【沖】ボートでマコガレイを釣る

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波穏やかな内湾部で楽しめるマコガレイ釣りは、初心者でも気軽にトライできる人気の釣り。晩秋〜春先がベスト。ライトなタックルで沖釣りより手軽に、岸釣りより確実に釣果を得られる。基本を解説すると、まずは釣り場の選定が重要。潮の流れや海底の地形を把握し、エサやルアーの選択もポイント。テクニックを磨きながら、釣りの楽しさを味わおう。

出典:写真AC

手漕ぎボートでカレイを狙う

日本国内には約40種のカレイの仲間が存在しますが、「マコガレイ」が特に人気です。北海道西岸から九州西岸までの日本海・東シナ海、北海道南岸から土佐湾までの太平洋岸、瀬戸内海に分布。大きさは30cmが多く、最大で体長60cmに成長します。

マコガレイは晩秋以降、産卵のために浅瀬に入ります。この時期、堤防や砂浜からの投げ釣りや、ボート釣りが楽しめます。特にボート釣りでは、波の穏やかな内湾が適しており、初心者でも挑戦しやすい環境です。自身でポイントを見つける難しさもありますが、同じエリアに通い、ポイントを増やすことで釣果が増える喜びを味わえます。

近年、マコガレイの減少が懸念されています。東京湾などでもその傾向が見られますが、ベテランたちは依然として大型を確実に釣り上げています。ここでは、手漕ぎボートでのマコガレイ釣りの基本テクニックと、出会いを増やすための戦略を紹介します。

浅場が広がるエリアが好釣り場

ボート釣りの中でも、マコガレイ釣りが楽しめる場所は内湾部に多く存在します。特に水深が約10m程度までの浅場が、マコガレイの産卵場所として適しています。例えば、東京湾では、神奈川県・三浦半島の金田湾が有名です。他にも鴨居や走水、金沢八景などの湾奥寄りのエリアもマコガレイ釣りに適しています。こうしたエリアでは、晩秋から春先にかけてマコガレイ釣りを提供するボート店が数多く存在します。また、三浦半島に限らず、岸からの投げ釣りでマコガレイを狙える場所で、ボートを借りることができる場所もあります。

シーズンは晩秋から翌年の春にかけてですが、地域によって異なります。例えば、三浦半島では、通常10月頃からシーズンが始まり、4月頃まで釣果が見込めます。ただし、産卵期である12月から翌年1月頃は、一時的に釣果が低下することがあり、その時期には一部のボート店が冬期休業します。また、近年は海水温の上昇の影響なのか、シーズンの始まりが遅くなる傾向があるため、事前にボート店などで釣況を確認することが重要です。

スタイルによって変わるタックル

マコガレイを狙う際の仕掛けは、大きく分けて二つあります。まず一つは、「待ち釣り」に用いる片テンビン仕掛けで、これは仕掛けを投入して置き竿でアタリを待つ方法です。もう一つは、「小突き釣り」に使うパイプテンビンや両テンビンの仕掛けで、これは積極的に仕掛けを動かしてマコガレイを誘う方法です。これらの釣法の詳細については後述しますが、どちらを選ぶかによって、タックルも変わってきます。

「待ち釣り」では、一般的には全長が約1.8mで、オモリ負荷が15号前後のシロギス竿に小型スピニングリールを組み合わせます。オモリを常に着底させた状態でアタリを待つのが基本ですが、高感度のシロギス専用竿は胴の張りが強く、ボートが波に揺られるとオモリが動いてしまうことがあるため、比較的胴の柔らかい廉価な小物竿がお勧めです。感度は劣りますが、振り出し式のボートロッドでも対応可能です。

一方、「小突き釣り」では、一般的には全長が約1.8m程度の専用竿やカワハギ竿に、小型の両軸リールを組み合わせます。こちらは積極的に仕掛けを動かす必要があるため、胴に張りのある竿が使いやすいです。スピニングタックルでも対応可能ですが、小突く動作をしやすくするためには、両軸リールのほうが適しています。

どちらのタックルでも、ミチイトはPE 1〜1.5号が目安です。水深が10m程度と浅いため、細いミチイトは必要ありません。ミチイトの先には、仕掛け絡みを防止するために、フロロカーボンやナイロン2〜3号の先イトを、約70cm結節しておくと良いでしょう。先イトを巻き込んだ際に結節部分が小径ガイドに引っ掛からないように、PRノットなど結び目の小さい摩擦系ノットで結ぶのが望ましいです。

【マコガレイ釣りのシーズン】

秋になると、産卵のために浅場に入ってくるマコガレイが主なターゲットとなります。金田湾を例にすると、シーズンのスタートは通常10月頃ですが、近年はその時期が遅れる傾向があるため、事前に釣況を確認することが重要です。冬場は産卵中の個体が増えるため、食いが渋くなりますが、産卵後に再び好調なシーズンを迎え、例年4月頃まで釣果が期待できます。シーズン初期と終盤では深場が、盛期には浅場が狙い目となります。

【ゲストも多彩】

この釣りの楽しみの一つは、シロギスやメゴチ、ホウボウなど、砂地底に生息するさまざまな魚種が釣れることです。マコガレイが不調な時でも、同じ仕掛けで対応できるため、釣り物を切り替えることも可能ですが、ゲストに夢中になりすぎて時合いを逃さないように注意が必要です。

ベテランは仕掛けにこだわる

「待ち釣り」では、腕長が約12cmの片テンビンに、全長80cm前後の2本バリ仕掛けが一般的です。幹イトは3〜4号、枝スは2〜3号で、ハリは流線バリやカレイバリの10〜12号が使われます。根掛かりに備え、竿の3倍程度の予備仕掛けを用意しておくのがポイントです。オモリは、水深が約10m程度なら8〜20号を選び、潮の速さに応じて重さを調整します。

一般的には市販の船釣り用仕掛けが使用されますが、自作にこだわるベテランも多くいます。発泡玉を下バリのチモトに取り付ける仕掛けは一般的で、海底からわずかに浮かせることでマコガレイを優先的に釣ることができます。ハリのチモトにビーズや夜光玉を装飾する方法もありますが、待ち釣りでは控えめにすることが推奨されます。

小突き釣りでも、釣り人によって使用する仕掛けは異なります。パイプテンビンや両テンビンの他に、待ち釣りと同様の片テンビン仕掛けを使用する人もいます。オモリは、砂煙を上げやすい釣り鐘型がおすすめです。アピール度を高めるために、カラーオモリを使用する人もいます。仕掛けは、パイプテンビンや片テンビンでは全長1m前後の2〜3本バリ仕掛けが一般的です。両テンビンには、フロロカーボン1.5〜2号で15cmと25cmのハリスを結ぶのが標準です。また、待ち釣りでは、魚が飲み込みやすいハリを使用しますが、小突き釣りではアタリを感じて積極的にハリを掛けるため、フトコロが広い丸セイゴバリなどが好まれます。

【マコガレイの釣り仕掛け】

水深が約10m程度までのエリアで使用するタックルと仕掛けは重要です。待ち釣りには柔らかめのスピニングタックルが適しており、小突き釣りには両軸リールと組み合わせた張りのあるタックルが一般的です。どちらの釣法も市販の完成仕掛けで楽しむことができますが、ベテランは自作の仕掛けにさまざまな工夫を凝らしています。ハリのチモトに装飾を施す人も多く、シンプルなものから派手なものまで用意し、その日の状況に合った仕掛けを選び出すことが、釣果を左右する鍵となります。

【ボート釣りの装備】

「竿掛け、尻手ロープ」

待ち釣りでの置き竿では、竿掛けが役立ちます。竿が突然引っ張られて流されないよう、尻手口ープを取り付けておくことをおすすめします。

「玉網」

大型マコガレイを確実に捕獲するためには、玉網が必要です。玉網の枠径は約40cm前後で、柄の長さは1m程度あれば十分です。

「プライヤー、ハサミ」

イトを切るためのハサミやプライヤ-は必需品です。しっかりと食い込ませるため、ハリが飲み込まれることがよくありますので、棒状のハリ外しも役立ちます。

エサはアオイソメが定番

一般的に使用されるエサには、アオイソメ、紅イソメ(ゴールデンオレンジ)、イワイソメ、アオコガネなどの虫エサがあります。特にアオイソメは入手しやすく、人気があります。竿1本につき1パック(約80g)を目安に用意しましょう。

ハリ付け方法は、待ち釣りでは2〜3匹の上部を通し刺しにし、タラシを5〜10cmと長く取ってアピール度を高めます。一方、小突き釣りでは5〜7cmに切ったエサを5〜6本、房掛けにして、タラシを3〜5cmほど短くします。また、複数のエサを用意して、仕掛けごとに異なるエサを付けることで、最も効果的なハリ付けパターンを見つけ出すのも有効です。特に、アオイソメとイワイソメ、あるいはアオコガネのミックスは効果的とされています。

【マコガレイ釣りに使われるエサ】

「アオイソメが定番」

入手が楽で安価なアオイソメが定番エサ。待ち釣りでは、竿1 本に対して最低1バックは用意しておこう

「その他のムシエサ」

アオコガネなどの特効エサを好むベテランが多くいます。さらに、イワイソメやユゴシなどのさまざまな虫エサを使い分けたり、ミックスすることも有効です。

【ハリ付けの基本】

待ち釣りでは、アピール度を高めるために、虫エサ を2~3匹、数cmずつ通し刺しにして、タラシを5~ 10cmと長く取る(左)。小突き釣りでは、5~7cmに 切った虫エサを5〜6本、房掛けにする(右)

「待ち釣りは」はポイント探し

マコガレイは船道のカケアガリや根まわりなどを頻繁に移動します。また、養殖イケスや定置網の周囲もポイントになりますが、仕掛けが網やロープに絡まないように注意する必要があります。さらに、これらの周辺での釣りが制限されているエリアもあるため、事前に確認することが重要です。

待ち釣りでは、3〜4本の竿で仕掛けを扇状に投入し、広範囲を探ることが基本です。ボートをアンカリングして仕掛けを投入した後は、着底後にサビいて、海底の変化を感じ取ります。その後は、仕掛けを置いたままにせず、ミチイトをたるませた状態で置いておきます。風や潮の影響でボートが揺れると、仕掛けが引っ張られることがあるため、注意が必要です。

ミチイトをたるませた状態では、竿先にアタリが出にくいため、3〜5分ごとに竿を手に取り、ゆっくりとミチイトを張ってアワセます。アタリがない場合は、仕掛けを手前に引いて海底の変化を探り、再び待ちます。マコガレイがエサを食い込むまで待つことが大切です。

アタリを感じたときも、すぐにアワセずにミチイトをたるませてから待ち、さらにアタリを確認したら竿を立ててハリ掛かりさせます。良型のマコガレイは引きが強く、丁寧なやりとりが必要です。水面に近づいたら、玉網を使って確実にすくい上げましょう。

また、マコガレイ釣りでは時合いが重要です。潮の変わり目や風が止んだときに好機が訪れることが多いので、状況に敏感になりましょう。

【海底に変化があるところでアタリを待つ】

海底に変化のない場所で良型を釣るベテランもいますが、一般的にはカケアガリや根などの障害物周りを重点的に探すことが成功の鍵です。ポイントが明確でない場合は、複数の竿を使ってボートの周囲360度を探索します。仕掛けが海底に着底したら、サビキをかけたり、海底の変化がある箇所で仕掛けを止めて待つのが基本的な釣り方です。ミチイトがしっかり張っていると、ボートが風などで揺れたときにオモリが浮き上がり、仕掛けが移動してしまう恐れがあるため、ミチイトを緩めておき、聞きアワセでアタリを取ります。

「小突き釣り」で誘う

小突き釣りは、竿を上下に細かく振動させ、オモリで海底を叩いて砂煙や音を出してマコガレイを誘う釣法です。近年、マコガレイが動くエサを警戒する傾向があり、待ち釣りの方が好釣果になることが多いため、ポピュラーな釣法ではなくなっています。しかし、「魚を誘って掛ける」という楽しさは、小突き釣りならではの醍醐味です。

小突き釣りでは、仕掛けを真下に落とすため、アンカリングした状態では広範囲を探ることが難しいです。そのため、パラシュートアンカーを使ってボートをゆっくり流しながら釣りを行います。潮が速い場合は、軽いアンカーを引きずりながら流すこともありますが、アンカーが根掛かりしないように注意が必要です。

仕掛けを落とし、オモリが海底に着底したら、竿先を5〜10cm程度の範囲でリズミカルに動かします。動かす幅やリズム、スピードは状況に応じて変えてみましょう。

一定の回数小突いたら、仕掛けの長さ分だけゆっくりと竿先を上げてアタリを聞きます。早いアワセは避け、アタリは主に聞き上げる時に感じられます。軽いアタリを感じたら、竿の動きを止めてしっかりと食い込むのを待つことが大切です。魚の重みが伝わったら、ゆっくりと竿を立ててハリ掛かりさせましょう。マコガレイはエサを食い込むと反転する傾向があるので、ほぼ向こうアワセでハリ掛かりします。慌てて強いアワセを入れると、逆に魚がすっぽ抜ける可能性があるため、落ち着いてアワせることが重要です。やりとりでは、待ち釣りと比べて胴が硬い竿を使用しているので、腕を柔軟に使って引きを楽しむことを心がけましょう。

【砂煙でマコガレイを誘う「小突き釣り】

小突き釣りでは、竿先を振るように細かく動かし、オモリで海底を叩いてマコガレイを誘います。どのような小突き方が有効かは、その時の状況によって異なるため、様々な方法を試してみることが重要です。基本的には、上下5〜10cm幅で1秒に2回程度の小突きをベースにして、状況に応じて変化させてみましょう。ボートを流しながら広範囲を探るのが基本ですが、風が強い場合はパラシュートアンカーを使用して、ボートの流れるスピードを調整する必要があります。また、他のボートが混雑していたり、養殖棚などの障害物が多い場合や、潮や風が強い場合は、安全面に十分配慮して行動しましょう。

【アワセの基本】

待ち釣りでは、聞きアワセでアタリを感知しても、すぐにアワせず、しばらくミチイトをたるませた状態で置き竿にしておきます。数秒から数十秒後に再度、聞きアワセして、魚の重量感が竿に伝わったら、ゆっくりと立てればハリ掛かりします。一方、小突き釣りでも、早アワセは禁物です。しっかり食い込ませてから竿を立てましょう。ハリ掛かりしてマコガレイを底から離せば、やり取りは難しくありません。落ち着いて水面まで引き上げるよう心がけましょう。

こちらも参考にしてみて下さい

投げつりで釣るカレイ釣り
冬の代表的なターゲットは何といってもカレイ釣りです。釣り場は堤防でも砂浜でも釣れます。 もともとカレイは冷水を好む仲間ですが、マコガレイ、イシガレイは比較的暖かい地域まで適応しており、北海道から九州北部にかけて広く分布しております。 今回ご紹介するのはマコガレイの釣り方を解説します

美味しい食べ方

小〜中型は煮付けや唐揚げ、大型は剥き身で楽しめます。

参考・参照元:日本の魚釣り、さかな・釣り検索、海釣りの仕掛け集

まとめ

「ボート釣りでするマコガレイ」をご紹介しました。ボート釣りは沖釣りよりもライトで岸釣りも高確率で釣れるのが魅力です。是非参考にしてボートでの釣りを楽しんで下さい。

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