パソコンを長時間使用することにより私たちの身体に与える影響には、姿勢の問題、パソコンから出るブルーライトの影響などがあげられます。
姿勢の問題につきましては、「パソコン使用時の正しい姿勢」「ノートパソコンの作業姿勢」「キーボードの正しい位置」「画面を見るときの正しい姿勢」などがあげられます。ブルーライトの影響は、「脳の影響」「目の問題」などがあります。
ここに上げました「正しいパソコン操作時の姿勢」「脳の影響」「目の問題」の原因と対処方法をご紹介します。
正しいパソコン操作時の姿勢
長時間パソコンを使用していますと、「肩こり」で悩まされることがあります。「肩こり」の原因は、「姿勢」や「筋肉の緊張」、「血流の悪さ」によって引き起こされることがあります。
【ノートパソコン操作姿勢】
ノートパソコンは、ディスプレイとキーボードが一体化されており、キーボードが小さい場合もあるなど、姿勢が制限されやすく視距離が短くなりがちです。
- 多くのノートパソコンでは、外付けディスプレイやキーボード、マウス、テンキー入力機器などが利用できます。作業の効率化・作業負荷の軽減に役立ちますので、ノートパソコンで長時間作業を行う場合は、作業内容に応じて外付け機器の導入を検討しましょう。特に、マウスは疲労軽減だけではなく、作業効率の面からも導入をおすすめします。
- 作業する際には、周辺機器を置くスペースを十分に確保します。マウスを使用する場合はマウスを動かす場所を広めに確保します。
- 長時間同じ姿勢を続けないため、前後、左右にノートパソコンを動かせる程度の余裕を持たせます。
- キーボードが好みの角度になるように調節し(脚がない場合は本などを使うと良い)、キーボードの手前に手首を休ませるパームレスト、アームレストの空間を確保します。
- 姿勢を正し、ディスプレイと目の距離を40cm以上離すように心がけます。
- 画面を見やすい角度に調整します。体格や姿勢によって適切な角度は異なります。また、一日のうちに見やすい角度が変化することもありますので、長時間の作業では、何度か見直すのがよいでしょう。
※どちらでもいえることですが、ポイントは、椅子や机などの高さを調整し、パソコンの置き方を工夫することです。
【デスクトップパソコン操作姿勢】
デスクトップパソコンでの利点は
ディスプレイやキーボードを置く位置や角度の自由度が高く、調節がしやすいことです。
「ディスプレイと姿勢」
- ディスプレイの上端が目の位置より下になるように高さを調節し、ディスプレイと目の距離を40cm以上確保します。
- ディスプレイ、キーボード、書類と目までの距離(視距離)が同じ程度で、適切な視野範囲に収まるようにします。
- 表示する文字は、あまり小さくならないよう、文字の高さがほぼ3mm以上を目安にします。 (見え方には個人差があるので、無理なく見える大きさで表示する)
【キーボードと姿勢】
- 手首は、前腕(肘から手首までの部分)に対して真っ直ぐ伸ばし、キーボードは身体の正面に置き、身体がねじれないようにします。
- キーボードを打つ際は、手のひらを、机やパームレスト(注)に強く押しつけないようにして、パームレストが手首を圧迫しないようにします。
- 書類を見ながらキーボード操作をする時は、書見台を使いましょう。キーボードのキーは、力を入れて叩くのでなく、押す感じで入力します。
- 「ctrl」、「shift」キーと他のキーを片手で同時に押すような時、指を無理に広げると負担になる場合があるので、手が小さい人は両手の指を使うような習慣をつけると良いでしょう。
(注)パームレスト:手首を水平に保つために、手のひらや手首を載せるパッドやクッションのこと
【机や椅子の選び方】
机や椅子は身体に合ったもの、また、身体に合わせて調節できるものを選びましょう。
- 机は、書類・キーボード・マウス・書見台・その他、パソコンを使って作業をする時に必要なものが適切に配置できる広さを持ち、床からの高さが概ね65~70cmが良いでしょう。
- 高さを調整できる机を選ぶ場合は、60~72cmの範囲で調節できるものが良いでしょう。
- 椅子は、座面の高さを自分の体格に合わせて調節でき(通常、床から37~43cmの範囲)、背もたれ付きのものが良いでしょう。
- 机に腕を乗せることができない場合は、適当な長さの肘掛けを持つ椅子を使います。
【机や椅子の調節方法】
- 机の高さが調節できる場合は、椅子を身体に合わせて調節し、次に机を適切な高さに調節します。調節できない場合は、机が適切な高さになるように椅子を調節し、必要に応じて足台などで椅子の高さが身体に合うように調節します。
- 机の高さの目安は、作業する姿勢で上腕を垂直にし、肘を90度程度に曲げた時、キーボードに自然に手指が届くくらいが望ましいです。
- 椅子に深く腰をかけて、足の裏側全体が床または足台に接するようにします。また、椅子と大腿部との間に、手指が押し入る程度のゆとりを持たせます。
【パソコンを使う時の周囲の明るさ】
- 垂直面の照度は、500ルクス以下(新聞の文字が楽に読める程度)で、明るくなりすぎないようにします。
- キーボードの照度は、300ルクス以上(新聞の文字が楽に読める程度)で、暗くなりすぎないようにします。
- 視野に入る明暗の差を小さくし、特に光っているものが視野に入らないようにします。
【まぶしさやディスプレイへの映り込み】
直接目に入る光やディスプレイへの映り込みを減少させるためには、パソコンを使う場所を工夫することが重要
- 天井照明、窓、光が反射しやすい家具などがディスプレイに映り込まないよう、置く場所を工夫しましょう。
- 窓にはカーテンやブラインドをつけ、外光が直接目に入ったり、ディスプレイに映り込むのを防ぎましょう。
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ブルーライトとは
ブルーライトは、ヒトの目で見ることのできる可視光線(380~780nm)の中でも、波長の短い青色光(380~460nm)のことをいいます。ヒトの目で見ることのできる光=可視光線の中でも、もっとも波長が短く、強いエネルギーを持っており、角膜や水晶体で吸収されずに網膜まで到達します。パソコンやスマートフォンなどのLEDディスプレイやLED照明には、このブルーライトが多く含まれています。
脳への影響
LED照明やスマホなどが発するブルーライトには覚醒作用(眠くならない作用)があるため、就寝前にブルーライトが目に入らないようにすることで、睡眠ホルモンといわれるメラトニンの分泌が増加し、眠気が増すことが明らかになっています1)。逆に、ブルーライトを夜遅くまで浴びると、睡眠障害になる可能性が指摘されています
出典: acuvuevision.jp
目の問題
【ブルーライトが目に与える影響】
- 動物や細胞を使った実験では、網膜が過剰なブルーライトにさらされると、細胞内で酸化ストレスが生じ、傷害をうけることが報告されています
- ヒトの眼球においても同様の傷害が発生するかどうかは、まだわかっていません。
- PCやスマホなどのデジタルディスプレイから発せられるブルーライトの量は、晴天または曇りの日に私たちが窓越しに浴びる太陽光と同程度であり、網膜に傷害を生じるレベルではないことが示されています。
- 日常生活で使用するデジタル機器から発せられるブルーライトが網膜を傷害する可能性は低いものの、現段階では実際にどれだけ影響があるか分かっていません。また、太陽光を浴びることによる近視抑制効果やブルーライトカット眼鏡装用による影響についてもさらなる研究が待たれます。
- ブルーライトの影響について、現時点では神経質になる必要はないものの、日常生活において過剰に浴びないように心がけることが大切
【ブルーライトの影響を軽減させる方法】
- ブルーライトを発するデジタルディスプレイの明るさを調節することは、まぶしさやちらつきによる目の疲労を軽減するための対策として有効
- ブルーライトには覚醒作用があるため、就寝前のPCやスマホの使用を控えることは睡眠の質を向上させるうえでとても重要
- ブルーライトは、発生源(ディスプレイ画面)から離れるほど浴びる量が少なくなることや、目の疲れを軽減するという点から、PCの場合は40~50cm、スマホは30cm以上離して見るようにしましょう。
ブルーライトをカットする視力矯正眼鏡
最近行われたある研究では、ブルーライトカット眼鏡に眼精疲労を防ぐ効果は認められません。
- ブルーライトカットレンズには、着色タイプとクリアタイプがあり、ブルーライトカット率は着色タイプの方が高いです。
- 目の乾きが気になる、または既にドライアイを発症している方は、コンタクトレンズよりも眼鏡の方が良いでしょう。
- 遠視、近視、乱視などの屈折異常や老眼などの調節異常がある場合には、ブルーライトカット眼鏡やコンタクトレンズを採用した上で、運転時などに遠くがハッキリ見える度数のものと、近くにあるPCやスマホ画面上の文字が見やすい度数のものを使い分けることで、無理なピント合わせからくる目の疲れや、ブルーライトによるまぶしさや目の疲れを軽減することができます。
補足説明
ブルーライト対策メガネには、「ブルーライト吸収タイプ」と「ブルーライト反射タイプ」という、2つのタイプがあります。ブルーライト吸収タイプは、レンズが薄い茶色になっている「ブラウンレンズ」ですが、ブルーライト反射タイプは限りなく透明に近い「クリアレンズ」となっており、見える色も自然に近くなるのが特徴です。
まとめ
パソコンの操作姿勢や周りの環境を改善することにより、肩こりの解消できます。また、デスクワーク疲れ解消ストレッチ法の動画をのせておりますので疲れた時にされてみて下さい。
【引用・参考元】:FUJITSU(パソコンの利用と健康)、ACUVUE