穴釣り初心者必見!タックル選びから仕掛けのコツ、ポイント選びまで徹底解説。根魚を狙う穴釣りの魅力とテクニックを紹介します。
穴釣りは、海岸の消波ブロックの隙間を狙うスリリングな釣り方です。この記事では、根魚の隠れ家を探る探検のような楽しさと、仕掛けを巧みに操るスリルが味わえる穴釣りの魅力を紹介します。初心者でも手軽に楽しめるタックルの選び方、効果的な仕掛けの作り方、そして穴釣りの成功に欠かせないポイント選びのコツを解説。さらに、根掛かりを避け、大物を見事に手元に引き寄せるテクニックも伝授します。初めての方でもこの記事を読めば、穴釣りの楽しさと奥深さを存分に感じることができるでしょう。
「穴釣り」 アクセスしやすい堤防で楽しむ釣りの魅力
消波ブロックによって生み出される海中の複雑な隙間は、深い水深において太陽の光が届かず、暗がりを好む根魚にとって理想的な生息地となっています。消波ブロックの隙間を狙う「穴釣り」は、根魚の隠れ家を探す探検のような楽しさと、仕掛けを巧みに操作するスリルが味わえる釣り方です。安定した足場の堤防から行えるため、初心者にもおすすめで、必要な道具も手頃な価格で揃えられます。
対象となる「根魚」は、海底の岩礁帯に住む魚の総称で、カサゴ、ソイ、アイナメ、メバルなどが人気です。カサゴとソイは似た特徴を持つ近縁種で、ソイにはムラソイ、キツネメバル、クロソイなどの種類があります。これらの魚は特定の場所に固執する傾向があるため、水温が下がる冬には動きが鈍くなり、穴釣りでの狙いがしやすくなります。ただし、2月頃の水温が極端に低い時期は、魚の活性が低下します。
カサゴやソイは一年中釣れる魚ですが、春から秋にかけての海水温が比較的高い時期に活発になります。特に、早春から初夏にかけての産卵期には、これらの魚は餌を積極的に捕食します。アイナメは産卵を控えた10月から12月が最適なシーズンです。メバルやドンコはほぼ一年中狙うことが可能です。
穴釣りのタックルと仕掛け
穴釣りでは、足元の穴を狙うために1.2〜2メートル程度の短い竿が使われます。バスフィッシング用の硬めのロッドや船釣り用のビシ竿も使用可能ですが、穴釣り専用の「テトラ竿」が市販されており、価格も手頃(約3,000円前後)なので、これを選ぶのがおすすめです。テトラ竿は、竿先が柔らかく感度が良いため、アタリを敏感に感じ取ることができ、胴部分には大型魚の引きにも耐えられるパワーがあります。穏やかな内湾ではオモリ負荷5〜10号程度、荒れた外海では10〜30号程度の竿が使いやすいでしょう。
リールには、仕掛けを落とす際にラインを張ったまま操作できる小型の両軸リールや片軸リールが適しています。スピニングリールも使用可能ですが、仕掛けを落とす際にラインが絡みやすく、根掛かりの原因になりやすい点がデメリットです。
ラインには、ナイロン3〜6号やフロロカーボン2〜5号が標準とされています。仕掛けを落とす深さは最大で20メートル程度ですが、根掛かりでラインが切れることも考えて、最低でも50メートルは巻いておくことが推奨されます。フロロカーボンラインがおすすめです。表面が硬く傷つきにくいため、ブロックに擦れることが多い穴釣りに適しており、比較的伸びが少ないためアタリを敏感に伝えてくれます。近年は扱いやすい柔らかなタイプも登場していますが、柔らかいほど根ズレに弱い点に注意が必要です。しなやかさと耐摩耗性はトレードオフの関係にあることを覚えておきましょう。
【堤防のポイント】
地続きの堤防で穴釣りを行う場合、消波ブロックは通常、外向きに設置されています。穴釣りのポイントとしては、堤防の先端や曲り角の近く、ケーソン(大型のコンクリートブロック)の継ぎ目周辺、消波ブロックの並びが乱れている場所などが挙げられます。これらのエリアは潮の流れが良いため、魚が集まりやすいです。
特に、消波ブロックから潮が流れ出している部分や、沖からの潮が当たっている場所の周辺は、根魚が好む暗がりや隠れ場所が多いため、穴釣りの期待度が高まります。これらのポイントを見つけることで、根魚を狙う穴釣りの成功率が向上します。
【カサゴ】
穴釣りでさ且える、もっともポ ピュラーな根魚がカサゴ。全 国的に棲息しており、比較 的低水温時(13°C前後)で も□を使ってくれる。イソメ類 から身エサまで、なんでも食 ってくる。体長は最大で30 cm刖後
【アイナメ】
日 本 各 地 の 沿 岸 に 棲 息 。 力 サ ゴ に 負 け な い 悪 食 で 小 魚 や甲殻類、イソメ類などを捕 食する。穴釣りではとくにイ ワイソメでの食いがよい。活 性 の 高 い と き に は 宙 屑 で ハ リ挂卜かりすることもある。最 大約60cmの記録もある。
【メバル】
日 本 各 地 に 分 布 し 、 最 大 で 30cmほどに育つ。根魚とい うほど物陰に隠れてじっとし て い る わ け で は な ぐ 穴 へ 仕 掛けを落としてすぐにアタリ が出ることもある。イソメ類を メインに、冷凍キビナゴなど でも挂卜かってくる
【ソイ】
ソ イ が 釣 れ る 確 率 は カ サ ゴ より高い。北日本ではクロソ イ 、 本 州 で は 主 に 厶 ラ ソ イ ( 写 真 ) が 狙 え る 。 暗 い 底 近 くをテリトリーとしているので、 なるべく深くまで仕掛けを落 とし込める穴が有望だ。
根掛かりへの対策と仕掛けの工夫
穴釣りでは、根掛かりを避けるための工夫が重要です。オモリは中通し丸玉オモリやゴム付きナツメオモリが適しており、丸型やナツメ型の形状は隙間にスムーズに落とし込みやすく、根掛かりが少なくなります。波の静かなポイントでは5〜10号、波の荒いポイントでは10〜30号のオモリが目安です。軽すぎるオモリは波の影響を受けやすく、根掛かりを引き起こす可能性が高まります。
オモリには直接ラインを通しても良いですが、専用のワイヤーリーダーを使用すると、根掛かり時にラインが擦れても切れにくく、オモリの回収率が上がります。また、潮の流れや波の大きさに応じてオモリを簡単に交換できるメリットもあります。
オモリとハリが一体となったブラクリは根掛かりしにくいわけではなく、失うリスクが高いため、お勧めしません。ハリスはフロロカーボンの3〜5号が標準で、根ズレが多い場所では太めのハリスを使用します。ハリスの長さは、根掛かりが多い時や魚の活性が高い時は短めの5〜10cm、食い渋り時は長めの10〜15cmに設定します。
ハリはアイナメバリや丸セイゴの8〜14号が標準です。強引に魚を抜き上げることが多いため、軸の太い、ハリが伸びないものを選びましょう。ネムリバリ(ハリ先が内側に曲がったもの)も根掛かりを軽減できるのでお勧めです。ハリのサイズは、大きなハリから始め、アタリがあるのに掛からない場合は徐々にサイズを小さくしていくのがセオリーです。
穴釣りで使用するエサにはイワイソメやアオイソメなどの虫エサ、サンマやサバの切り身、冷凍キビナゴなどが一般的ですが、意外に効果的なのはオキアミです。オキアミはエサ持ちが悪いとされますが、食いが良く、アタリがあったら即アワセが可能です。即アワセできるエサは、根に持ち込まれるリスクを減らすことができるため、穴釣りにおいて有効な選択肢となります。
【穴釣りの基本的な仕掛け】
穴釣りの仕掛けは至ってシンプル。ハリとオモリが あれば事足りるが、根掛かりすることを前提に考え て、根ズレに強いフロロカーボン製ミチ仆や、ワイ ヤリーダーを使用するといい。
【穴釣りの装備品】
- 【ライフベスト】
足場のよい堤防から釣るとはいえ、ライフベストは 必ず着用したい。フォーム材が入ったタイプで、小 物が収納できるポケットが付いたものがお勧めだ。
- 【シューズ】
波で濡れたり、ノリなどが着いていたりする場所は 滑りやすい。スパイク底やフェルトスパイク底など、 滑りにくいソールが付いたシューズを履こう。
- 【エサ箱】
穴を探り歩く釣りとなるので、使用するエサは小分 け に し て 、 首 掛 け 式 や ベ ル ト 装 着 式 の エ サ 箱 に 入 れておくといい。残りはクーラーボックスに収納。
穴釣りのテクニックとポイント選び
穴釣りでは、堤防と消波ブロックの間にできる隙間を狙います。消波ブロック上は滑りやすく足場も悪いため、安全を考慮して絶対に乗らないようにしましょう。
まずは、ハリスとハリを付けずにオモリだけの仕掛けで穴を探り、深くまで落とせるかを確認します。穴の入口が小さいほど奥が暗く魚が隠れやすいですが、あまりに小さすぎると大きな魚を取り込むことができません。全長30cm前後の魚をスムーズに抜き上げられるくらいの穴が理想的です。
潮通しの良さも重要な要素です。堤防先端近くや曲がり角付近、潮が通るケーソンの継ぎ目のそばなどが狙い目です。ただし、ケーソンの継ぎ目の直前では根掛かりしやすいので、1〜2m離れた穴を選ぶのがコツです。消波ブロックの沖側も観察し、潮が払い出している場所の近辺の穴も有望です。
釣り方は比較的シンプルです。竿先からラインを10〜20cm出し、オモリをぶら下げる感じで狙う穴の真上に竿先を差し込みます。オモリのフラつきが収まったら仕掛けを落とします。両軸リールのブレーキはスムーズに落ちる程度に調整し、バックラッシュを防ぎます。
オモリが底に着いたら、周囲を少し探ってみて、オモリがさらに下へと落ちるポイントを探します。ただし、深く探れば探るほど根掛かりのリスクも高まります。
仕掛けが底に着いたら、ハリス分のラインを巻き上げて竿先にテンションがかかる状態でアタリを待ちます。ラインがたるんでいるとアタリを感じにくく、ラインブレイクの原因にもなります。
外洋に面した消波ブロック帯では、水深が10〜20mもあるため、根魚は浅いタナにも着いています。リールのスプールを親指で軽く押さえて仕掛けをゆっくり落としたり、逆にゆっくり巻き上げたりすると、途中でアタリが出ることもあります。
アタリがない場合は、長時間同じ場所で粘らずに次のポイントを探るのが良いでしょう。穴はたくさんあるので、探り歩けば必ず好ポイントが見つかります。
【仕掛けのバリエーション】
【専用リーダーを使った仕掛け】
オ モ リ は 引 つ 掛 か り や す ぐ 根 掛 か り を 外 す 際 に 才 モ リ 付 近 の 仆 が 障 害 物 に 擦 れ る 。 専 用 の ワ イ ヤ リーダーを使用すると、オモリを失うことを防け’る。 ワイヤリーダーは2本で400円以下だ。
【クッションオモリを使った仕掛け】
後 述 す る オ キ ア ミ で 魚 を 寄 せ て 釣 る 釣 り方では、 掛かりの少ない穴を狙うため、仕掛けはミチイトを ゴムクッション付きナツメオモリに通すだけで〇K。 ヨリモドシを介してハリスとハリを結ぶ。
【ハリス付きハリが便利】
ハ リ ス や ハ リ の 消 耗 が 激 し い 釣 り な の で 、 市 販 の ハリス付きハリが便利。ハリスは3〜5号、ハリはア イナメバリか丸セイゴの8 〜1 4 号を選ぼう。2 0 本 程度用意しておくことをお勧めする。
【エサの種類とハリ付けの基本】
【虫エサ】
イワイソメ(アカイソメ)はア イナメの特効エサ。アオイソ メはメバルの食いがよぐほか の 魚 も 口 に す る 万 能 エ サ 。 基 本 的 な ハ リ 付 け は 通 し剌しだが、アオイソメなどは 2〜3匹を房挂卜けし、エサを 大きく見せて魚にアピールすることもある。
【オキアミ】
食 い 込 み が 抜 群 に よ く 、 即 アワセできるため根に潜られ る率も低くなる。付け方は、 尾 羽 根 を 取 っ て ハ リ 先 を 入 れ頭へと抜く。オキアミは集 魚 力 が 強 ぐ 4 〜 5 匹 を わ ざ と外れやすく付けて、コマセ の 代 わ り に し て 魚 を 寄 せ て 釣る方法もある。
【身エサ】
釣 具 店 で 売 ら れ て い る が 、 自宅で塩で締めて作ること も可能。サンマやサバの切 り身を、幅1〜1.5cm、長さ5 cm前後の短冊状に切り、厚 みのあるほうからハリ先を入 れ て 縫 い 刺 し に す る の が 基 本だ。なるべく皮目がキラキ ラしたものを選ぼう
【冷凍キビナゴ】
カサゴやソイ、メノくルなどに 効 果 を 発 揮 す る の が キ ビ ナ ゴの身エサだ。ハリは頭から 入 れ て 胴 体 へ 抜 く よ う に す る。コツコツとアタリがあって もしばらく食い込むのを待っ て、竿先がギュッと絞り込ま れたら大きくアワせる。
【エサを現地で調達する場合】
エサ取りが多く、虫エサやオキアミではもたない場 合は、堤防のきわにいる磯ガニなどを採取して使う のも手。エサ取りに強く、アイナメなどが好むエサ だ。ほかに、堤防に着いた貝の身もエサになります。
【釣れる穴を見極める】
【探る釣りと寄せる釣り】
穴釣りのオーソドックスな釣り方が探り釣りだ〇堤防を歩いて、有望な穴をどんどん探っていこう〇ほかに、仕掛 けが深く入り、かつ根掛かりの少ない穴に、ハリ付けしたオキアミを少量ずつ撒き、根魚を集めて釣る方法もあ る。オモリが途中で止まったら、そこで寄せるのも手。いずれの場合も、できるだけ深い穴を探すのが大切だ。
一つの穴に魚を寄せて釣る方法
堤防を歩いて有望な穴を探す方法以外にも、一つの穴に魚を寄せて釣る方法があります。この方法ではタックルや仕掛けは変わりませんが、エサはオキアミに限定されます。
まず、オキアミ1匹を尾羽根を取り除いてから、ハリに沿ってしっかりと付けます。続いて、少しハリ先を出し、尾を取らずにオキアミを3匹ほどチョン掛けにします。この3匹のオキアミはわざと外れやすく付けておき、オモリが底に着いたら仕掛けを軽く揺らしてオキアミを外すようにします。これが寄せエサとなり、底から魚を集めることができます。
釣りを始める際は、アタリの有無にかかわらず、約1分間隔で仕掛けを回収して再度投入します。これにより、底にオキアミを撒いて魚を寄せることができます。この方法では、食いが長続きし、一つの穴で10尾以上の根魚を釣ることも可能です。
根魚を強引に抜き上げるテクニック
穴釣りでのアタリの出方は様々です。竿先に前アタリが出た後に一気に持ち込まれることもあれば、オキアミエサでは小さくコツンとアタって終わることもあります。いずれの場合も、竿先に変化があったら即アワセが基本です。ただし、大アワセは避けましょう。魚が掛からなかった時にオモリが跳ね上がり、根掛かりの原因になるからです。手首を小さく返す感じでアワセつつ、リールを巻き上げて魚に主導権を与えずに一気に引き上げます。
魚が掛かったら、竿を水平近くまで起こしながら素早く一気に巻き上げます。特に大きな魚の場合は、ためらわずに一気に巻き上げないと根に入られてしまい、釣り人の負けとなります。
魚を海面まで浮かせた後も油断は禁物です。周りは障害物だらけなので、すぐに抜き上げることが大切です。大物が掛かった場合は、海面で空気を吸わせて弱らせながら、自分で取り入れるか、周囲の釣り人に頼むと良いでしょう。
良型がヒットしたポイントは、根魚にとって居心地の良い穴だと言えます。根魚は回遊せず特定の場所に居着く習性があるので、釣れた穴の場所は覚えておき、次の釣行でも必ずチェックしましょう。また、一度バラした場合、時間を置いてから狙うと、再度食ってくることもあります。
参考文献:日本の魚釣り、防波堤釣り入門、魚釣り検索
穴釣りの魅力とテクニックのまとめ
穴釣りは、消波ブロックの隙間を狙う釣り方で、根魚の隠れ家を探す探検のような楽しさと、仕掛けを巧みに操作するスリルが味わえます。初心者にもおすすめで、必要な道具も手頃な価格で揃えられます。
重要なポイント
- 対象魚はカサゴ、ソイ、アイナメ、メバルなどの根魚で、特に冬は水温が下がり動きが鈍くなるため狙いやすくなります。
- タックルは1.2〜2メートルの短い竿が適しており、テトラ竿がおすすめです。
- リールは小型の両軸リールや片軸リールが適しています。スピニングリールは根掛かりの原因になりやすいので注意が必要です。
- ラインはナイロン3〜6号やフロロカーボン2〜5号が標準です。フロロカーボンラインがおすすめです。
- 穴釣りのポイントは、堤防の先端や曲り角の近く、消波ブロックから潮が流れ出している部分など潮の流れが良い場所です。
- 根掛かりを避けるためには、中通し丸玉オモリやゴム付きナツメオモリを使用し、専用のワイヤーリーダーを使用すると良いです。
- エサはイワイソメやアオイソメなどの虫エサ、サンマやサバの切り身、冷凍キビナゴなどが一般的ですが、オキアミも効果的です。
- 一つの穴に魚を寄せて釣る方法もあります。この方法ではオキアミを使用し、約1分間隔で仕掛けを回収して再度投入します。
- アタリがあったら即アワセが基本ですが、大アワセは避け、手首を小さく返す感じでアワセると良いです。
- 魚が掛かったら、竿を水平近くまで起こしながら素早く一気に巻き上げます。魚を海面まで浮かせた後も油断は禁物です。
穴釣りは根魚を狙う楽しい釣り方で、タックルや仕掛けの工夫、ポイントの選び方、魚の掛け方と抜き上げ方など、さまざまなテクニックがあります。これらのポイントを押さえれば、穴釣りの魅力を存分に楽しむことができるでしょう。