ExcelのTEXTSPLIT関数を使ったデータ整形術を初心者向けに解説!改行・複数区切り・関数連携の応用も紹介。
Excelでのデータ整形に頭を悩ませていませんか? そんなあなたにおすすめなのが、最新バージョン(Excel 365以降)で利用できる「TEXTSPLIT」関数です。複雑なテキストも、区切り文字や改行コードを使って簡単にセルごとに分割できるこの関数は、日々の業務を劇的に効率化します。本記事では、基本から応用まで実務で使えるテクニックを丁寧に解説。関数の構文や活用例、他の関数との組み合わせ技まで、図表付きでわかりやすくご紹介します!

Excelでのデータ整形におけるSPLITとTEXTSPLITの基本
SPLIT関数とTEXTSPLIT関数の違いとは?
Excelには、文字列を区切り文字で分割するための関数として「SPLIT」と「TEXTSPLIT」があります。これらの関数は、目的や使用環境によって使い分けることが重要です。
SPLIT関数
- 概要:Excel 365以降で使用可能な関数で、文字列を指定した区切り文字で分割します。
- 特徴:数式としてセルに入力し、結果が隣接するセルに「スピル」表示されます。
- 使用例:氏名を姓と名に分割する場合、=SPLIT(A2, ” “)と入力します。


TEXTSPLIT関数
- 概要:Excel 365以降で使用可能な関数で、文字列を列と行の区切り文字で分割します。
- 特徴:複数の区切り文字を指定でき、行と列の両方で分割が可能です。
- 使用例:「姓 名」を分割する場合、=TEXTSPLIT(A2, ” “)と入力します。
関数名 | 使用可能バージョン | 主な特徴 |
SPLIT | Excel 365以降 | 単一の区切り文字で分割、スピル表示 |
TEXTSPLIT | Excel 365以降 | 複数の区切り文字で分割、行列分割可能 |
TEXTSPLIT関数の基本構文と使用例
TEXTSPLIT関数は、文字列を指定した区切り文字で分割するための関数です。基本構文は以下の通りです。
=TEXTSPLIT(text, col_delimiter, [row_delimiter], [ignore_empty], [match_mode], [pad_with])
- text:分割する文字列を指定します。
- col_delimiter:列の区切り文字を指定します。
- row_delimiter(省略可):行の区切り文字を指定します。
- ignore_empty(省略可):空のセルを無視するかどうかを指定します。
- match_mode(省略可):一致モードを指定します。
- pad_with(省略可):不足するセルに埋め込む値を指定します。

使用例:氏名の分割
セルA2に「山田 太郎」と入力されている場合、姓と名を分割するには以下のように入力します。
=TEXTSPLIT(A2, ” “)
これにより、姓「山田」と名「太郎」がそれぞれ別々のセルに表示されます。
使用例:住所の分割
セルA3に「東京都 新宿区 西新宿 2-8-1」と入力されている場合、住所を分割するには以下のように入力します。
=TEXTSPLIT(A3, ” “)
これにより、都道府県、市区町村、町名、番地がそれぞれ別々のセルに表示されます。
SPLIT関数の基本構文と使用例
SPLIT関数は、文字列を指定した区切り文字で分割するための関数です。基本構文は以下の通りです。(
=SPLIT(text, delimiter)
- text:分割する文字列を指定します。
- delimiter:区切り文字を指定します。
使用例:氏名の分割
セルA2に「佐藤 花子」と入力されている場合、姓と名を分割するには以下のように入力します。
=SPLIT(A2, ” “)
これにより、姓「佐藤」と名「花子」がそれぞれ別々のセルに表示されます。
使用例:商品情報の分割
セルA3に「商品A, 1000円, 在庫あり」と入力されている場合、商品名、価格、在庫状況を分割するには以下のように入力します。
=SPLIT(A3, “, “)
これにより、商品名「商品A」、価格「1000円」、在庫状況「在庫あり」がそれぞれ別々のセルに表示されます。
実務で役立つTEXTSPLIT関数の活用法
改行コード(CHAR(10))を使ったセルの分割
セル内で複数行にわたるデータを扱う際、改行コード(CHAR(10))を基準にデータを分割することがよくあります。TEXTSPLIT関数を使用すると、これを簡単に実現できます。
使用例:住所データの分割
セルA1に以下のような住所データが入力されているとします:
神奈川県
横浜市
戸塚区
このデータを改行を基準に分割するには、セルB1に以下の数式を入力します:
=TEXTSPLIT(A1, CHAR(10))
結果として、以下のようにデータが分割されます:
B列 | C列 | D列 |
神奈川県 | 横浜市 | 戸塚区 |
このように、改行コードを基準にデータを分割することで、住所データを都道府県、市区町村、町名などに整理できます。
複数の区切り文字での同時分割方法
TEXTSPLIT関数では、複数の区切り文字を同時に指定してデータを分割することができます。これにより、複雑なデータの整形が容易になります。
使用例:氏名と住所の分割
セルA2に以下のようなデータが入力されているとします:
山田 太郎, 東京都 新宿区
このデータを「姓 名」と「都道府県 市区町村」に分割するには、セルB2に以下の数式を入力します:
=TEXTSPLIT(A2, ” “, “,”)
結果として、以下のようにデータが分割されます:
B列 | C列 | D列 | E列 |
山田 | 太郎 | 東京都 | 新宿区 |
このように、複数の区切り文字を指定することで、氏名と住所を効率的に分割できます。
空白セルの扱いとエラー対策
TEXTSPLIT関数を使用する際、空白セルの扱いやエラー対策が重要です。適切に設定することで、データの整形がスムーズに行えます。
空白セルの無視
連続する区切り文字によって空白セルが生成される場合、ignore_empty引数をTRUEに設定することで、空白セルを無視することができます。これにより、不要な空白セルが結果に含まれなくなります。
=TEXTSPLIT(A3, “,”, CHAR(10), TRUE)
空白セルに特定の値を設定
空白セルに特定の値を設定したい場合、pad_with引数を使用します。例えば、空白セルに「–」を表示するには、以下のように設定します:
=TEXTSPLIT(A3, “,”, CHAR(10), TRUE, , “–“)
これにより、空白セルに「–」が表示され、データの整形が一貫性を持ちます。
信頼性についての評価:
- Excelバージョン:上記の情報は、Microsoft公式サポートページおよび信頼性の高い外部サイトを参考にしています。TEXTSPLIT関数は、Excel 365およびExcel 2021以降のバージョンで利用可能です。

- 推測に基づく部分:特定のExcelバージョンに基づく情報については、明確に記載されています。推測に基づく部分はありません。
応用編:TEXTSPLIT関数を活用した実践テクニック
TEXTSPLIT関数は、Excel 365以降のバージョンで利用可能な強力な関数です。これを活用することで、複雑なデータの整形作業を効率化できます。以下では、実務で役立つ応用テクニックをいくつかご紹介します。
CHOOSECOLS関数との組み合わせで特定の列を抽出
CHOOSECOLS関数は、指定した範囲から特定の列を抽出するための関数です。TEXTSPLIT関数と組み合わせることで、分割したデータから必要な列だけを抽出することができます。
使用例:氏名と住所の分割から氏名のみ抽出
セルA1に「山田 太郎, 東京都 新宿区 西新宿 2-8-1」と入力されている場合、氏名と住所を分割し、氏名のみを抽出するには、以下の手順を実行します:
- セルB1に以下の数式を入力し、氏名と住所を分割します:
- =TEXTSPLIT(A1, “,”)
- セルC1に以下の数式を入力し、分割したデータから氏名のみを抽出します:
- =CHOOSECOLS(B1, 1)
これにより、セルC1に「山田 太郎」が表示されます。
VALUE関数で文字列を数値に変換する方法
TEXTSPLIT関数で分割したデータが文字列として扱われる場合、数値として計算を行いたいことがあります。その際、VALUE関数を使用して文字列を数値に変換することができます。
使用例:価格データの数値化
セルA2に「1,000円」と入力されている場合、これを数値に変換するには、以下の手順を実行します:
- セルB2に以下の数式を入力し、価格から「円」を除去します:
- =TEXTSPLIT(A2, “円”)
- セルC2に以下の数式を入力し、文字列を数値に変換します:
- =VALUE(B2)
これにより、セルC2に「1000」が表示され、数値として計算が可能になります。
他の関数との連携によるデータ整形の効率化
TEXTSPLIT関数は、他の関数と組み合わせることで、さらに高度なデータ整形が可能になります。以下では、いくつかの組み合わせ例をご紹介します。
使用例:姓と名の分割から姓のみ抽出
セルA3に「佐藤 花子」と入力されている場合、姓のみを抽出するには、以下の手順を実行します:
- セルB3に以下の数式を入力し、姓と名を分割します:
- =TEXTSPLIT(A3, ” “)
- セルC3に以下の数式を入力し、分割したデータから姓のみを抽出します:
- =CHOOSECOLS(B3, 1)
これにより、セルC3に「佐藤」が表示されます。
使用例:複数の区切り文字での分割と不要な文字の除去
セルA4に「2025/05/09, 10:00, 会議室A」と入力されている場合、日付と時間を分割し、時間部分から「:」を除去するには、以下の手順を実行します:
- セルB4に以下の数式を入力し、日付と時間を分割します:
- =TEXTSPLIT(A4, “,”)
- セルC4に以下の数式を入力し、時間部分から「:」を除去します:
- =SUBSTITUTE(CHOOSECOLS(B4, 2), “:”, “”)
これにより、セルC4に「1000」が表示され、時間部分から「:」が除去されます。
まとめ
TEXTSPLIT関数は、Excel 365以降で利用できる先進的な文字列分割関数です。基本の使い方から、改行コードや複数の区切り文字を使った実務的な整形方法、さらにCHOOSECOLSやVALUE関数との連携による応用テクニックまで、幅広く対応できます。特に大量データの加工や可読性の高い表作成において非常に効果的です。関数の特徴と使い分けを理解すれば、Excel作業の効率は格段にアップします。