初めてメジナやグレ釣りをされる人が最初に疑問に思う道具立てについて、どのようなものを準備し、どのような仕掛けを作り、どのように釣るのかを解説します。
ベーシックなタックルと仕掛け
生態
メジナはスズキ目スズキ亜目メジナ科メジナ属で標準和名がメジナ、別名:グレ、クロ、クロイオ、クシロといわれます。
【分布はメジナとクロメジナで違い】
- メジナ:新潟県~九州南岸までの日本海・東シナ海、千葉外房から九州南岸までの太平洋沿岸、伊豆諸島、瀬戸内海に分布
- クロメジナ(尾長グレ):九州北岸から九州西岸までの日本海・東シナ海沿岸、千葉県外房~屋久島までの太平洋沿岸、伊豆諸島に分布、青森県~島根県までの日本海沿岸に散発的に分布
【釣り期、大きさ、産卵】
- 釣り期は年中釣れ、最盛期は、メジナ(晩秋~春)、クロメジナ(春~初夏)
- 大きさは平均30~40cm、メジナの最大は60cm、クロメジナは70cm以上
- 産卵はメジナは2~6月
特徴:神経質で警戒心が強い、メジナは夜は全く釣れないが、クロメジナは夜釣りで大型が狙える。
また、スピードですが、同じ大きさであってもクロメジナの方がスピード・馬力あります。
ウキフカセに使うタックルとは
サオ
大きく分けると2つのタイプがあります。
サオにセットされたガイドにラインが通るアウトガイドロッド(外ガイドのサオ)と、サオの中にラインが通るインナーロッド(中通しのサオ)があります。
アウトガイドロッドの特徴は、サオ先のラインが絡みが発生しやすい、反面、インナーロッドは、ガイドがないためにサオ先のラインの絡みが少なく、絡んでも比較的外しやすいという特徴があります。
【インナーロッドのデメリット】
- インナーロッドはサオの中を抜ける時の抵抗が大きい
- サオ先が比較的太いため微妙なアタリが取りにくい
- 潮流の緩い磯では、ラインの送り出しがスムーズにいかない(細かい操作ができない)
インナーロッドのデメリットを考えれば、アウトガイドロッドがいいように思えますが、一長一短ありますので釣り場の状況で使い分けて下さい。
リールシート
40cmクラスのメジナ対応であれば、スライド式のリールシートが使われ、60cmクラスであれば頑丈なスクリュー式が使われます。
スピニングリール
ウキフカセにはレバーブレーキ付きのスピニングリールが使われます。
一般的にウキフカセ釣りで使用するのは、ダイワだと2000番~3000番、シマノだと2000番~4000番辺りになりますので、この辺りから選ぶ事が多いです。 本流釣りでの回遊魚狙いや真鯛、尾長グレ狙を狙いたい場合はもっと大きい番手のリールを使用する事が多いです。2020/10/24
出典: www.google.com
使い方は、人差し指で1本で押さえたレバーの操作でブレーキ具合を自分で調整し、ローターの逆転をコントロールし、メジナの抵抗に合わせてミチイトを送り出したり、巻き取ったりします。
レバーブレーキの最大のメリットはこの2点
- 大物がヒットしてグイグイと引き込まれてラインの強度の限界がきたとき、ミチイトを出してブレイクをカバーしてくれる。特に細いラインで対応しなければならい状況の時は不可欠です。
- 相手のパワーが増してサオごと海面下に突っ込まれた場合、即座にミチイトを送り出してサオの角度を立て直し、自分が有利な体勢に持ち直す
必要なアイテム
【バッカン、付けエサ入れ】
コマセを入れるバッカンはフタ付きで、サイズは縦幅33~36cmが標準です。付けエサはバッカン縁に引っかけておくタイプが便利
【コマセシャク】
コマセを狙ったところに効率よく撒くために不可欠なアイテム。柄の長さやカップの大きさに違いがあり、柄が長いほど遠投ができます。
【ミキサー】
ミキサーは冷凍のオキアミを砕いたり、オキアミと配合剤を混ぜてコマセを作る時に必要。ヘッドの金具は抵抗の小さい形状ほど混ぜやすい
【水汲みバケツ】
汚れて手を洗うのはもちろん、コマセに海水をくわえて配合剤との練り具合を調整する役目もあります。長めのロープがあるものが便利
【玉網】
柄の長さは5mが標準で、足場が高ければ6m以上は欲しい・・・近場では網の枠は40cmが多いです。網は水切れのよいナイロン製のものがすくいやすい。
【ウキ取りパラソル】
ラインが切れてウキが流されてしまったとき、ミチイトにこれを結び付けてキャストし傘の部分にウキを入れて回収できるという優れものです。
【偏光グラス】
的確にウキの動きを見るのはもちろん、コマセの方向や浮いてきたグレの姿を追いかけるための必需品。度付きをオーダーすることも可能
【ライフジャケット】
自分の命を守るためのマストアイテム。ウキなどの小物をポケットに入れておくと素早く仕掛けが作れます。着用時は、股ヒモは必ず締めましょう。
【スパイクシューズ】
波が洗う磯では海藻などが付着して滑りやすいので、靴底にピンがついたスパイクシューズやフェルト張りになったブーツやシューズを履きましょう。
基本的なウキ仕掛け
ウキ仕掛けには大別すると「固定ウキ仕掛け」、「遊動ウキ仕掛け」「全遊動ウキ仕掛け」の3種類あります。
基本中の基本といわれているのが、下の写真とイラスト➡遊動ウキ仕掛けです。
【遊動ウキのメリット】
ウキ止めの上に結んだウキ留めをロッド側にずらせれば付けエサを深く潜行させられるし、ハリ側に近づければ浅い所が狙えます。このようにウキ留めを上下させてウキ下(ウキからハリまでの長さ)を自在に変えて、メジナのタナを探ります。
【ウキは4タイプに】
ウキの主流は、ウキ内部にラインを通す中通しウキでドングリ型や円錐型が多いです。感度のいいのはボディが細い棒ウキですが、磯などでは風や波などの影響がありますので、本体に自重があり操作性を重視した中通しウキが多用されます。
中通しのウキの表示はオモリの負荷であらわされています。例えば、G2とあればジンタンオモリの2号がそのウキのオモリの負荷、3Bと表示されていれば、ガン玉のオモリの3Bがオモリの負荷です。
中通しのウキを購入されるときは同じ種類でG2、B、2B、3Bの4つを揃えておけば釣り場で困ることはないでしょう。
※種類が変われば、同じ2Bであっても微妙に違ってくるからです。
【ウキの補足説明】
例えば、ノーマルな中通しウキ、2B、3Bという表示があれば、そのまま2B、3Bがオモリの負荷になります。オモリ表示が0であればオモリなしで浮力のバランスがとれ、マイナスG2(ーG2)ならジンタンオモリのG2を装着すれば沈みます。
【魚のサイズとハリス、ミチイトの関係】
ターゲットの種類やサイズの仕掛けのバランスが良ければラインの強度が生かされ大物もゲット出来ます。
仕掛けに必要な小物類
【ミチイト】
ナイロン素材をメインに使います。比重によって海面を漂うフロートタイプやサスペンドタイプ、視認性に優れた蛍光体タイプがあり、150m巻きが標準
【ハリス】
ナイロンより比重の大きいフロロカーボンが主流
【ウキ留め】
遊動ウキ仕掛けには不可欠。ミチイトの2号を代用してもいいが、専用のものが締まりがよく視認性が高い。
【シモリウキ】
ウキ留めとウキの間に通して、ウキがウキ留めの位置までくれば止まるようにするためのもの。丸型が多いが、密着性のいい半月型もあります。
【クッションゴム】
仕掛けを巻き上げたときに、遊動にしたウキが急に下がってきてオモリに当たる抵抗を和らげたり、ヨウジと併用してウキを固定したりするために使います。
【ガン玉】
小さい方からジンタン7~1号、ガン玉B~5B、中通しオモリ0.5号をよく使います。
【サルカン】
サイズは8号が目安、大物狙いでは頑丈なものを使いたい
【ハリ】
グレバリ、伊勢尼などが使われます。
ベーシックな仕掛けのパターン
遊動ウキ仕掛け
ウキ留めの位置を上下させることで、自在にメジナのタナが探れる仕掛けで、メジナのウキフカセ釣りの基本中の基本といわれます。メジナのタナを探り当てれば、同じタナへと付けエサを送り込めるので、ヒット率が上がるの強身です。
固定ウキ仕掛け
ウキをヨウジなどでミチイトに固定して狙う仕掛け。ウキが固定になっているので、アタリがダイレクトに伝わり鮮明に出ます。浅いタナに浮いてきたメジナを狙うには勝負が速いです。欠点としては、ウキが遊動しないので、固定できる深さはサオの長さまでです。それ以上はタナは狙えません。
全遊動ウキ仕掛け
基本は遊動ウキ仕掛けで、タナを深くしてもメジナの反応がないときにウキ留めを外して深く探る仕掛けとされていました。しかし、いまはメジナが浮いてこないときが多いので、積極的にこの仕掛けを多用する人が多いです。また、ウキが水面下に沈むように浮力調整した仕掛けで、幅広いタナを狙う方法もあります。
下記も参考にしてみて下さい
引用・参考元:さかな大図鑑(釣りサンデー)、さかな・釣り検索(釣り人社)、日本の魚釣
まとめ
メジナ・グレのフカセ釣り パート1をご紹介しましたが、ここでは釣り方の方法について詳しくは書いていません。
ここではビギナーの方が初めてメジナ・グレ釣りにいかれても困らないように必要なタックル、小物などについて説明しています。釣り仕掛けは遊動ウキ仕掛けが基本になりますので、何度も練習して自分のものにして大物を狙ってください。