前著で紹介できなかった回転投法(NO.2)と、投げ釣りで必要と思われる内容をイラストを多く入れ、わかりやすくご紹介しています。
初めに
前編はこちらをご覧ください。
目標の定め方
【海面を見つめても遠くに飛ばない。目標は空中の一点】
ボールをもっと遠くへ飛ばすにはどの方向に投げればよいか、という問題は理科の時間に習ったと思います。水平面に対して仰角(上向きの角度のこと)45度が正解です。何もボールばかりでなく、キャスティングにもこのことがそのまま当てはまります。初心者はだれでも目標そのものをみてしまいます。「あそこに投げたい」と思って投げますから、当然かもしれませんね。しかし、それが失敗のもとだと頭にたたきこんでおきましょう。目標は空中の一点、上方45度に置きます。
【起動を見れば飛ばない理由がよくわかります。45度の理想線を覚えておきましょう】
回転投法(NO.2)
この回転投法(NO.2)は、「自分の最高飛距離はもちろん、その浜の最長不倒距離をねらってみたい!」キャスティングのウルトラCといえる回転投法は、仲間に一気に差をつけるテクニックです。
回転投法を上から分解して、そのダイナミック・パワーの根源を知ろう。左右にスイングされて一度目標近くまで向けられたサオ先は、一回転して、フィニッシュの時にも再び目標へ向かっている。上から見るとはっきりします。
リールの角度
【スプールとガイドの摩擦抵抗を最小限にしましょう】
リールとサオの握り方は前著で「投げザオの握り方」で説明しましたが、スイングされるときのリールの角度は、遠投を助ける大きなエレメント(要素)となります。
サオをスイングする角度に合わせ、同じ角度でリールが繰り出されることが大切です。そうしないと、スプールからイトが出るとき、ガイドをイトが通るときに摩擦抵抗が大きくなり、飛距離が出なくなってしまいます。
左手の引き寄せ
腕、サオの動きは、徹底してマルク運動させましょう。特に左手の引きつけはマルクマルクだ。
【ダメな左手の引き寄せ】
サオの振り幅
【サオの振り幅について】
下記の図のようにあなたはどれが正解だと思いますか?
【A 防波堤、B 砂浜、C 岩場】
正解はAです。なぜかといいますと、飛距離を伸ばす大きな要素の一つに、サオの振り幅があります。タックル、自然条件が同じであれば、サオの振り幅が大きければ大きいほど飛距離は伸びます。
Aの防波堤なら振り幅は約180度弱、Bの砂浜からの振り幅は130度ぐらい、Cの後ろがガケになっている岩場での場合は90度ぐらいとなり、Aの防波堤からのスイングが一番振り幅を持っています。
【砂浜でのキャストの場合】
正解はAです。理由は最初の【A 防波堤、B 砂浜、C 岩場】と同じで、サオの振り幅の問題です。Aはほぼ回転投法といえ、約270度の振り幅、Bは約180度の振り幅、Cは約130度の振り幅であり、特別な条件さえ加わらなければ、Aの振り幅が一番大きく、飛距離が出ます。
サオの長短
サオは長ければ長いほど飛距離は伸びるのが原則
原則として、遠投するためには、サオが長いほど振り幅も大きくなり、飛距離も増します。しかし、実際は自分の身長、体重にあったものでなければ飛距離は伸びません。(参照:サオについて)
イトの巻き方
一番良い巻き方は、スプール・エッジぎりぎり
巻く時は、凹凸が出ないように平らに、ヨリのかからないようにします。場合によっては。下巻きが必要な場合があります。
巻く量が少なすぎると、エッジへぶつかる。
糸巻量が少なすぎると、キャストしたときにイトがスプールにエッジにぶつかり、その摩擦抵抗によって遠くに飛ばせません。対処方法は、適当量の下巻きを入れることで改善します。
多すぎると、一度にたくさんのイトが出すぎる。
キャストをしたときにたくさんのイトが一度に出たりして、ガイドに絡んでしまう。多ければいいというものではない。
長遠投記録に挑む専用リールにその合理性をみる。
遠投性能の極限を目指す遠投専用リールを分析してみましょう。イトを出す時の抵抗を極限まで削減する「超ワイドテーパースプール」、巻きこむ時の角度も10度と広く、その軽量性もあり、かなり力を発揮する。
風の利用
追い風の時は、やや高くキャストします。風に乗せて飛距離を伸ばしましょう
風がキャスターの位置から投入地点へ向かって吹く、いわゆる追い風の時は、風を上手に利用しましょう。45度よりやや高めにキャストして、風にオモリをのせるのがコツです。
向かい風の時は、低めのライナーとし、風の抵抗を受けないようにします。
高く上げると向かい風の影響を受けてオモリが押し戻されます。なるべく低めのライナー性のキャストをするのがコツです。
ステップの幅
ステップが大きすぎると、上体が不安定になり、キャストのタイミングがくるいやすい。逆に小さすぎると、パワーが出せない。
キャスティングとともに左足は目標に向かってステップされる。このステップの幅の取り方も、遠投をねらう時の一つの条件となります。ステップが大きすぎるとフォームが崩れ、逆に小さすぎると遠投のパワーが乗ってきません。自分に合ったステップ幅を見つけフォームを固めましょう。
サオについて
サオには並継ぎと振り出しがあり、並継ぎは本格派向きですし、振り出しは持ち運びに便利です。
投げサオには3種類に分けられます。
- A)遠投用タイプ(全長3.9~4.5m、オモリの負荷25~40号)
- B)中距離タイプ(全長2.7~3.6m、オモリの負荷15~25号)
- C)近距離タイプ(全長1.6~2.7m、オモリの負荷5~10号
砂浜ではA)、B)タイプ/防波堤ではB)、C)/岩場では、B)、C)
サオの長さと重さを決めるのは複雑ですが、基準としてキャスターの身長と体重で決めます。
リール
【スピニング・リールの基本的な操作】
No.1
ロッドとリールを握り、イトは人差し指に軽くかける。
No.2
スプールをいちばん前に出し、ベイルを起こす。
No.3
ミチイトがロッド・ティップやガイドに絡んでないことを確かめてから、ロッドを振り上げる。
No.4
キャスティングにはいり、ロッド・ティップが頭上を越える瞬間にミチイトをリリースする。
No.5
おもりの軌跡を確かめ、オモリの落ち着くのを待つ。
No.6
ハンドルを回し、カチンと音がするとベイルが起き、リーリングが始まる。
【スプールにミチイトを結ぶ】
意外にスプールにミチイトを結ぶ方法はキャスターは知りません。古くなったイトの取り換えにはミチイトをスプールから外し、ミチイトをスプールに結ばなければいけません。その方法の紹介です。
【スプールへのイトの巻き方】
スプールへのイトの巻く量は「イトの巻き方」で解説していますが、スプールの縁を持って、10回ずつくらい内外に巻くと、ヨレが出なくなります。
イト
※イトは、ミチイト、ナカイト、チカライト、ハリスの順に・・・
イトにはいろいろな種類があり、最近はテーパーになったチカライトが市販されいます。それを使ってもいいです。下記の表は参考程度にご覧ください。
ハリについて
ハリは無数にありますが、タイプ別に分ければ、3タイプです。
- 丸形➡代表的な形で、胴からハリ先にかけてまるくなっているもの。伊勢尼が有名で、コイバリ、イシダイバリなども丸型
- 角形➡軸、腰、ハリ先が角ばった形のハリ。カイズバリ、セイゴバリなどが角形です。
- 袖型➡軸が長く、フトコロが狭いため、まるで着物の袖のような細長いハリの形です。ハゼバリ、カレイバリ、キスバリなどが袖型。
そのほか、下記の4種類あります。
- 流線バリ➡軸が長く、胴がカーブしたスマートなハリ。投げ釣りでは万能のハリで、特にエサを飲み込む魚に良い。
- キツネ➡口の小さい魚、ハゼやベラ、メゴチなどを釣るときに使います。
- カイズ➡クロダイ専用のハリ。ヒネリの入ったものと入らないものがある。
- セイゴ➡セイゴ、丸セイゴ、三浦セイゴがあり、セイゴ釣るために考えられたハリですが、海での万能バリといってもいいです。
【魚種とエサ】
仕掛けの作り方1
滑りやすいナイロン糸をどのように結ぶかは、誰もが悩むところです。
【簡易結び】
最も簡単な結び方ですが、結束強度は弱い。
【ジンテン結び】
簡易結びを一工夫した方法。
【ブラッド・ノット】
最も優れた結び方で、結び目が小さい。
【リーダーノット】
大変良い方法で、滑り抜けたりせず、結び目も小さい。
【ハリの結び方】
ここでは、「本結び、外掛け結び、漁師結び、クリンチ・ノット」の結び方を紹介します。
仕掛け作り2
ヨリモドシだけでなく、テンビン、オモリ、接続金具への接続に応用できます。
【きれいに結べて、強い】
【重いものを結ぶのにもっとも適している】
【かなり強い結び方】
【やや複雑な結び方ですがナイロンには効果があります】
エダバリの結び方
スナズリの2本ヨリ
スナズリ2本ヨリのつくりかたは動画です。
参考にしてみて下さい。
引用元:サーフ・キャスティング、投げ釣り入門、続仕掛け教室
まとめ
「大空に向かって遠くまで飛ばす。飛距離が出るキャスティングで大海原に挑む」のパート1の続編です。目新しいことは書いていませんが、投げ釣りをする上で忘れがちなことを書きました。
参考にしていただければ幸いです。