口太メジナも尾長メジナもシーズンによる水温変化で居場所を変えます。適水温であれば活性が上がり海面下までコマセにつられて上がってきますが、逆に水温が下がれば活性が下がり安定した深場に潜行します。同じ釣り場で同じ季節であっても、潮の流れなどにより水温が変化しますからしっかり把握する必要があります。
棲息地、分布、特徴についてはこちらをご覧ください。
メジナ・グレは適水温で行動パターンが変わる
季節ごとのメジナの行動と狙い場について
【春 3~5月】
この時期、メバルはあまり動き回らず、深みにいるので、付けエサを深いタナまで送り込まなければいけません。仕掛けはウキ下を自在に変えられる遊動ウキがメインとなります。
場所はシモリや岩礁でじっとしていることが多いのでアタリが少ない季節です。エサ取りが少ない時期ですので、アタリがあれば40~50cmの大物が釣れます。
シモリとは
水中に隠れている岩礁などの根のこと。 沈み根、隠れ根とも呼ばれます。
出典: www.google.com
【夏 6~8月】
サラシ狙いがメインになります。ウキ下を浅くして、コマセを撒けば、コマセにつられて中型が上がってきます。また、手返しを早くすると数釣りも期待ができます。
この時期には尾長メジナの魅力が加わり、外道としてイサキやマダイが狙えます。
尾長メジナは、回遊することが多く適水温が高いため、口太メジナより南方の釣り場で釣れることが多くなります。
水温が上がりメジナの活性が上がりますので、コマセを撒けば海面下でコマセに猛然とアタックする姿を見ることができます。コマセにつられて上がってくるメジナのサイズは30cmクラスが多いです。
サラシとは
風波のあるときに磯や防波堤に打ち寄せた波が砕け、白泡となって海面に広がっている状態。
出典: www.honda.co.jp
【秋 9~11月】
本格的なメジナシーズンの前哨戦となる。このころになると魚影が増え、口太メジナも尾長メジナもパワーアップし、もっとも引きが強くなる季節です。海面下で泳いでいるメジナは小型が多くなり、その小型に付けエサを先に食われるので、本命のメジナの良型を狙うのは難しくなります。
エサ取りで良型を狙うのが難しいですが、コマセワークや仕掛けのセレクト、状況判断で好し悪しで釣果が上がります。この時期の釣りは、テクニックを駆使すれば良型を手にすることができるシーズンといえるかもしれません。
【冬 12~翌2月】
エサ取りが減って、本格的なシーズン到来です。12月に入っても水温は高めでエサ取りはまだ多いですが、秋ほどではありません。メジナも活性が高くコマセを積極的に口にするので、エサ取りさえ釣り分けれれば、もっとも釣りやすいシーズンといえます。
1月に入ると、水温が少しずつ下がり、エサ取りも少なくなります。こうなるとメジナにエサが届く確率が高くなりますので、まさしくベストシーズンとなります。
ですが、冬になれば、北西の季節風が強くなる日も多くなりますので、天気予報や渡船店の指示に気を配り、北西の季節風が避けられる釣り場を選ぶようにすることが大事です。
2月に入ると、さらに水温が下がりますので、自分なりの状況判断で仕掛けを作り、潮を読み確実にメジナのタナへ付けエサを送り込めば強い手ごたえが帰ってきます。
付けエサ
付けエサにはオキアミが使われます。オキアミには「生オキアミ」「ボイルオキアミ」「アミエビ」の3種類あります。
使い分けを説明します。
「生オキアミ」
付けエサ、コマセともに生オキアミがメインです。サイズはS、M、L、LLとあり、よく使われるのがMサイズ。サイズはハリの号数で合わせるか、釣れるメジナの大きさに合わせるのが一般的です。
「ボイルオキアミ」
文字通り、生オキアミをボイルしたもの。生オキアミとの最大の違いは、身がしまってエサ持ちがいい点、エサ取りが多い時期にはよく使われます。サイズは生オキアミと同じ表示されています。
「アミエビ」
オキアミより集魚力が高いとされています。付けエサで使われることは少ないが、コマセにオキアミと混ぜて使うと効果的です。粘りがあるので配合エサの使用が禁止されている釣り場があります。
付けエサの基本的な刺し方(腹刺し)
針先を入れやすくするために尾羽根を切り取り、腹を内側にして持つ
針先を殻と身の間に刺す
針先を殻と身の間に沿わせながらハリ軸まで入れます。
ハリの形通りにオキアミをさせれば、最後にハリの耳を隠すように殻と身の間に埋め込めばいいです。
オキアミのサイズは、ハリ先が頭部に少し入る位のものを選びましょう。
地域や季節によりますが、エサ取りが多い時期に海藻やフナムシが使われることがあります。フナムシの使用方法は、軽く握り仮死状態にして撒くといわれ、海藻は伊豆半島で昔から使われたエサです。
どちらも現地調達できるという強みがあり、エサ取りが多い時に試しては如何でしょうか・・・
基本的なコマセの作り方
コマセ作りの基本はあってないようなものです。釣り場の状況を見て自分の経験に基づいて作るしかないように思えます。
コマセを作る時には、コマセを早く沈下させて拡散させたいならつぶし、遠投したいならつぶして配合エサを入れまとめる。ゆっくり沈下させたいなら、つぶさないなど、さまざまな要因が絡んできます。
ビギナーにとってコマセ作りは悩むところが多いです。最初は難しく考えないで、扱いやすくコントロールが効くコマセ作りの作り方があります。
- 釣り時間:朝一番から昼過ぎ
- 生オキアミ6kg( 3kg板2枚)
- 生オキアミのノーマルタイプの配合エサ1袋
これを混ぜ合わせ、オキアミは細かくつぶさずに軽く刻む程度にします。
これである程度拡散性があって、配合エサを入れているためコントロールが効きます。付けエサをうまくカモフラージュしてながせるコマセ作りが基本です。
後は自分なりで工夫して作り替えてください。
ポイントと別の攻略
【サラシ】
サラシは水温が上がる初夏から晩秋には、目が離せないポイントになります。サラシの白泡でメジナは姿が隠せて警戒心が薄れるし、エサ取りの小魚たちが入りにくく比較的少ない。
サラシを攻める場合は、仕掛けにオモリを打つことが基本です。流れが複雑できついため、オモリを打って安定させることを心がけなければいけません。
打ち方はウキからハリの間に等間隔で打ちます。
- 表層から中層をねらうならオモリは2つ
- 中層から下層を狙うなら、さらに重くして3つ打つと効果的
仕掛けは必ず付けエサを先行させるために、ミチイトを張って流し込みます。
コマセは足元にサラシの引き波とともに撒くと底近くまで入り、サラシ全体に散らばります。
サラシが消えかかるところと足元の中間に撒けば少量は底近くに沈み込みますが、大半は白泡に乗って沖へ流れていきます。
先に撒くほどコマセは水面近くを流れます。その流れ方を頭に入れてメジナを浮かせることです。エサ取りが多い時は、付けエサが残る確率が高い磯ぎわ周辺の強い白泡を徹底的に狙う方が有利です。
【磯ぎわ】
ビギナーが見落としがちなポイントが釣り座の磯ぎわ。磯ぎわは絶好のメジナの棲み家であり、警戒心が薄れるポイントです。
足元が深くえぐれているようにオーバーハング状になっていれば良型が潜んでいる可能性が高いです。高水温期はエサ取り問題になりますが、厳寒期には大型が狙えるポイントでもあります。
付けエサはコマセと同じように落ちてくるように演出するのがセオリーです。タナ取り、アタリがなければ仕掛けを50~80cm持ち上げるか、あるいは下げて沈下させるという演出も、メジナに付けエサをアピールできるので、効果的です。ただし、磯ぎわを這わせるように釣らなければならないので、強烈な締め込みで岩肌にラインが当たってラインブレイクになる確率が高くなります。
突然の強烈なアタリに即座に対応できるように、サオの角度はつねに立てておく方がいいです。サオがのされると弾力が効かなくなりバラシの原因になります。
【潮目】
潮目は季節に関係なく狙えるポイントです。潮目では潮と潮が合流しプランクトンやコマセが停滞するので、それを狙って魚も集まるという絶好の狙い場。潮目にはさまざまなパターンがあり、典型的なものは、本流などの強い流れに引かれて発生する「引き潮」がその強い流れに合流して潮目と、大きなサラシが流れて本流とぶつかることで発生するのが潮目です。
潮目を狙うメリットは、サラシ狙いなどに比べてエサ取りを交わりやすいことです。簡単にいえば、コマセを潮目に到着しにくい所に撒いてエサ取りをクギ付けにし、少量のコマセを潮目に届くところに打ち込み、そこに付けエサを流し込めるからです。このようにエサ取りを分離しやすいのが潮目狙いです。
潮目の周辺ではウキの引き込む「潜り潮」が発生しているので、軽い仕掛けを使用する方が有利。重い仕掛けでは、潜り潮に入ると仕掛けの沈下が早くなり、コマセと離れていくので注意が必要。
潜り潮について書かれています。参考にして下さい。
【シモリ(根)】
シモリも磯ぎわと同じくメジナの隠れ家になっています。さらにエサとなるか海藻や貝類などに付着しているので、季節に関係なくメジナが居ついているポイントです。ただし、ここも磯ぎわ狙いと同じくラインブレイクが多くなるポイントで、取り込むにはテクニックがいります。
シモリを狙う基本条件は、コマセを効かせるためにシモリに向かって潮が流れていることです。仕掛けは、シモリの上層を狙うなら、オモリなしか、小さなオモリを打った軽い仕掛けで流し込み、中層から底を狙うには、オモリを打って仕掛けに重さを持たせてきっちり沈めることです。
仕掛けの流し方
キャストの基本動作には、2つあります。オーバースローとサイドスローです。
オーバースローは、沖のシモリや潮目を狙うとき、または、迎え風の時などに多用されます。サイドスローは、サラシや磯ぎわなど中距離のポイントを狙うときにするキャストでフカセ釣りではもっとも多用されます。
大事なことは、キャストしてから仕掛けが海面に着水してからです。イラストのようにすれば、仕掛けが絡むことはないです。参考にして下さい。
コマセの撒き方
コマセの撒き方にもオーバースローとサイドスローがあります。
オーバースローは遠投する時に多用され、中距離ポイントのサラシの切れ目の先端やシモリを狙うときに有効。さらに磯ぎわに叩きつけるように打って、エサ取りを誘き寄せる時にも使います。
サイドスローは、オーソドックスな撒き方で、足元の磯ぎわからサラシの切れ目くらいの中距離を攻めるのに向いています。
どちらの撒き方にしても、コマセ作りに注意をはらわないといけません。遠投用であれば、バラケないように配合剤を混ぜて固めやすいコマセを作り、反対にバラケさせたいのであれば、配合剤の量と水気を少なめにして粘りを持たせないようにしなければいけません。
コマセの付けエサを同調させる
ウキ留めを動かしてタナを探る
メジナの泳ぐタナを探るためには、こんな遊動ウキがマッチしています。ウキの留めのイトを上下させると、ウキ下が自在に調節できタナが探れます。ウキ留めをサオ先の方向に上げれば深いタナが探れるし、反対にハリス側に近づければ、浅タナを探れます。
下記も参考にしてみて下さい
引用・参考元:日本の魚釣り、さかな・釣り検索、さかな大図鑑
まとめ
どの魚も季節により行動、釣りの狙い場所が違います。このパート2では季節により、水温の変化で深く潜行したり、海面下に上がってきたりした魚をどのように釣るかに焦点を当て説明しました。
付けエサの解説ですが、ここでは基本の付け方4枚の写真で説明しています。最後になりましたが、実践編でポイントなどを書いていますので参考にしてみて下さい。