病害虫に強く秋遅くまで収穫できる、ピーマン・トウガラシの栽培

alt属性 家庭菜園

ピーマンはトウガラシの甘味種で、ビタミンCやカロテンがたいへん豊富。カラー品種も加わって、人気倍増中の野菜です。収穫は、花が咲いてから15~20日の若い緑色の実を収穫します。

出典:写真AC

栽培特性

  • ナスよりもさらに高温性(適夜温度18~20℃)で、育苗時から定植後にかけて低温にあうと育ちが悪くなるので、十分に暖かくなってから植えるようにしましょう。
  • 夏の暑さには強く、秋の徐々に寒くなる気候にも順応し、降霜期まで生育を続けます。
  • 枝が細くて風には弱く、特に果実がたくさんつくと枝折れしやすいので、支柱立ては入念にする必要があります。
  • 果実が一斉についたときは、思いきって若取りをして、草勢を回復させます。
出典元:タキイ種苗株式会社

品種

一般的に多く用いる緑色種としては、エース(タキイ)、京みどり(タキイ)、にしき(日本園研)などがあります。小果の青トウガラシには、シシトウ、長形種には伏見甘長(タキイ)、翠臣(サカタ)などがあります。近年、パプリカとして、カラーピーマンの品種もソニア・レッド(サカタ)、ソニア・ゴールド(サカタ)、セニョリータ(サカタ)など、赤、黄、紫、黒など、緑の他7種のものが市販されるようになりました。

栽培方法

ピーマン・トウガラシは病害虫に比較的強く、育てやすい果菜類です。苗を購入して植え付けるのが一般的ですが、連作障害を起こしますので、同じナス科の野菜を作った場所では3~4年あけなければいけません。連作障害の影響を受けにくい接ぎ木苗がありますが、まだ特定の品種のものしか市販されていません。また、高温性なので、気温が十分高くなってから植え付けることが大切です。

種から苗つくりをする場合

  • 育苗箱にタネをすじまきにします。
  • トンネル内に農業用電熱線をしてトンネルの内側にわらを束ねて、保温を良くします。農業用電熱線の設置につきましては、日々是農業(事前準備編)日々是農業(作業手順編)で確認してください。
  • 発芽には28~30℃、生育には地温22~25℃、気温15~30℃
  • 本葉が1枚のころは4号のポリ鉢に移植します。
  • トンネル内の温度が35℃以上にならないように換気をします。

購入苗の場合

小さい時の生育は極めて遅いので、小鉢(9cmポット)の購入苗は大きめの鉢(12~15cmポット)に植え替え、花が咲き始めるくらいまで育成します。

出典元:タキイ種苗株式会社

畑の準備

肥料の準備(溝1㎡当たり)

化成肥料➡大さじ5杯、油カス➡大さじ7杯、堆肥➡3~4握り(または元肥(溝1㎡当たり)堆肥➡バケツ1杯、鶏糞➡13握り)

事前に苦土石灰を1㎡当たり2握り撒いてよく耕します。苗を植える10日前に溝を掘り先程の肥料を入れ土をかぶせて平らにします。

※ポイントとして、元肥は溝を深く掘って施し、根群を深くしっかり張らせるようにします。チッ素成分の効き過ぎは落下の原因となり、実どまりを悪くするので、元肥と追肥は適正な量と方法で与えます。

植え付け

定植時期は本葉が植え付けの2~3日前から畝に十分に水をやり、ポリフィルムを畝の全面に覆って、土を温めます。次に、カミソリで十文字に切れ目を入れ苗を植え付けます。植え付けはだいたい50cm間隔くらいにします。

※ピーマンは低温に弱いので、早取りのためには、ポリフィルムをマルチし、地温の上昇をはかります。あるいは、藁があれば株元に敷いて使ってください。

支柱立て・整枝

出典元:家庭菜園大百科

誘引➡茎が太れるようにゆとりをもたせて8の字にしばります。

出典元:やまむファーム

その後も、茎がV字型に2つに分かれ、その茎がまた2つに分かれて、どんどん茎をふやしていきます。果実はその分岐点に付きます。

放っておくと過繁茂になり、風通しが悪く病害虫の被害を受けやすくなります。また、実がつきすぎて樹が弱ってきます。

そのため、葉が茂りすぎると枝を間引いたり、収穫の時に内側に向かって伸びる茎を摘芯して花の数を減らしてやります。

出典: ymmfarm.com

追肥

  • 1回目、花が盛んに咲き始めた頃、油カスを2~3つまみ、マルチの穴に施します。
  • 2回目、収穫初めの時期に施します。
  • 3回目、2回目から半月おきくらいをめやすに施します。(ポリマルチをめくりあげて肥料を施し、鍬で通路の土をやわらげて畝に寄せ上げます。)

病害虫防除

  • 夏の乾燥を防ぐために敷きわらをし、梅雨明けから潅水をします。
  • 水かけは、葉の裏と先端部によくかかるようにかけます。

※ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、アブラムシの被害を受けやすいので、早期に発見して薬剤を散布します。

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出典: www.google.com

ハスモンヨトウに効く殺虫剤

幼虫の発生が多くなるようなら薬剤による防除を行う。 幼虫の薬剤に対する感受性は、幼虫の発育が進むにつれて低下するので、防除効果を上げるためには若齢期の防除につとめる。 アタブロン、アニキ、アファーム、グレーシア、トレボン、フェニックス、プレオ、BT剤(サブリナ、ゼンターリ、フローバック等)。

出典: www.google.com

アブラムシに効く殺虫剤

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出典: www.google.com

収穫

たくさんなりすぎて草勢が疲れたときは、若取りをして元気を回復させます。甘トウガラシの収穫は5~6cmの小果の内に収穫するのが良品多収のコツです。

※ピーマンは枝が折れやすいので、収穫は必ずハサミを用いて行います。

栽培のポイント

【植え付けは十分暖かくなってから】

ピーマンやトウガラシはナスよりもさらに高温性の野菜で、28~30℃が適温です。植え付け後、苗が低温にあうと生育が悪くなるので、早植えをせずに、じゅうぶんに暖かくなってから植え付けることが大切です。関東地方なら、大型連休明けが目安となります。また、畝には地温上昇効果の高い透明マルチか、雑草対策を兼ねる場合は黒色マルチを張り、地温を高めて根の活動を高めましょう。

【小さな苗は再育苗する】

市販されている苗は、植え付け適期のかなり前から、しかも小さめのものが多くみられます。こうした苗を購入した場合は、ふた回り位大きいポットに根鉢を崩さないように植え替えて暖かい所で、再育苗します。そして気温が十分に高くなってから畑に植え付けます。

【支柱はしっかり立てて茎が折れるのを防ぐ】

仕立て方はナスと同様、主枝と1番花のすぐ下の2本のわき芽を伸ばし、ほかのわき芽はすべて摘み取る3本仕立てにするのが基本です。

ピーマンは茎が細く弱いので、実がたくさんついたり、強い風が吹いたりすると茎が折れることがあります。しっかりした支柱を立てて誘引します。茎が茂ってきたら内側を間引いて通り風と日当たりを良くしてやりましょう。

【オオタバコガに注意する】

ピーマンやトウガラシは病害虫には比較的強いのですが、タバコガやオオタバコガには注意が必要です。夏から秋にかけて幼虫が発生し、実の内部に入り込んで種を食い荒らします。へたの近くに小さな穴がぽつんとあいていたら、内部は食害されていると思ってよいでしょう。被害果は摘み取って処分し、必要に応じて薬剤散布をするなどして駆除しましょう。

タバコガやオオタバコガの被害については、こちらをご覧ください

そのほかの害虫に同じ科のナスとほぼ同じです。ハスモンヨトウの幼虫やアブラムシ、ダニ類などに注意しましょう。

【トウガラシをより辛くする方法】

家庭菜園で、トウガラシを辛くする方法があります。それは、ストレスをかけること。例えば水不足や栄養不足になると、辛み成分であるカブサイシンが増え、トウガラシは辛くなります。

辛くないはずのシシトウを食べると、時々辛いものに当たることがりますが、これも水不足や栄養不足、夜間の高温などのストレスが原因です。まずは適切な水管理、施肥を心掛けましょう。収穫が始まったら2週間に1回、化成肥料を1㎡当たり30g追肥します。梅雨明け後、乾燥が続く時には適宣水やりも行いましょう。

【若取りして株を疲れさせない】

ピーマンは開花から15~20日、実の長さが6~7cmになったら収穫適期です。ピーマンの茎は折れやすいので、必ずハサミを使ってへたのすぐ上で切って収穫するようにしましょう。若取りをして、樹勢を衰えさせないようにすることが大切です。苗のうちは寒さに弱いのですが、、成長してからは低温に対してはよく耐えるようになり、秋遅くまで収穫できます。

トウガラシは実が真っ赤に色づいたものから摘み取り収穫するか、全部が色づいたら株ごと抜き取り収穫します。軒下などに吊るして乾燥させてから保存しましょう。

参考元:家庭菜園大百科、野菜づくり虎の巻、おいしい野菜作り

まとめ

ピーマン・トウガラシの栽培について解説しました。ピーマン・トウガラシは害虫に強く、整枝・摘花・摘果することで秋口まで収穫することができます。栽培方法を参考にしていただいてたくさん収穫してください。

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