアミエビのエキスが多く含まれる「アミパワーグレ」や「グレパワースペシャル」などがベストマッチです。ただし、配合エサを入れ過ぎるとコマセがダンゴ状になってしまうので注意が必要です。

付けエサは大きめのオキアミ(Lタイプ)を1匹掛けるか、2匹抱き合わせにしてハリに刺します。また、エサ取りが多い場合は、エサ持ちの良い「くわせオキアミスペシャル(L)」や「くわせオキアミスーパーハード(L)」などが有効です。

手順1

コマセを用意する

  • 【あらかじめ解凍する】コマセとなるアミエビは、カチカチに凍っているの で、あらかじめ解凍しておかなければならない。解 凍する場合は海水に浸け込むようにするといい。
  • 【ザルで水切り】水分を含んだアミエビは、水がこぼれ出てコマセカ エサ取りをかわし、目的のタナまでカゴを沈めるの ゴに入れづらくなる。ザルの中にコマセを入れて水分を切っておくとカゴに詰めやすい。
  • 【配合エサを使用するのも手】エサ取りをかわし、目的のタナまでカゴを沈めるの ゴに入れづらくなる。ザルの中にコマセを入れて水 に有効。配合エサは、「アミパワーグレ」や「グレパワースペシャル」がベストマッチだ。

手順2

カゴにエサを詰める(エサ釣り仕掛けの場合)

  • 【コマセエサの詰め方】 カゴを手に持ち、反転させてカゴを開ける。箸やスプーン を使ってアミエビをカゴに入 れていくが、詰め込む量は八分目ほど。カゴにふたをしたときに、はみ出ない量が目安 となる。
  • 【付けエサを入れる】付 け エ サ は コ マ セ エ サ を 詰 める前にカゴに入れておくの が 一 般 的 だ が 、 付 け エ サ を 先に出してエサ取りをかわす ために、あとから入れる方法 もある。ほかに、中ほどに入 れてみるなど、状況に応じて 試してみよう。

装餌法のパターン

【腹刺しが基本】

尾羽根を取り、オキアミの腹を内側にして持つ。ハ リ先を殻と身の間に入れ、そのままハリを沿わせな が ら ハ リ の 軸 ま で 入 れ る 。 最 後 に ハ リ ス の 結 び 目 を隠すように殻と身の間に押し込む。

【背掛け】

尾 羽 根 を 切 り 、 尾 か ら ハ リ 先 を 入 れ て 背 中 に ハ リ 先 を 出 す 。 腹 刺 し と 比 べ て エ サ が 外 れ に く ぐ エ サ 取りに多少かじられてもエサがハリに残りやすい。 エサ取りが多し、と感じたときはこちらにする。

【2匹掛け】

1 匹目のオキアミを背掛けにし、2 匹目はハリ先を 埋め込むように刺す。魚に対するアピールが強し、 のがメリット。また、エサ取りにかじられてもハリにエ サが残る確率が高い。

【回遊魚狙いのポイント】

長大な防波堤では、先端部はもちろん、水深がある場所やコマセが溜まる反転流にも遊魚が寄ってきます。釣り人が多く集まる場所では、コマセが大量に撒かれるため、遊魚が集まりやすくなります。ただし、ヒットした魚が走ると隣の人とオマツリになることがあるので、多少強引に取り込む必要があります。

磯では、少しでも潮目を狙って仕掛けを投入することが重要です。同じ場所に仕掛けを繰り返し投入することが大切です。また、潮と潮がぶつかり合って発生する潮目も見逃せないポイントです。

【ポイント】

  • 【潮通しのよい場所】潮 通 し の よ い 先 端 部 付 近 は 人気のポイント。魚がボイル しているのが見えるなどした ら即、仕掛けを投入したい。 釣 り 人 が 真 つ 先 に 目 指 す ポ イントでもあるので、朝イチ に入れるようにしたい。
  • 【潮目】潮 目 は 堤 防 で も 磯 で も 発 生 する。沖合だけでなく、足元 付近でも、潮と潮がぶつかリ 合う場所ならばどこでも見ら れる。朝目ではコマセが分散 しないで流れるので、魚が集 まりやすい。

深いタナを釣れるエサ釣り仕掛け

エサ釣り仕掛けで重要なのはタナ取りです。回遊魚は水面近くを回遊することが多いため、タナ(ウキ止めからカゴまでの長さ)は浅めに設定するのが基本です。釣り場によって異なりますが、水深が5mほどなら1.5〜2m、10m以上なら竿1本分が基準となります。ただし、潮の流れによっては10m前後の深いタナを回遊することもあるため、その日のタナを早めに把握することが大切です。

投入点はなるべく同じ場所にし、繰り返し投入してコマセを効かせ、魚の回遊を待ちます。コマセがなくなったタイミングで早めに打ち返し、コマセやエサのチェックをしましょう。周りが釣れていて自分だけ釣れない場合は、タナが合っていない可能性が高いので、他の人のタナに合わせてみてください。

また、イナダやワラサ、ヒラマサなどは早朝に回遊してくることが多いため、朝一番が勝負となります。夜明け近くには竿を出せるように釣り場に入るようにしましょう。

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【エサ釣り仕掛けの水中イメージ】

ロケットカゴは、イラストのように仕掛けが水面に着水し、コマセカゴがタナに到達すると同時に、付けエサとコマセが放出されます。調節型の場合、仕掛けが着水し、コマセカゴがタナに届いたら、写真のように竿を2〜3回大きく振ることで、カゴから出た付けエサがコマセと同調します。

【ブリッジ仕掛けの水中イメージ】

仕掛けが水面に着水したらすぐにイトフケを巻き取り、二つの玉ウキが絡まないようにミチイトを張って仕掛けを真っ直ぐに整えます。竿を大きく振ってコマセを振り出し、アタリを待ちます。アタリは二つの玉ウキがほぼ同時に沈んだり、横に走ったりすることでわかります。アワセは二つのウキが完全に消し込まれてから行います。早アワセはバレてしまうことが多いので注意が必要です。

ソウダガツオ狙いのブリッジ仕掛け

伊豆半島でよく使われるブリッジ仕掛けは、「ヨーヅリ/ニューチャレンジャー」など、上部にウキとコマセカゴが一体化したものです。3〜4ページで紹介している仕掛けがこれに該当します。また、直径4〜5cmほどの木製玉ウキを1.5mほどの間隔でミチイトに固定し、その間に枝バリを2〜3本付け、上部のウキのすぐ下にコマセカゴを装着した「片浜仕掛け」も多用されています。

初めての方は市販の完成品を使用するのが良いでしょう。市販品では、ハリ(土佐カブラ)5〜6号、ハリス3号が一般的です。魚のサイズがあまり大きくないシーズン初期〜中期にはこれで十分ですが、後期になって1kg以上のクラスが回遊している場合は、ハリを7号に、ハリスを4号に替えるのが無難です。

市販の仕掛けでは、枝ハリスの数は3本が標準ですが、回遊魚はハリ掛かりすると横走りするため、ハリの数が多いとバレや絡みの原因となります。したがって、3本よりも2本バリで狙ったほうが、バレやトラブルが少なくなります。

コマセは表層を漂うようにするのが基本です。そのため、配合エサなどを使わずに、アミエビ単体で使用するようにします。

ブリッジ仕掛けの釣り方の基本

ポイントに仕掛けが着水したら、ミチイトを張って仕掛けを真っ直ぐに整えます。その後、竿を軽くあおってコマセを出し、アタリを待ちます。活性が高ければ、この時点でヒットすることが多いです。アタリは、二つの玉ウキが沈んだり横に走ったりすることで簡単にわかります。

活性が低いときは、仕掛けを着水させてコマセを出した後、竿を軽く張ってカブラを動かしてみるのも効果的です。また、仕掛けを回収するときにゆっくりとリールを巻くと、カゴに残っていたコマセがパラパラとこぼれたり、カブラが動いて魚を誘ったりすることで、足元近くでヒットすることもありますので、試してみると良いでしょう。

アタリがない場合は、カブラを変えてみるのも一つの手です。晴れの日には金バリのカブラ、曇りの日には銀バリのカブラを使用すると食いが良いとされています。

回遊魚とのやり取りのコツ

どの仕掛けを使っても、アタリが来たらウキがはっきりと消し込まれるので、ウキが完全に沈んでから大きくアワセを入れましょう。ただし、タナが合っていない場合は、ウキが傾いたり、沈んだと思ったら浮かんだりと、不規則な動きをすることがあります。このようなときは必ずアワセを入れるようにしましょう。

ハリ掛かりした回遊魚は狂ったように海底に向かって疾走します。このとき、ラインを出し過ぎないようにドラグと竿さばきで止める必要がありますが、大物になるとかなり大変です。たとえソウダガツオでも、そのスピードとパワーには驚かされます。ドラグの調整は確実に行いましょう。

竿さばきのコツは、魚が引っ張る方向とは逆の向きに走ろうとする習性を利用することです。常に魚の走る方向に竿を倒し、魚に方向転換を繰り返させて早く弱らせます。こうすることで、釣り座を移動することなく魚を足元まで引き寄せることができます。ただし、急いで手前に魚を寄せてしまうと、余力を残している魚が左右に走ったり、足元に突っ込んだりして、最後の最後で悔しい思いをすることになります。必ず沖目で弱らせてから取り込むようにしましょう。また、隣の釣り人とのオマツリには注意が必要です。

【合わせ方】

  • ウキが安定したら、余分なイトフケを卷き取ってアタ リを待つ。このときにミチイトを張り過ぎるとイ士挂卜け が引っ張られて自然に流れなくなるので注意する。
  • ウキが一瞬にして消えるようなアタリがあったら、瞬時にミチイトを巻いてイトフケを取り、同時に竿をやや下向きにして大きくアワせる体勢をとっておく。
  • イトフケを取り、ミチ仆が張り始めると同時に竿を大きくあおる。魚がハリ掛かりと同時に走りだしたときは軽めのアワセでミチイトを巻き上げる。

【やり取り~取り込み

  • ソウダガツオでも1.5kgクラスになると、強引なやりとりはできない。魚の走る側に竿を倒し、なおかつ 竿の弾力を活かして魚を寄せるようにする。
  • 魚 の 突 進 を 見 極 め な が ら 少 し ず つ 堤 防 ぎ わ に 寄 せたら、竿でためて浮かせにかかる。このときまわり の釣り人とオマツリにならないように注意する。
  • 足元まで魚を寄せ、魚が水面に浮いたら、取り込みに入る。魚が小型であれば、そのまま抜き上げる が、良型の場合は玉網で取り込むようにする。

参考元:さかな・釣り検索、釣りラボマガジン、Shimano Fishing、魚速報

まとめ

カゴ釣りは、地磯や堤防から遠投して回遊魚を狙う釣り方で、ウキフカセ釣りよりも沖のポイントを直接狙いやすいです。エサ付けのカゴ釣りでは、ウキ下を深くすることで多様な魚種がヒットします。シーズンは地域によりますが、一般的に夏から秋がベストで、特に伊豆半島では7月下旬から11月中旬がピークです。仕掛けにはエサ釣り仕掛け、ブリッジ仕掛け、カゴサビキ仕掛けがあり、タックルやエサの選び方も重要です。潮目や水深を考慮し、タナ取りが釣果に影響します。

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