「夏の果物の王様」スイカの栽培

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夏の風物詩、スイカは果糖やブドウ糖を豊富に含み、炎暑で疲れた身体を癒やしてくれる。その栄養価と爽やかな味わいから「夏の果物の王様」とも呼ばれています。

出典:写真AC

栽培特性

栽培特性について簡単に説明しますと、下記の4点になります。

  • 最も強い光を好む野菜であり、適切な生育温度は夜間15℃以上、昼間28~30℃と高温を要求するため、日当たりのよい場所を選ぶ必要があります。
  • 土壌の適応範囲は、砂質から粘土質までかなり広い範囲に及びます。
  • 連作をすると、つる割病の発生が促進されるため、4~5年以上の輪作を守ることが重要です。
  • ユウガオの台木などに接ぎ木することで、耐病性が付与され、連作も可能になります。

品種

果肉の色には赤や黄色があり、外観も球形や楕円形など多様であり、外皮にも縞模様がある品種もあれば、縞模様のない黒色のものも存在します。大玉種には縞王(ヤマト農園)、瑞祥(タキイ)などがあり、小玉種にはこだま(タキイ)、紅こだまなどが代表的です。また、変わった品種としては、黒色のブラックボール(タキイ)、タヒチ(サカタ)、楕円形のラグビーボール(タキイ)などもあります。

苗づくり

苗づくりの過程は丁寧な作業が求められます。まず、種を横20cm、縦に9cmの間隔で苗箱にまきます。その後、25℃の温度を維持して発芽させます。苗が本葉1枚に成長した段階で、それぞれを3号のポリ鉢に移植します。この段階で、苗の生育を支援し、適切な栄養を与えます。本葉が5~6枚になるまで、丹念に管理し、健康的な成長を促します。このプロセスを通じて、強健な苗を育て上げ、将来的な収穫の準備を整えます。苗づくりの工程は、根気と経験が必要な作業であり、適切な管理が豊かな収穫をもたらす秘訣です。

土づくり

通常は、地面から30cmの深さで幅40cmくらいの溝を作り、そこに、1m当たり堆肥を4~5握り、油カスを大さじ5杯入れていきます。終わりましたら土を盛って畝を地面から15cmの高さで鞍築にしておきます。畝の幅はだいたい50~60cmです。これと同じものを規模に応じていくつか作ります。

土づくりについてこちらも参考にしてみて下さい。

植え付け、保温管理

植え付けは通常4月に入ってから始めます。本葉5~6枚出た頃に堆肥、油粕を入れた場所の上に苗を植え付けします。間隔は横向きに100m、縦に250m間隔で植え付けます。植え付けで注意したいことは深植えしないこと。特に接ぎ木苗は接合部がなるべく地面より高くなるようにします。植え付けが終わりましたらホットキャップをして上部に換気の穴をあけておきます。苗がホットキャップの高さまで伸びたらホットキャップを取り除きます。

この状態で子ヅルが伸びまで数日間待ちます。

整枝

整枝は通常、5~6節で摘芯し、勢いのよい子ヅルを伸ばすようにします。基本的には、親ヅルと子ヅル中から生育のよい2本の、合計3本のツルを残すようにします。

出典:やまむファーム

追肥と敷きわら

気温が上がり、ツルが伸び始めたら2~3回に分けて敷きワラを敷きます。敷きワラがない場合はバーク堆肥でも代用できます。ポリフィルムをマルチしている場合もフィルム上に薄くワラや雑草などを敷き、温度の上がり過ぎを防ぎましょう。

果実がこぶし大になったころ、ところどころに化成肥料をばらまきます。敷きワラがしてあるときは少し片寄せて肥料を施しましょう。

人工授粉

開花した日の朝、8~9時ころまでに雄花の花弁を取り除き、雄しべをむき出しにして雌花の柱頭に軽くなすりつけるの一般的です。

出典:やまむファーム

受粉が終わりましたら収穫時に目安になるため開花日を書いたラベルを付けておきます。

収穫

開花後50~55日後になったら試しどりしてみます。熟していれば同じ日付けのものは熟度がいいことになります。

ラベルをつけない場合は、下記の外観、打音で見分けて収穫する。

  • 果形・・・肩の張りがよくなる。花落ち部分がへこみ、周辺の張りが出てくる。
  • 色沢・・・若いつやが失せ、光沢が鈍くなる。
  • 触感・・・花落ち部分を指先で押すと、弾力が感じられる。
  • 打音・・・腹の指で叩くと濁音(ポテポテ)を発する。
  • 巻きひげ…果実についている節から出た巻きヒゲが枯れている。

栽培で困った時の対処方法

ツルばかり伸びて、実がどまりしない】場合の対処方法

気象条件が最も影響し、特に開花までの1週間の日照不足は、花の質が低下し、健全な花粉が減少するからです。この状況下でも、株間に適度なスペースを確保し、元肥の効果が適切であれば、人工授粉により高い着果率を確保できます。着果を確実にするには、2.2×1.2m程度の間隔で植え付けを行い、3本の子ヅルを立て、ツルが混雑しないようにします。元肥は堆肥と鶏糞を少量使用し、窒素成分が過剰にならないように注意します。最初の追肥は、果実がピンポン玉程度の大きさになった時期に行います。

人工授粉は朝の9時までに行い、ビニールトンネルなどで早期に作業を行い、梅雨前に着果することで、着実な収穫を期待できます。

【果実が肥大したころ、急にしおれてかれてしまう】場合の対処方法

最も恐れられる病気は、つる割病です。梅雨明けに発病し、初期症状は急な枯れと見間違えるほど急速に進行します。この病原体は土壌中で長期間生存し、連作畑では非常に危険です。したがって、同じ畑では4~5年間スイカを栽培しないようにします。しかし、ユウガオやカボチャ、ヘチマなどは感染しませんので、これらを台木として使用することで、連作が可能です。近年では、この問題に対する認識が高まり、接ぎ木苗が入手可能になりました。価格は高いですが、安心して栽培できます。輪作が難しく、接ぎ木もしない場合は、スイカやキュウリを鉢で栽培する方法があります。果物は小さくなりますが、糖度が高く美味しくなる傾向があります。

出典:やまむファーム

栽培のポイント

一般的な栽培手順

畑の準備・マルチング➡植え付け・保温➡整枝➡追肥➡人工授粉・摘果➡収穫

【植え付けは、地温が上がってから】

スイカは排水性と通気性が良い砂質の土壌を好むため、粘土質でない土が適しています。また、土壌の酸度はpH5.0〜5.5で、ジャガイモと同程度の酸性を好みます。

高温を好むため、苗はゴールデンウイーク後に植え付けるのが適しています。植え付けの1週間前には丸を張り、地温を保温しましょう。

苗は浅めに植え付けます。根鉢の上面が地面よりやや高くなるようにし、植え付け後はホットキャップなどで保護すると、初期成長が促進されます。

【親ツルと子ツルの3本仕立て】

通常、成長が良い2本の親ツルと子ツルを合わせて計3本のツルを残し、これを3本仕立てとします。

もし庭が狭い場合は、親ツルと子ツルを1本ずつ残して合計2本でも構いません。ただし、ツルが絡み合わないように注意してください。

【2~3番花に着果させる】

雌花は親ツルと子ツルの両方に、通常7〜8節ごとに出現し、その後5〜6節ごとに新たな雌花がつきます。初めの雌花は株がまだ成長途中であるため、その時に着果すると果実の発育が不十分になりやすいので、一般的には2〜3番目の雌花に着果させます。

着果を確実にするために、人工授粉が必要です。花粉の寿命が短いため、人工授粉は晴れた朝の9時までに行う必要があります。つぼみが現れたら毎朝早起きして、受粉の時機を見逃さないようにします。

受粉後は収穫の目安にするために、受粉日をラベルなどに記入して、目印になるよう実の近くに留めておきましょう。

【摘果して1果にする】

実が着果されてから約2週間以内に、形が整って傷のない果実を選んで、各ツルに1つの実がつくように摘果します。

特に大きな実を育てる場合は、摘果は非常に重要です。残した実より下の孫ツルやわき芽も、栄養が必要な部位に重点的に取り除きます。残した実の先端は放っておいても問題ありません。

【敷きワラで泥跳ねを防ぐ】

栽培期間が高温多湿なため、病害虫の発生には十分な注意が必要です。

炭疽病やベト病、疫病、うどん粉病などを防ぐためには、枝葉が過度に茂らないように風通しを確保し、雨などで泥が跳ねないように十分な敷きワラなどをすることが重要です。

【収穫の目安は受粉から35~40日】

スイカの難しい点は、収穫のタイミングを見極めることです。手で叩いても収穫時期が分かるわけではなく、判断材料となるのは中に空洞があるかどうかです。果肉を割ってみてからでは、まだ十分に熟していないと後悔することになります。

一般的には、花が咲いてから35〜40日が収穫の目安とされますが、品種によって異なります。苗のラベルや購入店で、収穫適期を確認しておくことが大切です。

また、受粉後の毎日の気温を積算し、900〜1000℃に達すると食べごろになるという判定法もあります。つまり晴天が続けば、収穫が早まります。

参考元:家庭菜園大百科、野菜50の育て方のコツ、野菜づくり虎の巻

まとめ

スイカの栽培方法について、「畑の準備・マルチング➡植え付け・保温➡整枝➡追肥➡人工授粉・摘果➡収穫」まで順をおって説明しました。他にも栽培方法があるかもしれませんが、これで夏の風物詩、スイカを栽培できるかと思います。是非参考にしてつくってみてください。

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