【砂浜・堤防】ショアから狙うためのタックルとルアー 

alt属性 ルアーフィッシング

数ある海岸からのルアーの対象の中でも、トップクラスの人気を誇っているのがヒラメです。釣り場は国内各地に点在しており、どなたでも気軽に狙えますし、その遊び方も自由自在です。ここでは、そのタックルやルアーについて解説します。

出典:写真AC

手軽にできるスタイルが人気

近年、急速に人気を博している釣りの一つが、ヒラメを狙うルアーフィッシングです。砂浜や河口、漁港など、ショアから手軽に挑戦できる場所が多く、そのため多くのファンを魅了しています。かつては難解なイメージがありましたが、攻略法が広く知られるようになり、誰もが気軽に挑戦できる釣りに変貌しました。さらに、狙う相手が高級魚の代名詞であるヒラメということもあり、その価値は食材としても最高峰です。釣り自体の手軽さと、1匹を釣った時の感動が相まって、多くの人々を魅了しています。

全国各地に釣り場が点在しています。一般的には外洋に面した場所に多く生息していますが、穏やかな湾内でも見られます。特に砂浜での釣りが一般的で人気が高く、多くの人々が楽しんでいます。釣り場の選択肢は幅広く、自分に合った場所を見つけることができます。

ヒラメを狙う場合、シーズンの条件としては岸近くに接岸することが重要です。全国的に見れば初春から初冬までがシーズンで、深場に移動する寒い季節を除いては釣りが可能です。深場に移動すれば船釣りのシーズンが開幕します。このように対照的な関係にあるため、沖釣りの情報も参考にすると良いでしょう。

ヒラメの平均サイズは釣り場によって異なりますが、一般的には中小型が多いです。しかし、30cm以下の小型ばかりではなく、5〜6kgに達する大型もいます。そのため、どんなサイズが釣れるかは予測がつきません。この不確定性も、ヒラメ釣りの魅力の一つです。放流が行われている地域では、規定サイズ以下のヒラメはリリースすることが義務付けられていますが、リリースの精神は規定の有無に関わらず心がけるべきです。

1匹釣れれば成功とみなされる釣りです。多くの数を期待することはできませんが、その一方で、条件が良ければ2匹や3匹といった速続ヒットも珍しくありません。ヒラメ釣りは時合いが明確であり、一度釣った後でも休むことなく釣りを続けることが、数を増やす秘訣です。

タックルは釣り場の状況に合わせる

ヒラメのルアーフィッシングに用いられるロッドは、多岐にわたります。近年では、ヒラメ専用のものや、マゴチとセットで「フラットフィッシュ」として販売されているものも店頭に並んでいます。これらの中から選べば問題ありません。シーバスロッドなど他のロッドを流用することも可能ですが、ヒラメのバイトを逃がさず、しっかりと寄せるためには、柔らかいティップとしっかりしたバットを備えたものを選ぶことが重要です。

ロッドの長さや強さは、釣り場の特性やヒラメの平均サイズに合わせるのが良いでしょう。内湾部の砂浜や河口で中型以下のヒラメを狙う場合は、7〜8フィートのライトなロッドが適しています。一方、外洋の砂浜や岩場で、大型のヒラメを狙う場合は、9〜11フィートのパワーロッドを選択しましょう。

スピニングリールは、シーバス用とほぼ同じサイズのものを選びます。ダイワ製なら2500〜3000番、シマノ製なら3000〜4000番が標準です。

一般的に、メインラインにはPEラインを使用します。1.2号か1.5号が一般的ですが、遠投を重視する場合は1号、大物を狙う場合は2号を選択することもあります。ただし、あまりに細いラインを使用するとラインブレイクのリスクが高まるので、適切なラインを選ぶようにしましょう。

ショックリーダーは、ナイロンかフロロの20〜30ポンドを1.5メートルほど結ぶのが一般的です。結び目には、FGノットやノーネームノットなど、摩擦系の強い結び目がお勧めです。

ルアーとの接続には、しっかりとしたクロスロックタイプのスナップを選ぶことが重要です。これにより、ルアーの交換が容易になり、強度も確保されます。

【ヒラメ釣りのタックル】

ヒラメ釣りでは、どんな釣り場でもフルキャストを繰り返すスタイルが一般的です。釣り場や条件によっては、ロッドの長さやパワー、ラインやリーダーの強さが異なりますが、一般的にはスピニングタックルが主流となっています。

安全で動きやすい装備

基本的な装備に関する最も重要な点は安全対策です。どんな釣り場でも、ライフジャケットは必須アイテムです。機能的なタックルベストは、装備の使いやすさに役立ちます。足元の装備は釣り場によって異なります。漁港でのラン&ガンの場合はスニーカーでも問題ありませんが、砂浜ではチェストハイタイプのウェーダーが基本です。磯場での釣りでは、スパイクシューズの着用が安心です。真夏の砂浜ではショーツとビーチサンダルが快適です。

偏光グラス、グローブ、ヘッドランプ、プライヤー、潮時表なども欠かせない道具です。ランディングやキープのためのツールも、釣り場に応じて使い分けます。どの釣り場でも、長距離を歩くことがあります。移動を楽にするために、装備はシンプルで動きやすいものを心がけましょう。タックルは1セットを片手に、必要なルアーなどは小型のボックスに収納して、身に着けるなど便利な方法で持ち運ぶことが大切です。気温が高い時期には、飲み物も忘れずに持参しましょう。

基本のルアー、ミノープラグ

ヒラメ釣りにはさまざまなタイプのルアーを使用することができます。その中でも基本的なルアーとして、ミノープラグ(以下、ミノー)を使いこなすことが重要です。ミノーといっても、種類や形、動きはさまざまです。ヒラメ釣りに適したミノーや、状況に応じた使い方について説明します。まず、サイズについてです。ミノーのサイズは9〜18cmと幅広く、ヒラメの活性が高い時は大型のミノーを、活性が低い時は小型のミノーを選ぶのが一般的です。また、ヒラメが捕食するベイトフィッシュのサイズに合わせる考え方もありますが、大きなミノーにもアタックしてくることは珍しくありません。海の広さの中で、ヒラメにミノーを見つけてもらわなければなりません。思い切って大きなミノーから使ってみる意識を持つと良いでしょう。

ヒラメ釣りでは、比重が水よりも小さい「フローティングミノー」と、比重が水よりも大きくて放置すると沈んでいく「シンキングミノー」の両方が活躍します。基本的にはフローティングミノーで攻め切り、それでも反応が得られない場合にシンキングミノーを使用するというのが一般的な考え方です。シンキングミノーは比重が大きいため、より遠くに投げることができ、広範囲を探ることができます。また、よりスローに探りたい、特定の深度を攻めたい、という場合もシンキングミノーが役立ちます。

ミノーのウォブリングやローリングの動きに対して、ヒラメが異なる反応を示すことはよくあります。一般的に、ウォブリングはアピール度が高いですが、スレやすい傾向があります。一方、ローリングはその逆です。これらの特性を理解し、使い分けることで、ヒラメの反応を探っていくことができます。

ミノーそれぞれの潜行深度も把握しておくことが重要です。ポイントの水深に応じて、どのレンジを探るかを認識しておく必要があります。表層での反応が得られるか、または沈めないと反応が得られるかなど、潜行深度を把握していなければ、効果的なアプローチができません。

基本的なリトリーブ方法はタダ巻きで十分です。ただし、スピードを変えたり、アクションを加えたりすることで、ヒラメの反応が大きく変わることがあります。ミノーにアタックしてくるヒラメはやる気に満ちていることが多いため、ストップやポーズ(休止)など、食わせのタイミングを与えることが重要です。それでもヒットしない場合は、移動するか、ルアーを変更する方が効率的です。

近年では、砂浜や広大な河口部での使用を前提にしたヒラメ専用のミノーも増えています。これらの特徴は小型で重いことです。よく飛ぶミノーで広範囲を効率的に攻めることが求められている証拠です。戦闘力が高いため、複数のボックスに忍ばせておくと便利です。

【ミノープラグのいろいろ】

ヒラメを狙うルアーフィッシングにおいて、基本となるのはミノープラグです。ミノープラグにはさまざまなサイズや潜行深度、動きがあり、シンキングタイプやフローティングタイプなどの違いもあります。さらに、多彩なカラーバリエーションが存在します。

潜行深度の違い

ミノープラグの重要な要素の一つに、潜行深度があります。潜行深度は、そのルアーがどれだけ水中に潜るかを示し、一般的には水深3m程度が最大とされます。潜行深度は一部のルアーにはパッケージに記載されていますが、一般的には、リップが小さいものほど浅く潜り、リップが大きく長いものほど深く潜ります。

サイズの違い

ヒラメは意外なほど獰猛です。大型個体が多い場合や、魚影が濃い場所では、20cm近いビッグミノープラグが効果的です。また、ベイトフィッシュのサイズに合わせるというアプローチも一つのセオリーです。

【ウォブリングとローリング】

ミノープラグの動きは大きくウォブリングとローリングに区分できます。ウォブリングは、ミノーの頭付近を基点に左右にボディが揺れる動きを指し、一方、ローリングは進行方向に対してボディが回転する動きです。多くのミノープラグは、これらふたつの動きが組み合わされています。各ミノープラグの動きの特性が、釣果に影響を与えることもあります。

【基本的なリトリーブの仕方】

ヒラメ狙いにおけるミノーの使い方には、タダ巻きとストップ&ゴーのふたつの方法があります。タダ巻きは、単純にリールのハンドルを回してミノーを泳がせる方法です。一方、ストップ&ゴーは、タダ巻き中に一時停止を入れる方法です。どちらの方法も簡単なリトリーブですが、リトリーブのスピードを変えることも非常に重要です。

ヒラメにアピールさせる多彩なルアー

ミノー以外にも、ヒラメ釣りで重宝するルアーは数多くあります。順に解説していきましょう。

シンキングペンシルは、その名の通り水中に沈むペンシルベイトです。シーバス釣りなどで一般的なルアーですが、ヒラメ釣りでも頼りになります。同じサイズで同じ重量のミノーよりも飛距離を稼ぐことができるうえ、ナチュラルな動きを演出できる点が長所です。これらの利点を活かして、スロースピードで誘ったり、弱々しい動きを演出したりすることが効果的です。ただし、流れの強い河口部では水をとらえられず浮いてしまうことがあり、また初心者にとっては使いにくい面もあります。

バイブレーションプラグは、小ぶりなボディ形状で遠投が可能なルアーです。投げて巻くだけでヒラメにアピールしやすく、初心者にも扱いやすいです。効率よく広範囲を攻める際に活躍し、ロッドティップに振動が伝わるスピードでリールを巻くことが基本です。

メタルジグは、逆風や激しい潮流などの条件下で役立つルアーです。鉛やタングステン製の塊であり、状況によっては非常に効果的なものとなります。使い方は様々で、タダ巻きやストップ&ゴー、ジャーク&フォールなどが有効です。ボトムを攻めるかどうかは状況次第で決めることが重要です。

ワームは安定した釣果が期待できるルアーの一つです。他のハードタイプのルアーとは異なる波動を発生させるため、ヒラメにだけ反応する場合もあります。ヒラメ狙いには10cmから15cm程度の小魚に似た形状のワームが人気で、ジグヘッドなどのリグにセットして使用します。ジグヘッドの重さは7gから30g程度が一般的で、シンキングミノーと同様の使い方ができます。

他にも、ダウンショットやキャロライナリグ、テキサスリグなどで使う釣り方もあります。釣り場や条件に応じてさまざまなルアーを活用し、ヒラメ釣りの楽しみを広げていきましょう。

【シンキングペンシル】

シンキングペンシルは、ミノープラグよりも空気抵抗が少なく、飛距離を伸ばすことができます。この特性は、ミノーが届かないより遠くのポイントを攻めたい場合や、強風下などで特に重宝されます。アピール度は低いものの、滑るような独特の動きが時に効果を発揮します。

【バイブレーションプラグ】

7gから30g程度の使用ウェイトの幅広いメタルジグは、さまざまなフィールドで活躍するルアーです。その名の通り、リトリーブ中に発する振動がヒラメにアピールします。ラトルが入ったタイプはアピール度が高く、一方、ラトルのないサイレントタイプもあります。

【ソフトルアー】

ボディが生み出す振動は弱く、アピール度は低いものの、そのナチュラルな質感で圧倒的な釣果を生み出すこともある、頼れるルアーです。ジグヘッドリグやダウンショットリグ、テキサスリグや、ときにはジェットテンビンと組み合わせたり、使い方は多彩です。リグ(仕掛け)を使い分ければ、ほぼすべての状況に対応できます。形状も多彩で、非常に小さいサイズも使うことができるので、ソゲクラスにはとくに強いのも特徴です。

【メタルジグ】

20gから40gのウェイトが多用されるルアーです。ヒラメに効果的なルアーの中で、もっとも飛距離が期待できるアイテムで、エキスパートになれば100m近いロングキャストも可能です。岸近くにヒラメがいないときはこのルアーがなければ勝負にならない、ということもあります。フックは、タダ巻きを基本とする場合はテールに装着してもいいですが、激しい動きを与える場合は絡みの少ないフロントフックスタイルがお勧めです。状況次第で対応しましょう。

ルアーの使い分けを簡単に考える

これまで紹介してきたように、ヒラメ釣りで使われるルアーは多岐にわたります。これらを使いこなすことが、この釣りの楽しみでもあり醍醐味でもあります。また、ルアーの使い分け方は人によって異なるため、一概に正しい方法はありません。ただし、一定の基準が存在します。

第1の基準はヒラメの「活性」です。ヒラメは底に潜んでいることが一般的ですが、捕食のために水面近くまで上がってくることもあります。ヒラメの活性が高いと判断される場合は、表層付近を攻めることが効果的です。逆に、活性が低く底にとどまっている場合は、海底近くを狙ったり、ヒラメがいるエリアに直接ルアーを送り込むことが重要です。

使い分けの第2の基準は「飛距離」です。どれだけ魅力的な動きをするルアーでも、ヒラメのいる場所に届かなければ意味がありません。一般的には、フローティングミノー、シンキングミノー、バイブレーションプラグ、シンキングペンシル、メタルジグの順に飛距離が伸びると考えられます。

また、「動きの質」も重要な基準です。ミノーのウォブリングなどの動きはアピール度が高く、ヒラメの注意を引きやすいですが、ワームの自然な動きも魅力的です。どの動きがその日のヒラメに効果的かは、実際に使いながら探っていくしかありません。

以上の他にも、ルアーのサイズやカラーなど、使い分けの基準はさまざまありますが、大事なのはあまり複雑に考えすぎないことです。シンプルにルアーを使いながら経験を積み重ね、自分なりのパターンを見つけていくことが大切です。また、じっくりと狙う方法もありますが、活性の高いヒラメを探してアクティブに釣りを楽しむ方法もあります。最終的には、釣り人の好みや経験に委ねられます。

【レンジによる使い分け】

ルアーを使い分けて、意識的に表層付近を狙うか海底付近を狙うかを選択します。ヒラメの活性が高い場合は、表層系のミノープラグなどを使用し、活性が低い場合は海底近くを攻めるのが一般的です。時には水面を泳がせることが効果的なこともあります。

【カラーローテーション】

カラーには、こだわる人とそうでない人がいます。最初は複雑に考えず、イワシなどのナチュラル系カラーと、チャートやパール系などのアピール系カラーの2系統を用意すると良いでしょう。その後はバリエーションを増やしていくと、整理しやすくなります。

【状況に応じて使い分ける】

トップウォータープラグ、スプーン、ラバージグなども、状況次第では大いに活躍が期待できるルアーです。特にラバージグは、近年注目される強力な威力を持つルアーの一つとして挙げられます。

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参考・参照元:日本の魚釣り、参照文献:日本の魚釣り、防波堤釣り入門、魚釣り検索

まとめ

手軽にできるショアフィッシングスタイルが人気を集めています。釣り場の状況に応じて適切なタックルを選ぶことが重要です。安全かつ動きやすい装備を整えることも欠かせません。基本のルアーとしてミノープラグが広く使われており、さまざまな条件に対応する多彩なルアーも存在します。ルアーの使い分けを簡単に考えることで、効果的な釣果を得ることができます。

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