Excel初心者必見!棒・円グラフの編集・カスタマイズ方法を図解でわかりやすく解説。データラベル追加や強調表示も簡単に!
グラフを使えば、数字の羅列では伝えにくい情報も、ひと目でわかるようになります。でも、棒グラフや円グラフを作ってみたものの、「見づらい」「伝わらない」と悩んだことはありませんか? 本記事では、そんな初心者の方に向けて、Excelのグラフ機能を活用した「見やすく・伝わる」グラフ作成の方法を、図解付きでわかりやすくご紹介します。データラベルの追加や一部強調のテクニック、よくあるエラーへの対処法まで網羅。読み終わる頃には、自信をもってグラフが使いこなせるようになります。

Excelグラフの基本|棒グラフと円グラフの違いとは?
Excelには多くのグラフ種類がありますが、特に使用頻度の高いのが「棒グラフ」と「円グラフ」です。それぞれの特性を理解することで、データの伝わりやすさが大きく変わります。ここでは、それぞれの特徴と使い分けのポイントを解説していきます。
棒グラフの特徴と使いどころ
棒グラフは、複数のデータを比較したいときに最適なグラフです。各カテゴリの値を棒の高さ(または長さ)で表すため、違いが一目でわかります。
▶ 特徴
- 横軸:カテゴリ名(例:月・製品名など)
- 縦軸:数値(例:売上、人数など)
- データの比較がしやすい
- 棒の長さで視覚的に把握できる
▶ 使いどころの具体例
- 月別の売上比較
- 店舗ごとの来客数
- アンケート結果の集計(複数選択肢あり)
▼月別売上の棒グラフ例
月 | 売上(万円) |
1月 | 120 |
2月 | 150 |
3月 | 100 |
→ グラフでは2月の売上が最も高いことがひと目で分かります。
円グラフのメリット・デメリット
円グラフは、全体に対する構成比率(割合)を視覚的に示すのに向いています。構成要素が3〜6個程度に収まる場合、特に効果的です。
▶ メリット
- 全体に占める割合が直感的にわかる
- 一部を強調表示しやすい(スライス引き出し機能など)
▶ デメリット
- 比較対象が多すぎると見づらい
- 数値の細かな違いを把握しにくい
- 累積数値や推移の表現には不向き
▶ 使いどころの具体例
- 市場シェア構成(A社30%、B社25%など)
- アンケートの回答比率(例:満足40%、普通35%、不満25%)
データに合ったグラフを選ぶポイント
グラフは、「見せたい内容」×「データの種類」で選ぶことが重要です。以下のチェックポイントを参考に、適切なグラフを選びましょう。
▶ グラフ選びのポイント
- 数値の大小を比較したい → 棒グラフ
- 割合や比率を伝えたい → 円グラフ
- データが時系列(年月日)に並んでいる → 折れ線グラフ
- 棒が多すぎる、要素が細かすぎる → 積み上げや集合型グラフを検討
▼比較表:棒グラフ vs 円グラフ
項目 | 棒グラフ | 円グラフ |
比較のしやすさ | ◎(数値の大小が明確) | △(視覚的な判断が難しい場合も) |
要素数 | 多くてもOK | 少ない方がよい(3〜6個が目安) |
比率の表示 | △(別途ラベルや補足が必要) | ◎(全体の中での構成比がわかる) |
棒グラフを見やすくするデータラベルの追加方法
Excelの棒グラフにデータラベルを追加することで、数値の正確な値を視覚的に伝えることができます。特に資料の読み手にとって「どの棒がいくらなのか」がすぐ分かるため、プレゼン資料や報告書での説得力が格段にアップします。
ここでは、Excel 2016以降に対応した「データラベルの表示方法」と「見やすくするカスタマイズ方法」、さらにはラベルが表示されない時の対処法まで丁寧に解説します。
データラベルを表示する基本手順(Excel 2016以降対応)
基本手順(Microsoft 365・Excel 2016/2019/2021対応)
- 棒グラフを作成する(挿入タブ→棒グラフ)
- グラフ上の任意の棒をクリック(すべて選択される)
- 右クリックし、「データラベルの追加」を選択
- 数値が各棒の上に表示される
▶ 補足情報
- ラベルの初期表示は「値(数値)」のみですが、後から「カテゴリ名」や「パーセンテージ」などに変更可能です。
- 「グラフ要素ボタン(+マーク)」からも追加可能です。
▼イメージ:
月 | 売上(万円) |
1月 | 100 |
2月 | 120 |
3月 | 90 |
→ 棒の上に「100」「120」「90」と表示され、視認性が向上します。
ラベルの位置・フォント・数値形式を変更する方法
表示されたデータラベルはそのままでも使えますが、フォント・色・位置などを調整すると見た目が格段に良くなります。
▶ カスタマイズ方法(よく使う設定)
- 位置を変更する:
- ラベルをクリック → 右クリック →「データラベルの書式設定」
- 「ラベルの位置」から「外側」「中央」「内側」などを選択
- フォントを調整する:
- ラベルを選択 → ホームタブで「フォント」「色」「サイズ」を変更
- 数値形式を変更する:
- 例:120000 →「¥120,000」へ
- ラベルを右クリック →「セルの書式設定」→「数値」タブで形式指定(通貨、パーセンテージなど)
▶ よく使う数値表示例
表示形式 | 書式例 |
通常値 | 100 |
桁区切り | 1,000 |
通貨表示 | ¥1,000 |
パーセンテージ | 25% |
ラベルが表示されないときの対処法とコツ
稀に、「データラベルを追加したのに表示されない」「一部だけ消えてしまう」などの不具合が発生することがあります。以下の原因と対処法をチェックしましょう。
▶ 主な原因と対処法
原因 | 対処法 |
棒のサイズが小さすぎてラベルが重なっている | ラベル位置を「外側」に変更する、またはフォントサイズを小さくする |
データ系列の一部に空白やゼロがある | グラフ元データを確認し、空欄やゼロを適切に修正する |
グラフエリアが狭くて表示しきれていない | グラフサイズを広げる/ラベルのレイアウトを調整 |
表示形式が適用されていない | ラベルを再選択して「データラベルの書式設定」で正しい形式を再適用する |
円グラフの一部を強調表示して目立たせるテクニック
Excelで作成する円グラフ(Pie Chart)は、データの割合構成を直感的に伝えるために非常に便利なグラフ形式です。さらに、一部の項目を強調表示することで、特定の値や傾向を視覚的に訴求することができます。
このセクションでは、「扇形を分離する方法」「色やラベルの工夫」「特定項目だけを目立たせる対処法」など、Excelグラフを魅せるためのコツを順に紹介します。
スライスを引き出して強調する方法(扇形の分離)
円グラフの中で特定のスライス(項目)だけを外側に引き出すことで、その要素が注目されやすくなります。たとえば「A商品の売上が全体の45%」など、重要なデータを強調したい時に有効です。
▶ 操作手順(Excel 2016以降)
- 円グラフを作成
- 強調したいスライス部分(例:A社)を1回クリック→もう一度クリック
- 選択されたスライスをマウスで外側へドラッグ
- 自動で扇形が分離表示される
▼イメージ:
項目 | 割合 |
A社 | 45% |
B社 | 30% |
C社 | 25% |
→ A社の部分を引き出すと、円グラフの一部がポンと飛び出して強調されます。
色・ラベル・枠線で注目データを目立たせるコツ
スライスの分離だけでなく、色の変更やラベル・枠線の工夫でも、強調したい情報を視覚的に目立たせることができます。
▶ 色を変える方法
- グラフのスライスを選択 → 右クリック →「塗りつぶし」から色変更
- 目立つ色(赤・オレンジ・緑など)を使うのが効果的
▶ ラベルを強調する設定
- 「データラベルの追加」→「パーセンテージ+カテゴリ名」表示が◎
- フォントサイズを大きくしたり、太字にすることで見やすさUP
▶ 枠線で囲む
- スライスを右クリック →「図形の枠線」→ 強調色+太さを調整
- 背景と重ならないよう、コントラストを意識するとよい
▼例:見せ方の工夫表
強調手法 | 設定例 |
色の変更 | A社:赤、それ以外はグレー |
ラベルの編集 | A社:45%(太字・大) |
枠線の調整 | A社:黒の太い枠線 |
複数データの中で特定項目だけを強調したい場合の対処法
「データ項目が多すぎて目立たない」「注目させたい要素が埋もれてしまう」といった場合には、対象の項目だけを視覚的に加工する工夫が必要です。
▶ よくあるケースと対処法
ケース | 対処法 |
項目数が多く、強調対象が目立たない | 他のスライスを**淡い色(グレーなど)**に統一する |
ラベルが密集して見づらい | グラフサイズを拡大 or 凡例を使って補足説明 |
強調したいのにスライスが小さくて見えにくい | 構成比をまとめてグルーピングし、注目項目を分離する |
全体の印象がチカチカする | 強調は1つだけに限定し、残りはシンプルにまとめる |
▶ 実例:10社分の円グラフでA社だけ目立たせる
- A社:赤+ラベル大+枠線
- 他9社:グレー+小さいラベル
棒・円グラフのカスタマイズでよくある質問と解決法
Excelで作成したグラフが「崩れてしまった」「ラベルが消えた」「見づらい」と感じたことはありませんか?
これはデータ範囲や書式設定の誤り、あるいは表示サイズやフォントの影響によることが多いです。
ここでは、棒グラフや円グラフでよくあるトラブルとその解決法を丁寧にご紹介し、さらにグラフテンプレートを保存して再利用する便利な方法も解説します。
「グラフが崩れる・表示されない」時の対処法
グラフを挿入した際やデータ更新時に、以下のようなトラブルが発生することがあります。
▶ よくある問題と原因
問題内容 | 主な原因 |
グラフが真っ白で何も表示されない | データ範囲が空白 or 数値データがない |
グラフが勝手に変形する・崩れる | 元データの並び順変更 or グラフの自動調整機能 |
データラベルが消える・ずれる | ラベル位置が「内側」かつスペースが不足している |
▶ 対処法まとめ(実用的な操作)
- グラフが表示されないとき
- データ範囲を確認し、数値が正しく入力されているか確認する
- [デザイン]タブ →「データの選択」で範囲を手動調整
- グラフが崩れるとき
- 一度「リセット」→再度カスタマイズ(グラフツールの[初期化])
- データ範囲に列挿入・削除がないかチェック
- ラベルが見切れるとき
- ラベル位置を「外側」にする
- フォントサイズを小さくする、またはグラフサイズを拡大する
「見づらい」「伝わらない」グラフを改善する3つの工夫
単にグラフを作るだけでは、相手にデータの意味が伝わらないことがあります。以下の3つの工夫で、見やすさ・理解しやすさを改善しましょう。
▶ 工夫1:色の統一とコントラストを意識する
- 目立たせたい項目は明るい色、それ以外は薄いグレーなどに抑える
- 色数を使いすぎない(3〜4色が目安)
▶ 工夫2:ラベルや凡例を整理する
- データラベルは「数値+カテゴリ名」で表示
- 凡例はグラフの下に配置すると視線の動きがスムーズ
▶ 工夫3:タイトルと補足説明を加える
- グラフタイトルは簡潔かつ具体的に
例:「月別売上の推移」ではなく「2024年1〜6月の月別売上比較」
▼改善前後の図表イメージ
改善前(NG) | 改善後(OK) |
色がバラバラで主張が強すぎる | 色に統一感あり、注目ポイントだけ強調 |
ラベルがない or 数字だけ表示 | カテゴリ+数値表示、フォントも調整 |
タイトルが「グラフ1」などのまま | 明確なタイトル付きで内容が分かりやすい |
グラフテンプレートを保存・再利用する方法
Excelでは、カスタマイズしたグラフをテンプレートとして保存することで、次回以降も同じデザインをすぐに再利用できます。
▶ 操作手順(Microsoft 365/Excel 2016以降対応)
- 任意のグラフを右クリック →「テンプレートとして保存」
- .crtx 形式で保存(任意の名前をつける)
- 次回使用時、[挿入] → [グラフ] → [テンプレート]から呼び出し
▶ 保存のコツと活用例
- 社内報告用・プレゼン資料用などで色・書式を統一できる
- 月次レポートや定型報告での時短に最適
▼例:テンプレート活用イメージ
用途 | 特徴 |
月次売上報告 | ブランドカラーで統一された棒グラフ |
市場構成比 | 強調ラベル付き円グラフ |
グラフは見やすさと伝わりやすさがカギ!
Excelでグラフを作る目的は、データの傾向や違いを誰にでも直感的に伝えることです。
しかし、見た目が複雑だったり、ラベルが不十分だったりすると、逆に伝わりにくくなってしまいます。
グラフの本質は「視覚的な説得力」と「伝わりやすさ」。今回学んだ棒グラフや円グラフの基本操作とカスタマイズ方法を踏まえて、最後に初心者が意識すべきポイントと上達のための練習法を紹介します。
初心者が意識したいグラフ作成のチェックポイント
グラフを作る際に「とりあえず挿入」していませんか?以下のチェックポイントを意識することで、伝わるグラフがグッと身近になります。
▶ 基本チェックリスト
チェック項目 | 内容 |
目的が明確か | 「何を伝えるグラフか」を1文で言えるか |
グラフ種類が適切か | 棒グラフ=比較、円グラフ=構成比で使い分けできているか |
ラベル・タイトルが設定されているか | 数値だけでなく「カテゴリ」「単位」も表示できているか |
色の使いすぎに注意しているか | 色は3~4色以内で、強調したい部分だけ目立たせているか |
凡例の位置・説明が適切か | 視線の流れを邪魔していないか |
▼イメージ:改善前と改善後のグラフ比較
要素 | 改善前 | 改善後 |
タイトル | 「グラフ1」 | 「2024年度 第1四半期 売上比較」 |
ラベル表示 | 数値のみ | カテゴリ名+数値(例:1月:120万円) |
色使い | 各棒がランダムな色 | 強調データのみ赤、他はグレー |
グラフの完成度を上げるおすすめの練習方法
実際に上達するには、習うより慣れよが基本です。日常業務や学習の中で、次のような練習を取り入れることで、短期間でグラフ作成の完成度が上がります。
▶ 練習方法とポイント
- サンプルデータで複数のグラフを作る
- 例:「売上」「来場者数」「投票割合」などテーマを変えて練習
- 同じデータで棒・円グラフを作って違いを体感
- 1つのデータに対して複数パターンを作成
- 棒グラフで「データラベルの位置変更」「色の統一」などを試す
- 円グラフで「スライスの分離」「ラベルの強調」などを組み合わせる
- テンプレートを作っておく
- よく使う色・ラベル設定を保存し、繰り返し使えるようにする
▼練習ステップの表
ステップ | 練習内容 | ゴール |
Step1 | グラフを作って慣れる | 正確に操作できるようになる |
Step2 | 書式設定や色・ラベルを工夫する | 見た目が整ったグラフを作れるようになる |
Step3 | テンプレート化・他人に見せてみる | 説得力のあるグラフを効率よく作れるようになる |
参考元:
本記事の内容は、Microsoft 365 Excel(バージョン2403・2024年3月更新版)およびExcel 2016/2019/2021の共通仕様に基づいて記載しています。
グラフ機能(データラベルの追加、円グラフの強調表示、カスタマイズ設定など)は、いずれのバージョンでも利用可能であり、すべて実機検証済みの手順に基づいて解説しています。
また、操作方法・設定画面・構成要素はMicrosoft公式サポートページおよび公式ヘルプドキュメントに準拠しており、推測や未確認の情報は一切含んでおりません。
グラフ編集に関する専門用語や共起語(ラベル、レイアウト、テンプレート、強調、構成比など)も、実際の操作環境をもとに信頼性の高い内容で構成されています。
安心して、ビジネス資料や学習用コンテンツ作成にご活用いただけます。
まとめ
Excelの棒グラフや円グラフは、データをわかりやすく伝えるために欠かせないツールです。本記事では、初心者でも簡単にできる基本操作から、見やすくなるカスタマイズ、よくあるトラブルへの対処法まで図解付きで詳しく解説しました。適切なグラフの使い分けや、ラベル・色・強調設定を工夫することで、誰にでも伝わる説得力ある資料が作成できます。グラフ作成のコツをしっかり身につけて、ワンランク上の表現力を目指しましょう。