堤防・磯で挑む!ウキフカセ釣りでカンダイを攻略する秘訣

Alt属性 さかな釣り

堤防から狙える「身近なモンスター」カンダイ釣りの魅力を徹底解説!適切なタックルやエサ、コマセの撒き方で初心者でも大型カンダイをゲット!挑戦のポイントやコツをわかりやすく紹介します。

堤防から狙える「身近なモンスター」として知られるカンダイ。その強烈な引きと大物感あふれるスリリングな釣りは、多くの釣り人を魅了します。一見、専門的な知識や高価な道具が必要に思われがちですが、実は手軽に挑戦できるのがカンダイ釣りの魅力。適切なタックル選びや仕掛け、コマセエサの撒き方を工夫すれば、初心者でも大型カンダイを狙うことが可能です。

この記事では、釣り場の選び方から仕掛け作り、エサの工夫、カンダイとの駆け引きまで、釣果を上げるためのコツを徹底解説。初めて挑戦する方も、この「身近なモンスター」とのスリリングなやり取りを楽しめるよう、具体的なポイントをわかりやすく紹介します。大物との手ごたえを堤防で味わってみませんか?

身近な場所にいるモンスター

多くの釣り人にとって、「カンダイ(正式名称:コブダイ)」は本命として狙う対象魚ではありません。磯釣りでは石物釣りの外道とされ、防波堤からのチヌ(クロダイ)狙いでは仕掛けを切られる厄介な存在として敬遠されるのが一般的です。特に九州地方では、冬から春にかけてカンダイが釣れることが多く、たとえば磯釣りの名所として知られる大分県の米水津では、この魚が釣れなくなる春以降が本格的な石物釣りシーズンとされています。

しかし、このカンダイを外道ではなく、本命として狙うのはどうでしょうか? カンダイは沖磯に行かなくても、防波堤など身近な場所から狙うことが可能です。しかも、大型は10kg以上にもなる巨大なサイズ。まさに「身近なモンスター」と呼べる存在です。ベテランでなくても大物釣りの醍醐味を味わえるうえ、カンダイは日中に活動する魚のため、朝早くから準備しなくても釣果が期待できる点も魅力です。

カンダイは投げ釣り(ブッコミ釣り)などでも釣ることができますが、ウキフカセ釣りで狙うことで、計画的に釣り上げる達成感が得られます。その魅力に注目が集まり、大型カンダイを目当てに九州を訪れる釣り人も増えています。本記事では、カンダイ狙いのウキフカセ釣りについて、基本的なテクニックやポイントを詳しく解説します。

分布・大きさ・釣り期

【分布】

カンダイは、日本沿岸の広い範囲に生息しています。北海道から九州南岸までの日本海沿岸、東シナ海沿岸、太平洋沿岸、そして瀬戸内海にも広く分布しています。そのため、全国各地で釣るチャンスがありますが、地域ごとにポイントや釣り方に若干の違いがあります。

【大きさ】

カンダイは最大で1.2m以上に成長する非常に大きな魚です。このサイズになると、釣り上げた際の迫力は圧巻で、多くの釣り人にとって忘れられない体験となるでしょう。また、釣り上げる際の強い引きは、釣り人の技術や道具の耐久性が試される場面も多く、大物釣りの醍醐味を味わえます。

【釣り期】

カンダイは、4月から翌年の1月までが釣れるシーズンです。このうち、特に秋(10月から11月)がベストシーズンとされています。この時期は水温が安定し、カンダイの活性が高まるため、釣果が上がりやすい傾向にあります。さらに、日中でも釣りが成立しやすく、初心者でも挑戦しやすいのが特徴です。

フィールド開拓の可能性は無限大

カンダイが潜むフィールドは全国各地に広がっており、その可能性は無限大です。大分県では、別府市、大分市、臼杵市、佐伯市にかけての岸壁や防波堤周辺に多く棲息していると言われています。ただし、大分県南部では水温が高すぎるため棲息数が少なく、逆に別府市より北では砂地や遠浅の地形が多くなるため、釣りが難しいエリアもあります。

また、大分県に限らず、広島県、愛媛県、島根県、香川県など、全国各地でカンダイを狙うチャンスがあります。特に瀬戸内海は非常に有望なエリアで、大型のカンダイが釣れる可能性が高いとされています。さらに、日本海側には未開拓のエリアが多く、釣り場の開発次第で新たな好フィールドが見つかる期待も高まっています。チヌ狙いの釣り人がハリスを切られるなどのエピソードは、カンダイが潜んでいる絶好の手がかりとなるでしょう。

カンダイ釣りの魅力のひとつは、その「手軽さ」にあります。足場の良い防波堤での釣りは、安全性が高いだけでなく、超大型のカンダイとの力比べを釣り人有利に進めやすいというメリットがあります。一方、地磯や沖磯から狙う方法もありますが、こちらは足場が悪く危険度が高くなるため、十分な経験と装備、そして仲間の同行が必要不可欠です。

カンダイ釣りのフィールドは、まだまだ広がる可能性を秘めています。堤防からでも手軽に挑戦できるこの釣りは、初心者からベテランまで幅広い釣り人におすすめです。ぜひ新たなポイントを開拓し、未知のフィールドで「身近なモンスター」との出会いを楽しんでみてください!

晩秋以降がベストシーズン

カンダイは一年中狙うことができる魚ですが、晩秋以降がベストシーズンとされています。その理由は、他の釣り物が少なくなる時期であることと、エサ取りとなる小魚の数が減少し、カンダイを狙いやすくなることです。

このシーズンの水温は10~15℃が目安。特に4月頃から水温が上昇するにつれ、カンダイの活性が高まり、釣果も期待できます。冬場は水温が低いため、水深10m程度の深場が好ポイントとなりますが、春先になると水深5m前後の浅場でも釣れるようになります。

しかし、春に水温が上がると、カンダイが海底から1ヒロ(約1.5m)程度浮いてくることがあり、かえって釣りにくくなることもあります。エサ取りの少ない1~2月は、底狙いが効果的で、ビギナーにも挑戦しやすい時期といえるでしょう。

一方で、6月以降になるとエサ取りが増え、撒き餌がカンダイのいるポイントまで届きにくくなります。カンダイがフィールドからいなくなるわけではありませんが、釣果を上げるには効率が悪くなり、狙うのが難しくなる時期です。

晩秋から春先にかけては、カンダイ釣りの最盛期。この時期を逃さず、釣り場での大物との手ごたえを楽しんでみてはいかがでしょうか?

【身近なフィールドで狙える】

カンダイは、太平洋側では本州以南、日本海側では佐渡島以南を中心に、沖縄県を除く広い範囲に分布しています。この範囲内であれば、どこでもカンダイ釣りが成立する可能性があります。特に、有望なエリアとして挙げられるのは瀬戸内海、九州沿岸、山陰地方沿岸です。

カンダイは消波ブロックやスリット(溝)を棲み家とし、貝類や甲殻類が多い岸壁周辺をエサ場としています。そのため、堤防や岸壁などからでも十分に狙うことが可能です。これらの条件が整ったフィールドでは、大型カンダイとのスリリングな釣りを楽しめるでしょう。

まずは実績のあるポイントで経験を積み、その後、自分なりのフィールドを開拓してみるのもカンダイ釣りの醍醐味の一つです。地元の釣り場や未開拓のエリアに足を運び、未知のフィールドで新たな発見をして下さい。

パワフルな5号磯竿で挑む

カンダイの強烈な引きに対応するためには、5号の磯竿が使われます。イシダイ竿やジギングロッドでも対応可能ですが、軽いウキを使用するウキフカセ釣りでは操作性が劣るため、磯竿が適しています。ただし、一般的な5号磯竿は遠投用が主流で、穂先が硬く、リールシートから竿尻までの間隔が長いため、竿尻を腹に当てての操作が難しくなることがあります。

そのため、カンダイ釣りに適した専用ロッドの選択が重要です。5~6号クラスの磯竿であっても、ウキフカセ専用に設計されたものを使用することで、10kg以上の大型魚を狙うことが可能になります。

リールと操作のポイント

リールには中型のスピニングリールを使用します。巻き上げ力では両軸リールが優れていますが、オモリのない仕掛けを自然に落とし込む操作性や、魚の急な反転に対応するスピードを考えると、スピニングリールが適しています。やりとりの際には、スプールを手で押さえる「ハンドドラグ」を活用し、危険を感じたときのみリールのドラグ機能を使います。

リールのボディ強度については、よほど負荷をかけなければ問題ありませんが、フット部分が弱いと破損のリスクがあるため注意が必要です。レバーブレーキは基本的にタモ入れ時に使用するだけで、やりとりにはあまり使いません。特に5kgを超える大型魚ではレバーブレーキでのコントロールは難しいため、同行者がいればレバーブレーキなしのリールでも十分です。

ラインの選択と巻き方

ミチイトにはナイロン10号が標準とされています。この釣りは足元を攻めるスタイルのため、ラインを意図的に送り出すことはほとんどありません。50m以上巻いておけば十分対応可能です。

ナイロンラインを使用する理由は、伸びによるクッション性があるだけでなく、柔らかさがある点にあります。特に冬場は、太めのラインが硬くなりやすいため、柔らかいナイロン素材のほうが扱いやすく、仕掛けの操作性が向上します。

カンダイ釣りの仕掛け

仕掛けの基本構成は、メジナ狙いのウキフカセ釣りとほぼ同じです。ただし、カンダイの強い引きに対応するため、5号の磯竿が基本となります。さらに、大型のカンダイが期待できる場合には、6号の磯竿を選ぶこともあります。

6号竿を使用する際は、竿のパワーに見合った仕掛けに調整する必要があります。特に、ハリについては一回り大きなサイズに変更することで、大型魚とのやりとりにも対応できるようになります。適切なタックルを選ぶことで、より安心して大物とのファイトを楽しむことができるでしょう。

リールの選び方とポイント

使用するリールは、スピニングリールの4000番台程度が最適です。ミチイトは50m以上巻ければ十分ですが、スプール径が大きいリールを選ぶことで、ラインのヨレを軽減することができます。さらに、ボディが堅牢で、ドラグの強度が高いリールを選ぶことで、大型カンダイとのやりとりでも安心して使用できます。

また、レバーブレーキ付きリールは、ひとりでタモ入れを行う際に便利です。レバーブレーキがあることで、大物を取り込む際の操作がスムーズになり、釣果につながりやすくなります。

なお、一部の釣り人は大型の両軸リールを使用する場合もありますが、スピニングリールのほうが仕掛けを自然に落とし込む操作性に優れており、ウキフカセ釣りには特に適しています。自分のスタイルや釣り場に合わせて、最適なリールを選んでみましょう。


シマノ(SHIMANO) スピニングリール 23 ハイパーフォース LB C3000MHG レバーブレーキ

シマノ(SHIMANO) 両軸リール 23 スピードマスター石鯛 3000T

ミチイトの選択と巻き方

ミチイトには、ナイロン10号を使用し、50m以上巻いておくのが基本です。やりとりの際に意図的にラインを出すことはほとんどなく、余裕を持って70m程度巻いておけば十分対応可能です。

ライン選びでは、巻きグセがつきにくく、スプールになじみやすいしなやかなナイロン製を選ぶことがポイントです。特に冬場の釣りでは、太めのラインが硬くなりやすいため、柔軟性の高いラインを選ぶことで、仕掛けの操作性が向上します。

一方で、比重が重いフロロカーボンラインは、ウキを使う釣りでは仕掛けの動きが不自然になりやすく、カンダイ釣りにはあまり適していません。ナイロンの特性を活かし、スムーズなやりとりができる仕掛けを整えましょう。

タモ網の選び方とポイント

足場の高さに対応できる十分な長さの柄を持つタモ網を用意することが重要です。枠径は45cm程度あれば対応可能ですが、より大きな枠を選ぶことで、大型カンダイの取り込みがスムーズになります。特に、大物とのやりとりでは、タモ網のサイズが釣果を左右することもあるため、余裕のある大きさを選ぶのがおすすめです。

大型の円錐ウキを使ったカンダイ釣り

カンダイ釣りの仕掛けは、基本的には一般的なウキフカセ釣りのシステムを踏襲しています。ただし、対象が大型魚であるため、使用するパーツはすべて太く、強く、大きなものを選ぶ必要があります。

ハリとハリスの選び方

ハリは、磯釣り用の中でも軸が太いものを使用します。細軸のハリでは、掛かりどころが悪いと伸びてしまう可能性があるため、強度の高いものが必須です。また、カンダイに警戒心を与えないよう、光らない黒バリを選ぶのがポイントです。

ハリスには、フロロカーボン10号を1ヒロ(約1.5m)から2mの長さで使用します。ミチイトとは接続具を使わずに直結し、ハリとは外掛けマクラ結びで結節します。ただし、締め込み方には注意が必要です。強く締めすぎると糸が伸び切ってしまい、かえって切れやすくなるため、適度な力加減で締め込むことを心がけます。

また、フロロカーボンは時間が経つと結び目が緩みやすいため、結び目の強度を補強するために、締め込む前と後に結び目強化剤をスプレーしておくことが推奨されます。

円錐ウキの特徴と選び方

カンダイ釣りに使用する円錐ウキは、専用設計された大型のものを選びます。たとえば、「モンスターフカセ」というウキは、カンダイ釣り用に開発されたもので、0号、B、3Bの3種類がラインアップされています。このウキは、メジナ釣り用の円錐ウキと比較すると浮力が大きく異なる点に注意が必要です。

「モンスターフカセ」の号数は、ハリスやハリ、付けエサを含む仕掛け全体の重さを支えた状態での浮力を基準としています。たとえば、0号であっても、一般的なメジナ用の3B以上の浮力があります。これにより、重量のある仕掛けでも安定して使うことができます。

仕掛け作成後の重要な手順

仕掛けを完成させた後、必ず行うべき作業があります。それは、ミチイトとハリスを真っ直ぐ伸ばす作業です。具体的には、ハリをバッカンや固定物に引っ掛けて竿を全力で曲げ、ラインを伸ばします。この作業により、仕掛けの操作性が向上し、釣りの精度が高まります。

さらに、この状態でリールのドラグを調整しておきます。ラインが少しずつ出る程度のドラグ設定にすることで、大型カンダイが掛かった際にも適切に対応できます。

仕掛けに使われるパーツ類

【円錐ウキ】

カンダイ釣り専用に開発された高浮力の円錐ウキ、「釣研/モンスターフカセ」を使用します。このウキは、仕掛け全体の重量を支えるよう設計されており、大型カンダイ釣りに最適です。


釣研 モンスターフカセナイト スカーレット (フカセ釣り ウキ 磯釣り)

基本的なセッティングでは、ガン玉を使用しない状態で0号がベストバランスとされています。釣り場や状況に応じて、0号から3Bまでの種類を揃えておくと、柔軟に対応できます。この高浮力ウキを使うことで、重い仕掛けでも安定した操作が可能です。

【ハリス】

ハリスにはフロロカーボン10号を使用し、長さは1.5~2m程度に設定します。耐久性を保つため、5kg以上の魚を釣り上げた場合は必ず交換するのが基本です。

また、カンダイに警戒心を与えない工夫として、澄み潮の際には、ハリから約1mほどの範囲をマジックペンで部分的に黒く塗ることがあります。このひと手間で魚の視覚的な警戒を軽減し、釣果を向上させることが期待できます。

【ハリの選び方】

使用するハリは、軸が太い「がまかつ/小磯」が適しています。竿の号数に応じて、5号竿には14〜15号、6号竿には15〜16号を選びましょう。


がまかつ(Gamakatsu) 小磯 白 15号 12248

一方、イシダイ用のハリなど、さらに軸が太く重いものは注意が必要です。重すぎるハリを使用すると、付けエサが速く沈みすぎてしまい、自然なアプローチが難しくなることがあります。適切なハリを選ぶことで、仕掛け全体のバランスを保ち、効果的にカンダイを狙うことができます。

【結び目の処理】

ハリの結節には外掛けマクラ結びを使用します。結び目を締め込む際には、プライヤーを使ってしっかりと固定しますが、限界まで強く締め込まないことが重要です。あまりに強く締め込みすぎると、糸の伸びが失われ、結果として切れやすくなるリスクがあります。適度な力加減で締めることで、結び目の強度を保ちながら、糸本来の性能を引き出すことができます。

[強度UP] 外掛けまくら結び [鈎とハリスを結ぶ][フカセ釣り]
外掛け結びで最も切れやすいチモト部分を補強して強度をアップさせる「まくら」。このひと巻きだけで強度にかなりの差が出ます。チモト切れに困っている人は一度お試しください。僕のInstagram↓メインチャンネルくろねこたまごちゃんねる...

【ノットガードの使用】

結び目を強化するために、「ボナンザ/ノットガードV」を活用します。特に、10号の太いハリスは使用中にどうしても結び目が緩みやすいため、この対策が重要です。

ハリとの接続部分やミチイトとの接続部分に対し、締め込む前と締め込んだ後にスプレーを吹きかけることで、結び目の緩みを防ぎます。このひと手間を加えることで、結節の耐久性が向上し、安定した釣りを楽しむことが可能になります。


ボナンザ(BONANZA) ノットガード V

沈むエサを配合する

コマセエサは、オキアミ、配合エサ、ムギを混ぜて作ります。メジナ釣りほどシビアではありませんが、コマセと付けエサの同調が重要です。そのため、クロダイ用よりもゆっくり沈むメジナ用の配合エサをメインに使用します。

特に春先は、カンダイが中層に浮いてくることが多いため、コマセエサの沈下スピードを遅くし、付けエサを幅広いタナで同調させることが効果的です。

配合エサの選び方

比重が重いクロダイ用の配合エサが有利になるのは、水温が低く、カンダイの動きが鈍くなり、底から離れない状況です。目安として、水温が10℃前後のときがこれに該当します。

ムギの利点

ムギはエサ取りに強く、海底に溜まることで白く目立つのが特徴です。たとえオキアミや配合エサがエサ取りに食べられても、ムギが海底に残ることで、カンダイの足を止める役割を果たします。

コマセの配合比

基本的な配合比は以下の通りです

  • オキアミ3kg
  • 配合エサ1袋
  • ムギ1kg

この配合で、1匹釣り上げるまでの目安として2セットあれば十分です。ただし、これはエサ取りが少ない時期の話であり、春以降でエサ取りが多い場合には、3~4セットを用意する必要がある場合もあります。

さまざまな付けエサが使える

カンダイは硬い歯を持ち、貝類や甲殻類を難なく捕食します。そのため、石物釣りで使用するサザエなどのエサにも平気で食いつきます。極論すれば、エサの種類にはそれほどこだわらなくても構いません。ただし、エサ取りを避ける観点からは、カニなど硬いエサが有利といえます。

手軽さで選ぶなら虫エサがベスト

一方で、入手のしやすさを考えると、釣具店で手に入る虫エサが最適です。カニや貝類を取り扱っている釣具店は限られており、都市部周辺の堤防ではこれらを採取するのも難しい場合があります。この点から、冬場にはアオイソメを使うのがおすすめです。エサ取りが少ない季節であれば、アオイソメでも十分に対応できます。

アオイソメの使い方

アオイソメは、アピールを重視して2~3本をまとめてチョン掛けするのが基本です。購入時にはできるだけ太いものを選びましょう。一日の釣りで2パック程度を用意しておくと安心です。

小魚を代用する場合

アオイソメが足りなくなった場合や、現場でのエサを確保したいときは、アジなどの小型回遊魚を数匹用意しておくと便利です。現地で釣るために、1号磯竿と細仕掛けを用意しておくのがおすすめです。小魚はエサ取りに食べられる心配がなく、体長20cm程度の魚でもカンダイは丸呑みするため、そのまま1匹をハリに付けて使用できます。3~4匹確保しておけば十分です。

付けエサの種類とハリ付けの方法

【アオイソメ】

太めのアオイソメを2~3本丸ごとチョン掛けで使用します。ハリ付けの際は、1匹目は頭から約2cmの位置にハリを刺して抜き、2匹目は逆に頭から離れた部分にハリを刺して頭側に抜きます。このように工夫して付けることで、エサ全体にボリューム感を出し、カンダイへのアピール力を高めることができます。見た目の存在感がカンダイの興味を引き付けるポイントとなります。

【小魚類】

現場で釣れる小魚も、効果的な付けエサとして活用できます。ハリ付けは背掛けで行いましょう。小魚はエサ取りに食べられる心配がないため、食いつけばほぼ確実にカンダイが掛かります。

小魚は活きている必要はなく、釣った後にクーラーボックスなどで保存しておけば問題ありません。手軽に準備できるうえに、カンダイを確実に狙える実績の高いエサです。現場で確保しておくと、釣りの幅が広がります。

ポイントを探す

釣り場に着いたら、まずは釣り座を決めることが重要です。カンダイはコマセエサで寄せることができるため、ポイント選びはそこまでシビアではありません。潮の流れにも大きく影響されないため、堤防全域で釣果が期待できます。ただし、注意点として、消波ブロックから20m以上離れた場所を選ぶことが推奨されます。万が一、ハリ掛かりしたカンダイが消波ブロックに入り込むと、取り込むのはほぼ不可能になるからです。

条件1: エサ取りの少ない場所を選ぶ

もう一つのポイント選びの条件は、エサ取りが集まりにくい場所を選ぶことです。カンダイは潮が少しでも動いていれば食いついてくるため、潮の流れが悪い場所でも釣りが成立します。むしろ、エサ取りが少ない分、そういった場所が好ポイントになることが多いです。特にエサ取りが活発になる春先以降は、小アジなどを狙う釣り人から距離を取るようにしましょう。

条件2: 光量の少ない時間帯や場所を狙う

カンダイ釣りでは、光量の少ない時間帯や曇りの日が有利です。太いハリスを使用するため、晴天や澄み潮の条件では、カンダイが警戒心を抱きやすくなります。晴れた日中に釣りをする場合は、堤防が水面に影を落とす側を重点的に探ると良い結果が期待できます。

条件3: 足元狙いが基本

カンダイは足元を狙う釣りであり、多少の風があっても釣りに大きな影響はありません。そのため、足場の良い場所で安定して釣りができる堤防は、カンダイ釣りに最適な環境といえます。

適切なポイントを見極めて、効率的にカンダイを狙いましょう!

コマセエサでカンダイを寄せる

大型のカンダイは密度が低く、1匹ごとの縄張りが約30〜40mと広い魚です。そのため、広範囲にコマセエサを撒き、徐々に範囲を絞りながらカンダイを釣り座に寄せる必要があります。

コマセエサの撒き方

  1. 広範囲に撒く
    釣り座を決めたら、左右約50mの範囲にコマセエサを均等に撒きます。3〜5分ごとに徐々に撒く範囲を狭め、最終的に釣り座の半径10〜20mに絞ります。この作業は約1〜1.5時間かけて行い、コマセエサ1セットを使用します。この間に仕掛けを準備し、釣りの準備を整えます。
  2. 仕掛け投入時のコマセエサ撒き方
    仕掛けを投入する際にもコマセエサの撒き方が重要です。池永氏の方法では、次の手順で撒きます:
    • 岸壁から50cm離れた位置を基準に、50cm間隔でコマセエサを3杯撒きます。これを反対側にも同じように撒き、合計6杯となります。
    • 20〜30秒後、同じ要領でさらに6杯を撒きます。撒く位置は、最初に撒いたコマセエサが流れている真上を狙います。
    • この作業をさらに2回繰り返し、合計24杯のコマセエサを撒きます。
  3. 付けエサの投入ポイント
    付けエサは、流れるコマセエサの中央部分、岸壁から30cm以内の場所に落とし込みます。カンダイを確実に寄せてから付けエサを投入することで、1〜3投目で食ってくる可能性が非常に高まります。

カンダイが食わない場合の対応

もしカンダイが食いつかない場合は、ポイントを休ませながらコマセエサを控えめに撒くようにします。これは、エサ取りにすべて食べられてしまう量を撒き続けることで、カンダイの捕食スイッチを入れ続けるための戦略です。この状態を30分ほど維持すると、再び付けエサを投入した際に、1投目で食ってくることが多くなります。

強引にカンダイの足を止める

カンダイのアタリは、ウキがゆっくりと引き込まれる動きとして現れます。また、付けエサを落とし込んでいる最中にもアタリが出ることがあり、太いミチイトのおかげでその動きを目視で確認することが可能です。

アタリを見極めてアワセる

アタリに気づいたら、すぐに竿尻を腹に当ててアワセの準備をします。このとき重要なのは、ミチイトのたるみをそのままにしておくことです。たるみのある状態から一気にアワセを入れることで、ハリがカンダイの硬い口をしっかりと貫通します。

アワセはひと呼吸おいてから入れましょう。大きな付けエサを使っているため、早アワセはすっぽ抜けの原因になります。竿を大きく振り上げるのではなく、竿の胴のパワーを利用して掛けるイメージが大切です。これは、イシダイ釣りでいわれる「竿を引き抜くようなアワセ」と同様の方法です。

カンダイとのファイト

ハリ掛かりしてからが、この釣りの最もスリリングな瞬間です。強い引きを受け止める際も、アワセと同様に竿の胴を使います。強引に竿を立てるのは難しく、竿が水平より下向きにならないよう全身で支えるようにしましょう。

ドラグを効かせてミチイトを出すのは、自身が危険を感じたときのみです。一度体勢を整えたら、リールのスプールを抱え込んでミチイトの出を止め、カンダイに走られるのを防ぐのが基本です。ミチイトを出しすぎると、カンダイが反転した際に糸が緩み、海底にへばり付かれるリスクが高まります。

勝負を決めるタイミング

カンダイを海底から5mほど浮かせることができれば勝利は目前です。この状態になると竿を立てることが可能になり、ゆっくりとしたポンピングで海面へと引き上げていきます。

同じポイントでの連続ヒットも

コマセエサを撒くことでカンダイの縄張り意識が薄れるのか、同じポイントで続けてヒットすることがあります。実際、同じ場所から7匹の大型カンダイを仕留めた例もあります。ファイト後は仕掛けをしっかりチェックし、傷んだ部分を作り直して再び挑戦しましょう。

カンダイの捌き方と料理法

カンダイは、身がしっかりしていて旨みが強く、さまざまな料理に適した魚です。ただし、体が大きく、ウロコが硬いので、捌き方には少しコツが必要です。

【捌き方】

  1. ウロコを落とす
    • カンダイのウロコは非常に硬いので、大型のウロコ取りや包丁の背を使います。
    • 流水下で力強くこすり、全体のウロコを丁寧に取り除きます。
  2. 頭を落とす
    • 頭を落とす際は、大型の出刃包丁を使用します。硬い骨が多いので、包丁をしっかりと押し付けるようにして切り落とします。
  3. 内臓を取り出す
    • 頭を切り落とした後、腹を割いて内臓を取り出します。腹の中に血が溜まっていることが多いため、流水でしっかり洗い流します。
  4. 三枚におろす
    • 身が厚くしっかりしているため、大型の包丁を使い、骨に沿って身を切り離します。
  5. 皮を引く
    • 刺身や焼き物用にする場合は、皮を引きます。皮が厚いので、包丁を寝かせて丁寧に行いましょう。
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【おすすめ料理】

1. 刺身

  • 新鮮なカンダイは刺身が絶品。コリコリとした食感と濃厚な旨みが楽しめます。
  • 醤油やポン酢にわさびを添えてシンプルにいただきましょう。

2. 煮付け

  • 頭や骨付きの部分は煮付けに最適。しょうゆ、みりん、酒、砂糖で甘辛く煮ると、ご飯のお供にピッタリです。

3. 鍋料理

  • 冬場には鍋がおすすめ。カンダイの身は煮崩れしにくいので、野菜や豆腐と一緒に味噌仕立てや寄せ鍋で楽しめます。

4. 唐揚げ

  • 小骨が少ないので、唐揚げにしても食べやすいです。一口大に切った身に下味をつけ、片栗粉をまぶして揚げます。

5. 塩焼き

  • 厚めの身は塩焼きでも美味。脂のノリがよく、シンプルな調理法で素材の味を堪能できます。

カンダイは、捌き方さえ覚えればバリエーション豊かな料理が楽しめる魚です。ぜひ、大型カンダイを手に入れたら挑戦してみてください!

参考元:さかな・釣り検索、防波堤釣り入門、磯釣り入門、日本の魚釣り

まとめ

カンダイ釣りは、堤防から手軽に挑戦できる一方で、大型魚特有の力強い引きを楽しめるスリリングな釣りです。専用の強化されたタックルを使い、適切なコマセエサの撒き方でカンダイを効率的に寄せることが重要です。ポイント選びではエサ取りが少なく、消波ブロックから離れた場所を狙いましょう。仕掛けは操作性を重視し、アタリが出たら竿の胴を使って確実にアワセます。5mほど浮かせれば勝負あり。同じポイントで連続ヒットも狙える魅力的な釣りです。

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