畑でもプランターでも簡単!コマツナの栽培方法を土作り・種まき・追肥・収穫まで詳しく解説。初心者でも失敗しない育て方の完全ガイドです。
「コマツナって、畑がなくても育てられるの?」
そんな疑問を持つ方に朗報です。コマツナは発芽から収穫までわずか30〜40日ほどで楽しめる、家庭菜園に最適な葉野菜です。
この記事では、畑でもプランターでも失敗しない育て方を、土作り・種まき・追肥・収穫までやさしく解説します。
さらに、害虫予防や季節ごとのコツ、栄養たっぷりの食べ方まで網羅。
初めての方でも「自分で育てたコマツナ」を味わえるようになる完全ガイドです。

まず知っておきたい「主な品種」と「栽培スペース」
コマツナは、栽培しやすく成長も早い人気の葉物野菜です。
ただし、品種によって葉の形や耐寒性、味わいが少しずつ違います。
また、畑とプランターでは栽培環境が異なるため、最初に「品種の特徴」と「栽培スペースの違い」を押さえておくと失敗がぐっと減ります。
コマツナの代表的な品種を知ろう(丸葉・細葉・耐寒タイプ)
コマツナには、見た目や育ち方の異なるいくつかの代表的な品種があります。
どれも発芽から約30~40日で収穫できるスピード成長が特徴ですが、季節や栽培場所によって向き・不向きがあります。
主な品種と特徴:
| 品種タイプ | 特徴 | 栽培におすすめの時期 |
|---|---|---|
| 丸葉系(一般種) | 葉が厚くて柔らかく、食味がやさしい。生育が早い。 | 春・秋 |
| 細葉系(軟弱種) | 見た目が繊細で、食感がシャキッとする。炒め物に最適。 | 春〜初夏 |
| 耐寒系(寒締め品種) | 冬の低温に強く、甘みが増す。露地栽培でも丈夫。 | 秋〜冬 |
ワンポイントアドバイス
- 春〜秋にかけては一般的な「丸葉系」がおすすめ
- 冬は「耐寒性タイプ」で甘みのある葉を楽しむ
- タネ袋に記載されている「適温」や「発芽率」もチェックすると安心です
畑栽培とプランター栽培の違い・選び方ポイント
コマツナは、畑でもプランターでも栽培できる万能野菜です。
それぞれの環境に向いた育て方を選ぶことで、より元気に成長します。
畑栽培の特徴
- 根をしっかり張れるため、株が大きく丈夫に育つ
- 水はけと日当たりを確保すれば、連続収穫も可能
- 雑草・害虫の管理はやや手間がかかる
プランター栽培の特徴
- ベランダや軒下など狭いスペースでも栽培可能
- 移動ができるため、気温や日照に合わせやすい
- 土量が少ない分、水やりと追肥の頻度が多めになる
🪴 選び方のポイント
- 畑があるなら「広さを活かして連作回避を意識」
- ベランダやマンションなら「軽量プランター+培養土」
- 初心者はまずプランターで小面積からスタートするのがおすすめ
プランターに適したサイズと配置場所(深さ・幅・日当たり)
プランター栽培では、器の大きさと設置場所が生育に大きく関わります。
根の張りや水はけが悪いと、生育不良や根腐れの原因にもなるため注意しましょう。
プランター選びの目安
- 深さ:20cm以上(根が下まで伸びやすくする)
- 幅:60cm程度(株間10cmで5〜6株育てられる)
- 材質:プラスチック製または通気性のある素焼き鉢
- 鉢底石を入れて排水性を確保する
設置場所のポイント
- 日当たりがよい南向きがベスト(1日5〜6時間以上が理想)
- 強風の当たらない場所に置く
- 夏は直射日光を避けるため、遮光ネットで温度管理する
「プランターの断面図と配置イメージ」
(深さ・鉢底石の層・培養土の量・株間の目安を示した図)

まとめポイント
- 深めで排水のよい容器を選ぶ
- 日光と風通しを意識する
- 季節に応じてプランターの位置を調整
土作りから始める栽培準備
コマツナは生育が早いぶん、最初の「土作り」がとても重要です。
土の状態が悪いと、発芽後すぐに生育が止まったり、根が十分に張らずに葉が黄ばんでしまうこともあります。
ここでは、畑とプランターそれぞれに合った土作りのコツを見ていきましょう。
畑での土作り:苦土石灰・堆肥・化成肥料の使い方
畑で育てる場合、pH6.0〜6.5前後がコマツナに最も適した酸度です。
土が酸性に傾いていると根が養分を吸収しづらくなるため、種まきの2週間前から準備を始めましょう。
手順とポイント:
- 苦土石灰をまく(酸度調整)
1㎡あたり100gを目安に全面に散布し、よく混ぜておきます。
※酸性が強い地域(関東・東北の一部)では少し多めでもOK。 - 堆肥を加える(通気性と保水性アップ)
完熟堆肥を1㎡あたり2kgほど混ぜ込みます。
これにより根の張りが良くなり、乾燥に強い土に整います。 - 化成肥料で元肥を入れる(栄養の基礎)
N-P-K=8-8-8タイプの化成肥料を1㎡あたり100g前後。
生育初期の勢いが変わるため、よくすき込むことが大切です。
ワンポイント
- うねの高さは10〜15cmにして水はけを確保
- 風通しが悪い場所では、もみ殻を混ぜて通気性を改善
- 元肥の後は1週間以上寝かせてから種まきを行うのが理想
プランター用土の準備:培養土の選び方・鉢底石などのポイント
プランターでは、限られた土量でコマツナを育てるため、初期の土づくりが成功のカギです。
市販の野菜用培養土を使えば手間が少なく、初心者にも扱いやすいでしょう。
基本の準備ステップ
- 培養土の選び方
・「野菜用」や「葉物野菜専用」の表示があるものを選ぶ
・元肥入りのタイプならそのまま種まき可能 - 鉢底石を入れる
・底に2〜3cm敷くことで排水性がアップ
・根腐れ防止に効果的 - 土の再利用をする場合の注意
・古い土は天日干しして殺菌
・「リサイクル材」や「たい肥」を20%ほど混ぜて再生
「プランターの断面図」
(下から鉢底石→培養土→株間→水の流れを矢印で示す図)

ポイントまとめ
- 深さ20cm以上のプランターを使用
- 元肥入り培養土なら追肥まで約3週間不要
- 冬場は日照が少ないため、できるだけ南向き配置が◎
pH・排水・通気を整えて元気なコマツナに育てるコツ
コマツナは根が酸素を好む植物なので、土の通気性と排水性を整えることが健康な成長につながります。
特に、湿った土や硬い土では根腐れや病気が起きやすくなります。
健全な土壌環境を保つコツ
- pHチェックキットで酸度を測定し、6.0〜6.5を維持
- 水はけが悪い場合は川砂やパーライトを1割ほど混ぜる
- プランターは底穴をふさがないよう注意
- 畑では雨後に水が溜まらない高さでうね立てをする
通気性を良くする工夫
- 畝の間を30cm以上確保して風通しを確保
- 定期的に軽く「中耕(ちゅうこう)」して表土をほぐす
- 堆肥やもみ殻くん炭を混ぜると、ふかふかの土になります
「理想の土壌構造イメージ図」
(上層:ふかふかの団粒構造/中層:根が伸びるゾーン/下層:排水層)

まとめ
- pH・水はけ・通気を整えることで根の張りが安定
- 過湿は避け、乾燥したらしっかり水やりをする
- 健康な土づくりが、その後の収穫量を左右します
種まき・生育初期の管理
コマツナの発芽は早く、条件が整えば3〜5日ほどで芽を出します。
そのため、「種まき時期」と「発芽後の管理」を正しく行うことが、順調な生育の第一歩です。
ここでは、季節ごとの種まき時期から、まき方・間引きのタイミングまで、畑とプランターの両方に対応した方法を紹介します。
種まき時期/適温と地域別カレンダー(春・夏・秋)
コマツナは年間を通して育てやすい野菜ですが、発芽の適温が15〜25℃前後と限られています。
この温度帯を意識して種まきを行うことで、失敗をぐっと減らすことができます。
季節別の種まき目安
| 地域 | 春まき | 夏まき | 秋まき |
|---|---|---|---|
| 北海道・東北 | 4月下旬〜6月中旬 | 7月下旬〜8月中旬 | 9月上旬〜10月中旬 |
| 関東・中部 | 3月中旬〜5月下旬 | 7月〜8月中旬 | 9月〜11月上旬 |
| 近畿・九州 | 3月〜5月 | 9月〜11月上旬 | 冬越し可(耐寒種) |
ポイント
- 春・秋は生育しやすく、初心者向き
- 真夏は高温障害が起きやすいため、半日陰または遮光ネットを利用
- 冬は耐寒品種を使えば、霜に当たって甘みが増します
🌱 豆知識
発芽温度が25℃を超えると芽が出にくくなるため、夏場は夕方に種まきするのがコツです。
すじまき・条まきの手順(畑・プランター両対応)
コマツナは**「すじまき」または「条まき」**でまくのが一般的です。
どちらも生育管理がしやすく、間引きもしやすいまき方です。
基本手順(畑・プランター共通)
- まき溝を作る
深さ1cm、間隔10〜15cmのすじを作る。プランターでは横に2〜3本。 - 種をまく
1cm間隔を目安に、重ならないように指で軽くまきます。 - 覆土をする
軽く土をかけ(約5mm)、手のひらで軽く押さえて密着させる。 - たっぷり水を与える
シャワー状のジョウロで、土が浮かないようにやさしく水やり。 - 発芽までは乾燥厳禁!
特に夏場は朝・夕の2回水やりが理想。
「すじまき・条まきの手順図」
(①溝をつける→②種をまく→③覆土→④水やりの順に矢印で解説)

ワンポイント
- 種のまき過ぎは間引き作業が大変になるため注意
- 畝を立てて水はけを良くすると、根腐れを防げます
- プランターでは風通しを意識し、株間をゆったり取る
発芽後の水やりと第1期間引きのタイミング
発芽後は、芽の数が多すぎると根が競い合い、**徒長(茎がひょろ長くなる)**の原因になります。
そのため、第1回の間引きを行って、風通しと根張りをよくしましょう。
発芽後〜本葉2〜3枚までの管理
- 水やり:
- 発芽までは1日1〜2回、発芽後は表面が乾いたらたっぷり。
- 過湿になると根腐れしやすいので、受け皿の水はこまめに捨てましょう。
- 第1回間引き:
- 本葉2〜3枚の頃、株間を2〜3cmに広げる。
- 弱い苗をハサミで根元から切ると、他の苗にダメージを与えません。
- 日照管理:
- 日当たりが弱いと茎が細くなるため、1日5時間以上の光を確保。
「間引き前後の株間イメージ図」
(上から見た図で、間引き前は密集/間引き後は等間隔を示す)
管理のポイント
- 風通しをよくし、徒長を防ぐ
- 水やりは朝中心、夜は控える
- 追肥はまだ不要。根が安定してから次の管理へ進む
💡 まとめ
- 種まきは適温15〜25℃を意識
- すじまきで均等にまくと発芽が揃いやすい
- 発芽後は水やりと間引きで「株間」を整えるのがコツ
間引き・追肥・土寄せで中期管理を強化
コマツナは発芽後から収穫までが短く、わずか1か月ほどで大きく育つ野菜です。
そのため、中期(生育の中盤)にしっかり管理することが、収穫量や葉の質を左右します。
ここでは「間引き」「追肥」「土寄せ」の3つを丁寧に行うコツを紹介します。
間引きの時期と方法:本葉2~3枚/株間5~6cmの目安
発芽後、苗が密集したままにしておくと、根が絡み合い、栄養や日光を奪い合ってしまいます。
この時期に行う「第2回の間引き」は、コマツナを太く丈夫に育てるために欠かせません。
間引きのタイミングと方法
- 本葉2〜3枚になったら、株間5〜6cmを目安に間引く
- 10〜15株ほどを1プランターで残すとちょうどよい密度
- 弱い苗を選び、根元をハサミでチョキッと切る方法が安全
- 引き抜くときは、隣の株の根を傷つけないように注意
「間引き前後の比較図」
(上から見た図で、密集→等間隔になった変化をイラストで示す)

ポイント
- 間引いた若葉は「ベビーリーフ」として食べられます
- 間引き後は軽く土を寄せて株を安定させる
- 作業は曇りの日の朝がベスト。日中は苗がしおれやすくなります
追肥のタイミングと肥料量(畑・プランター別)
間引き後は、成長がぐんと早まります。
ここで栄養が足りないと、葉の色が薄くなり、茎が細くなることもあるため、適切な「追肥」が大切です。
追肥のタイミング
- 畑栽培:**種まき後2〜3週間(本葉4〜5枚)**の頃
- プランター栽培:発芽から10〜14日後を目安に
- その後、10日おきに軽く追肥を行うと効果的
肥料の量と種類
- 化成肥料(8-8-8)なら1㎡あたり30g前後(小さじ2杯)
- プランターなら1回につきひと握りの1/3程度(約5g)
- 有機派なら「液体肥料」や「ぼかし肥」もOK
追肥のコツ
- 直接株元にかけず、うね間やプランターのふちにまく
- 追肥後は軽く土と混ぜ、水をかけることで吸収を促進
- 葉色が濃すぎる場合は肥料過多のサイン。控えめに調整
土寄せ&中耕で根を支え、風通し良く育てるポイント
コマツナは根が浅く、雨や風で倒れやすい野菜です。
そのため、追肥後に行う「土寄せ」と「中耕(ちゅうこう)」が、根の安定と生育促進に欠かせません。
中耕(表面を軽くほぐす作業)
- 追肥のあと、株の間の土を軽くほぐす
- 通気性が良くなり、根が酸素を吸収しやすくなる
- 表面が固いままだと、根が伸びずに水はけも悪化
土寄せ(株の根元に土を寄せる)
- 中耕後、株元に1〜2cm程度の土を寄せる
- 倒伏防止になり、乾燥も防げます
- プランターでは竹べらやスプーンを使って軽く整える
「中耕と土寄せの手順図」
(①追肥→②中耕→③土寄せの流れを断面図で説明)

ワンポイント
- 土寄せは、雨上がりや水やり直後のやわらかい土で行うと◎
- 通気をよくすることで、病気(根腐れ・立枯れ)予防にもつながる
- 作業は2週間に1度のペースで十分
💡 まとめ
- 間引き:株間5〜6cmで根の競合を防ぐ
- 追肥:本葉4〜5枚で1回目、その後10日ごとに少量ずつ
- 土寄せ&中耕:根を支え、通気性を高めて病気を防ぐ
「中期管理3ステップ早見表」

収穫の時期・方法と栄養&食べ方アイデア
コマツナは、発芽からおよそ30〜40日で収穫できるスピード野菜です。
タイミングを見極めて収穫すると、葉がやわらかく、味も甘みが増します。
ここでは、畑とプランター別の収穫のコツと、栄養たっぷりの食べ方を紹介します。
収穫適期(草丈20~25cmが目安)と畑・プランター別のポイント
コマツナの収穫時期は、草丈20〜25cmほどに育った頃がベスト。
葉が青々として、茎がしっかりしてきたタイミングで収穫すると、やわらかくて食べやすいです。
収穫の見極めポイント
- 葉の色が濃く、ツヤがある
- 茎が太すぎず、折れにくい
- 下葉が黄ばみ始める前が最もおいしい時期
畑での収穫ポイント
- 株元から包丁またはハサミでカット
- 雨上がり直後は土がつきやすいので、晴れた午前中に収穫
- 連作する場合は、根を抜いたあとに石灰を少量まくと病気予防に◎
プランターでの収穫ポイント
- プランター全体で生育差が出たら、育ちの早い株から順次収穫
- 深型より浅型のほうが乾燥しやすいため、水分管理を丁寧に
- 一度に全部収穫せず、「間引きながら食べる」スタイルもおすすめ
収穫時の手順:株ごと収穫or外葉から順に摘む?
コマツナの収穫には、2つの方法があります。
それぞれの特徴を知っておくと、家庭菜園でも長く楽しめます。
🌱 ① 株ごと収穫する方法
- 一度に収穫してすぐ使いたいときに便利
- 根元を2〜3cm残してハサミで切ると、再生して2回目の収穫ができることもあります
- 畑ではうね全体を一斉収穫し、後作(次の作物)に備えるのも良い手です
🌿 ② 外葉から順に摘み取る方法
- 食べる分だけ少しずつ収穫できるため、長期間の収穫が可能
- 外葉を2〜3枚ずつ摘み取れば、中心の若葉が育ち続けます
- プランターや小スペース栽培におすすめ
「収穫方法の比較」
(左:株ごと収穫/右:外葉摘み取りの図)

それぞれのメリット
- 株ごと収穫:効率がよく、サイズが揃う
- 外葉摘み:少量でも新鮮な葉を毎日楽しめる
注意点
- 切り口を汚さないよう清潔なハサミを使用
- 収穫後はすぐに冷水で洗って冷蔵保存(鮮度保持に重要)
コマツナの栄養価(ビタミン・カルシウム)とおすすめ調理法
コマツナは、「栄養の王様」と呼ばれるほど栄養価が高い葉物野菜です。
特に、ビタミン・カルシウム・鉄分が豊富で、ほうれん草に匹敵する健康野菜として知られています。
主な栄養成分(100gあたりの目安)
| 成分 | 含有量 | 主な働き |
|---|---|---|
| ビタミンC | 約40mg | 免疫力アップ・美肌効果 |
| カルシウム | 約170mg | 骨や歯を丈夫に保つ |
| β-カロテン | 約3100μg | 抗酸化作用・視力維持 |
| 鉄分 | 約2.8mg | 貧血予防 |
おすすめの食べ方アイデア
- 🥬 おひたし:下ゆで20秒で色鮮やか。鰹節としょうゆでシンプルに
- 🍲 味噌汁の具:加熱しすぎず、最後に入れて栄養を逃さない
- 🍳 炒め物:ベーコンや油揚げと一緒に炒めるとコクが出る
- 🥗 スムージー:バナナと一緒にミキサーで、カルシウム補給に最適
ワンポイント
- 加熱しすぎるとビタミンCが失われやすいので、短時間調理がポイント
- 保存は湿らせたキッチンペーパーで包み、冷蔵庫の野菜室へ(2〜3日以内が理想)
💡 まとめ
- 草丈20〜25cmが収穫適期。プランターなら少し早めでもOK
- 株ごと収穫と外葉摘み、どちらも試して長く楽しむ
- コマツナは栄養満点!おひたしや炒め物で手軽に健康補給
「収穫から食卓までの流れ図」
(①草丈チェック → ②収穫方法選択 → ③調理・保存までを矢印で表す)

失敗を防ぐ!連作障害・害虫・トラブル対策
コマツナは育てやすい野菜ですが、油断すると病害虫や環境ストレスに弱い一面があります。
とくに「連作障害」や「害虫の発生」「過湿・乾燥」は、初心者がつまずきやすいポイントです。
ここでは、長く健康に育てるためのコツをまとめました。
連作障害の回避策:アブラナ科の輪作ルール
コマツナはアブラナ科の野菜に分類されます。
このグループにはキャベツ・ブロッコリー・ダイコンなどが含まれ、
同じ場所で続けて栽培すると**「連作障害(根こぶ病)」**が起きやすくなります。
連作障害とは?
同じ土に同科の植物を繰り返し植えると、
特定の病原菌やセンチュウ(微生物)が増え、根にコブができたり、養分を吸えなくなる現象です。
対策ポイント
- 輪作(りんさく)ルールを守る
→ コマツナを植えた場所は、2〜3年間アブラナ科以外の野菜を栽培する - 土壌改良を行う
→ 石灰や堆肥を入れて、pHと微生物環境をリセット - 太陽熱消毒を実施
→ 夏場に透明マルチをかけて1か月放置すると、病原菌が減少 - プランターの場合
→ 使用後の土は「リサイクル材」や「新しい培養土」でリフレッシュ
「輪作サイクルのイメージ図」
(年ごとに植える野菜例:1年目コマツナ→2年目ナス→3年目エダマメ→4年目再びコマツナ)

ワンポイント
- アブラナ科=キャベツ・ハクサイ・カブ・ダイコン・ブロッコリー・ミズナなど
- 同科を避けるだけで、発病リスクは約半分に減少します
よく出る害虫・病気(アブラムシ・トウ立ち・白さび病)と対策
コマツナの栽培では、小さな虫や葉の変色に気づくことが多いです。
被害を早く見つけて対処することが、収穫までの成功につながります。
🐛 主な害虫と対策
- アブラムシ
→ 葉の裏に群がって汁を吸う。葉が縮れることも。
→ 対策:防虫ネットを張る/木酢液や牛乳スプレーを散布/テントウムシは天敵 - コナガ・ヨトウムシ
→ 葉に穴を開ける小さな青虫。夜に活動。
→ 対策:見つけたら手で除去/BT剤(生物農薬)を使用
🍂 よくある病気と原因
| 病気名 | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 白さび病 | 湿度が高く風通しが悪い | 株間を広く取る・水やりを控えめに |
| 根こぶ病 | 土壌の酸性化・連作 | pHを6.5に調整・石灰施用 |
| トウ立ち(花が咲く) | 気温差や肥料切れ | 適温管理と追肥で防止 |
対策まとめ
- 防虫ネットを播種直後に設置する
- 株間・風通しを確保して湿気を逃がす
- 葉の裏を定期的にチェックし、早期発見
プランター栽培で特に気をつけたい湿気・乾燥・暑さ対策
プランター栽培は管理がしやすい反面、気温や湿度の変化に敏感です。
土の量が少ないため、水分バランスを崩しやすく、根腐れや乾燥障害が起きやすくなります。
湿気対策
- 底穴の通気を確認し、鉢底石を2〜3cm敷く
- 長雨のときは軒下や屋根のある場所に移動
- ジョウロの水は「やや控えめ」を意識
乾燥・暑さ対策
- 夏場は朝夕2回の水やりでしっかり湿らせる
- 直射日光が強い時期は**遮光ネット(30〜50%遮光)**を活用
- 土の表面にワラ・バークチップ・腐葉土を敷くと蒸発を防げます
通気性アップの工夫
- プランターの下にレンガやブロックを敷き、底の通気を確保
- 室外機の風や強風の直撃を避ける配置にする
まとめポイント
- 湿気は根腐れ、乾燥はしおれの原因に
- 季節や天気に合わせて水やり量を調整
- 日照と風通しのバランスが元気な葉の秘訣
💡 章まとめ
- 連作は避けてアブラナ科以外を2〜3年輪作
- 害虫は防虫ネットと早期発見で防ぐ
- プランターでは湿気・乾燥・高温に注意し、通気を意識
「失敗を防ぐ3大ポイント早見図」
(①連作回避 → ②害虫防除 → ③湿気・乾燥管理 を矢印でつなぐ)

参考元:新・野菜づくり、家庭菜園大百科、おいしい野菜作り
まとめ
コマツナは、畑でもプランターでも手軽に育てられる万能野菜です。
土作りから種まき、間引きや追肥、収穫までの流れを押さえれば、初心者でも約1か月で青々とした葉を楽しめます。
連作や害虫を防ぐ工夫を取り入れれば、何度でも栽培が可能。
家庭菜園の入門にもぴったりの、身近で頼れる葉野菜です。
